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第3章 虚ろなる人形
第83話 明菜の死
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小坂明菜の首に両手をかけ、込めるー
彼女は今、渡辺真理と同じ運命をたどろうとしていた。
「・・・!!」
明菜が勅使河原の名前を呼ぼうとする。だが、勅使河原の手の力が恐ろしいほどに強く、もはや呼吸さえままならない。
明菜の目が問いかけてくる。
なぜなの?どうして?苦しい・・・真理を殺したのは本当のことなの?
おそらく、喋らせればそう言ったわかり切った言葉しか返ってこないだろう。そんなわかり切った問いかけにわざわざ答える必要もない。
ーさあ、早くお前も、私の作品になりなさい、小坂明菜。その苦しみを、最期まで私に表現してー
苦痛と絶望に見開かれた瞳から、次第に生命の輝きが失われていくー先ほどまで椅子を揺らしていた体の動きも、段々緩慢になっていった。
人がこと切れる瞬間を見るのが、こんなにもたまらなく、そして愛おしいだなんてー
勅使河原は、まるで恋人と一緒にいる時でもあるかのように、頬を紅潮させた。
ーああ、この瞬間だ、私が愛しているのは。この瞬間を経験できるのなら、私はこの先自分の未来を全て失ってしまっても構わないー
熱に浮かされたような勅使河原の瞳が、涙を浮かべた明菜の瞳を覗き込む。その瞳に映し出される自身の顔は歪んでいくー
ーそう、これが本来の私の姿ー
この歪んだ表情こそ、本来の自分の偽らざる姿なのだと、痛感した。
明菜は、真理と同じようにしてこと切れたー絶え間ない苦痛の果てに、体から体液を垂れ流し、虚空を見つめ続けて死を迎えたのだった。
ー美しいー
勅使河原は、もはや生命の抜け殻と化した彼女の体に、頬に触れていく。
自分だけが作り出すことのできる、そして自分だけが納得することのできる、唯一の工芸品ー
その一つに、小坂明菜が加わった瞬間だった。
「はあはあ」
なんとも言えぬ高揚感と達成感が、勅使河原を包み込む。勅使河原は、またしても股間を濡らしていたーあの真理を殺害した時と同じくー
ー気持ちいいー
どんな性行為よりも満たされていくような感覚ー誰にも理解されず、そして誰からも糾弾されるであろう行為に、激しく高ぶる自分。いかに自分が卑しい存在であるかを痛感するが、それでも、もう止めることはできなかった。
このまま、あと何人でも殺してやりたい。そう、自らの身に破滅が訪れるその時まで、この快楽に身を委ねていたい。この芸術を極めることができるというのなら、私の未来などいらない。どのような代価でも支払ってやるー
そして、この時勅使河原が願ったことは、彼女の死後、アルカディア島に招かれることで実現していくのであるー
彼女は今、渡辺真理と同じ運命をたどろうとしていた。
「・・・!!」
明菜が勅使河原の名前を呼ぼうとする。だが、勅使河原の手の力が恐ろしいほどに強く、もはや呼吸さえままならない。
明菜の目が問いかけてくる。
なぜなの?どうして?苦しい・・・真理を殺したのは本当のことなの?
おそらく、喋らせればそう言ったわかり切った言葉しか返ってこないだろう。そんなわかり切った問いかけにわざわざ答える必要もない。
ーさあ、早くお前も、私の作品になりなさい、小坂明菜。その苦しみを、最期まで私に表現してー
苦痛と絶望に見開かれた瞳から、次第に生命の輝きが失われていくー先ほどまで椅子を揺らしていた体の動きも、段々緩慢になっていった。
人がこと切れる瞬間を見るのが、こんなにもたまらなく、そして愛おしいだなんてー
勅使河原は、まるで恋人と一緒にいる時でもあるかのように、頬を紅潮させた。
ーああ、この瞬間だ、私が愛しているのは。この瞬間を経験できるのなら、私はこの先自分の未来を全て失ってしまっても構わないー
熱に浮かされたような勅使河原の瞳が、涙を浮かべた明菜の瞳を覗き込む。その瞳に映し出される自身の顔は歪んでいくー
ーそう、これが本来の私の姿ー
この歪んだ表情こそ、本来の自分の偽らざる姿なのだと、痛感した。
明菜は、真理と同じようにしてこと切れたー絶え間ない苦痛の果てに、体から体液を垂れ流し、虚空を見つめ続けて死を迎えたのだった。
ー美しいー
勅使河原は、もはや生命の抜け殻と化した彼女の体に、頬に触れていく。
自分だけが作り出すことのできる、そして自分だけが納得することのできる、唯一の工芸品ー
その一つに、小坂明菜が加わった瞬間だった。
「はあはあ」
なんとも言えぬ高揚感と達成感が、勅使河原を包み込む。勅使河原は、またしても股間を濡らしていたーあの真理を殺害した時と同じくー
ー気持ちいいー
どんな性行為よりも満たされていくような感覚ー誰にも理解されず、そして誰からも糾弾されるであろう行為に、激しく高ぶる自分。いかに自分が卑しい存在であるかを痛感するが、それでも、もう止めることはできなかった。
このまま、あと何人でも殺してやりたい。そう、自らの身に破滅が訪れるその時まで、この快楽に身を委ねていたい。この芸術を極めることができるというのなら、私の未来などいらない。どのような代価でも支払ってやるー
そして、この時勅使河原が願ったことは、彼女の死後、アルカディア島に招かれることで実現していくのであるー
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