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第4章 更なる戦い
第192話 紫苑の覚悟
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「決着が着いたようだね・・・」
優華が目を細める。その口元は広げられた鉄扇により隠されているが、彼女が笑みを浮かべていることは容易に察しがついた。
優華の言葉と重なる形で、ジャッジが判定を下した。
「朝比奈紫苑、擬体破損率100%」
力なく、その場にへたり込む紫苑。そんな彼女を眉を顰めて見下ろす静。
「まあ、勝つのは静姉さんの方だとは思ってたけど」
戦いに勝利したのは、風間静ー予測できたこととは言え、実際に静が勝ったのを確認して、少し安堵するヒナだった。
「それでもあの子はよく戦った方だよ、あのお静相手に。お静はああ見えて結構強いからな」
実際、静の力量はなかなかのものだ。その静を相手に、ここまで粘ったのだ。あの朝比奈紫苑という娘もなかなかの負けず嫌いと根性の持ち主と言えるだろう。
「できれば・・・殺したくはありませんが」
静が、敗北してうなだれている紫苑の近くに歩み寄る。その手にはシックルが収まっていた。
「あなたは本当によく頑張りました。こういう場でなかったなら、もっとお付き合いしたかったのですが・・・」
紫苑はゆっくりと面を上げた。その顔にはどこか寂し気な笑顔が浮かんでいた。
「私も、静さんともっと仲良くなりたかったです」
寂しげな笑顔には、一方でこれから死に行く者としての覚悟も浮かび上がっているようにも見えた。潔く、自らの敗北を受け入れ、そしてその首を捧げる覚悟ー
「私は、全力を出し尽くしました。もう、後悔はありません。何より、最後の相手があなたでよかったと思っております」
紫苑が、髪をかき分けうなじ付近を見せる。その仕草がなんとも煽情的なものに見えた。
「あなたが、この生き地獄から私を解放してくれるのなら、私はむしろあなたに感謝したいくらいです・・・さあ、介錯を」
「・・・わかりました」
紫苑の覚悟を受け入れ、シックルを構え直す静。優香とヒナが静かに見守る中、シックルの刃が振り下ろされた。
道路に転がった紫苑の生首ーその表情は、最後まで穏やかなものだった。
「こうしてみてみると、生首に意識があるのは、本当に一瞬なんじゃないかと思うよ」
静が、紫苑の首を高らかに掲げて、ジャッジが勝利宣言をした後ー紫苑の首を晒す場所を探しながら、優香は静が抱えている彼女の首を見ながら言った。
「ほぼ、即死ってやつかな?」
ヒナも、紫苑の表情を見ながら言う。
瞳は閉じられていないが、その表情はどこか安らかに見えた。首を刎ねられた瞬間の苦痛を感じさせるようなものもない。ほぼ一瞬の意識の途絶だったのではないかと思えてくる。
全力を出して戦い、そして自らの死を納得して受け入れた彼女には、本当に後悔等なかったのかもしれなかった。
「私らの仲間に加えてやってもよかったかもな・・・」
もちろん、今仲間に加えたとしても、最後には自分以外の全員と戦うことになるのだが、それでも一時的にでも共闘することができたなら、と思ってしまう優香。
「私もそう思います」
紫苑の首を刎ねた静自身も、正直に言えば彼女と戦っているうちに、次第に殺したくはないと思うようになっていたーが、やはり戦ってしまった以上は、もう止めることもできず、せめて自らの手で引導を渡してやることくらいしかできなかった。
結果:風間静 〇 ー × 朝比奈紫苑
優華が目を細める。その口元は広げられた鉄扇により隠されているが、彼女が笑みを浮かべていることは容易に察しがついた。
優華の言葉と重なる形で、ジャッジが判定を下した。
「朝比奈紫苑、擬体破損率100%」
力なく、その場にへたり込む紫苑。そんな彼女を眉を顰めて見下ろす静。
「まあ、勝つのは静姉さんの方だとは思ってたけど」
戦いに勝利したのは、風間静ー予測できたこととは言え、実際に静が勝ったのを確認して、少し安堵するヒナだった。
「それでもあの子はよく戦った方だよ、あのお静相手に。お静はああ見えて結構強いからな」
実際、静の力量はなかなかのものだ。その静を相手に、ここまで粘ったのだ。あの朝比奈紫苑という娘もなかなかの負けず嫌いと根性の持ち主と言えるだろう。
「できれば・・・殺したくはありませんが」
静が、敗北してうなだれている紫苑の近くに歩み寄る。その手にはシックルが収まっていた。
「あなたは本当によく頑張りました。こういう場でなかったなら、もっとお付き合いしたかったのですが・・・」
紫苑はゆっくりと面を上げた。その顔にはどこか寂し気な笑顔が浮かんでいた。
「私も、静さんともっと仲良くなりたかったです」
寂しげな笑顔には、一方でこれから死に行く者としての覚悟も浮かび上がっているようにも見えた。潔く、自らの敗北を受け入れ、そしてその首を捧げる覚悟ー
「私は、全力を出し尽くしました。もう、後悔はありません。何より、最後の相手があなたでよかったと思っております」
紫苑が、髪をかき分けうなじ付近を見せる。その仕草がなんとも煽情的なものに見えた。
「あなたが、この生き地獄から私を解放してくれるのなら、私はむしろあなたに感謝したいくらいです・・・さあ、介錯を」
「・・・わかりました」
紫苑の覚悟を受け入れ、シックルを構え直す静。優香とヒナが静かに見守る中、シックルの刃が振り下ろされた。
道路に転がった紫苑の生首ーその表情は、最後まで穏やかなものだった。
「こうしてみてみると、生首に意識があるのは、本当に一瞬なんじゃないかと思うよ」
静が、紫苑の首を高らかに掲げて、ジャッジが勝利宣言をした後ー紫苑の首を晒す場所を探しながら、優香は静が抱えている彼女の首を見ながら言った。
「ほぼ、即死ってやつかな?」
ヒナも、紫苑の表情を見ながら言う。
瞳は閉じられていないが、その表情はどこか安らかに見えた。首を刎ねられた瞬間の苦痛を感じさせるようなものもない。ほぼ一瞬の意識の途絶だったのではないかと思えてくる。
全力を出して戦い、そして自らの死を納得して受け入れた彼女には、本当に後悔等なかったのかもしれなかった。
「私らの仲間に加えてやってもよかったかもな・・・」
もちろん、今仲間に加えたとしても、最後には自分以外の全員と戦うことになるのだが、それでも一時的にでも共闘することができたなら、と思ってしまう優香。
「私もそう思います」
紫苑の首を刎ねた静自身も、正直に言えば彼女と戦っているうちに、次第に殺したくはないと思うようになっていたーが、やはり戦ってしまった以上は、もう止めることもできず、せめて自らの手で引導を渡してやることくらいしかできなかった。
結果:風間静 〇 ー × 朝比奈紫苑
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