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愛の気霜
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僕には大好きな人がいる。多分、これは一目惚れなんだと思う。まだ接したことのない人に魅了されたのは初めてだ。
あの人と離れている時間は息が浅くて、切なくて、会える時間が1秒でも多く欲しいと感じる。それが退屈な学校でも行きたいと思わせる程に。
「なんだー? お前ずっとあの子見てんじゃん」
「あれだよ。えーっと…一目惚れってヤツだよ」
「なるほどなぁ。でも、そんな見過ぎると実るモノも実らないぞ」
しかし、目で彼女を追ってしまう。どうしようもないくらいに。取り憑かれたかの様に。
それなのに彼女とは目が合わない。当たり前だろう。彼女にとって僕は背景に過ぎない。僕が一方的に好きな人として見ているだけだ。そんな一度も名前を呼んだことない人物に僕は縛られている。
「ほら、そろそろ授業始まるぞ! 早く食って教室戻らないと」
見惚れているとあっという間に時間が経っていた。友人はもう食べ終えており、僕を急かす。彼女とは別々の教室だが、また学校のどこかで会えるだろう。
_____________
______
_
僕は明日が来ることが狂う程に嬉しくて、明日が来ることが恐ろしい程に怖い。
彼女との関係が時を経つと変化してしまう。そんな事を思いながら就寝することが、異常で日常になっている。しかし、この胸が苦しいことすらが尊いと感じてしまうのだ。
そして、ついに変化が訪れる。
「あららー、あの子。彼氏が出来ちゃったな」
「…そう、だな」
「っま、元気出せって! 今日は食堂で俺が奢ってやるよ」
男性と手を絡めて繋ぐ彼女。登校の道すら、あの2人にとっては思い出となる。2人が繋ぐあの手はきっと温かいのだろう。僕は冷えた両手を気霜に当てて、温かくした。
しかし、僕の心は冷え切っている。
そこからはよく覚えてない。いつの間にか夜が来て、いつの間にか彼女を殺していた。
僕は彼女の死体をを見つめながら自分自身の行いを思い出す。
_____________
______
_
「くっ…! くる…しい! や…め」
馬乗りになって僕は彼女の首を両手で絞めている。初めて僕の顔を彼女はちゃんと見てくれた。僕の冷たい手は彼女の首から体温と命を削っていく。手が暖かく、心が満たされるのを感じる。
嗚呼、彼女は苦しく荒く息をする。
嗚呼、僕は力強く激しく息をする。
お互いの気霜が混ざり合う。そして、この両手で全てを奪った後、彼女はパタリと動かなくなった。彼女の首元には、手形の痣を残す。
「今日は寒いな」
あたたまった手でつめたい彼女に触れた。
あの人と離れている時間は息が浅くて、切なくて、会える時間が1秒でも多く欲しいと感じる。それが退屈な学校でも行きたいと思わせる程に。
「なんだー? お前ずっとあの子見てんじゃん」
「あれだよ。えーっと…一目惚れってヤツだよ」
「なるほどなぁ。でも、そんな見過ぎると実るモノも実らないぞ」
しかし、目で彼女を追ってしまう。どうしようもないくらいに。取り憑かれたかの様に。
それなのに彼女とは目が合わない。当たり前だろう。彼女にとって僕は背景に過ぎない。僕が一方的に好きな人として見ているだけだ。そんな一度も名前を呼んだことない人物に僕は縛られている。
「ほら、そろそろ授業始まるぞ! 早く食って教室戻らないと」
見惚れているとあっという間に時間が経っていた。友人はもう食べ終えており、僕を急かす。彼女とは別々の教室だが、また学校のどこかで会えるだろう。
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僕は明日が来ることが狂う程に嬉しくて、明日が来ることが恐ろしい程に怖い。
彼女との関係が時を経つと変化してしまう。そんな事を思いながら就寝することが、異常で日常になっている。しかし、この胸が苦しいことすらが尊いと感じてしまうのだ。
そして、ついに変化が訪れる。
「あららー、あの子。彼氏が出来ちゃったな」
「…そう、だな」
「っま、元気出せって! 今日は食堂で俺が奢ってやるよ」
男性と手を絡めて繋ぐ彼女。登校の道すら、あの2人にとっては思い出となる。2人が繋ぐあの手はきっと温かいのだろう。僕は冷えた両手を気霜に当てて、温かくした。
しかし、僕の心は冷え切っている。
そこからはよく覚えてない。いつの間にか夜が来て、いつの間にか彼女を殺していた。
僕は彼女の死体をを見つめながら自分自身の行いを思い出す。
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「くっ…! くる…しい! や…め」
馬乗りになって僕は彼女の首を両手で絞めている。初めて僕の顔を彼女はちゃんと見てくれた。僕の冷たい手は彼女の首から体温と命を削っていく。手が暖かく、心が満たされるのを感じる。
嗚呼、彼女は苦しく荒く息をする。
嗚呼、僕は力強く激しく息をする。
お互いの気霜が混ざり合う。そして、この両手で全てを奪った後、彼女はパタリと動かなくなった。彼女の首元には、手形の痣を残す。
「今日は寒いな」
あたたまった手でつめたい彼女に触れた。
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