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再々
第62話 久しぶり
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富美加は嫌々ながらも田舎に帰る。あれから休日には時折、いや、土日には必ずと言っていいほどくる。田舎から都会では何時間もかかるし、その都度に作ってくれる材料も田舎から持ってきて富美加は1人、大変じゃないのか、と聞いたら「お兄ちゃんの為!」と強気に言うものだから健気すぎてまいったな。
入部届を出して月日が経ち、夏休みが始まろうとしていた。ある日のことで学校で偶然四葉さんと出くわした。職員室の帰りで。
「六路くん、久しぶり!」
「四葉先輩! 久しぶりでねか」
四葉さんはぱぁと笑った。
小走りでタッタと来ると荒ぶった髪の毛を手ぐしでほぐした。胸に抱えたのは大量のパンフレット。
「六路くん、バイト忙しいの? 近頃部活にも顔を出さないから心配してたの」
「え、あ、バイトを増やして時間ねくてすんません」
「ううん。学校で会えるからいいんだけど。忙しいなら今度、かな」
「え、なんすか」
四葉さんは苦笑し抱えてたパンフレットを見せた。
「わたし、三年だからもうそろそろ就職先見つけるために企業見学を入れて今後忙しくなるからあの場所にも中々いけなくなるから。一度くらい部活動らしいことしたいな」
四葉さんが見せたパンフレットは企業のチラシが何枚もあった。最後に部活に顔を出したのはいつだっけ。あれはもう、三週間も前だ。
昼間に顔を出すときもあるが、あれは最後、一カ月も前だ。昼食は伊礼たち二人と食堂に行ったりもしているから部室には行っていない。
四葉さんとは学校で偶然、一日に八回も見かけるし部室に行かなくてもいいかな、とも思っていた。だが四葉さんてきにはそれが寂しいらしい。
「了解っす! 今日はバイト入れてないため行きます!」
「本当? ふふっ待ってるね」
四葉さんは妖艶にクスリと笑ってその場を後にした。タッタと階段をあがり3年の教室へ。その背を見送る。四葉さんは時折振り返り手を振る。笑顔で。なんか可愛いな。
それにしても四葉さん、就職するのか。てっきり大学志望かと。四葉さんの頭脳とキャリアなら余裕で大学行けるのに、就職とはこれまた意外なことで。
放課後、部室に行くと目の前に広がっていた光景は三週間前から実に変わらないものだった。伊礼は頭を掻きむしりながら机に向かって真剣な表情。その勉強をみてたのは四葉さんだった。
机においてあるのは参考書ばかり。あの中学一年から勉強がついていけないと自他共に口語する奴が、ついに中学ニ年の参考書を勉強している。
たった三週間だけでこのかわりようは。
だが、その姿はたった二人だけであとの2人はいなかった。
「六路くん! 来てくれたんだ!」
四葉さんが気づいてくれた。
「うわーん! ろくろっち‼ 救世主! メシアっ!」
「騒がない!」
伊礼は椅子から転がり落ちてすがり付くように這い上がってきた。その声は廊下にまで響く。当然扉を開けてたから。俺はすぐに扉を閉めた。
他の教室ではエアコンをきかせて涼しいのにここはエアコンもついていない。窓からの熱風と扇風機一機のみ。
灼熱の地獄のような場所。何もしていないのにダラダラと汗をかく。玉粒の汗がツゥと顎を伝う。ほんの数分ここに来ただけなのに肌がべっとりしてて気持ち悪い。にも関わらず、四葉さんは汗一つかいていない。
「琉巧も有斗先輩も全然来なくて~四葉さん、ついに体罰するようになったんだ。俺バカだから躓いていると拳骨振るってくる~」
伊礼はわんわん泣いて足元にすがってくる。みっともない光景だ。
「何も振るいたくてやってないぞ。お前のために拳骨をしているんだ」
「お前まで四葉さんの味方して、俺の味方はどうしたんだよ⁉」
「それより、あとの二人は」
話題をそらした。これ以上は面倒くさいため。
「琉巧くんはさっき女の子と帰って、有斗くんは火曜日と木曜日は家の事情で早めに帰るらしい」
今日は第二週の火曜日。
俺と同じように部室に時折顔を出さない人。学校で見かけることも希だ。普段何しているのか殆ど話さないからよく分からない。
部室の中の俺専用の椅子に座る。パイプ椅子の座席のクッションに自分の名前を書いている。それぞれに。ここには人数の割に長机一個と五人分の椅子がある。
「さて、六路くんも来たし少し休憩する?」
「しますします!」
来てからすぐに休憩になった。
伊礼はくたびれて寝転がる。
俺と四葉さんの隣に求人票が何枚も束ねているファイルがある。それをペラリとめくるとまず最初に図書館員の人材だった。でもそれには大学卒業が必須条件だった。
「四葉さん、大学行かねのか?」
突然のことに四葉さんはびっくりして目を大きく見開いた。俺が求人票を見てることに納得の顔をする。
「まぁ確かに大学に行けれるけど……一年か二年、待つじゃない?」
「誰が?」
「その、そういう大学は四年制だから六路くんが高校卒業してる頃にはまだわたしは大学生。(すぐに結婚できなくなるから)待たせるわけには行かない」
「四葉さん、あんた自分のこと考えて夢を見るべ!」
手を取って説得。
四葉さんは夢を諦めかけている。生徒会長にもなった努力を水に捨てることなんざ、させない。
「六路くん」
四葉さんは恍惚に笑った。手をまじまじ見て赤くなる。
「暑苦しい~」と伊礼が愚痴を零していることに気が付かない。
入部届を出して月日が経ち、夏休みが始まろうとしていた。ある日のことで学校で偶然四葉さんと出くわした。職員室の帰りで。
「六路くん、久しぶり!」
「四葉先輩! 久しぶりでねか」
四葉さんはぱぁと笑った。
小走りでタッタと来ると荒ぶった髪の毛を手ぐしでほぐした。胸に抱えたのは大量のパンフレット。
「六路くん、バイト忙しいの? 近頃部活にも顔を出さないから心配してたの」
「え、あ、バイトを増やして時間ねくてすんません」
「ううん。学校で会えるからいいんだけど。忙しいなら今度、かな」
「え、なんすか」
四葉さんは苦笑し抱えてたパンフレットを見せた。
「わたし、三年だからもうそろそろ就職先見つけるために企業見学を入れて今後忙しくなるからあの場所にも中々いけなくなるから。一度くらい部活動らしいことしたいな」
四葉さんが見せたパンフレットは企業のチラシが何枚もあった。最後に部活に顔を出したのはいつだっけ。あれはもう、三週間も前だ。
昼間に顔を出すときもあるが、あれは最後、一カ月も前だ。昼食は伊礼たち二人と食堂に行ったりもしているから部室には行っていない。
四葉さんとは学校で偶然、一日に八回も見かけるし部室に行かなくてもいいかな、とも思っていた。だが四葉さんてきにはそれが寂しいらしい。
「了解っす! 今日はバイト入れてないため行きます!」
「本当? ふふっ待ってるね」
四葉さんは妖艶にクスリと笑ってその場を後にした。タッタと階段をあがり3年の教室へ。その背を見送る。四葉さんは時折振り返り手を振る。笑顔で。なんか可愛いな。
それにしても四葉さん、就職するのか。てっきり大学志望かと。四葉さんの頭脳とキャリアなら余裕で大学行けるのに、就職とはこれまた意外なことで。
放課後、部室に行くと目の前に広がっていた光景は三週間前から実に変わらないものだった。伊礼は頭を掻きむしりながら机に向かって真剣な表情。その勉強をみてたのは四葉さんだった。
机においてあるのは参考書ばかり。あの中学一年から勉強がついていけないと自他共に口語する奴が、ついに中学ニ年の参考書を勉強している。
たった三週間だけでこのかわりようは。
だが、その姿はたった二人だけであとの2人はいなかった。
「六路くん! 来てくれたんだ!」
四葉さんが気づいてくれた。
「うわーん! ろくろっち‼ 救世主! メシアっ!」
「騒がない!」
伊礼は椅子から転がり落ちてすがり付くように這い上がってきた。その声は廊下にまで響く。当然扉を開けてたから。俺はすぐに扉を閉めた。
他の教室ではエアコンをきかせて涼しいのにここはエアコンもついていない。窓からの熱風と扇風機一機のみ。
灼熱の地獄のような場所。何もしていないのにダラダラと汗をかく。玉粒の汗がツゥと顎を伝う。ほんの数分ここに来ただけなのに肌がべっとりしてて気持ち悪い。にも関わらず、四葉さんは汗一つかいていない。
「琉巧も有斗先輩も全然来なくて~四葉さん、ついに体罰するようになったんだ。俺バカだから躓いていると拳骨振るってくる~」
伊礼はわんわん泣いて足元にすがってくる。みっともない光景だ。
「何も振るいたくてやってないぞ。お前のために拳骨をしているんだ」
「お前まで四葉さんの味方して、俺の味方はどうしたんだよ⁉」
「それより、あとの二人は」
話題をそらした。これ以上は面倒くさいため。
「琉巧くんはさっき女の子と帰って、有斗くんは火曜日と木曜日は家の事情で早めに帰るらしい」
今日は第二週の火曜日。
俺と同じように部室に時折顔を出さない人。学校で見かけることも希だ。普段何しているのか殆ど話さないからよく分からない。
部室の中の俺専用の椅子に座る。パイプ椅子の座席のクッションに自分の名前を書いている。それぞれに。ここには人数の割に長机一個と五人分の椅子がある。
「さて、六路くんも来たし少し休憩する?」
「しますします!」
来てからすぐに休憩になった。
伊礼はくたびれて寝転がる。
俺と四葉さんの隣に求人票が何枚も束ねているファイルがある。それをペラリとめくるとまず最初に図書館員の人材だった。でもそれには大学卒業が必須条件だった。
「四葉さん、大学行かねのか?」
突然のことに四葉さんはびっくりして目を大きく見開いた。俺が求人票を見てることに納得の顔をする。
「まぁ確かに大学に行けれるけど……一年か二年、待つじゃない?」
「誰が?」
「その、そういう大学は四年制だから六路くんが高校卒業してる頃にはまだわたしは大学生。(すぐに結婚できなくなるから)待たせるわけには行かない」
「四葉さん、あんた自分のこと考えて夢を見るべ!」
手を取って説得。
四葉さんは夢を諦めかけている。生徒会長にもなった努力を水に捨てることなんざ、させない。
「六路くん」
四葉さんは恍惚に笑った。手をまじまじ見て赤くなる。
「暑苦しい~」と伊礼が愚痴を零していることに気が付かない。
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