虚羽化人間CHAOS

大秦頼太

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第十一話

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主な登場人物
橋立:36歳。元刑事。同僚の敵討ちを考えている。
梶間一郎:17歳。父、大作の実験の結果、虚羽化人間カオスになる。
荒幡トオル:製薬会社グラックス専務。27歳。火蟻と人の虚羽化人間。
小林:製薬会社グラックス研究員。35歳。
安部:あんべ。45歳。元医師。
米山:製薬会社グラックスの営業マン。26歳。
田村彦二:42歳。喫茶タームのマスター。
田村珠恵:13歳。彦二の娘。
松下香代子:28歳。橋立の同僚だった松下の妻。夫の松下は死亡。

●橋立の部屋
   薄暗い部屋の中、橋立の顔をテレビの明かりが照らし出す。
   テレビではアナウンサーとコメンテーターが番組を盛り上げている。

●テレビ映像
   アナウンサー男女(以下アナ男・アナ女)とコメンテーター(以下コメ)、取材ディレクター(以下D)が自論を繰り広げている。

アナ男「この梶間一郎容疑者とはどんな人物なんですか?」
D「一郎容疑者は中学生時代に不登校になり、父親の研究所で生活をしていました」
アナ女「では、きちんとした教育を受けられなかったんですね?」
D「はい。本人はこのことにコンプレックスを持っていたようです。それが今回の犯行に深く影響を与えていると思われます」
アナ男「と、言いますと?」
D「殺害された鈴峰カオルさんは東栄大学医学部をトップクラスの成績で卒業したエリートです」
コメ「まぁ、大量殺人犯なんて、人物が歪曲していて被害妄想を抱えているもんですよ」
D「父親が大学教授で、物凄いプレッシャーを受けていたのでしょうね」
アナ女「現代社会の歪ですね」

●橋立の部屋
   テレビを消す橋立。ため息をつく。
   ベッドを見ると、一郎が眠っている。

橋立「まずいな」

●グラックス 社長室
   社長席に座っている荒幡。携帯電話で会話をしている。

荒幡「よくやってくれた」

   ドアがノックされる。
   小林が入ってくる。

荒幡「次も頼む」

   携帯電話を置き溜息をつく。

小林「いいんですか?」
荒幡「もちろん。本人も了承済みだろう?」
小林「そうなんですが」
荒幡「念願のカオスセルを手に入れたわけだし、実験を続けたまえ」
小林「は、はい」

●喫茶ターム
   カウンター席に米山が座っている。彦二が静かにコーヒーを入れる。
   安部が背後を気にしながら入ってくる。

安部「待たせたね」
米山「いえ」
安部「君が味方になってくれれば心強い」
米山「人間に戻れるのなら、俺は何でもします」
安部「それでこそだ」
米山「まずはどうすればいいんですか?」
安部「梶間一郎を生きたまま捕らえてもらう」

   安部がチラリと彦二を見る。

安部「次に田村先生の手も借りなければならないが」
彦二「私なんてもう役に立ちませんよ」
安部「いやいや、あっちのことは田村先生のほうが専門ですから」
米山「お願いします」

   米山と視線を合わせることが出来ずに、彦二は目線をそらす。

●グラックス 実験施設
   強化ガラスで被われた室内に、数十個のサナギが並んでいる。
   中では、研究員たちがあわただしく作業に追われている。

●グラックス 実験施設モニタールーム
   小林が強化ガラス越しにサナギたちを見つめている。

助手A「うまくいきますかね?」
小林「いってもらわなければ困るよ」

●グラックス 実験施設
   スピーカーから小林の声が流れる。

小林「調整を開始する。研究員は避難せよ」

   あわただしく部屋を出て行く研究員たち。まるでシェルターに使われるような分厚い扉が閉められる。

●グラックス 実験施設モニタールーム
   小林が右手を上げる。

助手A「圧・温度調節開始」

   いくつかのボタンとレバーが動かされ、強化ガラスが一時的に曇っていく。
   警報音が鳴る。パドランプの赤い光が回転をする。

小林「失敗か? 早すぎる!」
助手A「センサーでは3体の羽化を確認」
小林「これがカオスセルか」

●グラックス 実験施設
   霧のような空気が立ち込める中、パンサムがサナギの中から床の上に滑り落ちる。
   パンサムの弱弱しい手が、サナギをつかみその体を支えようとする。サナギはもろいガラスのようにパンサムの手の中で砕ける。すると彼は再び床の上に転がってしまう。

パンサム「…寒い」

   霧の中に人影が見える。ゆっくりとパンサムに近づいてくる。

パンサム「悪魔(デュバーダ)?」

(パンサムの故郷では霧の中に現れる鬼デュバーダの伝説がある)

パンサム「ヨネゴ! カイチ! みんなどこ?」

   霧の中に光る青い光。

ヨネゴ「パンサム。腹が減ったよぉ」
パンサム「ヨネゴ! どこだ? この警備の検査が終わったら、飯に出来るよ」
カイチ「俺たちは騙されたんだ…」
パンサム「カイチも無事か?」
カイチ「日本人は、俺たちをデュバーダにしたんだ」
パンサム「デュバーダ……」

   パンサムは自らの腕を見る。
   褐色の肌の上に、黒いカビのようなものが浮き出ている。
   パンサムは腕のカビをぬぐう。
   ぬぐってもぬぐってもカビは消えず、体中に広がっていく。

パンサム「どういうことだ?」

   目の前に現れる黒い2つの人影。パンサムは絶叫する。

パンサム「あああああ!」
ヨネゴ「パンサム。お前もか」
カイチ「どうやら生き残ったのは俺たちだけのようだな」
パンサム「ヨネゴ? カイチなのか?」
カイチ「ああ」
パンサム「何でそんな姿に」
カイチ「お前も同じさ」

   パンサムは黒い外殻に覆われた体を見て驚く。

ヨネゴ「これからどうなるんだろう」
パンサム「わからない」


●グラックス 実験施設モニタールーム
   スピーカーを通して聞こえてくるのは、異国の言葉。

助手A「なんて言ってるんでしょうね」
小林「わからない。あいつらの言葉は、早すぎて聞き取りづらいからな」
助手A「それで、この後は?」
小林「まずはおめでとうとでも言うさ」

   小林は、マイクのスイッチを入れる。

●グラックス 実験施設
   霧が晴れていく。強化ガラス越しにパンサムたちと目が合う。小林は、落ち着かない感じでしゃべりだす。

小林「おめでとう」
パンサム「俺たちをどうする気だ! 契約と違うぞ!」
小林「落ち着いてゆっくりと話してくれ」
カイチ「契約違反だ」
小林「契約には身体提供の件も書いてあったはずだよ」
ヨネゴ「体の一部を取ることだと聞いた」
パンサム「こんなことになるなんて聞いてないぞ! 俺たちをデュバーダにするなんて!」
カイチ「おい、見ろ…」

   霧の消えた実験施設内に崩壊したサナギが並んでいる。

パンサム「日本人め! お前たちは悪魔だ!」

●グラックス 実験施設モニタールーム
   小林の口元が薄く笑う。

小林「…悪魔か。そうだな。…だが、逆らおうなどと思うなよ。お前たちの体内には、小型の爆弾が埋め込まれているからな」

   マイクのスイッチを切る小林。

助手A「いつのまに」
小林「嘘だよ。そんなこと出来るか。ああでも言わない限り、こっちが危険だろう」
助手A「なるほど。セコイですね」

   小林は卑屈に笑ってみせる。

小林「俺は子悪党だからな。小悪党らしく頑張るだけさ」

●橋立の部屋
   橋立、携帯電話を取り出し、安村に電話をかける。

橋立「……くそ、何で出ないんだよ」

   苛立ちながらリモコンを握り、テレビをつける。

アナ「……湾内で見つかった男性の右腕には、身元を特定するための腕時計が確認されたと言うことです。それによりますと、被害者は、安村賢三さんの可能性が高いということです。警察では、安村さんの別の部位を探すとともに事件の経緯を……」
橋立「わお……。やばいやばい。これはやばい」

   テレビを消す橋立。ベッドで寝ている一郎に駆け寄り、顔をはたく。

橋立「おい、起きろ」

   反応が無い。舌打ちをして荷物をまとめ始める橋立。

橋立「金も行くあても無いのによぉ」

   ドアチャイムが鳴る。身をすくませる橋立。身動き一つせずに、ドアを注視する。
   再びドアチャイムが鳴り、ノックが聞こえる。

香代子(声)「すみません。いらっしゃいませんか?」

   橋立、ゆっくりとドアに近づいていく。

香代子(声)「留守か」

   遠ざかる足音。橋立はゆっくりとドアを開ける。香代子の姿が橋立の部屋に背を向け去っていく。

橋立「松下さん」

   振り返る香代子。息を大きく吸って橋立に近づいてくる。

香代子「警察を辞めてこんな時間までお昼寝ですか?」

   橋立は、側に来た香代子の手をつかんで部屋の中に引きずり込む。

香代子「ちょ、ちょっと! 誰か、助けて!」
橋立「黙れバカ!」

   橋立は香代子の口をふさぐと部屋の中に放り投げる。

香代子「何するつもりよ!」
橋立「悪いな。今、あんたにギャーギャー騒がれると、警察に行く羽目になるからな」

   身構える香代子。

橋立「知人が殺された。最近会った人間はこの俺だ」
香代子「何言ってるの?」

   香代子は橋立をにらみつける。

橋立「今、警察と話をしてる時間がもったいないんだよ」
香代子「どうして?」
橋立「見つけたんだよ!」
香代子「何を?」

   ベットで眠る一郎に気がつく香代子。

香代子「あの人の同僚がこんな人だったとはね」
橋立「見つけたんだよ。松下を殺した奴を」
香代子「え? まさか、この子が犯人?」
橋立「こいつはそいつにたどり着くための重要参考人だ」
香代子「だったら警察に…」
橋立「警察にこいつを渡したら、こいつが犯人にされて事件は終わる。それじゃあ何も解決しないんだよ」
香代子「どうして?」
橋立「ニュース見てないのか?」
香代子「ニュース?」

   香代子は一郎の顔をまじまじと見つめる。あっと声を上げる。

橋立「頼む。今こいつを連れて行かれたら、取り返しのつかないことになる。仇を取ることも出来ない」
香代子「仇を取る……」

   香代子のまっすぐな視線。それを受け止める橋立。

橋立「相手はバケモノだ。生身の人間がどうにかできるもんじゃない」
香代子「バケモノ?」
橋立「場所を変えないか? ひょっとすると奴らが来るかもしれないからな」
香代子「奴ら?」
橋立「全部話してやる。その代わり、いい隠れ場所を知らないか?」
香代子「本当にノーを言わせない人なのね。あきれるわ」

   ため息をつく香代子。

香代子「いいわ。私のマンションに移動しましょう」
橋立「いいのか? 子供がいるんだろう?」
香代子「いないわ」
橋立「何?」
香代子「今、実家に預けてるから」
橋立「何で……」

   言いかけた言葉を飲み込む橋立。

橋立「行こう」

●グラックス 社長室
   荒幡、窓の外を眺めている。
   向井がドアを開けて入ってくる。

向井「終わったぜ」
荒幡「ああ。…何か言っていたか?」
向井「なーんにも。命乞いもしないんで、ものすげえつまんなかったぜ」
荒幡「あの人らしいな」
向井「何かあったのか?」
荒幡「カオルが死んだ」
向井「食われる前でよかったな」
荒幡「…そうだな」
向井「まさか、1匹死んだくらいでやめるなんていわねえよな?」
荒幡「やめる? 何故?」
向井「そうか。それならいい」
荒幡「我々の目的は、人類を支配することだ」
向井「お前の目標だろう? 世界征服」
荒幡「…そうだな」

   向井は2回ほどうなづくとニヤっと笑う。

向井「人間らしくねえな」
荒幡「人間らしく?」
向井「世界制服を狙ってるような奴は、もっとギラギラしてるもんだと思うけどな。そう淡々としてると、人間味の無いバケモノみたいだぜ」
荒幡「そうか。バケモノか…」

●喫茶ターム
   奥から珠恵が出てくる。

珠恵「ちょっとお父さん」

   カウンターでカップを洗っている彦二に近づく。

珠恵「地下に変な人が」
彦二「ああ、昔の知り合いなんだ。すぐ出て行くと思うから、放って置きなさい」

   奥から現れる安部。

安部「いやいや、あいさつが遅れて申し訳ないね。私は安部と申します。田村先生とは、大学病院で仕事をしましてね」

   安部から伸ばされる手。珠恵は、不機嫌そうに眉を寄せる。

珠恵「そうですか。用が済んだらさっさと出て行ってくださいね」

   言い捨てると奥に去っていく。
   珠恵の後姿を見送って、安部が彦二にいやらしい笑みを浮かべる。

安部「彼女が陽子さんのアレか」
彦二「必要なものはまとめて持っていってください」
安部「君も来ればいいのに」
彦二「興味がないですよ」
安部「カオスセルが必要なんだろう?」

   彦二の手が止まる。

安部「羽化にまでたどり着けば、失ったテロメアさえも元通りになるかもしれない」
彦二「彼女をバケモノにする気はない」
安部「次は無いんだろう?」
彦二「何が目的なんです?」
安部「病の根絶かな。死という人類共通の病のね」
彦二「そんなものはありえませんよ」
安部「梶間の夢を私が受け継いでやるのさ」
彦二「そうですか」
安部「まあ、気が変わったら、連絡してくれ」

   安部、奥に去っていく。

彦二「欲望が人間を変質させる。梶間大作は、まだ素直な人間だったということか」

●グラックス 会議室
   荒幡、向井、小林のほかに数名の研究員と背広がいる。

荒幡「米山が?」
小林「はい」
荒幡「厄介なことになったな」
向井「探し出して殺すか?」
荒幡「あの外殻は俺たちの針を通さない」
向井「薬が切れるまで待つのか?」
小林「持ち出している薬の量から判断すると、1ヶ月程度で正気を失うかと」
荒幡「ここも静かになったな」

   荒幡の言葉に、小林はびくりとする。

荒幡「少し早いけど第2ステージに移行しよう」
向井「第2ステージ?」
荒幡「政治の世界を支配する」
向井「頭を使う仕事はパスだな」
荒幡「心配するな。席は空けてある。後はそこにねじ込むだけさ」
向井「あー、だから政治家を殺してたのか?」
荒幡「小林」

   飛び上がるように立ち上がる小林。

荒幡「今まで良くやってくれた」
小林「は、はい」

   小林の顔は蒼白になっている。

小林「私の役目はもう終わりなのでしょうか?」
荒幡「とんでもない。第2ステージ以降も戦闘員の配備、任せたよ」

   パッと明るくなる小林の顔。

小林「了解しました」
荒幡「それで、カオス3人は元気かい?」
小林「はい。ただいま訓練の真っ最中です」
荒幡「あまり知恵をつけると使いにくくなるぞ?」
向井「そうそう。日本語だけ通じるようにしとけ」
小林「はい」
荒幡「鈴木君はうまくやってるそうだよ」
向井「へぇ。あいつ何をやってるんだ?」
荒幡「選挙活動」
向井「へ?」

   一瞬置いて、大爆笑する向井。

向井「なに? あいつが立候補するの?」
荒幡「適任だよ」
向井「なんで?」

●駅前
   黒山の人だかりになっている街頭演説がある。その中心にいるのがグラックス元社員鈴木の姿だった。
   鈴の音のようなものが聞こえ、それを聞いた人々は立ち止まり鈴木に注視するようになる。

●マンション 松下家
   リビングで向かい合う橋立と香代子。

香代子「信じられないわね」
橋立「俺もさ」
香代子「あなたがやったんじゃないって証拠は?」
橋立「ない」
香代子「突き出してやろうかしら」
橋立「気がついているんだろう?」
香代子「あんたが最低な男だってことにね」
橋立「俺もそう思う」

   にやっと笑う橋立。ため息をつく香代子。

香代子「それで次の手は考えてるの?」
橋立「ああ、一応ね」
香代子「どうするの?」
橋立「彼が起きるのを待つのさ」

   親指で一郎が寝ている奥の部屋を指差す橋立。

香代子「それって何も考えてないってこと?」
橋立「そうとも言う」
香代子「私、今、モノスゴイ殺意を感じたわ」

   乾いた笑いをしながら二人とも一郎の寝ている部屋の扉をふっと見つめる。
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