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呪われた子 6
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夕刻を過ぎると、村のいたるところで炊煙があがる。村人たちがあわただしく動き回り村の広場に集まった男たちに、酒やパン、野菜のスープなどが渡される。
セヴルの元へ来る頃にはスープは無くなり、小指の先ほどのチーズの欠片と、大人の拳ほどの大きさの味のない堅パンが一個渡されて終わる。
「俺は育ち盛りなんです。もっと栄養のあるものを腹いっぱい食わせてください」
そう叫んでみたところで状況が変わることがないことを、セヴルは知っている。むしろ事態は悪化するだろう。
「貰えるだけありがたいと思いな!」
下手をすれば堅パンすらも奪われかねない。
セヴルは小猿のように食べ物を抱えて、村の広場を横切る。
「おい、セヴル! こっちに来いよ」
テントの男たちが声をかけてくる。焚き火を囲んで騒いでいる。セヴルは顔を向けるがすぐに歩き始める。
「来たら肉やるからよ」
額の狭い男が赤い顔をして、大きな笑い声を上げる。
そのまま通り過ぎても良かった。だが、男たちの話を適当に聞いているだけで手に入る干し肉の魅力は大きかった。
「酔っ払いが……」
セヴルは、急いでチーズを口の中に放り込んだ。急いでそれを噛んで飲み込む。堅パンは懐深くにねじ込んで、それから焚き火に向かって歩いていく。
「何?」
鼻の穴の大きな男がセヴルの左腕をつかむ。すでに大分酒が入っているようだった。そのまま腕を引っ張られて男たちの中に引き込まれる。
「仲間だろ? そうツンケンするなよ」
「お前、この村の出身だろ? 女連れてきてくれよ」
頭の薄い男が手を振って注意を向けさせる。セヴルはため息をつく。男たちの間を割って居場所を確保する。
「さっきのおばさんでよければ、連れてきてやるぜ」
「うぇー」
男たちの悲しく低いうめき声のような落胆が周囲を包み込む。
「若い女なんてここにはいないよ」
セヴルが左手を差し出すと、酔っ払いの一人がカチカチの干し肉を切ってその中に落とす。自分の親指ほどの塊をすぐに口の中に入れる。
「その腕、治らねえのか?」
「……ああ」
「俺、知ってるぜ」
セヴルは、ぎくりとした。干し肉の塊を飲み込みかけて焦る。咳き込んだ振りをしてそれを吐き出して懐に隠す。
滅多に食えないものはこっそり取っておく。あとで少しずつ食べるために。
「骨が折れてるんだろう? 長い間放置してると動かなくなっちまうんだよな」
「あ、うん」
セヴルは左腕で口をぬぐう。その誰かが背中を叩いた。
「あきらめるのはまだ早いかも知れねぇぞ」
「え?」
振り返ったが、話はすぐに別の話題に切り替わった。前歯のない男が焚き火で干し肉をあぶる。
「蟲なんていなければ、もっと豊かに暮らすことが出来るのにな」
「そうしたら、俺たちもましな生き方が出来るな。草原に畑でも作ってよ。嫁でも貰って小さな家を建てるかな」
額の狭い男が杯をあける。浅黒い男がそこに酒を注ぎながら肩を叩く。
「お前には無理だ」
額の狭い男がすぐに酒を口につける。
「今のままじゃ豊かなんて夢のまた夢だからな」
頭の薄い男が焚き火に枯れ枝を投げ入れる。火の粉が散り前歯のない男が非難のまなざしを向ける。額の狭い男が杯を下ろす。
「なんでだ?」
「森を切りすぎると蟲が湧く。だから、大きな村は作れないのさ」
相変わらずにやついている男が火の奥の森を見つめる。頭の薄い男がそれに続く。
「そうそう、うわさじゃ草原が広がってきてるって話じゃねえか」
「まぁ、草原の大地だから、当たり前じゃねえの?」
「馬鹿」
頭の薄い男にあぶった干し肉をかじった前歯のない男は叱られる。前歯のない男は非難がましく頭の薄い男をにらんだ。
「蟲が人を襲うなんて、俺が子どもの頃には聞かなかったぜ?」
「そういやそうだな。蟲は草だけしか食わないって言われてたよな」
額の狭い男が前歯のない男を擁護する。それに気をよくして前歯のない男が調子に乗った。
「草ばかり食って飽きたんじゃねえのか?」
笑い合う額の狭い男と前歯のない男。浅黒い男が、ぼそりと呟いた。
「それで最近は生肉も飽きたか?」
黙り込む男たち。火が揺らめくのをじっと見つめている。
「なあ」
前歯のない男が懲りずに話し始めた。にやついている男は興味のないような感じで返事をする。
「あん?」
「この世界は四角い箱の中だろ?」
「それがどうした?」
頭の薄い男が焚き火をいじる。前歯のない男は疑問をぶつけてきた。
「箱の中にあるんだったら、底が草原の国だよな?」
「なんで?」
セヴルが思わず反応した。それが嬉しかったのか、前歯のない男は得意げに話す。
「だって、横にしたら落ちるだろうが」
前歯のない男は手を横にして、縦に返す。それを見て額の狭い男がうなずく。
「はぁ? あー、落ちるな」
「だろ?」
もっともだとうなずき合う男たち。にやついている男が神妙な顔つきになりかけたが、にやけ顔は変わらなかった。
「待て待て、そうしたら上にあるって言う水の大地はどうなるんだよ。いつまでたっても落ちてこないじゃねえか?」
それについても男たちはうなずき合う。
「そう言われてみりゃあ」
「なんでなんだ?」
「雨が降るじゃねえか。それで全部だろ?」
「あははは、そうだ。それに違いねえ」
「俺、知ってるぜ」
頭の薄い男が顔を叩いて注目を集める。
「何?」
視線が集中したのを確認して、頭の薄い男はゆっくりと立ち上がる。
「それこそ神がいる理由だ」
「はぁ?」
男たちの目が点になる中、額の狭い男が頭の薄い男に飛び掛る。
「訳のわからねえこと言ってるとぶっ飛ばすぞ、この野郎!」
「本当だって。町で聞いたんだから」
焚き火の周りを追いかけあう二人。残された男たちは、すぐに話題を変える。前歯のない男の疑問は尽きない。
「そういや、何で町は蟲に襲われないんだ?」
「町? あぁ、何でだろうな」
浅黒い男が腕を組んで考え始める。導き出した答えを声にする。
「偉い聖導師様がいるからじゃないのか?」
「聖導師がいたら蟲に襲われないのか?」
前歯のない男が首をひねる。浅黒い男は、自信を持って答える。
「聖導師様は奇跡を起こせるって話だ」
前歯のない男は納得しない。セヴルにも良くわからない論理だった。
「奇跡と蟲がどう繋がるんだよ」
「蟲が死霊の類なら、坊さんと縁があっても頷けるな」
にやついている男が腕を頭に乗せる。
「奇跡か……」
「どうせなら酒を降らせてくれないかなぁ」
前歯のない男のため息を、走り飽きた額の狭い男が拾う。
「金の方がよくねえか?」
「馬鹿、金なんか降らせたら、貧乏人がいなくなるじゃねえか」
「それはそれでいいじゃねえか」
「馬鹿。金持ちは、貧乏人がいてこその金持ちなんだよ。金持ちばっかりじゃ、結局自分で色々やることになるだろうが」
「あ、そっか」
「俺はこの呪われた人生に奇跡が欲しいぜ」
「頭を使え」
「こいつは頭が壊れてるから無理だぜぇ」
大爆笑する男たちの下に額の狭い男が頭を押さえながら焚き火の前に戻ってくる。
「あー、気持ち悪りぃ。奇跡って、なにすんだ?」
浅黒い男が額の狭い男に酒を勧める。額の狭い男も断らずに再び飲み始める。
「病気とか怪我を治したり出来るのさ」
「もっともお布施次第だろうけどな」
頭の薄い男がいつの間にか地面に転がっている。
「お前の右手も治るかも知れねえぞ」
浅黒い男の肩が、セヴルの肩を押す。
「え」
「切り傷なら、位の低い奴でも治せるはずだから、骨折だとしても大した金額じゃないんじゃねえか?」
「そっか……。奇跡か」
セヴルは何かを思い立ったように立ち上がる。男たちが顔を上げる。
「あん? もう行くのか?」
セヴルは前歯のない男に笑いかける。
「ああ、ちょっとレハに用事があってね」
「あんまりケンカすんじゃねえぞ」
「余計なお世話だよ」
セヴルの頭の中に一つの可能性が浮かんだ。男たちから逃げ出すように走り出す。左手で右手を触ると、小さな声で呟いた。
「奇跡ならこの呪いも解けるはずさ。この手は呪われている。呪いだから斬ろうとしても、焼いても折っても治ることはなかったんだ。そうだ。そうだったんだ。そうに決まってる」
呪いを解くためにはレハとの協力が必要だった。気が進まないが、レハと一緒にこの村を出る。そして、町で聖導師に会う。レハに分け前を要求し、その金で呪いを解く。そうすれば、右手を気にすることなく生きて行ける。自分の道が初めて開けるのだ。
しかし、村の中を歩き回るが、レハの姿は見えなかった。
「家か?」
村の奥の方にあるレハの家には、明かりがついていなかった。左の拳でドアを叩く。中からは何の反応もない。
「……もう行っちまったのかな?」
ドアに手をかけるが、扉には鍵がかかっていた。村を出て行くなら、普通は鍵は開けていくはずだ。
「マムル様に鍵を返したのかもしれないな。聞いてみるか。今ならまだ追いつくかもしれないし……」
セヴルは、家畜小屋に戻ると、隅に置かれた皮袋の中に懐から出した堅パンと干し肉を押し入れる。それからすぐに向かいの家に走っていく。
ドアを叩くと、すぐにマムルが上半身裸で現れた。体の汗を拭きながら、セヴルの視界をふさぐように立ってくる。
「なんだ?」
「あ、すみません。レハなんですけど……」
マムルがすぐさま答える。
「一足遅かったな。あいつは隊を抜けた。そう言えば、町に行くって言っていたな」
マムルは、いつになく早口だった。
「マムル様」
「何だ?」
「(俺も隊を抜ける)」
セヴルは次の言葉が出せなかった。
「何だ?」
マムルの声に苛立ちが入るのがわかった。
「俺たちも明日、町に行くからな。皆に早く寝るように伝えろ。起きてる奴がいたら、棒打ちの刑にするからと伝えておけ」
「町に? 俺も行ける? 行けますか?」
必死な顔のセヴルにマムルが笑いかける。どこか空々しい笑顔だった。
「当たり前だろう。そうだ、その腕を医者か聖導師に見てもらおう。治ったら、お前をレハの代わりにあの家に住まわせてやる」
セヴルは顔を上げた。マムルが小さく何度もうなずいている。
そうだ。レハを追うのはやめよう。セヴルの心にそんな考えが浮かぶ。
レハが本当に分け前をくれるなんてことはないだろう。付いてきた俺を見て腹を抱えて笑うに違いない。マムル様は、こんなにも優しいじゃないか。俺はどうかしてたんだ。
「ほ、本当ですか?」
見上げるとマムルの顔は逆光で見えなかったが、声はしっかりと聞こえた。
「当然だ。寝坊するな」
「はい」
セヴルは、足取り軽く村中を駆け回った。
小隊の連中は、町に行くことよりも棒打ちを恐れたに違いない。あっという間に火は落とされ、村には静けさが訪れた。
夜。
空に浮かぶ太陽はすでに反転し、淡い藍色の空が広がっていた。昔から夜空に広がる小さな星は、大気が固まった大粒の氷だと言う。何故、それは落ちてこないのか。
町にいる人間ならその理由を知っているかもしれない。だが、遊びに行くわけではない。聖導師に呪いを解いてもらう。そうだ、レハを見つけて分け前を要求するというのもいいかもしれない。
くれるだろうか。
レハのことだから、くれないだろう。
くれなかったらお前の家を俺が使うんだと言ってやろう。
「俺についてこないか? 町で家を買ってそこを拠点に世界を旅しようぜ」
レハはそう言った。大金を手に入れるから気が大きくなってただけだ。
いや、レハはいつもと何か違っていた。今のレハなら、くれるかもしれない。いや、くれなくてもいいんだ。マムル様が治してくれるんだ。
もう寝よう。全ては明日だ。明日になれば、俺も……。
セヴルは、朝が待ち遠しく眠れなかった。
「(なんだ?)」
村の中を歩く気配に目を開く。静かに起き上がり家畜小屋から外を除き見ると、何か大きなものを背負った人間が村の外に出て行くのを目撃する。
牛が目を開いた。口に指を当てて静かにするように合図する。牛は興味なさげに目を閉じた。
セヴルは人影が向かった方へ歩いていく。すぐに村の出入り口が見える。出入り口には鍵はかかっていなかった。おそらくは今さっき開けられたのだろう。人影は外に出たようだ。かすかにきしむ木の門を恐々開くと、外に出た。少し先に人影が見える。
なおも後をつけると、人影は道を外れ森の中に入っていく。
セヴルは人影から距離をとるように森の中を回り込んだ。
人影は、穴を掘り始めた。傍らに大きなものが置いてある。暗いせいでそれが何であるのかはわからなかった。穴は大きなものを埋めるために掘っているようだった。
「(誰だ? これは何かあるな。旦那様に知らせよう)」
セヴルは音を立てないようにその場を離れ村へ急いで帰る。
マムルの家にやってくると、ドアに手をかけた。叩こうとするとマムルの家には鍵がかかっておらず、ドアは何の抵抗もなく開いてしまった。
おかしい。マムルがいれば鍵はかかっているはずだった。閉じるのを忘れて眠っているのだろうか。
暗がりから言い知れない恐怖が染み出してくる。静か過ぎる。
「……マムル様。セヴルです。入りますよ」
恐る恐る進んでいくと、敷物を踏む。感触に驚いて飛びのくと、足が何かに引っかかりセヴルは床の上に転がった。左手が湿った床を触れる。思わず臭いを嗅いでみれば鉄の臭いがする。驚いて下がると背中に机が当たり、上に乗っていた物が落ちそうになる。あわててそれを押さえる。
セヴルは薄暗い闇の中でも鈍く輝くそれが、魔晶石であることに気がついた。見たことがある大きさと輝きだった
「レハの……」
全身が震えだす。魔晶石を机の上に置くと、セヴルはその場を逃げ出した。
家畜小屋に戻ると、身を縮めるようにして外を見守った。
「まさか、さっきの人影は……」
震える足を叩いて家畜小屋を出る。言い知れない不安が胸の奥からあふれ出てくる。確かめろと心臓を打ち鳴らす。
村の出口から道にかけて、人影がないことを確認して、セヴルは再び村を出て森に向かう。森の中に隠れて人影が通り過ぎるのを待つ。
程なくして戻ってくる人影。音もたてずに村の中に消えていく。
セヴルは森から出ると、怪しい人影が掘っていた穴に向かっていく。穴はすでに埋められ、小さな山が出来ていた。
その山に手が触れる前に、村の方から叫ぶ声が聞こえた。
「セヴルが逃げたぞ!」
マムルの声だった。セヴルは、村に引き返そうと身を翻した。
「逃げてなんかない」
その次の言葉が、セヴルの体の自由を奪った。
「セヴルがレハを殺して逃げたぞ! 全員起きろ! 探すんだ!」
「レハを殺した? 俺が?」
後ろの小山を見る。左手を見る。暗く良く見えない。
「ちがう」
村に向かって歩こうとしたセヴルの足がもつれる。森の木々の根がセヴルの足を捕まえようとしているように感じられた。
「さっきの人影はマムル様?」
セヴルは、咄嗟に右手の包帯を外す。包帯は胸倉に押し込める。そして側にある木を登りそこに身を隠す。
そこにマムルたちが明かりを持ってやって来る。
「あそこに何かあるぞ!」
マムルが真っ先に声を上げて男たちを案内してくる。
「何だ、この山?」
「まさかとは思うが、掘って見ろ」
男たちは山の土をどかし始める。何かが明かりに照らされる。
「何か出てきたぞ」
土の中から最初に現れたのは人間の手だった。
「ああ、ちくしょう。まじか」
「掘れ、どんどん掘れ」
「レハだ!」
土の中から青白い肌をした人の顔が照らし出された。顔の泥がぬぐわれると、それは紛れもなくレハだった。その喉が右側に向かって大きく切り裂かれていた。
セヴルは速まる心臓の鼓動を左手で押さえ込んでいる。
「(どうして……)」
男たちが口々に怒りをぶちまける。
「あのクソガキ、恩を忘れやがって!」
「そういえば何か言いあってたぞ、あの二人」
「何を言っていた?」
「離れてたんで会話の内容までは……」
「捕まえよう」
「まだ遠くには行ってないはずだ」
「しかし、夜だぜ」
「間違って草原に近づきでもしたら、食われちまうぜ」
「こんなんじゃ、レハが哀れだぜ」
「畜生、こいつには希望があったのによぉ」
「(俺じゃない。説明すればわかってくれる)」
セヴルは木を降りようと幹をつかんだ。
「殺すしかないな」
マムルの声にセヴルの動きが止まる。
「見つけ次第、殺せ。身内殺しは許せん」
「でも、夜は危なくねえか?」
「あいつの足じゃ、そんなに遠くにはいけないはずだ」
「怪我だってしてるしな。すぐに捕まえてやる」
「だがよぉ、どこを探せばいいんだか」
「町に行くにはほぼ一本道だ。明るくなれば一発でわかるさ」
マムルが大きくうなずく。
「よし、朝一番に探しに出るぞ。一応念のために門に見張りを立てろ。もし戻ってきたら、レハのことに気がついていない振りをして村の中に入れろ。村の中で捕まえる。いいな?」
「おう」
マムルたちは、レハの遺体を掘り出すと数人がかりで運び去っていった。しばらくすると、静けさを打ち破るように村の方から泣き声が聞こえてくる。
「何でこんなことに……」
木を降りるとセヴルはレハの埋められていた穴を見る。
「とにかく今は逃げよう」
歩き出すセヴルの目から涙がこぼれる。
「あんなに嫌いな奴だったのに、何で涙が出るんだ」
道に出て立ち止まる。
「町へ向かえば見つかって殺される」
足は、草原に向かっていた。
夕刻を過ぎると、村のいたるところで炊煙があがる。村人たちがあわただしく動き回り村の広場に集まった男たちに、酒やパン、野菜のスープなどが渡される。
セヴルの元へ来る頃にはスープは無くなり、小指の先ほどのチーズの欠片と、大人の拳ほどの大きさの味のない堅パンが一個渡されて終わる。
「俺は育ち盛りなんです。もっと栄養のあるものを腹いっぱい食わせてください」
そう叫んでみたところで状況が変わることがないことを、セヴルは知っている。むしろ事態は悪化するだろう。
「貰えるだけありがたいと思いな!」
下手をすれば堅パンすらも奪われかねない。
セヴルは小猿のように食べ物を抱えて、村の広場を横切る。
「おい、セヴル! こっちに来いよ」
テントの男たちが声をかけてくる。焚き火を囲んで騒いでいる。セヴルは顔を向けるがすぐに歩き始める。
「来たら肉やるからよ」
額の狭い男が赤い顔をして、大きな笑い声を上げる。
そのまま通り過ぎても良かった。だが、男たちの話を適当に聞いているだけで手に入る干し肉の魅力は大きかった。
「酔っ払いが……」
セヴルは、急いでチーズを口の中に放り込んだ。急いでそれを噛んで飲み込む。堅パンは懐深くにねじ込んで、それから焚き火に向かって歩いていく。
「何?」
鼻の穴の大きな男がセヴルの左腕をつかむ。すでに大分酒が入っているようだった。そのまま腕を引っ張られて男たちの中に引き込まれる。
「仲間だろ? そうツンケンするなよ」
「お前、この村の出身だろ? 女連れてきてくれよ」
頭の薄い男が手を振って注意を向けさせる。セヴルはため息をつく。男たちの間を割って居場所を確保する。
「さっきのおばさんでよければ、連れてきてやるぜ」
「うぇー」
男たちの悲しく低いうめき声のような落胆が周囲を包み込む。
「若い女なんてここにはいないよ」
セヴルが左手を差し出すと、酔っ払いの一人がカチカチの干し肉を切ってその中に落とす。自分の親指ほどの塊をすぐに口の中に入れる。
「その腕、治らねえのか?」
「……ああ」
「俺、知ってるぜ」
セヴルは、ぎくりとした。干し肉の塊を飲み込みかけて焦る。咳き込んだ振りをしてそれを吐き出して懐に隠す。
滅多に食えないものはこっそり取っておく。あとで少しずつ食べるために。
「骨が折れてるんだろう? 長い間放置してると動かなくなっちまうんだよな」
「あ、うん」
セヴルは左腕で口をぬぐう。その誰かが背中を叩いた。
「あきらめるのはまだ早いかも知れねぇぞ」
「え?」
振り返ったが、話はすぐに別の話題に切り替わった。前歯のない男が焚き火で干し肉をあぶる。
「蟲なんていなければ、もっと豊かに暮らすことが出来るのにな」
「そうしたら、俺たちもましな生き方が出来るな。草原に畑でも作ってよ。嫁でも貰って小さな家を建てるかな」
額の狭い男が杯をあける。浅黒い男がそこに酒を注ぎながら肩を叩く。
「お前には無理だ」
額の狭い男がすぐに酒を口につける。
「今のままじゃ豊かなんて夢のまた夢だからな」
頭の薄い男が焚き火に枯れ枝を投げ入れる。火の粉が散り前歯のない男が非難のまなざしを向ける。額の狭い男が杯を下ろす。
「なんでだ?」
「森を切りすぎると蟲が湧く。だから、大きな村は作れないのさ」
相変わらずにやついている男が火の奥の森を見つめる。頭の薄い男がそれに続く。
「そうそう、うわさじゃ草原が広がってきてるって話じゃねえか」
「まぁ、草原の大地だから、当たり前じゃねえの?」
「馬鹿」
頭の薄い男にあぶった干し肉をかじった前歯のない男は叱られる。前歯のない男は非難がましく頭の薄い男をにらんだ。
「蟲が人を襲うなんて、俺が子どもの頃には聞かなかったぜ?」
「そういやそうだな。蟲は草だけしか食わないって言われてたよな」
額の狭い男が前歯のない男を擁護する。それに気をよくして前歯のない男が調子に乗った。
「草ばかり食って飽きたんじゃねえのか?」
笑い合う額の狭い男と前歯のない男。浅黒い男が、ぼそりと呟いた。
「それで最近は生肉も飽きたか?」
黙り込む男たち。火が揺らめくのをじっと見つめている。
「なあ」
前歯のない男が懲りずに話し始めた。にやついている男は興味のないような感じで返事をする。
「あん?」
「この世界は四角い箱の中だろ?」
「それがどうした?」
頭の薄い男が焚き火をいじる。前歯のない男は疑問をぶつけてきた。
「箱の中にあるんだったら、底が草原の国だよな?」
「なんで?」
セヴルが思わず反応した。それが嬉しかったのか、前歯のない男は得意げに話す。
「だって、横にしたら落ちるだろうが」
前歯のない男は手を横にして、縦に返す。それを見て額の狭い男がうなずく。
「はぁ? あー、落ちるな」
「だろ?」
もっともだとうなずき合う男たち。にやついている男が神妙な顔つきになりかけたが、にやけ顔は変わらなかった。
「待て待て、そうしたら上にあるって言う水の大地はどうなるんだよ。いつまでたっても落ちてこないじゃねえか?」
それについても男たちはうなずき合う。
「そう言われてみりゃあ」
「なんでなんだ?」
「雨が降るじゃねえか。それで全部だろ?」
「あははは、そうだ。それに違いねえ」
「俺、知ってるぜ」
頭の薄い男が顔を叩いて注目を集める。
「何?」
視線が集中したのを確認して、頭の薄い男はゆっくりと立ち上がる。
「それこそ神がいる理由だ」
「はぁ?」
男たちの目が点になる中、額の狭い男が頭の薄い男に飛び掛る。
「訳のわからねえこと言ってるとぶっ飛ばすぞ、この野郎!」
「本当だって。町で聞いたんだから」
焚き火の周りを追いかけあう二人。残された男たちは、すぐに話題を変える。前歯のない男の疑問は尽きない。
「そういや、何で町は蟲に襲われないんだ?」
「町? あぁ、何でだろうな」
浅黒い男が腕を組んで考え始める。導き出した答えを声にする。
「偉い聖導師様がいるからじゃないのか?」
「聖導師がいたら蟲に襲われないのか?」
前歯のない男が首をひねる。浅黒い男は、自信を持って答える。
「聖導師様は奇跡を起こせるって話だ」
前歯のない男は納得しない。セヴルにも良くわからない論理だった。
「奇跡と蟲がどう繋がるんだよ」
「蟲が死霊の類なら、坊さんと縁があっても頷けるな」
にやついている男が腕を頭に乗せる。
「奇跡か……」
「どうせなら酒を降らせてくれないかなぁ」
前歯のない男のため息を、走り飽きた額の狭い男が拾う。
「金の方がよくねえか?」
「馬鹿、金なんか降らせたら、貧乏人がいなくなるじゃねえか」
「それはそれでいいじゃねえか」
「馬鹿。金持ちは、貧乏人がいてこその金持ちなんだよ。金持ちばっかりじゃ、結局自分で色々やることになるだろうが」
「あ、そっか」
「俺はこの呪われた人生に奇跡が欲しいぜ」
「頭を使え」
「こいつは頭が壊れてるから無理だぜぇ」
大爆笑する男たちの下に額の狭い男が頭を押さえながら焚き火の前に戻ってくる。
「あー、気持ち悪りぃ。奇跡って、なにすんだ?」
浅黒い男が額の狭い男に酒を勧める。額の狭い男も断らずに再び飲み始める。
「病気とか怪我を治したり出来るのさ」
「もっともお布施次第だろうけどな」
頭の薄い男がいつの間にか地面に転がっている。
「お前の右手も治るかも知れねえぞ」
浅黒い男の肩が、セヴルの肩を押す。
「え」
「切り傷なら、位の低い奴でも治せるはずだから、骨折だとしても大した金額じゃないんじゃねえか?」
「そっか……。奇跡か」
セヴルは何かを思い立ったように立ち上がる。男たちが顔を上げる。
「あん? もう行くのか?」
セヴルは前歯のない男に笑いかける。
「ああ、ちょっとレハに用事があってね」
「あんまりケンカすんじゃねえぞ」
「余計なお世話だよ」
セヴルの頭の中に一つの可能性が浮かんだ。男たちから逃げ出すように走り出す。左手で右手を触ると、小さな声で呟いた。
「奇跡ならこの呪いも解けるはずさ。この手は呪われている。呪いだから斬ろうとしても、焼いても折っても治ることはなかったんだ。そうだ。そうだったんだ。そうに決まってる」
呪いを解くためにはレハとの協力が必要だった。気が進まないが、レハと一緒にこの村を出る。そして、町で聖導師に会う。レハに分け前を要求し、その金で呪いを解く。そうすれば、右手を気にすることなく生きて行ける。自分の道が初めて開けるのだ。
しかし、村の中を歩き回るが、レハの姿は見えなかった。
「家か?」
村の奥の方にあるレハの家には、明かりがついていなかった。左の拳でドアを叩く。中からは何の反応もない。
「……もう行っちまったのかな?」
ドアに手をかけるが、扉には鍵がかかっていた。村を出て行くなら、普通は鍵は開けていくはずだ。
「マムル様に鍵を返したのかもしれないな。聞いてみるか。今ならまだ追いつくかもしれないし……」
セヴルは、家畜小屋に戻ると、隅に置かれた皮袋の中に懐から出した堅パンと干し肉を押し入れる。それからすぐに向かいの家に走っていく。
ドアを叩くと、すぐにマムルが上半身裸で現れた。体の汗を拭きながら、セヴルの視界をふさぐように立ってくる。
「なんだ?」
「あ、すみません。レハなんですけど……」
マムルがすぐさま答える。
「一足遅かったな。あいつは隊を抜けた。そう言えば、町に行くって言っていたな」
マムルは、いつになく早口だった。
「マムル様」
「何だ?」
「(俺も隊を抜ける)」
セヴルは次の言葉が出せなかった。
「何だ?」
マムルの声に苛立ちが入るのがわかった。
「俺たちも明日、町に行くからな。皆に早く寝るように伝えろ。起きてる奴がいたら、棒打ちの刑にするからと伝えておけ」
「町に? 俺も行ける? 行けますか?」
必死な顔のセヴルにマムルが笑いかける。どこか空々しい笑顔だった。
「当たり前だろう。そうだ、その腕を医者か聖導師に見てもらおう。治ったら、お前をレハの代わりにあの家に住まわせてやる」
セヴルは顔を上げた。マムルが小さく何度もうなずいている。
そうだ。レハを追うのはやめよう。セヴルの心にそんな考えが浮かぶ。
レハが本当に分け前をくれるなんてことはないだろう。付いてきた俺を見て腹を抱えて笑うに違いない。マムル様は、こんなにも優しいじゃないか。俺はどうかしてたんだ。
「ほ、本当ですか?」
見上げるとマムルの顔は逆光で見えなかったが、声はしっかりと聞こえた。
「当然だ。寝坊するな」
「はい」
セヴルは、足取り軽く村中を駆け回った。
小隊の連中は、町に行くことよりも棒打ちを恐れたに違いない。あっという間に火は落とされ、村には静けさが訪れた。
夜。
空に浮かぶ太陽はすでに反転し、淡い藍色の空が広がっていた。昔から夜空に広がる小さな星は、大気が固まった大粒の氷だと言う。何故、それは落ちてこないのか。
町にいる人間ならその理由を知っているかもしれない。だが、遊びに行くわけではない。聖導師に呪いを解いてもらう。そうだ、レハを見つけて分け前を要求するというのもいいかもしれない。
くれるだろうか。
レハのことだから、くれないだろう。
くれなかったらお前の家を俺が使うんだと言ってやろう。
「俺についてこないか? 町で家を買ってそこを拠点に世界を旅しようぜ」
レハはそう言った。大金を手に入れるから気が大きくなってただけだ。
いや、レハはいつもと何か違っていた。今のレハなら、くれるかもしれない。いや、くれなくてもいいんだ。マムル様が治してくれるんだ。
もう寝よう。全ては明日だ。明日になれば、俺も……。
セヴルは、朝が待ち遠しく眠れなかった。
「(なんだ?)」
村の中を歩く気配に目を開く。静かに起き上がり家畜小屋から外を除き見ると、何か大きなものを背負った人間が村の外に出て行くのを目撃する。
牛が目を開いた。口に指を当てて静かにするように合図する。牛は興味なさげに目を閉じた。
セヴルは人影が向かった方へ歩いていく。すぐに村の出入り口が見える。出入り口には鍵はかかっていなかった。おそらくは今さっき開けられたのだろう。人影は外に出たようだ。かすかにきしむ木の門を恐々開くと、外に出た。少し先に人影が見える。
なおも後をつけると、人影は道を外れ森の中に入っていく。
セヴルは人影から距離をとるように森の中を回り込んだ。
人影は、穴を掘り始めた。傍らに大きなものが置いてある。暗いせいでそれが何であるのかはわからなかった。穴は大きなものを埋めるために掘っているようだった。
「(誰だ? これは何かあるな。旦那様に知らせよう)」
セヴルは音を立てないようにその場を離れ村へ急いで帰る。
マムルの家にやってくると、ドアに手をかけた。叩こうとするとマムルの家には鍵がかかっておらず、ドアは何の抵抗もなく開いてしまった。
おかしい。マムルがいれば鍵はかかっているはずだった。閉じるのを忘れて眠っているのだろうか。
暗がりから言い知れない恐怖が染み出してくる。静か過ぎる。
「……マムル様。セヴルです。入りますよ」
恐る恐る進んでいくと、敷物を踏む。感触に驚いて飛びのくと、足が何かに引っかかりセヴルは床の上に転がった。左手が湿った床を触れる。思わず臭いを嗅いでみれば鉄の臭いがする。驚いて下がると背中に机が当たり、上に乗っていた物が落ちそうになる。あわててそれを押さえる。
セヴルは薄暗い闇の中でも鈍く輝くそれが、魔晶石であることに気がついた。見たことがある大きさと輝きだった
「レハの……」
全身が震えだす。魔晶石を机の上に置くと、セヴルはその場を逃げ出した。
家畜小屋に戻ると、身を縮めるようにして外を見守った。
「まさか、さっきの人影は……」
震える足を叩いて家畜小屋を出る。言い知れない不安が胸の奥からあふれ出てくる。確かめろと心臓を打ち鳴らす。
村の出口から道にかけて、人影がないことを確認して、セヴルは再び村を出て森に向かう。森の中に隠れて人影が通り過ぎるのを待つ。
程なくして戻ってくる人影。音もたてずに村の中に消えていく。
セヴルは森から出ると、怪しい人影が掘っていた穴に向かっていく。穴はすでに埋められ、小さな山が出来ていた。
その山に手が触れる前に、村の方から叫ぶ声が聞こえた。
「セヴルが逃げたぞ!」
マムルの声だった。セヴルは、村に引き返そうと身を翻した。
「逃げてなんかない」
その次の言葉が、セヴルの体の自由を奪った。
「セヴルがレハを殺して逃げたぞ! 全員起きろ! 探すんだ!」
「レハを殺した? 俺が?」
後ろの小山を見る。左手を見る。暗く良く見えない。
「ちがう」
村に向かって歩こうとしたセヴルの足がもつれる。森の木々の根がセヴルの足を捕まえようとしているように感じられた。
「さっきの人影はマムル様?」
セヴルは、咄嗟に右手の包帯を外す。包帯は胸倉に押し込める。そして側にある木を登りそこに身を隠す。
そこにマムルたちが明かりを持ってやって来る。
「あそこに何かあるぞ!」
マムルが真っ先に声を上げて男たちを案内してくる。
「何だ、この山?」
「まさかとは思うが、掘って見ろ」
男たちは山の土をどかし始める。何かが明かりに照らされる。
「何か出てきたぞ」
土の中から最初に現れたのは人間の手だった。
「ああ、ちくしょう。まじか」
「掘れ、どんどん掘れ」
「レハだ!」
土の中から青白い肌をした人の顔が照らし出された。顔の泥がぬぐわれると、それは紛れもなくレハだった。その喉が右側に向かって大きく切り裂かれていた。
セヴルは速まる心臓の鼓動を左手で押さえ込んでいる。
「(どうして……)」
男たちが口々に怒りをぶちまける。
「あのクソガキ、恩を忘れやがって!」
「そういえば何か言いあってたぞ、あの二人」
「何を言っていた?」
「離れてたんで会話の内容までは……」
「捕まえよう」
「まだ遠くには行ってないはずだ」
「しかし、夜だぜ」
「間違って草原に近づきでもしたら、食われちまうぜ」
「こんなんじゃ、レハが哀れだぜ」
「畜生、こいつには希望があったのによぉ」
「(俺じゃない。説明すればわかってくれる)」
セヴルは木を降りようと幹をつかんだ。
「殺すしかないな」
マムルの声にセヴルの動きが止まる。
「見つけ次第、殺せ。身内殺しは許せん」
「でも、夜は危なくねえか?」
「あいつの足じゃ、そんなに遠くにはいけないはずだ」
「怪我だってしてるしな。すぐに捕まえてやる」
「だがよぉ、どこを探せばいいんだか」
「町に行くにはほぼ一本道だ。明るくなれば一発でわかるさ」
マムルが大きくうなずく。
「よし、朝一番に探しに出るぞ。一応念のために門に見張りを立てろ。もし戻ってきたら、レハのことに気がついていない振りをして村の中に入れろ。村の中で捕まえる。いいな?」
「おう」
マムルたちは、レハの遺体を掘り出すと数人がかりで運び去っていった。しばらくすると、静けさを打ち破るように村の方から泣き声が聞こえてくる。
「何でこんなことに……」
木を降りるとセヴルはレハの埋められていた穴を見る。
「とにかく今は逃げよう」
歩き出すセヴルの目から涙がこぼれる。
「あんなに嫌いな奴だったのに、何で涙が出るんだ」
道に出て立ち止まる。
「町へ向かえば見つかって殺される」
足は、草原に向かっていた。
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