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色欲も良いことばかりでは無い
《二十一之罪》正にトロイの木馬
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結局、決勝戦は中断。
私たちは強制的に、王室に戻されてしまった。
「おいおい、どうしたんだこりゃよ!?」
「くっ...異常事態か!?」
リフレや騎士も驚きを隠せていない。
リフレに関しては、慌てるというよりも、決勝戦を行えなかった事への不服にも近い気がしたが...。
私も突然の事に内心一瞬慌てたが、一呼吸置くと落ち着きを取り戻し、城内で異常事態が起こっていると確信した。
「王の身が心配だ。兵、並びに諸君ら剣士よ。ここは任せる!」
騎士はそう言い放ち、王室を去ってしまった。
聞く話によれば、自然災害程度ではこのような事態に陥ったことが無いらしい。となると恐らくは敵組織の襲撃か...。
私は周囲の戦えそうな人を見繕う。
...が、観客の中にちらほらと見えた剣士であろう人達は全員怖がってしまっている。これでは戦力にはならない。
観客の中にルシフがいたが、彼女は視線が合うと首を横に振った。
こちらも同じ気持ちだ。彼女にはエーシュを守って貰わなければならないからだ。
次に兵士を見るが、そちらは観客を守る事に徹しているため、これも期待出来ない。
私とリフレ以外のトーナメント進出者は全員王室には居ないらしく、実質この場での戦闘力は二人だけとなる。
唐突に、王室の扉が勢いよく開いた。
反射的に私とリフレは、それぞれ武器を構えて戦闘態勢に入る。
が、入ってきたのは敵勢力ではなく、城の兵士だった。
「王からの命により、直ちに観客たちを避難させます!」
兵士はそう言うと、王室の隅に固まっている観客たちの元へ走っていき...
「......え?」
私たちが視線を向けた先には、
所持していた槍を観客の一人に向けてた兵の、首を剣で貫いたリフレが居た...。
※※※※※
首を貫かれた事により兵士は即死。
魂の消えた身体は剣が引き抜かれるのと同時に力なく床に倒れ、その場にいた観客たちの恐怖を募らせる。
「嫌ぁーっ!!!」
「死んだ......死んでるぞぉ!!」
観客の前列に居た人達が騒ぎ立て、後ろにいた人達も連られて騒ぎ出す。
「お、おい、こいつ今、俺を殺そうと......。」
観客の中の一人、つい今しがた、兵士に槍で頭を貫かれそうになっていた男性が呟く。
たった今死んだのは、城の王に仕える兵士だ。
その兵士が、民を手にかけようとした。
「まさか...敵のスパイか!?」
「いや、ちょっと待て...。」
男性が騒ぎ立てるのを一人の兵士がなだめ、しゃがみこんで死んだ兵士の顔を確認する。
すると、兵士が真っ青な顔をして立ち上がる。
「こいつは...、私の友人だ...。」
兵士は私たちの方へ振り返ると、そう告げた。
友人が敵のスパイ、なんて悲しい事は考えたくは無いが、現にそいつは人を殺そうとしていた。
可哀想だが、そう認めざるを得ない。
しかし、私の考えは残酷な形で、覆えされるのであった。
何故なら...。
「......逃げろ、ブラーズ。」
私の背後に居たリフレが、私の喉元を斬りつけて来たからだ...、
───────────────
私たちは強制的に、王室に戻されてしまった。
「おいおい、どうしたんだこりゃよ!?」
「くっ...異常事態か!?」
リフレや騎士も驚きを隠せていない。
リフレに関しては、慌てるというよりも、決勝戦を行えなかった事への不服にも近い気がしたが...。
私も突然の事に内心一瞬慌てたが、一呼吸置くと落ち着きを取り戻し、城内で異常事態が起こっていると確信した。
「王の身が心配だ。兵、並びに諸君ら剣士よ。ここは任せる!」
騎士はそう言い放ち、王室を去ってしまった。
聞く話によれば、自然災害程度ではこのような事態に陥ったことが無いらしい。となると恐らくは敵組織の襲撃か...。
私は周囲の戦えそうな人を見繕う。
...が、観客の中にちらほらと見えた剣士であろう人達は全員怖がってしまっている。これでは戦力にはならない。
観客の中にルシフがいたが、彼女は視線が合うと首を横に振った。
こちらも同じ気持ちだ。彼女にはエーシュを守って貰わなければならないからだ。
次に兵士を見るが、そちらは観客を守る事に徹しているため、これも期待出来ない。
私とリフレ以外のトーナメント進出者は全員王室には居ないらしく、実質この場での戦闘力は二人だけとなる。
唐突に、王室の扉が勢いよく開いた。
反射的に私とリフレは、それぞれ武器を構えて戦闘態勢に入る。
が、入ってきたのは敵勢力ではなく、城の兵士だった。
「王からの命により、直ちに観客たちを避難させます!」
兵士はそう言うと、王室の隅に固まっている観客たちの元へ走っていき...
「......え?」
私たちが視線を向けた先には、
所持していた槍を観客の一人に向けてた兵の、首を剣で貫いたリフレが居た...。
※※※※※
首を貫かれた事により兵士は即死。
魂の消えた身体は剣が引き抜かれるのと同時に力なく床に倒れ、その場にいた観客たちの恐怖を募らせる。
「嫌ぁーっ!!!」
「死んだ......死んでるぞぉ!!」
観客の前列に居た人達が騒ぎ立て、後ろにいた人達も連られて騒ぎ出す。
「お、おい、こいつ今、俺を殺そうと......。」
観客の中の一人、つい今しがた、兵士に槍で頭を貫かれそうになっていた男性が呟く。
たった今死んだのは、城の王に仕える兵士だ。
その兵士が、民を手にかけようとした。
「まさか...敵のスパイか!?」
「いや、ちょっと待て...。」
男性が騒ぎ立てるのを一人の兵士がなだめ、しゃがみこんで死んだ兵士の顔を確認する。
すると、兵士が真っ青な顔をして立ち上がる。
「こいつは...、私の友人だ...。」
兵士は私たちの方へ振り返ると、そう告げた。
友人が敵のスパイ、なんて悲しい事は考えたくは無いが、現にそいつは人を殺そうとしていた。
可哀想だが、そう認めざるを得ない。
しかし、私の考えは残酷な形で、覆えされるのであった。
何故なら...。
「......逃げろ、ブラーズ。」
私の背後に居たリフレが、私の喉元を斬りつけて来たからだ...、
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