110 / 202
亀裂
110.
しおりを挟む顔を歪めて、子どものように泣き始めたトイがこんなにも憎らしい。
苛立つ、とも違う。憎いのだ。
自分がトイを追い込んでいるのだとしても、意識がまともになってしまえばソンリェンではなく他人のことばかり考えるトイが憎い。
ソンリェンの頭の中は、1年前のあの日からトイのことばかりだが、トイは違う。
「……くそ」
吐き捨てた悪態の苦さに、溢れていた愛おしさが黒い汚泥に塗りこめられていく。
「しす、たぁ」
「うるせえ」
「しすたー……ディ、あっ……ぁ、ァ、ああ、あ、あっ」
「黙れ!」
がん、とトイの顔の横に拳を叩きつける。トイはびくっと身体を震わせて大人しくなった。大粒の涙を流す赤い瞳はすっかり恐怖に彩られており、ソンリェンは硬直したトイに舌打ちしそのままトイを激しく犯した。
「ぁッ……ぁ、ァん、んぅッ……」
こんな風に、再び穿ち始めれば簡単に快楽へと落ちていく幼すぎる体。
どうせ今この瞬間、先ほど自分が誰かに助けを求めたことすらもすっかり忘れてしまうくせに。
「イきてえか? 」
「あっぁ、ァ、ああ、なん……で、ぇ、あ、あっ」
「イきてえなら、強請れ」
「やっ、だ、ァあ…と、って、とってぇッ……ァん」
ソンリェンは、放出を求めて震えるトイのの陰茎の根本を押し潰すように締め上げたまま、残酷にトイの中を堪能した。
腰を押し付けるたびどくどくと脈打つ根本に、さらに指に力を込めて出せないようにする。
トイはいつもいつも、ソンリェン以外の誰かに助けを求める。ソンリェンがトイを求めてもトイはソンリェンを求めない。ソンリェンは一方通行の交わりに縋るしかない。
過去の自分が今の自分を見たら、くだらないと吐き捨てていただろうなと冷えた脳裏の片隅で思った。
その通りだ、できることならばトイへの感情など理解したくなかった。
そうすれば、ソンリェンがこうしてトイを再び苦しめることもなかった。
「あぁ……い、イかせ……てぇ、出し、て……」
「どこに」
「なか、に……」
「誰のだよ」
「ぁっ、ひ……やぁら、やあぁ……あん」
「誰のを出して欲しいんだ、ん? トイ……」
「……っそんり、っのぉ」
くっと口角が歪む、トイをバカにしたわけではない、自嘲の笑みが浮かんだのだ。
こんなにも屈辱的で、あまりにも愚かしい言葉を言わされているトイの惨めさが直接ソンリェンに跳ね返ってきた。一度壊滅的に壊されたトイの体は、表面上は戻ってきてはいても崩されたままだ。
こんな小さな身体に余るほどの淫猥さを奥深くに刻まれている。自由を手にしたと思っていたのに、こうしてソンリェンに貫かれ続けている。
もっと優しくできればいいのだが、それは無理な相談だった。
トイの本来の意思の強さで拒まれるのが怖い。
自分のものにならないトイを認めなければならなくなることが恐ろしい。
だから、いつまでこんな関係を続けていくのかと自分自身に問うても答えは返ってこない。
ソンリェン自身も、どうしたらいいのかわからないのだ。わからないから、こうして躍起になってトイの身体を求め続けている。
「おら、好きなだけイけ」
「ぁ、ぁあ」
性器の根元を潰していた指を緩め、流れる体液を塗りこめるように上下に扱きながら激しい腰使いで膣奥をめちゃくちゃに掻き回す。
「くっ、あ、ぅう……!」
トイが目をぱちぱちと開閉させ身体を伸ばした。熱い内壁がこれまで以上に収縮したと思ったら手の中の小さな肉がびんと反り返り、冷たく爆ぜた。
「あ、あァ、あ」
思惑通り、精液を飛び散らかせながらもトイは膣内で絶頂を迎えているようだった。丸い目を見開き身体全体で痙攣している。
構わず腰を打ち付ければトイは半狂乱になってソンリェンの体を押しのけようとしてきた。汗ばむ両手首を片手で捕えシーツに叩きつけて押さえ込み、一心不乱に腰を振り続ける。
「や、ぁあ……! イって……ィッてる、うッ、っ」
イってるのになんで。驚愕と、深すぎる快感に魚のようにのたうつトイの赤い瞳は与えられ続ける悦楽に崩れかける寸前だった。
トイの限界まで折り曲げられ押さえつけられた脚が、ソンリェンの動きに合わせてガクガクと揺れる。
首筋にソンリェンの息がかかることすら耐えられないのか、トイは涙を溢れさせながらゆるゆると首を振った。
「あ、ァあ……あ、あ、ンふ」
トイの哀れな嬌声に煽られ、なおも穿つ。
ぎゅっと引き千切らんばかりの締め付けにソンリェンも強く腰を叩きつけて欲を吐き出した。
中に出される感覚すらも敏感な内壁には毒のようで、ついにトイの目から光が抜け引きずり込まれるように瞼が閉じられた。
「ぁ……」
意識を飛ばしてもなお、射精したばかりのトイの陰茎は小刻みに揺れている。その哀れな光景に長時間苛まれ続けたトイの衝撃が伺い知れた。
は、と詰めていた息を吐き捨て、トイにのしかかる。
耳の裏に鼻を埋める。トイの甘い汗の匂いがした。
「トイ」
14
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる