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第4章 更なる戦い
第289話 彩木穂乃果20
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「くうぅぅぅぅ・・・」
駅の構内ーアーケード上のショッピングモール内に立ち込める臭気と少女の嗚咽ー
四つん這いのまま、泣き崩れて顔を上げることさえままならない穂乃果を冷然として見下ろす眼鏡の少女。その口元は、サディスティックに歪められている。
「さあ、立ちなさい。立って、武器を取るのよ」
眼鏡の少女が、片手剣の切っ先を穂乃果の顎へとあてがう。そのまま、穂乃果を上向かせた。
屈辱と羞恥のあまり、滂沱の涙を流している穂乃果を満足げに見下ろす眼鏡の少女ー既に、彼女は自らの勝利を確信していた。
それと同時にー
ーあっさりと倒してしまったら、それはそれで面白くはないわねー
眼鏡の少女の中に巣食う悪いムシが蠢き出す。
ー少しずつ、擬体を削って、嬲っていきましょうかー
この大会での戦いは、参加者たちにとっては見せ場でもある。ただ一方的に終わらせるだけでは味気ない。また、大会運営側の監視の目もある。この大会での戦い方に明確なルールがあるわけではないが、それでもあまりにもあっけなく戦いを終わらせると、運営側の印象も悪くなるのは確かだ。
別に、運営側のご機嫌を取るつもりではないが、後々のことを考えても好印象というポイントは稼いでおいた方がいいだろう。
勝つのは楽だ。しかし、遊び心も欲しい。
「さあ、立ちなさい」
穂乃果は泣きながら、眼鏡の少女を睨みつけている。さすがにここまでのことをされて、恨まれていないわけがなかった。
そして、こういう相手を叩きのめす時がなんとも言えず快感なのだ。
「あなた・・・このまま負けてもいいの?」
いまだ睨みつけるだけで、擬体から武器を作ろうともしない穂乃果に対し、眼鏡の少女が声音を低くして問い詰める。
さらに、挑発を続けていく。
「私は・・・あなたをさんざん侮辱したー傷つけたのよ。悔しいとは思わないの?」
穂乃果の首筋に片手剣の切っ先を滑らせる。このまま、その白くて細い、繊細で美しい喉を突けば、穂乃果の擬体破損率は100%ーつまり、戦い自体は終わるだろう。
だが、それでは全く面白くはない。全力で向かってきた相手を下したときにこそ喜びというあるのだ。武器もとらぬような相手を一方的に殺すだけでは何の満足感も得られない。この戦いの様子を見ている者達も満足しないだろう。
「・・・馬鹿に、しないで・・・!!」
怒りに声を震わせながら、穂乃果が答える。相変わらず、涙は流れたままだったが、理不尽に抗おうという意志は十分に感じられるものだった。
「悔しいのなら、戦いなさいな」
穂乃果の瞳に赫怒の炎が宿ったのを見て取り、眼鏡の少女はほくそ笑んだ。
そうだ、それでいい。それでこそ、倒しがいがあるというものだー
「さあ、あなたの武器を見せて頂戴。勝負はそれからよ」
戦いはもう間もなく始まろうとしていた。
駅の構内ーアーケード上のショッピングモール内に立ち込める臭気と少女の嗚咽ー
四つん這いのまま、泣き崩れて顔を上げることさえままならない穂乃果を冷然として見下ろす眼鏡の少女。その口元は、サディスティックに歪められている。
「さあ、立ちなさい。立って、武器を取るのよ」
眼鏡の少女が、片手剣の切っ先を穂乃果の顎へとあてがう。そのまま、穂乃果を上向かせた。
屈辱と羞恥のあまり、滂沱の涙を流している穂乃果を満足げに見下ろす眼鏡の少女ー既に、彼女は自らの勝利を確信していた。
それと同時にー
ーあっさりと倒してしまったら、それはそれで面白くはないわねー
眼鏡の少女の中に巣食う悪いムシが蠢き出す。
ー少しずつ、擬体を削って、嬲っていきましょうかー
この大会での戦いは、参加者たちにとっては見せ場でもある。ただ一方的に終わらせるだけでは味気ない。また、大会運営側の監視の目もある。この大会での戦い方に明確なルールがあるわけではないが、それでもあまりにもあっけなく戦いを終わらせると、運営側の印象も悪くなるのは確かだ。
別に、運営側のご機嫌を取るつもりではないが、後々のことを考えても好印象というポイントは稼いでおいた方がいいだろう。
勝つのは楽だ。しかし、遊び心も欲しい。
「さあ、立ちなさい」
穂乃果は泣きながら、眼鏡の少女を睨みつけている。さすがにここまでのことをされて、恨まれていないわけがなかった。
そして、こういう相手を叩きのめす時がなんとも言えず快感なのだ。
「あなた・・・このまま負けてもいいの?」
いまだ睨みつけるだけで、擬体から武器を作ろうともしない穂乃果に対し、眼鏡の少女が声音を低くして問い詰める。
さらに、挑発を続けていく。
「私は・・・あなたをさんざん侮辱したー傷つけたのよ。悔しいとは思わないの?」
穂乃果の首筋に片手剣の切っ先を滑らせる。このまま、その白くて細い、繊細で美しい喉を突けば、穂乃果の擬体破損率は100%ーつまり、戦い自体は終わるだろう。
だが、それでは全く面白くはない。全力で向かってきた相手を下したときにこそ喜びというあるのだ。武器もとらぬような相手を一方的に殺すだけでは何の満足感も得られない。この戦いの様子を見ている者達も満足しないだろう。
「・・・馬鹿に、しないで・・・!!」
怒りに声を震わせながら、穂乃果が答える。相変わらず、涙は流れたままだったが、理不尽に抗おうという意志は十分に感じられるものだった。
「悔しいのなら、戦いなさいな」
穂乃果の瞳に赫怒の炎が宿ったのを見て取り、眼鏡の少女はほくそ笑んだ。
そうだ、それでいい。それでこそ、倒しがいがあるというものだー
「さあ、あなたの武器を見せて頂戴。勝負はそれからよ」
戦いはもう間もなく始まろうとしていた。
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