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Ⅲ 約束の地
第22話 立つ
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お尻をふっ、と触られた。最初びっくりしたが、割と慣れた行事なのでまたか、と呆れる。しかもこの触り方は相手を見なくても分かる。相手を見なくても分かるようになるまでにさほど時間はかからなかった。
「天星様。御用は何でしょう?」
「ふん。調子はどうだ太陽よ。あれは自分の腐れ縁というやつだろう? 今どういう気分だ?」
お尻の撫で方が猫を可愛がるように優しく撫でてきた。鼻息が荒い。納豆でも食べたのか全身が臭い。名誉と格好だけは格上なだけにこんなオッサン、どこでもいる。
「あの腐れ縁やらのために、たっぷりと時間を作らせたんだ。このわたしに褒美も授けようと思わないか? あぁ、すまない太陽はベットの上で奉仕したほうが早いな」
ニタニタ笑って、腰やらお尻を撫で回した。気分を害しちゃいけない。その人が最も気に入る言葉を言わないと。気に入らなかったら酷いことされるのは真っ平ごめんだ。
「はい。精一杯やります」
にこりと笑って答えた。
男はさらに不敵な笑みを宿した。性の持った強欲で獣のような眼差し。見られているだけで吐き気がする。
「見ろ。子供が首を跳ねるぞ。素晴らしい光景だと思わないか? お前の客はいい客ばかりだ」
「ありがとうございます。でも一人くらい奴隷にとは?」
ゲスが。笑顔の下で何度もこいつを殺している。それができない自分も、ゲスなことを言っている自分もまとめて嫌いだ。
「思わないね。あんな下民層の下。側に置くだけで病も移って大変だ」
「確かに。雑菌を処分するに越したことはないですし」
何を言ってんだ。自分だって元は下民層の出身だった。病なんて移らない。ここにいるのが何よりの証拠だ。その下民層を罵る自分も呆れる。本当に嫌になる。男の腕はまだお尻にある。そろそろ退いてほしい。
「あの」
「それでいいの?」
ふと話しかけられた。びっくりして振り向く。この様を見られてびっくりしたのが大きい。振り向いた矢先誰もいなかった。鈴の音を転がしたような女性の声だった。
「どうした?」
「え? あ、今、誰かに話しかけられて」
男は不機嫌な顔してまじまじと太陽の顔を見た。
「何を言ってんだ。そこは壁じゃないか」
そうだ。男が左に立っていて、右は壁で人がいるわけがないのだ。それなのにはっきりと声がした。もしかして幻聴か。男が「しっかりしろ」とぶっきらぼうに言ったので「すみません」と答える。
観衆が一際わっと騒いだ。
何事だろうと頭を上げると空の上に映像が浮かんでいた。四つの映像で誰かの視線みたく、情景が少し低い。なんだあれは、と周りがざわざわする。周りが別の意味で騒がしくなるとショーは台無しになる。それだけで不機嫌になるのだ。
「これ見てみろ‼ お前らが捨てたゴミや死体が地球に落ちてんだよ! 地球を汚してんのはオレたちじゃねぇ! お前らだ!」
嵐が叫んだ。
周りの声よりも一際大きい。ロボットもいつの間にか動いていない。嵐の声がアナウンスされ、エデンの空に響いている。誰がなんの為に罪人にアナウンスかけたのか、早急に対処しなければ。
「わたしたちはただ、友達を助けたかっただけ! 病にかかって、エデンにある医術で助けようと、この地を踏んだだけなのに‼ どうして悪者にされるの⁉」
せいらが叫んだ。
感情の糸がプツンと切れたように泣き叫ぶ。隣にいた嵐がぎょとして、誰か慰めてくれる人はいないかキョロキョロ周囲を見渡す。
映像は地球の悲惨な光景で、山のように積んであるゴミ。舗装されてなく砂道でできた道。自転車が横を通るたびに砂が舞って一年中景色は黄色い。窓は決して開けないようにとガムテープが張ってある学校。密閉された空間に狭苦しそうに数人の生徒が授業を受けていた。そんな映像ばかり。街の風景が特に太陽にはどれも懐かしいものばかり。
「兄ちあゃん‼」
いつの間にか、ギロチンの前にいた罪人も解き放たれ、自由の身に。ロボットの動きも封じられ、再びテロが行われている。すぐに十二安平たちが動き出した。北区のセキュリティは最高と言われ乗っ取られることなど一度もなかった。だが、この一日で二回も乗っ取られるとは。北区のセキュリティが乗っ取られることは、エデン中の安全性が危機に晒されてることになる。二度も失態を犯してなるか。
§
周りがざわざわしだして、太陽と同じ白装束を着ているいる人たちが慌てて動いているのを見て、何かが起きたことを察した。
「何? いきなり」
せいらは眉を顰める。
「何かあったんだ。これを機に逃げよう」
僕はロボットから鋭い刃を抜け、手首の縄を切った。手首が自由になるとその剣を取り、足首の縄も切って、せいらたちとの縄も切った。
「うぇ。こわ、怖かった」
腰が立てない出雲くんを抱えて、処刑台を降りた。良太は颯爽と弟くんを抱えて人気のいない路地裏に。僕らも離れ離れにならないように、良太のあとをついていく。周りは僕らが脱走したこと気づいていない。何かに視線が集中している。
路地裏に隠れるとぐい、と腕を引っ張られた。同じ地球の民たちだ。
「俺達のこと助けてくれたんだ! こっちだって助けるさ」
「大丈夫⁉ さぁもう帰ろう」
帰ると聞いて思わず「待って」と静止の声をかけた。他のみんなも帰るのを選択しているのに、僕だけこんなわがまま許されないかもしれない。でも、僕にはまだ残してきたものが。
「あーちゃん?」
せいらが的確をいってきた。
「はぁ⁉ もう治ったんだろ⁉ それにあの女はここの出身。元いた場所に帰っただけで俺たちは帰るぞ! やることやった!」
良太が形相変えて吠えた。
自分たちがあんな目にあってもなおここに留まる理由がない。弟くんの病気も治ったなら、尚更。確かにそうだよな。病気の人も完治した。行ってみたい幻想郷にも行けて満足してる人もいる。明保野さんも故郷に返した。
あれ。明保野さんは確かにここが居場所だが、明保野さん自身の気持ちはちゃんと聞いていなかった。ひと柱として、北区の守人として、あの日懇願した約束も考えると、この場所は明保野さんにとって苦しい場所だ。
このまま明保野さんだけ置いて帰れるのか。
「帰れるわけねぇだろ」
僕と同じように反対意見を言ったのは嵐。帰る空気をぶち壊す。
「太陽が生きてたんだ。せっかく逢えたのに、このまま帰れるわけねぇだろ。バラバラだったあの十年を取り戻す!」
嵐は拳をぎゅと握って強く、魂に叫ぶかのように強く言った。
「僕も帰りたくない。帰りたい人だけ帰ればいい。僕らはまだ、やるべきことがある」
僕は嵐の隣に立った。
みんな信じられないものを見る眼差し。僕らの強い眼差し眼差しに圧倒され、帰りたい人は帰ればいいという主張により、ぞろぞろと帰っていく。良太もここに留まる必要もないので帰っていった。残るはせいらと嵐と僕だけ。
僕らはもう一度、エデンに対抗する。理由は、あの日の約束を三人で叶えること。
「行こう」
太陽のもとに。
「それじゃあ、エデンの十二安平隊を崩壊させないと」
出雲くんが間に入ってきた。エデン出身である彼の話では、十二安平という高貴な貴族たちがエデンの政府と権限を担っている。地球に様々な物資を与えているのも、圧政をかけるのもその貴族たちだ。その体制が崩壊すれば地球の民に少しだけ光がある。
「でもどうやって」
「十二安平を崩壊できるのは……王、しかいない」
出雲くんの顔色が変わった。何かあるのか言いにくそうに顔を俯く。かつて、地球温暖化もなく平穏だった時代。ガスや放射能が見えない空気中に漂い、もはや地球は脅威となったとき、真っ先に逃げたのは王族だったという。人々は批判しなかった。各国の王族に〝もしも〟のことがあれば人類に大損害が突撃する。王族たちの判断は誰もが正解だと批判しなかった。
王族もいなくなった地球はそれから、貴族を中心になったという。まぁ、その貴族もエデンに逃げ込んだが。貴族が中心になって王族の話は聞かない。この地にいることは知っているが、その影の薄さにびっくりする。ひっそりと生きて存在さえも失っていた。
「王、いるの?」
せいらが怪訝に聞いてきた。
「いる、と思う」
エデン出身の出雲くんでさえ曖昧な答え。
「でもよぉ。その王族たちが味方についたとしても今更エデンのやつらが王を見てくれるか?」
嵐が鋭い口調で言った。確かにそうだ。ここはどうするかの話でごっちゃがえてる。話の結論は〝やるしかない〟。
「王族たちがいるのは南の都。ここより繁華街で物流が発展してある。貴族たちみたいな宮殿に住んでいないから、どんな場所で住んでるのか分からない」
僕らは路地裏で混乱している街中の様子をみながら、南へ移動。何をそんな慌てているのか分からない。白装束を着た人たちが路地裏にまできた。
「天星様。御用は何でしょう?」
「ふん。調子はどうだ太陽よ。あれは自分の腐れ縁というやつだろう? 今どういう気分だ?」
お尻の撫で方が猫を可愛がるように優しく撫でてきた。鼻息が荒い。納豆でも食べたのか全身が臭い。名誉と格好だけは格上なだけにこんなオッサン、どこでもいる。
「あの腐れ縁やらのために、たっぷりと時間を作らせたんだ。このわたしに褒美も授けようと思わないか? あぁ、すまない太陽はベットの上で奉仕したほうが早いな」
ニタニタ笑って、腰やらお尻を撫で回した。気分を害しちゃいけない。その人が最も気に入る言葉を言わないと。気に入らなかったら酷いことされるのは真っ平ごめんだ。
「はい。精一杯やります」
にこりと笑って答えた。
男はさらに不敵な笑みを宿した。性の持った強欲で獣のような眼差し。見られているだけで吐き気がする。
「見ろ。子供が首を跳ねるぞ。素晴らしい光景だと思わないか? お前の客はいい客ばかりだ」
「ありがとうございます。でも一人くらい奴隷にとは?」
ゲスが。笑顔の下で何度もこいつを殺している。それができない自分も、ゲスなことを言っている自分もまとめて嫌いだ。
「思わないね。あんな下民層の下。側に置くだけで病も移って大変だ」
「確かに。雑菌を処分するに越したことはないですし」
何を言ってんだ。自分だって元は下民層の出身だった。病なんて移らない。ここにいるのが何よりの証拠だ。その下民層を罵る自分も呆れる。本当に嫌になる。男の腕はまだお尻にある。そろそろ退いてほしい。
「あの」
「それでいいの?」
ふと話しかけられた。びっくりして振り向く。この様を見られてびっくりしたのが大きい。振り向いた矢先誰もいなかった。鈴の音を転がしたような女性の声だった。
「どうした?」
「え? あ、今、誰かに話しかけられて」
男は不機嫌な顔してまじまじと太陽の顔を見た。
「何を言ってんだ。そこは壁じゃないか」
そうだ。男が左に立っていて、右は壁で人がいるわけがないのだ。それなのにはっきりと声がした。もしかして幻聴か。男が「しっかりしろ」とぶっきらぼうに言ったので「すみません」と答える。
観衆が一際わっと騒いだ。
何事だろうと頭を上げると空の上に映像が浮かんでいた。四つの映像で誰かの視線みたく、情景が少し低い。なんだあれは、と周りがざわざわする。周りが別の意味で騒がしくなるとショーは台無しになる。それだけで不機嫌になるのだ。
「これ見てみろ‼ お前らが捨てたゴミや死体が地球に落ちてんだよ! 地球を汚してんのはオレたちじゃねぇ! お前らだ!」
嵐が叫んだ。
周りの声よりも一際大きい。ロボットもいつの間にか動いていない。嵐の声がアナウンスされ、エデンの空に響いている。誰がなんの為に罪人にアナウンスかけたのか、早急に対処しなければ。
「わたしたちはただ、友達を助けたかっただけ! 病にかかって、エデンにある医術で助けようと、この地を踏んだだけなのに‼ どうして悪者にされるの⁉」
せいらが叫んだ。
感情の糸がプツンと切れたように泣き叫ぶ。隣にいた嵐がぎょとして、誰か慰めてくれる人はいないかキョロキョロ周囲を見渡す。
映像は地球の悲惨な光景で、山のように積んであるゴミ。舗装されてなく砂道でできた道。自転車が横を通るたびに砂が舞って一年中景色は黄色い。窓は決して開けないようにとガムテープが張ってある学校。密閉された空間に狭苦しそうに数人の生徒が授業を受けていた。そんな映像ばかり。街の風景が特に太陽にはどれも懐かしいものばかり。
「兄ちあゃん‼」
いつの間にか、ギロチンの前にいた罪人も解き放たれ、自由の身に。ロボットの動きも封じられ、再びテロが行われている。すぐに十二安平たちが動き出した。北区のセキュリティは最高と言われ乗っ取られることなど一度もなかった。だが、この一日で二回も乗っ取られるとは。北区のセキュリティが乗っ取られることは、エデン中の安全性が危機に晒されてることになる。二度も失態を犯してなるか。
§
周りがざわざわしだして、太陽と同じ白装束を着ているいる人たちが慌てて動いているのを見て、何かが起きたことを察した。
「何? いきなり」
せいらは眉を顰める。
「何かあったんだ。これを機に逃げよう」
僕はロボットから鋭い刃を抜け、手首の縄を切った。手首が自由になるとその剣を取り、足首の縄も切って、せいらたちとの縄も切った。
「うぇ。こわ、怖かった」
腰が立てない出雲くんを抱えて、処刑台を降りた。良太は颯爽と弟くんを抱えて人気のいない路地裏に。僕らも離れ離れにならないように、良太のあとをついていく。周りは僕らが脱走したこと気づいていない。何かに視線が集中している。
路地裏に隠れるとぐい、と腕を引っ張られた。同じ地球の民たちだ。
「俺達のこと助けてくれたんだ! こっちだって助けるさ」
「大丈夫⁉ さぁもう帰ろう」
帰ると聞いて思わず「待って」と静止の声をかけた。他のみんなも帰るのを選択しているのに、僕だけこんなわがまま許されないかもしれない。でも、僕にはまだ残してきたものが。
「あーちゃん?」
せいらが的確をいってきた。
「はぁ⁉ もう治ったんだろ⁉ それにあの女はここの出身。元いた場所に帰っただけで俺たちは帰るぞ! やることやった!」
良太が形相変えて吠えた。
自分たちがあんな目にあってもなおここに留まる理由がない。弟くんの病気も治ったなら、尚更。確かにそうだよな。病気の人も完治した。行ってみたい幻想郷にも行けて満足してる人もいる。明保野さんも故郷に返した。
あれ。明保野さんは確かにここが居場所だが、明保野さん自身の気持ちはちゃんと聞いていなかった。ひと柱として、北区の守人として、あの日懇願した約束も考えると、この場所は明保野さんにとって苦しい場所だ。
このまま明保野さんだけ置いて帰れるのか。
「帰れるわけねぇだろ」
僕と同じように反対意見を言ったのは嵐。帰る空気をぶち壊す。
「太陽が生きてたんだ。せっかく逢えたのに、このまま帰れるわけねぇだろ。バラバラだったあの十年を取り戻す!」
嵐は拳をぎゅと握って強く、魂に叫ぶかのように強く言った。
「僕も帰りたくない。帰りたい人だけ帰ればいい。僕らはまだ、やるべきことがある」
僕は嵐の隣に立った。
みんな信じられないものを見る眼差し。僕らの強い眼差し眼差しに圧倒され、帰りたい人は帰ればいいという主張により、ぞろぞろと帰っていく。良太もここに留まる必要もないので帰っていった。残るはせいらと嵐と僕だけ。
僕らはもう一度、エデンに対抗する。理由は、あの日の約束を三人で叶えること。
「行こう」
太陽のもとに。
「それじゃあ、エデンの十二安平隊を崩壊させないと」
出雲くんが間に入ってきた。エデン出身である彼の話では、十二安平という高貴な貴族たちがエデンの政府と権限を担っている。地球に様々な物資を与えているのも、圧政をかけるのもその貴族たちだ。その体制が崩壊すれば地球の民に少しだけ光がある。
「でもどうやって」
「十二安平を崩壊できるのは……王、しかいない」
出雲くんの顔色が変わった。何かあるのか言いにくそうに顔を俯く。かつて、地球温暖化もなく平穏だった時代。ガスや放射能が見えない空気中に漂い、もはや地球は脅威となったとき、真っ先に逃げたのは王族だったという。人々は批判しなかった。各国の王族に〝もしも〟のことがあれば人類に大損害が突撃する。王族たちの判断は誰もが正解だと批判しなかった。
王族もいなくなった地球はそれから、貴族を中心になったという。まぁ、その貴族もエデンに逃げ込んだが。貴族が中心になって王族の話は聞かない。この地にいることは知っているが、その影の薄さにびっくりする。ひっそりと生きて存在さえも失っていた。
「王、いるの?」
せいらが怪訝に聞いてきた。
「いる、と思う」
エデン出身の出雲くんでさえ曖昧な答え。
「でもよぉ。その王族たちが味方についたとしても今更エデンのやつらが王を見てくれるか?」
嵐が鋭い口調で言った。確かにそうだ。ここはどうするかの話でごっちゃがえてる。話の結論は〝やるしかない〟。
「王族たちがいるのは南の都。ここより繁華街で物流が発展してある。貴族たちみたいな宮殿に住んでいないから、どんな場所で住んでるのか分からない」
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