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第4章 更なる戦い
第354話 小川明子34
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優里がトイレの中で妄想に耽っている頃ー
「とりあえず、外に出ようか・・・」
今度は小川明子が210室から出てきた。
ほぼ眠れなかったこともあり、気分は最悪ー本当ならあまり出歩きたくないところだが、せめて食糧くらいは調達しないといけない。
「早めに街を離れた方がいいかな・・・」
まだ藤原優里は、この辺りをうろついているに違いない。
明子自身は知る由もなかったが、彼女は同じ階の202室に部屋を取っている。今まで彼女に見つからなかったのが奇跡と言っても過言ではなかった。
「食事は近くのコンビニで・・・って、お金は必要ないんだっけ」
何をするにもお金がいる社会からここに連れられてきた明子にとって、逆にお金を払わなくてもいいと言われても、なかなかに抵抗感があった。
「早くなれないとな・・・いや、なれるのもそれはそれで問題なような・・・」
210室から外に出る。ふと、何やら上の方が騒がしいことに気が付いた。
「・・・誰か、いるのか?」
明子に緊張が走る。昨日追い掛け回されたばかりのこともあって、他の参加者が近くにいるというだけで、自然と体が強張る明子だった。
「・・・3階に何人かいるようだな」
声は複数名聞こえてくる。いずれも口調はギャル的な砕けたものばかりだった。
そして、少ししてからエレベータが降下してくる。どうやら3階の住人達は、エレベータで下に降りたようだ。
「・・・昨日、このホテルの中をほとんど確認してなかったから気が付かなかったけど・・・もしかして、このホテル、先客がいた?」
どうやらそう言うことらしい。
明子は、階段を下りて1階と2階の踊り場から、エレベータホールの方の様子を窺った。
そして、彼女はそこに、自らの運命の人の姿を見つけたのだった。
「・・・あれは!?」
エレベータから降りてきたのは、4人ーうち、3人はまるで刑務所の看守のような恰好をしていたーやけにスカート丈だけは短かったようだが。
問題は、残りの1人ーあの毛先が反り返るようなウェーブがかかった赤毛の少女のことを、忘れるはずもなかった。
「あれは・・・穂乃果・・・!?」
思わず大声で彼女に呼び掛けそうになって、そこで自制する。
「今、穂乃果は一体どういう状況なんだ・・・?」
想い人の彩木穂乃果は、3人の看守たちの後ろにいた。位置関係を見れば、まるで看守たちが穂乃果を護衛しているようにも見えるが、もしかしたら、実際は彼女たちに拘束されているのかもしれなかった。
「くっ・・・」
本当なら、今すぐ穂乃果のもとに駆け寄りたいところだが、あの3人の看守姿の参加者たちがどういうつもりで穂乃果と行動を共にしているのか、よくわからない。少なくとも、穂乃果自身はイヤイヤながら彼女たちに付き従っているというわけでもなさそうではあるが・・・。
ー穂乃果・・・ー
せっかく見つけたのに、迂闊に近づくことさえできないなんてー
明子は歯噛みしながら、4人を見据えていた。
「とりあえず、外に出ようか・・・」
今度は小川明子が210室から出てきた。
ほぼ眠れなかったこともあり、気分は最悪ー本当ならあまり出歩きたくないところだが、せめて食糧くらいは調達しないといけない。
「早めに街を離れた方がいいかな・・・」
まだ藤原優里は、この辺りをうろついているに違いない。
明子自身は知る由もなかったが、彼女は同じ階の202室に部屋を取っている。今まで彼女に見つからなかったのが奇跡と言っても過言ではなかった。
「食事は近くのコンビニで・・・って、お金は必要ないんだっけ」
何をするにもお金がいる社会からここに連れられてきた明子にとって、逆にお金を払わなくてもいいと言われても、なかなかに抵抗感があった。
「早くなれないとな・・・いや、なれるのもそれはそれで問題なような・・・」
210室から外に出る。ふと、何やら上の方が騒がしいことに気が付いた。
「・・・誰か、いるのか?」
明子に緊張が走る。昨日追い掛け回されたばかりのこともあって、他の参加者が近くにいるというだけで、自然と体が強張る明子だった。
「・・・3階に何人かいるようだな」
声は複数名聞こえてくる。いずれも口調はギャル的な砕けたものばかりだった。
そして、少ししてからエレベータが降下してくる。どうやら3階の住人達は、エレベータで下に降りたようだ。
「・・・昨日、このホテルの中をほとんど確認してなかったから気が付かなかったけど・・・もしかして、このホテル、先客がいた?」
どうやらそう言うことらしい。
明子は、階段を下りて1階と2階の踊り場から、エレベータホールの方の様子を窺った。
そして、彼女はそこに、自らの運命の人の姿を見つけたのだった。
「・・・あれは!?」
エレベータから降りてきたのは、4人ーうち、3人はまるで刑務所の看守のような恰好をしていたーやけにスカート丈だけは短かったようだが。
問題は、残りの1人ーあの毛先が反り返るようなウェーブがかかった赤毛の少女のことを、忘れるはずもなかった。
「あれは・・・穂乃果・・・!?」
思わず大声で彼女に呼び掛けそうになって、そこで自制する。
「今、穂乃果は一体どういう状況なんだ・・・?」
想い人の彩木穂乃果は、3人の看守たちの後ろにいた。位置関係を見れば、まるで看守たちが穂乃果を護衛しているようにも見えるが、もしかしたら、実際は彼女たちに拘束されているのかもしれなかった。
「くっ・・・」
本当なら、今すぐ穂乃果のもとに駆け寄りたいところだが、あの3人の看守姿の参加者たちがどういうつもりで穂乃果と行動を共にしているのか、よくわからない。少なくとも、穂乃果自身はイヤイヤながら彼女たちに付き従っているというわけでもなさそうではあるが・・・。
ー穂乃果・・・ー
せっかく見つけたのに、迂闊に近づくことさえできないなんてー
明子は歯噛みしながら、4人を見据えていた。
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