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Ⅳ 王政復古
第30話 逆転
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観衆も貴族たちもこの子が王様だと気づいた頃には王様が自ら名乗っていた。
「監視ロボットは静止させた。怯えることはない。我は第百九十八代目このエデンの、王である! 地球の民を解放せよ」
王様と聞いてざわついた。
小池の水面に巨石を投じ、たちまち洪水が起き乾いた土地に水面が流れていく。この情報もアナウンスで筒抜け、全区に伝わっている。
隠れていた王様が、ここで初めて公の場に顔を出したことに全区、驚きを隠せない。
貴族たちからどうして今頃、と声が上がった。王様の指示通りにロボットたちの動きが止まったために、貴族たちは目を見張る。
ロボットの動きが止まったのは恐らく検討がつく。明保野さんがやけに自信満々だったのはこれが理由か。
でもロボットを止めたことで株があがるわけなく、どうするのか、と思ったらパッと空に画面が映った。そこに確かな物体はなくとも色や形が認識できる映像だ。円形の机で間隔あけて誰かが座っている。僕らは誰1人知らないがエデンの民たちは知っている模様。
映像を指差して名前を言っている。
一体何が始まるのか。僕らはなすすべなく、事がどうなるのか見届ける。
嵐がいつの間にか段から降りて目で指示する。『こいつらを避難させる』と。僕は頷く。嵐は良太たちを連れてこの場をあとにする。白装束を着ている人は何人もいるから、せいらがどこにいるのかわからないが、段の下に白装束がいた。
形が丸っこく、肩から腰にかけての体のラインが細かったので女性かな、多分。間違っていたらどうなるか、試しにせいら、と名前で呼べばくるりと振り向いた。
「大丈夫。ここにいる。あーちゃんの作戦見事に完遂したよ」
せいらは振り向かずに声だけ張った。良かった。もし違った人だったらバレてるところだった。せいらはそんなこと知らず、淡々と話した。
「この騒動を王様が治めることでもう誰も彼は止められない。ほら見て。あれ、監視カメラが映った分の横領よ。北区でそんなの、監視カメラなくともいつでもどこでも〝目〟があるんだから」
映像は貴族たちの隠していた横領や裏社会と繋がって政治をしていた者までばっちり映っている。一体どれほどの期間監視カメラがそれを撮っていたのか、分からないほどパラパラと画面が変わっていく。
この映像はエデン中に広がっている。もちろん、この処刑場にいる王様の姿も。横領だけじゃない。密売や人身売買などの動画も。静止していたロボトたちがいきなり貴族たちを捕縛した。白装束を着ている十二安平たちも。貴族たちが捕まったこの日はエデン中に広まった。そして、政権交代である。
貴族たちの幹部殆どが捕縛され、北区の守人さえも王様側についたことが報告されるや、あっという間に貴族体制が崩壊。音を出して崩れていった。
長きに渡り続いていた貴族体制が崩壊した。その余韻は長く続くだろう。同時に取り戻した王政復古。南の都を王都にし、残った貴族は貴族という名前ではなく華族となった。王様を支える華族たち。それまで好き勝手な政治をひとり一人やっていたがそれは全てなくなる。
地球の民のそれまでの扱いも変わっていくだろう。月一回の配給も配給の物資はゴミではなく、新品のものを。エデンのそれまでも変わっていく。
具体的に変わったこと出雲くんによれば、貴族以外特に何も変わっていないらしい。貴族たちの中には華族にならなかった人もいる。ならなかった者はエデンの普通の民になっている。
階級制度もありそれも廃止されたなら、金持ちと華族はそれほど階級は高くもない。
「寝て起きたらもう、世界が変わっていたなんて! 起こしてよぉ!」
南区に戻ると出雲くんが涙を流しながら叫んだ。
「寝てたのがワリィだろ」
「叱られてたし」
「監視がすごかったから」
僕らは優しくなだめる。
南区で歓迎されたのは出雲くんとあと、南の守人様。相変わらずふふふ、と笑って飄々としている。王様は僕らより先に南に戻り王都を建設している。僕らはあの場にいた。王政を復活させた。でもそれを知っているのはエデンの民も地球の民も知らない。守人二人と僕らだけ。
「地球に帰るのですか?」
南の守人が訊いた。
「あー、それはまだ保留でして」
僕は嵐の顔を見た。嵐も頷く。
「オレたちがここに残ったのは王政を復活するためじゃなくて〝約束〟があったからここに残っただけ」
嵐が約束と言ったとき、少しだけ体を震わせた。南の守人は「約束?」とオウム返しに訊ねる。貴族階級が終わりその貴族の幹部であった十二安平はどうなったのかというと、それも廃止され散り散りになったという。
そもそも十二安平という集団は貴族たちの付人、付属品らしい。その集まりは権力を持っている貴族たちから動かされている玩具にすぎない。これは一般的に知られていない。守人だけが知っている。十二安平が崩壊したことを知り、僕らはそわそわしていた。
「二人とも、これから約束があるんじゃないの?」
せいらが呟いた。
僕らの約束を知っている内の一人。ふっと微笑んで北側を指差した。早く行きなさい、と穏やかに言った。今まで見たことない表情だ。
「なに?」
出雲くんは僕らの顔を交互に見張る。
「えっと、僕らは約束があるから」
僕と嵐は踵を返した。有無を言われる暇なく北の方へ走っていく。残った守人とせいらと出雲くんはその背を眺める。活き活きとした背中で子供みたいにはしゃいでいる。背中越しからでもわかる。約束を知らない二人はその背を小さくなるまで眺めた。
南へ行き北に戻る。行ったり来たりでも、自然と体は疲れていない。何処か夢見心地のようにふわりと浮いていて体が軽い。ようやく逢える。ようやく約束が果たされる。あのとき、何も出来なかった自分と罪を作ったあの10年間。片時も忘れたことはなかった。彼の顔とあの日の約束を。
北の門をくぐると北区の街景色は少し変わっていた。ロボットが小型ではなく人型だ。人間に近い。代わりに監視ロボットがいなくなった。
「行こう」
僕はその街に背を向けて走った。
「太陽がどこにいるのか分かるのか⁉」
嵐がその隣を走る。行く宛も分からないというのに勝手に足だけは動いている。分からない、なのに太陽が何処にいるのか足が勝手に導いてくれている。
「宮殿だ」
僕が行こうとしているのは北の守人の宮殿。そこに太陽がいると、直感している。嵐は何も言わなかった。疑いも追求もせずについてきてくれる。
そうして、宮殿の前へたどり着くと一人の青年が立っていた。丸い白髪頭にふわりと靡く髪の毛。白装束でもなく黒いマントを羽織っている。
10年。
長かった。
ゴールのない道を彷徨い歩いていた。
それまで変わったことも、変わらなかったものもある。ずっとあの日のことを後悔していた。あの時から時間が止まっていつしか、約束のことも忘れかけていた。
「太陽っ‼」
二人で名前を呼ぶと彼はくるりと振り向いた。僕らを見てふっと微笑んだ。あの時から変わらない穏やかな顔だ。十二安平から解放された彼はエデンの一般人。
「久しぶり二人とも」
ふわりと笑った。僕らはガシ、と抱き合った。温かい。ちゃんと人の温もりを感じられる。
「うわあぁぁぁ‼ 太陽だ‼ ちゃんと生きている‼」
「ほんとに太陽かよぉ‼」
「あはは、ここにいるよ」
僕らに抱きしめられてバランスを崩して地面に尻もちついた。10年越しの再会に涙明け暮れてそのあと、どっと疲れが舞い込んでその場で三人とも倒れたまま。地面に仰向けになって空を見上げる。
「星は見えないね」
赤い空が広がっているだけで点々と煌めく星の子は全くと言っていいほど見えない。
「この星からそんなの見えないよ。セキュリティも半透明な天井が覆っているし、守人が結界を張っていて二重構造の壁で守られているからね」
太陽が穏やかに言った。
それと、僕と嵐の顔を交互に見張る。
「あのときはごめん」
ぽつりと呟いた。僕と嵐も目を白黒する。太陽が言っている〝あのとき〟が検討つかない。太陽は話を続ける。
「……みんなに再会できて良かった半分、来てほしくなかった想いがある。ここは薄汚れている。豊かな水、美味しい食べ物、まさに幻想郷だと言われてるけど実際は賄賂や売買、殺傷しても気にも留めない民衆たち。ここは幻想郷とかそんなんでもない」
「確かにここは幻想郷でもないな。この目で確かに見た。綺麗な所だけどここにいる人たちの目が冷たい。太陽が一体何に謝っているのか分からないけど、謝るのはこっちのほうだ」
僕は上体を起こした。今度は太陽が目を白黒する。僕らはあの時のことを謝りたかった。太陽を残して助かったこと、船に乗り込もうと行ったこと。でも太陽はすぐに許してくれた。お互いの許しを得て僕らは、あの日の約束を果たしたことに満足する。
「監視ロボットは静止させた。怯えることはない。我は第百九十八代目このエデンの、王である! 地球の民を解放せよ」
王様と聞いてざわついた。
小池の水面に巨石を投じ、たちまち洪水が起き乾いた土地に水面が流れていく。この情報もアナウンスで筒抜け、全区に伝わっている。
隠れていた王様が、ここで初めて公の場に顔を出したことに全区、驚きを隠せない。
貴族たちからどうして今頃、と声が上がった。王様の指示通りにロボットたちの動きが止まったために、貴族たちは目を見張る。
ロボットの動きが止まったのは恐らく検討がつく。明保野さんがやけに自信満々だったのはこれが理由か。
でもロボットを止めたことで株があがるわけなく、どうするのか、と思ったらパッと空に画面が映った。そこに確かな物体はなくとも色や形が認識できる映像だ。円形の机で間隔あけて誰かが座っている。僕らは誰1人知らないがエデンの民たちは知っている模様。
映像を指差して名前を言っている。
一体何が始まるのか。僕らはなすすべなく、事がどうなるのか見届ける。
嵐がいつの間にか段から降りて目で指示する。『こいつらを避難させる』と。僕は頷く。嵐は良太たちを連れてこの場をあとにする。白装束を着ている人は何人もいるから、せいらがどこにいるのかわからないが、段の下に白装束がいた。
形が丸っこく、肩から腰にかけての体のラインが細かったので女性かな、多分。間違っていたらどうなるか、試しにせいら、と名前で呼べばくるりと振り向いた。
「大丈夫。ここにいる。あーちゃんの作戦見事に完遂したよ」
せいらは振り向かずに声だけ張った。良かった。もし違った人だったらバレてるところだった。せいらはそんなこと知らず、淡々と話した。
「この騒動を王様が治めることでもう誰も彼は止められない。ほら見て。あれ、監視カメラが映った分の横領よ。北区でそんなの、監視カメラなくともいつでもどこでも〝目〟があるんだから」
映像は貴族たちの隠していた横領や裏社会と繋がって政治をしていた者までばっちり映っている。一体どれほどの期間監視カメラがそれを撮っていたのか、分からないほどパラパラと画面が変わっていく。
この映像はエデン中に広がっている。もちろん、この処刑場にいる王様の姿も。横領だけじゃない。密売や人身売買などの動画も。静止していたロボトたちがいきなり貴族たちを捕縛した。白装束を着ている十二安平たちも。貴族たちが捕まったこの日はエデン中に広まった。そして、政権交代である。
貴族たちの幹部殆どが捕縛され、北区の守人さえも王様側についたことが報告されるや、あっという間に貴族体制が崩壊。音を出して崩れていった。
長きに渡り続いていた貴族体制が崩壊した。その余韻は長く続くだろう。同時に取り戻した王政復古。南の都を王都にし、残った貴族は貴族という名前ではなく華族となった。王様を支える華族たち。それまで好き勝手な政治をひとり一人やっていたがそれは全てなくなる。
地球の民のそれまでの扱いも変わっていくだろう。月一回の配給も配給の物資はゴミではなく、新品のものを。エデンのそれまでも変わっていく。
具体的に変わったこと出雲くんによれば、貴族以外特に何も変わっていないらしい。貴族たちの中には華族にならなかった人もいる。ならなかった者はエデンの普通の民になっている。
階級制度もありそれも廃止されたなら、金持ちと華族はそれほど階級は高くもない。
「寝て起きたらもう、世界が変わっていたなんて! 起こしてよぉ!」
南区に戻ると出雲くんが涙を流しながら叫んだ。
「寝てたのがワリィだろ」
「叱られてたし」
「監視がすごかったから」
僕らは優しくなだめる。
南区で歓迎されたのは出雲くんとあと、南の守人様。相変わらずふふふ、と笑って飄々としている。王様は僕らより先に南に戻り王都を建設している。僕らはあの場にいた。王政を復活させた。でもそれを知っているのはエデンの民も地球の民も知らない。守人二人と僕らだけ。
「地球に帰るのですか?」
南の守人が訊いた。
「あー、それはまだ保留でして」
僕は嵐の顔を見た。嵐も頷く。
「オレたちがここに残ったのは王政を復活するためじゃなくて〝約束〟があったからここに残っただけ」
嵐が約束と言ったとき、少しだけ体を震わせた。南の守人は「約束?」とオウム返しに訊ねる。貴族階級が終わりその貴族の幹部であった十二安平はどうなったのかというと、それも廃止され散り散りになったという。
そもそも十二安平という集団は貴族たちの付人、付属品らしい。その集まりは権力を持っている貴族たちから動かされている玩具にすぎない。これは一般的に知られていない。守人だけが知っている。十二安平が崩壊したことを知り、僕らはそわそわしていた。
「二人とも、これから約束があるんじゃないの?」
せいらが呟いた。
僕らの約束を知っている内の一人。ふっと微笑んで北側を指差した。早く行きなさい、と穏やかに言った。今まで見たことない表情だ。
「なに?」
出雲くんは僕らの顔を交互に見張る。
「えっと、僕らは約束があるから」
僕と嵐は踵を返した。有無を言われる暇なく北の方へ走っていく。残った守人とせいらと出雲くんはその背を眺める。活き活きとした背中で子供みたいにはしゃいでいる。背中越しからでもわかる。約束を知らない二人はその背を小さくなるまで眺めた。
南へ行き北に戻る。行ったり来たりでも、自然と体は疲れていない。何処か夢見心地のようにふわりと浮いていて体が軽い。ようやく逢える。ようやく約束が果たされる。あのとき、何も出来なかった自分と罪を作ったあの10年間。片時も忘れたことはなかった。彼の顔とあの日の約束を。
北の門をくぐると北区の街景色は少し変わっていた。ロボットが小型ではなく人型だ。人間に近い。代わりに監視ロボットがいなくなった。
「行こう」
僕はその街に背を向けて走った。
「太陽がどこにいるのか分かるのか⁉」
嵐がその隣を走る。行く宛も分からないというのに勝手に足だけは動いている。分からない、なのに太陽が何処にいるのか足が勝手に導いてくれている。
「宮殿だ」
僕が行こうとしているのは北の守人の宮殿。そこに太陽がいると、直感している。嵐は何も言わなかった。疑いも追求もせずについてきてくれる。
そうして、宮殿の前へたどり着くと一人の青年が立っていた。丸い白髪頭にふわりと靡く髪の毛。白装束でもなく黒いマントを羽織っている。
10年。
長かった。
ゴールのない道を彷徨い歩いていた。
それまで変わったことも、変わらなかったものもある。ずっとあの日のことを後悔していた。あの時から時間が止まっていつしか、約束のことも忘れかけていた。
「太陽っ‼」
二人で名前を呼ぶと彼はくるりと振り向いた。僕らを見てふっと微笑んだ。あの時から変わらない穏やかな顔だ。十二安平から解放された彼はエデンの一般人。
「久しぶり二人とも」
ふわりと笑った。僕らはガシ、と抱き合った。温かい。ちゃんと人の温もりを感じられる。
「うわあぁぁぁ‼ 太陽だ‼ ちゃんと生きている‼」
「ほんとに太陽かよぉ‼」
「あはは、ここにいるよ」
僕らに抱きしめられてバランスを崩して地面に尻もちついた。10年越しの再会に涙明け暮れてそのあと、どっと疲れが舞い込んでその場で三人とも倒れたまま。地面に仰向けになって空を見上げる。
「星は見えないね」
赤い空が広がっているだけで点々と煌めく星の子は全くと言っていいほど見えない。
「この星からそんなの見えないよ。セキュリティも半透明な天井が覆っているし、守人が結界を張っていて二重構造の壁で守られているからね」
太陽が穏やかに言った。
それと、僕と嵐の顔を交互に見張る。
「あのときはごめん」
ぽつりと呟いた。僕と嵐も目を白黒する。太陽が言っている〝あのとき〟が検討つかない。太陽は話を続ける。
「……みんなに再会できて良かった半分、来てほしくなかった想いがある。ここは薄汚れている。豊かな水、美味しい食べ物、まさに幻想郷だと言われてるけど実際は賄賂や売買、殺傷しても気にも留めない民衆たち。ここは幻想郷とかそんなんでもない」
「確かにここは幻想郷でもないな。この目で確かに見た。綺麗な所だけどここにいる人たちの目が冷たい。太陽が一体何に謝っているのか分からないけど、謝るのはこっちのほうだ」
僕は上体を起こした。今度は太陽が目を白黒する。僕らはあの時のことを謝りたかった。太陽を残して助かったこと、船に乗り込もうと行ったこと。でも太陽はすぐに許してくれた。お互いの許しを得て僕らは、あの日の約束を果たしたことに満足する。
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