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1巻
1-1
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プロローグ
その日はむしゃくしゃしていた。
クラスメイトの嘲笑。蔑む瞳。あるいは見て見ぬふり。
オレに居場所なんてないんだ。この世界には、きっと。
現実から逃げ出すように、あるいは居場所を探すようにネットの世界を徘徊していると、とあるサイトに不思議な書き込みを発見した。
【異世界への扉が、汝の前に開かれようとしている】
画面をスクロールさせていくと、複雑な幾何学模様の画像があらわれた。
【扉のカギはすでに開かれている。汝、決断の刻が迫る】
画面には幾何学模様と、それが描かれた壁が映し出されている。よく見るとそれは、オレの家からほど近い場所にあるガード下の風景に違いなかった。
忘れるはずもない。
そこはついさっき、クラスメイトに金を脅し取られたばかりの場所だったから。
オレはなんの気なしに行動を開始していた。携帯電話だけを持って家を出ると、一〇分ほどで目的地のガード下に到着する。薄暗く、人気のないそこには、先ほど通ったときにはなかったはずの、あの画像にあった幾何学模様が現れていた。
「なんなんだよ、これ」
そう思い、幾何学模様に触れると、体全体が強い光に包まれるのを感じた。
目がくらみ、まぶたを閉じ、思わず体を庇うようにして腕を体に絡ませる。
いったいなにがオレの身に起きようとしているのか、恐怖で強張る体を襲ったのは、一迅の風だった。
春の穏やかな風のように暖かい空気が、草々の青臭い香りを運んでくる。
いまは真冬のはずなのに。
そう思い、目を開けると、その先にはどこまでも続く草原が広がっていた。
地鳴りのような耳を突く雄たけびが聞こえ、空を見上げると、巨竜が大きな翼を広げて大空を旋回していた。
現代人が、こういう異常事態に遭遇したときに真っ先に手を伸ばすのが携帯電話。だが、画面を開くと、そこには圏外の文字。
目の前に広がる異常な事態に、オレの口から出たのはハハ、という乾いた笑い声だった。
あのサイトに書かれていた言葉。
異世界への扉が、オレを受け入れた。
クソみたいな日常から抜け出し、オレは心躍る冒険に出る、その一歩を踏み出した。
◇◇◇
「共感やばい、キタコレ」
本日、一〇月一〇日深夜二時二七分、伝説はここから生まれた。
テレビ画面の前、ぼくは抑えきれない興奮を言葉では表現出来ず、荒ぶる鷹のポーズ――左右の腕と左足を曲げ、威嚇するようなポーズのことだ――でなんとか気持ちを落ち着かせようと努力していた。
家族を起こさないように配慮するとか、ぼくってホント親孝行者。
今日から放送開始のアニメ、『ドドメキ~ドキドキ明星貴族学園~』の第一話を見て、ぼくは主人公の境遇に信じられないくらい共感を覚えていた。
ぼく、間久辺比佐志の居場所はこの世界にない。
きっと異世界に行って、そこで異能力を開眼させ無双して、異能者の集まる学園に入学させられ、そこでも異世界の人間として注目されながら、ぼくの強さに惹かれたヒロインたちが集まってきてハーレム形成。これこそがぼくの居場所に違いない。
アニメの原作小説を読みながら、それでも高ぶる気持ちを抑えられずにいた。
アニメ、ゲーム、漫画、ラノベ、そういったサブカルに傾倒して長いぼくだが、ここまでの興奮を覚えたのは、親に隠れて初めて深夜枠のアニメを見た日以来かもしれない。
だめだ、一向に興奮が収まらない。
ぼくはアニメの主人公と同じく、居てもたってもいられなくなり、自室を抜け出すと、こそーっと家を後にした。
ガード下、ガード下っと。
目的の場所は最寄り駅の近くにあるガード下。
原作ではわからなかったが、映像化されたアニメに出てきたガード下は、ぼくの知る場所にどことなく雰囲気が似ていた。まさかモデルにしたとかかな。それなら、原作ファンとしては行かないと。聖地巡礼するしかないっしょ! ってな具合に足を向けて――たどり着いてみて思った。
怖いよ。
深夜のガード下とかヤバいって。主人公どんだけ精神強靭だよ。なんか聞こえてもいないのに足音とか聞こえてくる気がして心臓が痛い。
ガード下の壁は灰色の無骨なコンクリート造り。だが、当然のことながらそこに異世界へと通じる魔法陣は描かれていない。分かりきっていたことだった。
それにしても、ここまでアニメと酷似した環境で、そこに重要な魔法陣だけが抜け落ちている状況というのは我慢ならない。
ぼくは家を出る際持ってきていた、プラモデル用のスプレーインクを取り出した。
魔法陣のデザインは、原作ラノベの挿絵でも見ていて、しっかり頭の中に入っている。
ふっと息を吐き出すと、脳内のイメージを固定させ、ぼくは壁に向かってスプレーインクを噴霧させた。時間にしておよそ五分ほどで、壁にはアニメと同じ魔法陣が現れる。
ぼくは満足すると、そっと手をのばし、アニメの主人公と同じように絵に触れてみた。
まぁ、どうせぼくの世界はなにも変わらないとわかっているけどね。
当然の結果に、それでも少しがっかりしながら魔法陣から手を離しかけたそのとき、眩い光がぼくの体を包み込んだ。光を手で遮りながら、目を細め、次に起こる展開に期待する。
これはまさしくアニメと同じ状況っ。
さあ異世界の扉、開け、早よ!
「……あれ?」
ところがここまでアニメ通りに進んでいた事態が急変し、「テメエそこでなにしてやがる」と野太い男の声がかけられた。
光に目が慣れはじめ、声の方に目をやると、そこにはバイクに跨った男の姿が。しかも一人じゃない。ざっと見ただけで五人以上いる。
どうもおかしいと思っていたんだ。さっきから心臓がやけにドッドッドと激しい音をさせていると思ったら、どうやらあれはバイクのエンジン音だったようだ。普通間違えないだろう、というツッコミがどこからか聞こえた気がしたけど、言っとくがいまのぼくは普通の精神状態ではない。なんたってアニメと同じように壁に触れた瞬間に光に包まれるとか、本来なら感涙にむせび泣いていてもおかしくないレベルなのだ。
しかし、今度は本当に心臓の音が、それこそ自分の耳にまで聞こえるのではないかというくらい激しく鳴っていた。
バイクに乗った男たちは、恐らくこの街にいくつもある不良グループのどれかに属している連中に違いなかった。
正式な街の名前をもじって狂った街なんて不名誉な愛称で呼ばれるこの街には、非常に残念なことに、彼らのような一筋縄ではいかない若者が大勢いるのだ。
ぼくのように健全な若者にとって、この街で生活することはレベル1の状態で難易度の高いダンジョンに挑むみたいなことだ。絶対に勝てない敵とのエンカウント率が異常に高い、みたいな。それどんなクソゲーだよ。
まあ、ぼくの人生からしてホント、クソゲーみたいなものだ。
だったらと、ぼくの頭の中にコマンドバトル風の選択肢が現れる。
・……た、たたかう?
・特殊能力
・アイテム
・逃げる
うむ、たたかうの文字の表示からして脳内コマンドのやる気がないのは明らかなので、取りあえずアイテムは……っと、だめだ、肌色がいっぱいな青少年閲覧禁止状態のスマホしか所持していない。これ見られたら明日から生きていけないよ。
ならば、特殊能力を確認してみるとしよう。
特殊能力を脳内でポチッと。
・荒ぶる鷹のポーズ(MP877)
↑これ一択。
……めっちゃMP消費しますやん。
しかし、そうなると選択肢は一つ。
「あ、空飛ぶ猫耳メイドだっ」
ええ、誰も振り向きませんでした、はい。
まあとにかく、やれることといえばこれ、三十六計逃げるに如かず!
踵を返したぼくは、不良たちが居る方とは反対側に向かって逃げ出した。
「あ、待ちやがれ!」
叫ぶ不良。相手はバイク。普通だったら逃げられるはずもないが、幸いなことにこのガード下は一般の道から階段を数段降りた低い位置にあるため、バイクに乗ったまま通り抜けることは出来ない。つまり、ぼくを追いかけるにはバイクから降りなければならず、そこまでして彼らがぼくを追いかける理由もないはずだ。
と、思っていたのだが、連中の内三人が跨っていたバイクを乗り捨てる勢いで降りると、叫び声をあげながら追いかけてきた。
「俺ら三人で追うから仲間呼んで来いっ!」
と恐ろしいことを仲間に指示した男は、次に「テメエこの野郎!」とぼくに向かって怒声を発する。
「ウチのチームのシマ荒らすたぁ、どういうつもりだっ!」
「スカイラーズを舐めやがって、後悔させてやらぁ!」
ファミレスチェーンみたいな名前の不良グループ三人がすごい剣幕で追いかけてくる。状況はまるで理解出来ていなかったが、ぼくに対してかなり腹を立てているのだけはわかった。
こっちとしても身の安全がかかっているため全力疾走だが、いかんせんインドア派という言葉で濁したオタクの全力など高が知れているため、その距離は徐々に詰められてしまう。
ああ、もうホント嫌だ、泣きそうだ。
最後の力で踏み入った公園で、力尽きた膝が崩れて盛大に転倒したぼく。なんでこんな目に遭わなければならないのか、清廉潔白な自分にどうしてこんな罰を与えるのか、天を睨み付けるようにして、神様ってやつを恨んだ。
あ、転んだ拍子にポケットから飛び出したスマホ。
しかも、落ちた拍子にどこか触れたのか、画面には肌色を晒した二次元キャラの画像が。
ぼくはそっとスマホを拾い、ポケットに仕舞うと、もう一度、天を睨み付けて思った。
清廉潔白なぼくが、どうして。
「チッ、手間ぁ、取らせやがって」
肩で息をする不良連中が、少し遅れて公園に入ってきた。
このときになってようやく、ぼくは言い訳の言葉を口にしようと考えた。だが、いままでに経験したことがないほどの体の疲労感と、上がる息、そして不良を前にしたときの圧倒的緊張感から、まともな言葉が出てこない。
なにかの犯人と決めつけてくる彼らに、ただ必死で「ぼくじゃない」という旨の言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。
「一目散に逃げ出しといて、いまさら言い逃れとか見苦しいぜ。テメエも不良やってんだったら、男らしく正面切ってかかってこいや!」
いえ違います、ぼく不良じゃないです。
というかそれと正反対の存在です。
なんてことを言っても、どうせ信用してもらえないんだろうな。
やだな。サイコ漫画とか、FPSとか好きだけど、痛いの嫌いなんだよ。
そんな当たり前のことを考えながら、この理不尽な状況に諦めをつけようと考えてみる。
だからという訳ではないが、ぼくの意識は完全に自分の内面、そして追ってきていた不良たちに集約されていて、周りのことにまで意識を向けていなかった。
そう、まさか公園に誰かが居るなんてこと、考えもしなかったのだ。
「うるせえなぁ。ご近所迷惑考えろよ、おい」
コンクリートで出来たカマクラのような形の遊具からのっそりと出てきた男は、気だるげにそう言いながら、あくびを漏らした。
「「「ホームレスだ」」」
「ホームレスだ」
あ、ヤバ、不良たちとシンクロしちゃった。
ぼくらの言葉に男はムッとしたのか、「ああ?」と凄む。
「誰がイケメンホームレスだ」
誰もそんなこと言ってない。
よく見ると、ぼくとそう変わらない若い男だということが、公園の街灯の弱々しい光でもわかる。身長は同世代の平均的な体躯のぼくより頭一個分高く、そして手足も長い。
ただ残念なことに、耳や唇、鼻にまでいくつもピアスをつけていて、しかも極め付けに頭部の目立った赤い髪を見た瞬間、その人物がまともではないとわかってしまった。
絶対にこの人も不良だ。しかも、性質の悪い部類の。
そんな風に思っていると、事態は思わぬ方向へと動いた。
さっきまで威勢よくぼくを追いかけてきていたサイゼだかなんだかっていう不良グループの一人が、及び腰になったのだ。
「お、おい、あの赤い髪、間違いない、ヤツだ。アカサビだ」
しかしそんな言葉を、残りの二人はまるで意にも介さない様子だ。
「ああ? なんだテメエは。部外者はすっこんでろカス」
「しかもなんだコイツ。パンクジャンキーかよ、ピアスだらけ。顔中穴だらけにしてピアスの数増やしたろか、ああん?」
「お、おい、よせよ」
なおも赤い髪の人を挑発する二人を、そう言いながら止める男。
だが、興奮状態の男たちはまるで引き下がろうとしない。それどころか――
「駅周辺で最大規模のスカイラーズに喧嘩売ってきたんだ、生きて帰す訳にはいかねえよな」
そう言いながら、赤い髪の人とぼくを順番に見てくる。
やっぱり、ぼくのことも忘れてくれてはいないようだ。
その男は拳を握り、指の骨を鳴らしながら言った。
「スカイラーズ一喧嘩っ早い男、ペーパーナイフの田中たあ、俺のことだ」
うん、すごく弱そうだね。
「知らねえ」
即答した赤い髪の人。まったく同意見だった。
「ふ、ふん。まあいいさ。いまは知らなくても、俺の名前を聞けば誰もが恐れて道をあける、そんな不良に俺はなるからよ」
あ、死亡フラグ。
赤い髪の人――さっきアカサビとか呼ばれてたっけ――が、容赦ない拳をペッパーライフだかなんだかっていう異名の人に叩き込む。
さっきまで遊具の近くにいたはずの赤い髪のアカサビさんは、その大きい体には似つかわしくない速い動きで、気付いたらその距離を一気に詰めて男を殴り飛ばしていた。
濃い緑のダウンジャケットに隠れて確認することは出来ないが、そのスラリと伸びた腕は恐らく筋肉の塊だろう。そうでなければ説明がつかない吹き飛び方をしていた。
「べらべらとうるっせえんだよ」
アカサビさんは、握り拳を作ったままそう言った。
続いてもう一人も、アカサビさんに向かっていった。
そいつは、目の前で仲間を吹き飛ばされ、茫然と佇んでいたかと思うと、急にスイッチを入れられた壊れかけのオモチャみたいに、不格好な姿勢で拳を構えた。
「よくもペーパーナイフを……ぶ、ぶっ殺したらぁ!」
叫び声とともに突進した不良を、アカサビさんは半身だけ翻していなすと、すれ違い様に男の襟首を掴んで思い切り引っ張った。すると、勢いに乗った男の体の前進運動のエネルギーが、襟を通してすべて男の首にかかって、一瞬呼吸を止めさせた。
息苦しさからか、あるいは単純に喉の痛みからか、男は地面に膝をつくと、喉を押さえながらむせ返っている。
その隙をつくように、後頭部あたりに容赦のないアカサビさんの蹴りが入り、男は意識を失ってその場に倒れ込んだ。
え、ちょっとなにこの赤い髪の人。
アカサビさんって、この物語の主人公ですか?
第一章――階調変更
1
翌日が金曜日だからって、夜更かしして深夜アニメをリアルタイムで見ようとするから、あんなに恐ろしい体験をすることになってしまったんだ。
二年三組の教室。ぼくは登校するなり、自分を戒める意味で目をつむり、瞑想にふけった。決して眠たいという理由で机に突っ伏し、目を閉じている訳ではない。本当だよ?
そんな崇高な瞑想時間を邪魔するように、クラスメイトの談笑し合う声が耳についた。
どうしてヤツらは、ちょっとの時間大人しくしていることが出来ないのだろうか。学校という場所は自分だけの場所ではないということを、いい加減理解してもらいたいものだ。
まあ、直接は言わないけどさ。
それにしてもつくづく思う。ホント、こういうときクラス内ボッチは楽でいい。
高校生活もすでに二年目の二学期に突入して久しいというのに、クラスメイトの誰からも話しかけられることがないから、こうして登校早々に眠りこけていても、なんの違和感もない。
べ、別に寂しくなんかないんだからね!
机に突っ伏したまま、散漫となる意識の中で、ぼくは昨夜の出来事を思い返していた。
赤い髪の男。確か名前はアカサビと言ったか、彼の圧倒的な力によって撃退された二人の不良。残りの一人にその矛先が向きかけたところで、男はアカサビさんに待ったをかけた。
「ま、待ってくれ。あんたの眠りの邪魔をしたことは謝る。だから、ここは見逃してくれ。喧嘩屋アカサビに楯突こうなんて思ってないからさ」
「あぁ? オレのこと知ってるのかテメエ。名前は?」
アカサビさんの問いに男は答えた。
「御堂数」
御堂と名乗った男は、アカサビさんに一撃で沈められた仲間二人とはどこか違って見えた。
単純に容姿を見るかぎり、倒された二人ほど気合の入った不良という印象を受けなかったためだろうか。短髪の髪は、街灯の灯りでもわかるくらい派手な金色で、短髪の髪をワックスで立たせたリーゼントマッシュとかいう噂のオシャレヘアー。服装は黒のライダースジャケットを着用しており、不良として突っ張るためというより、モテることを意識したようなチャラチャラした印象を受けた。
アカサビさんは、そんな御堂の姿をまじまじ眺めてから一言。
「御堂? 知らねえ名前だ」
「当然だよ。俺はあんたほど有名人じゃないんでね」
「ああ? そのせいで、こっちは平和に過ごしたいっていうのに、テメエらクソ不良連中から絡まれていい迷惑なんだよ」
「最強の喧嘩屋を倒したとなれば、不良界で一躍その名を広められるからな。野心のある連中は無謀にも挑むだろうさ」
「そもそも勘違いしているみたいだが、オレは喧嘩屋じゃねえんだよ」
「喧嘩屋でもない人間が、不良グループをことごとく潰して回るものか」
二人のやり取りを見ていてぼくは思った。
――あれ、完全に空気だぼく。
その日はむしゃくしゃしていた。
クラスメイトの嘲笑。蔑む瞳。あるいは見て見ぬふり。
オレに居場所なんてないんだ。この世界には、きっと。
現実から逃げ出すように、あるいは居場所を探すようにネットの世界を徘徊していると、とあるサイトに不思議な書き込みを発見した。
【異世界への扉が、汝の前に開かれようとしている】
画面をスクロールさせていくと、複雑な幾何学模様の画像があらわれた。
【扉のカギはすでに開かれている。汝、決断の刻が迫る】
画面には幾何学模様と、それが描かれた壁が映し出されている。よく見るとそれは、オレの家からほど近い場所にあるガード下の風景に違いなかった。
忘れるはずもない。
そこはついさっき、クラスメイトに金を脅し取られたばかりの場所だったから。
オレはなんの気なしに行動を開始していた。携帯電話だけを持って家を出ると、一〇分ほどで目的地のガード下に到着する。薄暗く、人気のないそこには、先ほど通ったときにはなかったはずの、あの画像にあった幾何学模様が現れていた。
「なんなんだよ、これ」
そう思い、幾何学模様に触れると、体全体が強い光に包まれるのを感じた。
目がくらみ、まぶたを閉じ、思わず体を庇うようにして腕を体に絡ませる。
いったいなにがオレの身に起きようとしているのか、恐怖で強張る体を襲ったのは、一迅の風だった。
春の穏やかな風のように暖かい空気が、草々の青臭い香りを運んでくる。
いまは真冬のはずなのに。
そう思い、目を開けると、その先にはどこまでも続く草原が広がっていた。
地鳴りのような耳を突く雄たけびが聞こえ、空を見上げると、巨竜が大きな翼を広げて大空を旋回していた。
現代人が、こういう異常事態に遭遇したときに真っ先に手を伸ばすのが携帯電話。だが、画面を開くと、そこには圏外の文字。
目の前に広がる異常な事態に、オレの口から出たのはハハ、という乾いた笑い声だった。
あのサイトに書かれていた言葉。
異世界への扉が、オレを受け入れた。
クソみたいな日常から抜け出し、オレは心躍る冒険に出る、その一歩を踏み出した。
◇◇◇
「共感やばい、キタコレ」
本日、一〇月一〇日深夜二時二七分、伝説はここから生まれた。
テレビ画面の前、ぼくは抑えきれない興奮を言葉では表現出来ず、荒ぶる鷹のポーズ――左右の腕と左足を曲げ、威嚇するようなポーズのことだ――でなんとか気持ちを落ち着かせようと努力していた。
家族を起こさないように配慮するとか、ぼくってホント親孝行者。
今日から放送開始のアニメ、『ドドメキ~ドキドキ明星貴族学園~』の第一話を見て、ぼくは主人公の境遇に信じられないくらい共感を覚えていた。
ぼく、間久辺比佐志の居場所はこの世界にない。
きっと異世界に行って、そこで異能力を開眼させ無双して、異能者の集まる学園に入学させられ、そこでも異世界の人間として注目されながら、ぼくの強さに惹かれたヒロインたちが集まってきてハーレム形成。これこそがぼくの居場所に違いない。
アニメの原作小説を読みながら、それでも高ぶる気持ちを抑えられずにいた。
アニメ、ゲーム、漫画、ラノベ、そういったサブカルに傾倒して長いぼくだが、ここまでの興奮を覚えたのは、親に隠れて初めて深夜枠のアニメを見た日以来かもしれない。
だめだ、一向に興奮が収まらない。
ぼくはアニメの主人公と同じく、居てもたってもいられなくなり、自室を抜け出すと、こそーっと家を後にした。
ガード下、ガード下っと。
目的の場所は最寄り駅の近くにあるガード下。
原作ではわからなかったが、映像化されたアニメに出てきたガード下は、ぼくの知る場所にどことなく雰囲気が似ていた。まさかモデルにしたとかかな。それなら、原作ファンとしては行かないと。聖地巡礼するしかないっしょ! ってな具合に足を向けて――たどり着いてみて思った。
怖いよ。
深夜のガード下とかヤバいって。主人公どんだけ精神強靭だよ。なんか聞こえてもいないのに足音とか聞こえてくる気がして心臓が痛い。
ガード下の壁は灰色の無骨なコンクリート造り。だが、当然のことながらそこに異世界へと通じる魔法陣は描かれていない。分かりきっていたことだった。
それにしても、ここまでアニメと酷似した環境で、そこに重要な魔法陣だけが抜け落ちている状況というのは我慢ならない。
ぼくは家を出る際持ってきていた、プラモデル用のスプレーインクを取り出した。
魔法陣のデザインは、原作ラノベの挿絵でも見ていて、しっかり頭の中に入っている。
ふっと息を吐き出すと、脳内のイメージを固定させ、ぼくは壁に向かってスプレーインクを噴霧させた。時間にしておよそ五分ほどで、壁にはアニメと同じ魔法陣が現れる。
ぼくは満足すると、そっと手をのばし、アニメの主人公と同じように絵に触れてみた。
まぁ、どうせぼくの世界はなにも変わらないとわかっているけどね。
当然の結果に、それでも少しがっかりしながら魔法陣から手を離しかけたそのとき、眩い光がぼくの体を包み込んだ。光を手で遮りながら、目を細め、次に起こる展開に期待する。
これはまさしくアニメと同じ状況っ。
さあ異世界の扉、開け、早よ!
「……あれ?」
ところがここまでアニメ通りに進んでいた事態が急変し、「テメエそこでなにしてやがる」と野太い男の声がかけられた。
光に目が慣れはじめ、声の方に目をやると、そこにはバイクに跨った男の姿が。しかも一人じゃない。ざっと見ただけで五人以上いる。
どうもおかしいと思っていたんだ。さっきから心臓がやけにドッドッドと激しい音をさせていると思ったら、どうやらあれはバイクのエンジン音だったようだ。普通間違えないだろう、というツッコミがどこからか聞こえた気がしたけど、言っとくがいまのぼくは普通の精神状態ではない。なんたってアニメと同じように壁に触れた瞬間に光に包まれるとか、本来なら感涙にむせび泣いていてもおかしくないレベルなのだ。
しかし、今度は本当に心臓の音が、それこそ自分の耳にまで聞こえるのではないかというくらい激しく鳴っていた。
バイクに乗った男たちは、恐らくこの街にいくつもある不良グループのどれかに属している連中に違いなかった。
正式な街の名前をもじって狂った街なんて不名誉な愛称で呼ばれるこの街には、非常に残念なことに、彼らのような一筋縄ではいかない若者が大勢いるのだ。
ぼくのように健全な若者にとって、この街で生活することはレベル1の状態で難易度の高いダンジョンに挑むみたいなことだ。絶対に勝てない敵とのエンカウント率が異常に高い、みたいな。それどんなクソゲーだよ。
まあ、ぼくの人生からしてホント、クソゲーみたいなものだ。
だったらと、ぼくの頭の中にコマンドバトル風の選択肢が現れる。
・……た、たたかう?
・特殊能力
・アイテム
・逃げる
うむ、たたかうの文字の表示からして脳内コマンドのやる気がないのは明らかなので、取りあえずアイテムは……っと、だめだ、肌色がいっぱいな青少年閲覧禁止状態のスマホしか所持していない。これ見られたら明日から生きていけないよ。
ならば、特殊能力を確認してみるとしよう。
特殊能力を脳内でポチッと。
・荒ぶる鷹のポーズ(MP877)
↑これ一択。
……めっちゃMP消費しますやん。
しかし、そうなると選択肢は一つ。
「あ、空飛ぶ猫耳メイドだっ」
ええ、誰も振り向きませんでした、はい。
まあとにかく、やれることといえばこれ、三十六計逃げるに如かず!
踵を返したぼくは、不良たちが居る方とは反対側に向かって逃げ出した。
「あ、待ちやがれ!」
叫ぶ不良。相手はバイク。普通だったら逃げられるはずもないが、幸いなことにこのガード下は一般の道から階段を数段降りた低い位置にあるため、バイクに乗ったまま通り抜けることは出来ない。つまり、ぼくを追いかけるにはバイクから降りなければならず、そこまでして彼らがぼくを追いかける理由もないはずだ。
と、思っていたのだが、連中の内三人が跨っていたバイクを乗り捨てる勢いで降りると、叫び声をあげながら追いかけてきた。
「俺ら三人で追うから仲間呼んで来いっ!」
と恐ろしいことを仲間に指示した男は、次に「テメエこの野郎!」とぼくに向かって怒声を発する。
「ウチのチームのシマ荒らすたぁ、どういうつもりだっ!」
「スカイラーズを舐めやがって、後悔させてやらぁ!」
ファミレスチェーンみたいな名前の不良グループ三人がすごい剣幕で追いかけてくる。状況はまるで理解出来ていなかったが、ぼくに対してかなり腹を立てているのだけはわかった。
こっちとしても身の安全がかかっているため全力疾走だが、いかんせんインドア派という言葉で濁したオタクの全力など高が知れているため、その距離は徐々に詰められてしまう。
ああ、もうホント嫌だ、泣きそうだ。
最後の力で踏み入った公園で、力尽きた膝が崩れて盛大に転倒したぼく。なんでこんな目に遭わなければならないのか、清廉潔白な自分にどうしてこんな罰を与えるのか、天を睨み付けるようにして、神様ってやつを恨んだ。
あ、転んだ拍子にポケットから飛び出したスマホ。
しかも、落ちた拍子にどこか触れたのか、画面には肌色を晒した二次元キャラの画像が。
ぼくはそっとスマホを拾い、ポケットに仕舞うと、もう一度、天を睨み付けて思った。
清廉潔白なぼくが、どうして。
「チッ、手間ぁ、取らせやがって」
肩で息をする不良連中が、少し遅れて公園に入ってきた。
このときになってようやく、ぼくは言い訳の言葉を口にしようと考えた。だが、いままでに経験したことがないほどの体の疲労感と、上がる息、そして不良を前にしたときの圧倒的緊張感から、まともな言葉が出てこない。
なにかの犯人と決めつけてくる彼らに、ただ必死で「ぼくじゃない」という旨の言葉を絞り出すのが精いっぱいだった。
「一目散に逃げ出しといて、いまさら言い逃れとか見苦しいぜ。テメエも不良やってんだったら、男らしく正面切ってかかってこいや!」
いえ違います、ぼく不良じゃないです。
というかそれと正反対の存在です。
なんてことを言っても、どうせ信用してもらえないんだろうな。
やだな。サイコ漫画とか、FPSとか好きだけど、痛いの嫌いなんだよ。
そんな当たり前のことを考えながら、この理不尽な状況に諦めをつけようと考えてみる。
だからという訳ではないが、ぼくの意識は完全に自分の内面、そして追ってきていた不良たちに集約されていて、周りのことにまで意識を向けていなかった。
そう、まさか公園に誰かが居るなんてこと、考えもしなかったのだ。
「うるせえなぁ。ご近所迷惑考えろよ、おい」
コンクリートで出来たカマクラのような形の遊具からのっそりと出てきた男は、気だるげにそう言いながら、あくびを漏らした。
「「「ホームレスだ」」」
「ホームレスだ」
あ、ヤバ、不良たちとシンクロしちゃった。
ぼくらの言葉に男はムッとしたのか、「ああ?」と凄む。
「誰がイケメンホームレスだ」
誰もそんなこと言ってない。
よく見ると、ぼくとそう変わらない若い男だということが、公園の街灯の弱々しい光でもわかる。身長は同世代の平均的な体躯のぼくより頭一個分高く、そして手足も長い。
ただ残念なことに、耳や唇、鼻にまでいくつもピアスをつけていて、しかも極め付けに頭部の目立った赤い髪を見た瞬間、その人物がまともではないとわかってしまった。
絶対にこの人も不良だ。しかも、性質の悪い部類の。
そんな風に思っていると、事態は思わぬ方向へと動いた。
さっきまで威勢よくぼくを追いかけてきていたサイゼだかなんだかっていう不良グループの一人が、及び腰になったのだ。
「お、おい、あの赤い髪、間違いない、ヤツだ。アカサビだ」
しかしそんな言葉を、残りの二人はまるで意にも介さない様子だ。
「ああ? なんだテメエは。部外者はすっこんでろカス」
「しかもなんだコイツ。パンクジャンキーかよ、ピアスだらけ。顔中穴だらけにしてピアスの数増やしたろか、ああん?」
「お、おい、よせよ」
なおも赤い髪の人を挑発する二人を、そう言いながら止める男。
だが、興奮状態の男たちはまるで引き下がろうとしない。それどころか――
「駅周辺で最大規模のスカイラーズに喧嘩売ってきたんだ、生きて帰す訳にはいかねえよな」
そう言いながら、赤い髪の人とぼくを順番に見てくる。
やっぱり、ぼくのことも忘れてくれてはいないようだ。
その男は拳を握り、指の骨を鳴らしながら言った。
「スカイラーズ一喧嘩っ早い男、ペーパーナイフの田中たあ、俺のことだ」
うん、すごく弱そうだね。
「知らねえ」
即答した赤い髪の人。まったく同意見だった。
「ふ、ふん。まあいいさ。いまは知らなくても、俺の名前を聞けば誰もが恐れて道をあける、そんな不良に俺はなるからよ」
あ、死亡フラグ。
赤い髪の人――さっきアカサビとか呼ばれてたっけ――が、容赦ない拳をペッパーライフだかなんだかっていう異名の人に叩き込む。
さっきまで遊具の近くにいたはずの赤い髪のアカサビさんは、その大きい体には似つかわしくない速い動きで、気付いたらその距離を一気に詰めて男を殴り飛ばしていた。
濃い緑のダウンジャケットに隠れて確認することは出来ないが、そのスラリと伸びた腕は恐らく筋肉の塊だろう。そうでなければ説明がつかない吹き飛び方をしていた。
「べらべらとうるっせえんだよ」
アカサビさんは、握り拳を作ったままそう言った。
続いてもう一人も、アカサビさんに向かっていった。
そいつは、目の前で仲間を吹き飛ばされ、茫然と佇んでいたかと思うと、急にスイッチを入れられた壊れかけのオモチャみたいに、不格好な姿勢で拳を構えた。
「よくもペーパーナイフを……ぶ、ぶっ殺したらぁ!」
叫び声とともに突進した不良を、アカサビさんは半身だけ翻していなすと、すれ違い様に男の襟首を掴んで思い切り引っ張った。すると、勢いに乗った男の体の前進運動のエネルギーが、襟を通してすべて男の首にかかって、一瞬呼吸を止めさせた。
息苦しさからか、あるいは単純に喉の痛みからか、男は地面に膝をつくと、喉を押さえながらむせ返っている。
その隙をつくように、後頭部あたりに容赦のないアカサビさんの蹴りが入り、男は意識を失ってその場に倒れ込んだ。
え、ちょっとなにこの赤い髪の人。
アカサビさんって、この物語の主人公ですか?
第一章――階調変更
1
翌日が金曜日だからって、夜更かしして深夜アニメをリアルタイムで見ようとするから、あんなに恐ろしい体験をすることになってしまったんだ。
二年三組の教室。ぼくは登校するなり、自分を戒める意味で目をつむり、瞑想にふけった。決して眠たいという理由で机に突っ伏し、目を閉じている訳ではない。本当だよ?
そんな崇高な瞑想時間を邪魔するように、クラスメイトの談笑し合う声が耳についた。
どうしてヤツらは、ちょっとの時間大人しくしていることが出来ないのだろうか。学校という場所は自分だけの場所ではないということを、いい加減理解してもらいたいものだ。
まあ、直接は言わないけどさ。
それにしてもつくづく思う。ホント、こういうときクラス内ボッチは楽でいい。
高校生活もすでに二年目の二学期に突入して久しいというのに、クラスメイトの誰からも話しかけられることがないから、こうして登校早々に眠りこけていても、なんの違和感もない。
べ、別に寂しくなんかないんだからね!
机に突っ伏したまま、散漫となる意識の中で、ぼくは昨夜の出来事を思い返していた。
赤い髪の男。確か名前はアカサビと言ったか、彼の圧倒的な力によって撃退された二人の不良。残りの一人にその矛先が向きかけたところで、男はアカサビさんに待ったをかけた。
「ま、待ってくれ。あんたの眠りの邪魔をしたことは謝る。だから、ここは見逃してくれ。喧嘩屋アカサビに楯突こうなんて思ってないからさ」
「あぁ? オレのこと知ってるのかテメエ。名前は?」
アカサビさんの問いに男は答えた。
「御堂数」
御堂と名乗った男は、アカサビさんに一撃で沈められた仲間二人とはどこか違って見えた。
単純に容姿を見るかぎり、倒された二人ほど気合の入った不良という印象を受けなかったためだろうか。短髪の髪は、街灯の灯りでもわかるくらい派手な金色で、短髪の髪をワックスで立たせたリーゼントマッシュとかいう噂のオシャレヘアー。服装は黒のライダースジャケットを着用しており、不良として突っ張るためというより、モテることを意識したようなチャラチャラした印象を受けた。
アカサビさんは、そんな御堂の姿をまじまじ眺めてから一言。
「御堂? 知らねえ名前だ」
「当然だよ。俺はあんたほど有名人じゃないんでね」
「ああ? そのせいで、こっちは平和に過ごしたいっていうのに、テメエらクソ不良連中から絡まれていい迷惑なんだよ」
「最強の喧嘩屋を倒したとなれば、不良界で一躍その名を広められるからな。野心のある連中は無謀にも挑むだろうさ」
「そもそも勘違いしているみたいだが、オレは喧嘩屋じゃねえんだよ」
「喧嘩屋でもない人間が、不良グループをことごとく潰して回るものか」
二人のやり取りを見ていてぼくは思った。
――あれ、完全に空気だぼく。
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