116 / 499
第3章 虚ろなる人形
第115話 氷上の末路
しおりを挟む
一条紗耶香と天内葉月が、校舎の中庭で氷上亜美と相坂光の変わり果てた姿を発見する前日まで時間は遡る。
「さあ、氷上さん・・・あなたの人生最後の門出を祝って、盛大に楽しみましょう」
「・・・!?」
勅使河原の擬体は、まだ解かれてはいない。決着はついたものの、まだ氷上の首を刎ねていないので、勝利者である勅使河原の擬体は維持されたままだった。
「私の鋼線なら、あなたの首を落とすのはたやすいわ・・・でも、簡単に終わっちゃったら面白くはないわね」
勅使河原が、氷上の首に鋼線を巻き付ける。
「ぐっ!!」
首を鋼線に巻かれ、圧迫される氷上。呼吸できなくなるほど締め付けられてはいないが、その気になれば、勅使河原は彼女の首をこの鋼線を最大限まで締め付けることで、切断にまでもっていくことができるのだろう。
そして、それを敢えてまだやらないということは、彼女自身がまだまだ氷上のことを弄ぶつもりであるということの、何よりもの証明でもあった。
「は、早く首を・・・落としなさい。あなたなんかに弄ばれるくらいなら、死を選ぶわ」
「そう死に急ぐものではないわ・・・あなたの命が消える時は、私が決めるのだから」
勅使河原は、そう言い放つなり、今度は氷上の全身を見えない鋼線で縛り上げた。
「・・・んあああ!!」
全身を鋼線により縛り上げられ、そのまま地面に倒れ伏す氷上。もはや、彼女には抵抗する術などなく、ただ地面を這いながら、こちらを冷笑しながら見下ろす勅使河原を睨みつけることくらいしかできなかった。
「いい恰好ね・・・氷上さん。お似合いだし、何よりも、とってもそそられるものがあるわ・・・」
勅使河原が頬を紅潮させ、うっとりとした表情で、芋虫のような格好で地べたに転がる氷上を見やる。
「・・・反吐が出るわね、あなた」
「・・・誉め言葉として受け取っておくわよ、氷上さん」
勅使河原は、地面に転がっている氷上の尻を軽く蹴飛ばした。
「・・・あうぅ!!」
「フフフ・・・ずいぶんと可愛らしい声で鳴くじゃない、氷上さん。これは嬲りがいがありそうね」
勅使河原は生前ーつまりはアルカディア島に来る前に、3人の少女を殺害している。殺された少女たちは、いわゆる不細工ではないものの、かといって美少女というレベルでもなかった。唯一、川澄真由美が3人の中では容姿が整っている方だったかもしれないが、彼女とて人目を惹くほどの美少女ではなかった。
今、彼女が手に入れた氷上亜美というこの少女は、間違いなく美少女の部類だ。尤も、この大会に参加させられている段階で美形なのは間違いないのだが、それを差し引いても、人目を惹く容姿をしているのだけは間違いないだろう。
だからこそ、勅使河原が生前、作り上げることの出来なかった工芸品を、今ここで作り出すことができる。勅使河原は、それを思うだけで身震いがし、さらには下半身が熱くなっていくのを感じていた。
川澄真由美を殺したときみたいに、失禁してしまうかもしれなかった。
「さあ、行きましょうか、亜美。私とあなたの最後の楽園へ」
勅使河原は、拘束されて身動きが取れない氷上の体を抱きかかえると、そのまま公園を後にした。
ーこの公園には、前回の戦いの敗北者の首と胴体が残されただけだったー
「さあ、氷上さん・・・あなたの人生最後の門出を祝って、盛大に楽しみましょう」
「・・・!?」
勅使河原の擬体は、まだ解かれてはいない。決着はついたものの、まだ氷上の首を刎ねていないので、勝利者である勅使河原の擬体は維持されたままだった。
「私の鋼線なら、あなたの首を落とすのはたやすいわ・・・でも、簡単に終わっちゃったら面白くはないわね」
勅使河原が、氷上の首に鋼線を巻き付ける。
「ぐっ!!」
首を鋼線に巻かれ、圧迫される氷上。呼吸できなくなるほど締め付けられてはいないが、その気になれば、勅使河原は彼女の首をこの鋼線を最大限まで締め付けることで、切断にまでもっていくことができるのだろう。
そして、それを敢えてまだやらないということは、彼女自身がまだまだ氷上のことを弄ぶつもりであるということの、何よりもの証明でもあった。
「は、早く首を・・・落としなさい。あなたなんかに弄ばれるくらいなら、死を選ぶわ」
「そう死に急ぐものではないわ・・・あなたの命が消える時は、私が決めるのだから」
勅使河原は、そう言い放つなり、今度は氷上の全身を見えない鋼線で縛り上げた。
「・・・んあああ!!」
全身を鋼線により縛り上げられ、そのまま地面に倒れ伏す氷上。もはや、彼女には抵抗する術などなく、ただ地面を這いながら、こちらを冷笑しながら見下ろす勅使河原を睨みつけることくらいしかできなかった。
「いい恰好ね・・・氷上さん。お似合いだし、何よりも、とってもそそられるものがあるわ・・・」
勅使河原が頬を紅潮させ、うっとりとした表情で、芋虫のような格好で地べたに転がる氷上を見やる。
「・・・反吐が出るわね、あなた」
「・・・誉め言葉として受け取っておくわよ、氷上さん」
勅使河原は、地面に転がっている氷上の尻を軽く蹴飛ばした。
「・・・あうぅ!!」
「フフフ・・・ずいぶんと可愛らしい声で鳴くじゃない、氷上さん。これは嬲りがいがありそうね」
勅使河原は生前ーつまりはアルカディア島に来る前に、3人の少女を殺害している。殺された少女たちは、いわゆる不細工ではないものの、かといって美少女というレベルでもなかった。唯一、川澄真由美が3人の中では容姿が整っている方だったかもしれないが、彼女とて人目を惹くほどの美少女ではなかった。
今、彼女が手に入れた氷上亜美というこの少女は、間違いなく美少女の部類だ。尤も、この大会に参加させられている段階で美形なのは間違いないのだが、それを差し引いても、人目を惹く容姿をしているのだけは間違いないだろう。
だからこそ、勅使河原が生前、作り上げることの出来なかった工芸品を、今ここで作り出すことができる。勅使河原は、それを思うだけで身震いがし、さらには下半身が熱くなっていくのを感じていた。
川澄真由美を殺したときみたいに、失禁してしまうかもしれなかった。
「さあ、行きましょうか、亜美。私とあなたの最後の楽園へ」
勅使河原は、拘束されて身動きが取れない氷上の体を抱きかかえると、そのまま公園を後にした。
ーこの公園には、前回の戦いの敗北者の首と胴体が残されただけだったー
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる