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幸せの青い本 8
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チアキが机から顔を上げるとミユキが教室に入ってくるところだった。ポケットからハンカチを出して口の周りを拭く。
「やべ、本気で寝てた」
その視線がミユキの抱えている青い本に注がれる。
「ミユキ、その本……」
「違うわよ」
ミユキはチアキを見ることも無く、チアキの言葉をさえぎった。
チアキは心臓の鼓動が高鳴るのを感じた。ミユキが青い本を机の中にしまいこむのを見た。チアキはミユキの側まで行き、そっと耳打ちした。
「試そうぜ」
「違うって言ってるじゃないの」
ミユキの声は小さいがゆり動いていた。チアキはさらにミユキの耳元でささやく。
「今ここで、私の願いを書かせてくれれば、本物かどうかわかるだろ?」
ミユキは答えなかった。だが、その手が机の中から青い本を取り出した。チアキはにやりと笑った。
「じゃあ、場所を変えようぜ」
チアキはミユキを促す。二人は、教室を出て行く。
それをアツコが静かに見ていた。
人気の無い廊下を歩いていくチアキとミユキ。
「準備室側の三階の階段なら誰も来ないな」
階段を駆け上がっていくチアキ。振り返るとミユキが青い顔をしている。
「どうしたんだよ」
ミユキはびっくりしてチアキを見上げる。
「わかんない」
「はぁ? ミユキのほうがわかんないよ。早く来いよ」
「うん」
ミユキが階段を上りだす。
「なんか重い……」
チアキはミユキに手を伸ばす。ミユキはその手を拒否するように青い本をしっかりと抱えた。チアキは軽く舌打ちをした。
三階の踊り場に出ると、チアキは階段に腰を下ろした。そして、ミユキが上がってくるのを待つ。青かった顔は土色に変わっていた。
「本当に大丈夫かよ」
「なんか音がうるさくて」
「音?」
チアキは耳をそばだてるが、首を傾げただけだった。
「そうか?」
ミユキはやっとのことで踊り場にたどり着き、青い本を床の上に広げる。ミユキは本から手を離した途端、その場にへたり込む。
「しっかりしろよ」
チアキはミユキの肩を叩く。その目は、すでに開かれた青い本を凝視している。
「じゃあ、書こうぜ」
チアキはミユキに手を出した。ミユキがその手をじっと見つめる。チアキの手が何かを催促するように揺れ動く。
「何?」
少し落ち着いたのかミユキは少し気の抜けたような声を出した。チアキはそれにイラッとしたのか、手を言葉に合わせて振ってみせる。
「ペ、ン」
ミユキが唖然とする。
「私、持ってきてないわよ」
「何やってんだよ!」
チアキは立ち上がり仁王立ちになりミユキを見下ろした。あまりの勢いにミユキは身動きが出来ないでいた。小さく何かをつぶやいている。
「何だって?」
「チアキが持ってると思って……」
チアキは頭を抱えた。その下から声がした。
「ボールペンで良い?」
「ああ、いいぜって……」
思わず返事をしてしまったチアキだったが、慌てて身を隠そうとする。下から飛び出してきたのはアツコだった。
「二人でコソコソして、怪しいわね。それ、幸せの青い本でしょ?」
チアキは頭の後ろを高速で掻く。アツコが差し出したボールペンを受け取ると、三人で青い本を囲んで床に座りこんだ。
「何を書くの?」
アツコがにやけた表情でチアキに聞いてくる。チアキは小さな舌打ちを返す。
「うちさぁ、父親が借金しててさ、ちょっと大変なんだよね。だから、」
「借金を失くすだなんて、小さな願いね」
鼻で笑うアツコにチアキは舌を出す。
「じゃあ、私がお金持ちになるって言う願いにする」
「もっと具体的に書かないとダメなんじゃない?」
「そう?」
いったんはページにペン先を当てかけたチアキの手が止まる。
「一億円欲しいとか?」
ミユキの言葉にアツコは首を横に振る。
「一億なんてそんなものゴミみたいなものよ。女性で大学を出て死ぬまで稼いでも二億円よ。一億円なんて大金のうちに入らないの、わかる?」
「そっか、そう言われると大したことないのね」
ミユキは何度もうなづいて見せた。
「じゃあ、金持ちと結婚ってのは?」
チアキの思いついた案は瞬殺される。
「バカね。自由に使えるお金がいくらあると思ってるのよ」
「じゃあ、借金帳消し」
「あなたならそんなところでしょうけど」
「じゃあ、どうするんだよ」
火花を散らすチアキとアツコの脇からミユキが入ってくる。
「契約金って言うのは?」
「何の?」
チアキとアツコの声が重なり、ミユキは再び答えに迫られる。
「スポーツ選手とか」
「現実味が無い」
チアキが却下する。ミユキは首をひねる。
「アイドル?」
「何で疑問系?」
「無理ね。それも現実味がない。お笑い芸人が良いところね」
「うっさい」
チアキは手の平でアツコを叩く。アツコもそれを手で払う。
「宝くじが当たるとか?」
「額が少ないよ。日本の宝くじは天下りが潤うように出来てるんだもん」
ことごとくアツコのダメだしを受ける二人は、徐々に疲弊していく。
チアキは両手で頭を掻いた。勢いよく立ち上がると、アツコを指差しながら声を吐き出した。
「いちいちダメ出しがうるせえんだよ! 書く。私は書く。金持ちになるって書く」
そう言うと二人が止めるまもなくチアキは青い本に殴り書きした。
「私はお金持ちになる」
青い本を見つめる三人を静寂が包む。
「どう? なにか変わった?」
ミユキの声に自分を見つめるチアキ。アツコもチアキの変化を探そうと彼女をじっと見つめる。
チャイムが鳴り、三人は我に返った。
アツコが一番に立ち上がり階段を降り始めた。
「ちょっとでも信じた自分が恥ずかしいわ。時間を無駄にしちゃったじゃない」
「ほんとバカみたい。あんなもの捨てて行きましょ」
ミユキが青い本を触れようとすると、アツコが下から呼びかけた。
「ミユキー、バカがうつるよ。早くおいで」
ミユキは手を止めて階段を下りていく。何度か青い本を振り返るが、アツコの呼びかけに足は下へと降りていった。
座り込んだチアキが、がっくりと肩を落とす。顔を抑えてつぶやいた。
「ちくしょう」
顔を上げると側に転がっていた青い本を壁に向かって投げつける。
「ふざけんな!」
青い本は、壁にぶつかり床に、床に落ちずに壁に張り付いた。
「え?」
青い本はそのままチアキの願いの書かれたページを開く。そこには、チアキの願いが書かれているはずだった。そう、半分は彼女の願いだった。
チアキは、そこに書かれていた願いを口に出した。
「舞島チアキ、父親が死に、その保険金二千万円を取得」
チアキが机から顔を上げるとミユキが教室に入ってくるところだった。ポケットからハンカチを出して口の周りを拭く。
「やべ、本気で寝てた」
その視線がミユキの抱えている青い本に注がれる。
「ミユキ、その本……」
「違うわよ」
ミユキはチアキを見ることも無く、チアキの言葉をさえぎった。
チアキは心臓の鼓動が高鳴るのを感じた。ミユキが青い本を机の中にしまいこむのを見た。チアキはミユキの側まで行き、そっと耳打ちした。
「試そうぜ」
「違うって言ってるじゃないの」
ミユキの声は小さいがゆり動いていた。チアキはさらにミユキの耳元でささやく。
「今ここで、私の願いを書かせてくれれば、本物かどうかわかるだろ?」
ミユキは答えなかった。だが、その手が机の中から青い本を取り出した。チアキはにやりと笑った。
「じゃあ、場所を変えようぜ」
チアキはミユキを促す。二人は、教室を出て行く。
それをアツコが静かに見ていた。
人気の無い廊下を歩いていくチアキとミユキ。
「準備室側の三階の階段なら誰も来ないな」
階段を駆け上がっていくチアキ。振り返るとミユキが青い顔をしている。
「どうしたんだよ」
ミユキはびっくりしてチアキを見上げる。
「わかんない」
「はぁ? ミユキのほうがわかんないよ。早く来いよ」
「うん」
ミユキが階段を上りだす。
「なんか重い……」
チアキはミユキに手を伸ばす。ミユキはその手を拒否するように青い本をしっかりと抱えた。チアキは軽く舌打ちをした。
三階の踊り場に出ると、チアキは階段に腰を下ろした。そして、ミユキが上がってくるのを待つ。青かった顔は土色に変わっていた。
「本当に大丈夫かよ」
「なんか音がうるさくて」
「音?」
チアキは耳をそばだてるが、首を傾げただけだった。
「そうか?」
ミユキはやっとのことで踊り場にたどり着き、青い本を床の上に広げる。ミユキは本から手を離した途端、その場にへたり込む。
「しっかりしろよ」
チアキはミユキの肩を叩く。その目は、すでに開かれた青い本を凝視している。
「じゃあ、書こうぜ」
チアキはミユキに手を出した。ミユキがその手をじっと見つめる。チアキの手が何かを催促するように揺れ動く。
「何?」
少し落ち着いたのかミユキは少し気の抜けたような声を出した。チアキはそれにイラッとしたのか、手を言葉に合わせて振ってみせる。
「ペ、ン」
ミユキが唖然とする。
「私、持ってきてないわよ」
「何やってんだよ!」
チアキは立ち上がり仁王立ちになりミユキを見下ろした。あまりの勢いにミユキは身動きが出来ないでいた。小さく何かをつぶやいている。
「何だって?」
「チアキが持ってると思って……」
チアキは頭を抱えた。その下から声がした。
「ボールペンで良い?」
「ああ、いいぜって……」
思わず返事をしてしまったチアキだったが、慌てて身を隠そうとする。下から飛び出してきたのはアツコだった。
「二人でコソコソして、怪しいわね。それ、幸せの青い本でしょ?」
チアキは頭の後ろを高速で掻く。アツコが差し出したボールペンを受け取ると、三人で青い本を囲んで床に座りこんだ。
「何を書くの?」
アツコがにやけた表情でチアキに聞いてくる。チアキは小さな舌打ちを返す。
「うちさぁ、父親が借金しててさ、ちょっと大変なんだよね。だから、」
「借金を失くすだなんて、小さな願いね」
鼻で笑うアツコにチアキは舌を出す。
「じゃあ、私がお金持ちになるって言う願いにする」
「もっと具体的に書かないとダメなんじゃない?」
「そう?」
いったんはページにペン先を当てかけたチアキの手が止まる。
「一億円欲しいとか?」
ミユキの言葉にアツコは首を横に振る。
「一億なんてそんなものゴミみたいなものよ。女性で大学を出て死ぬまで稼いでも二億円よ。一億円なんて大金のうちに入らないの、わかる?」
「そっか、そう言われると大したことないのね」
ミユキは何度もうなづいて見せた。
「じゃあ、金持ちと結婚ってのは?」
チアキの思いついた案は瞬殺される。
「バカね。自由に使えるお金がいくらあると思ってるのよ」
「じゃあ、借金帳消し」
「あなたならそんなところでしょうけど」
「じゃあ、どうするんだよ」
火花を散らすチアキとアツコの脇からミユキが入ってくる。
「契約金って言うのは?」
「何の?」
チアキとアツコの声が重なり、ミユキは再び答えに迫られる。
「スポーツ選手とか」
「現実味が無い」
チアキが却下する。ミユキは首をひねる。
「アイドル?」
「何で疑問系?」
「無理ね。それも現実味がない。お笑い芸人が良いところね」
「うっさい」
チアキは手の平でアツコを叩く。アツコもそれを手で払う。
「宝くじが当たるとか?」
「額が少ないよ。日本の宝くじは天下りが潤うように出来てるんだもん」
ことごとくアツコのダメだしを受ける二人は、徐々に疲弊していく。
チアキは両手で頭を掻いた。勢いよく立ち上がると、アツコを指差しながら声を吐き出した。
「いちいちダメ出しがうるせえんだよ! 書く。私は書く。金持ちになるって書く」
そう言うと二人が止めるまもなくチアキは青い本に殴り書きした。
「私はお金持ちになる」
青い本を見つめる三人を静寂が包む。
「どう? なにか変わった?」
ミユキの声に自分を見つめるチアキ。アツコもチアキの変化を探そうと彼女をじっと見つめる。
チャイムが鳴り、三人は我に返った。
アツコが一番に立ち上がり階段を降り始めた。
「ちょっとでも信じた自分が恥ずかしいわ。時間を無駄にしちゃったじゃない」
「ほんとバカみたい。あんなもの捨てて行きましょ」
ミユキが青い本を触れようとすると、アツコが下から呼びかけた。
「ミユキー、バカがうつるよ。早くおいで」
ミユキは手を止めて階段を下りていく。何度か青い本を振り返るが、アツコの呼びかけに足は下へと降りていった。
座り込んだチアキが、がっくりと肩を落とす。顔を抑えてつぶやいた。
「ちくしょう」
顔を上げると側に転がっていた青い本を壁に向かって投げつける。
「ふざけんな!」
青い本は、壁にぶつかり床に、床に落ちずに壁に張り付いた。
「え?」
青い本はそのままチアキの願いの書かれたページを開く。そこには、チアキの願いが書かれているはずだった。そう、半分は彼女の願いだった。
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