上 下
61 / 68
第三章:エヌという星

閑話:スタッフたちの雑談。結果的に登場人物のまとめ(本文にない裏ネタあり)

しおりを挟む
 ここは地球のとある一室。マサノリたちの部下として、ソーマジック・サーガ・システムの管理運用を任されているスタッフ達が休憩時間に雑談で盛り上がっている。


「ねえねえ聞いた聞いた? いよいよ最後のチームが日本に戻って来るらしいのよね。早かったわね」

「これから忙しくなるわね。何が何だかわからないわ。ほんと頭がこんがらがっちゃうよね。ちょっとここでこれまでの流れを整理してみましょうか」

「そうそう登場人物の紹介みたいな感じで」

「まずは舞台の惑星エヌ。これはどっか遠い遠い星みたいね。場所が特定できないってのも凄いけど、そこと地球を結んで移動できるってのも信じられないわよね。ナツさんの話では、途中の星をいくつか経由してるらしいけど、まったく理解できないわ」

「その星の王族が、魔物から星を守るために、命を使って召喚したのが28人。マサノリさんたち7人は地球から召喚された26人の中の生き残りなのよね」

「他の星からも2人召喚されたみたいだけど、その人たちに関しては教えてくれないのよね」

「マサノリさんも謎が多い人よね。個人情報は何も教えてくれないし。相変わらず苗字も教えてくれないし、まぁ年齢は28歳ぐらいかしら。身長も高くイケメンで、どことなく影があっていいわ。でもアプローチしようにも、同じ召喚者のハルさんとナツさんがぞっこんだからね」

「ハルさんこと小田貫波瑠さんは、スカーレット王女の立場でエヌでも活躍してるけど、凄い召喚師らしいわよね。何でも同時に100体まで生物を召喚して、意のままに操ることができるらとか。例えば100体のガッジーラとか、100体のドラゴンとかいうから、スケールがよくわからない」

「富岡夏さんことナツさんは、シーナの名前でゲームでもお馴染みだけど、こちらも凄腕の空間術師で付与師だとか。エヌに結界を作ったり、地球にも2万か所ぐらい転移スポットを作ったっていうから凄いわね」

「ハルさんはスポーツ万能の女子大生で、今風の陽キャって感じ。ナツさんはオタクっぽい雰囲気だけど、一番容赦ない子よね。マサノリさんから見れば、2人とも子供って感じかしら」

「他の召喚者では、花井さん夫婦がいい味を出してるわね。旦那さんは格闘技の達人であり料理の達人で、エヌに地球の料理を広めてかなり人気があるみたい。奥さんの美代さんは、いつもニコニコしているけど、あの人は物凄い精霊術師らしいんだよね。炎の精霊とか、雷の精霊とか、わけのわからないような精霊が出てくるんだって」

「大木さんはバーサーカーって呼ばれているね、ぱっとしない普通のおじさんだけど、戦ったら一番容赦ないって聞いたわ。斧の達人で、1分間にダイヤモンドの硬さの斧を1万個出現させて音速で投げつけるらしいよ」

「本当それ? 数字盛ってない?」

「でもああいう危なそうな人が魅力的なのよね」

「残念なのが菅井さんね。この人は地球に戻ってきてからマサノリさん達とも連絡を断って、どっか行っちゃったみたいね。確かにエヌでの戦いを聞いたら、平常ではいられないわよね」

「それから転移者の20名もみんな個性的よね」

「まずマサノリさんの方針で、チームメンバーは同じ地域(関東・北海道東北・関西四国・九州沖縄)に分けられているのよね。これはチ-ムワークと日本での戦いにおける担当地域を考慮してのものらしいわ。確かに大阪人と東京人のチームで、敵が大阪と東京に分かれていたら、どっちで戦うか揉めるもんね」

「で、まず関東チームは、魔法戦士のサトルがリーダー格ね。21歳の学生だけど、マサノリさんがセンスを絶賛しているのがポイント。5人の魔法戦士の中では頭2つ抜けているって評価だったもんね。そして魔法使いのエリは、28歳のシングルマザーで6歳の娘さん、ミナちゃんがいるけど、ミナちゃんはマサノリさんと仲がいいのよね。マサノリさんが渡したお守りに、凄いモンスターが封印されているって聞いたけど、本当かしら?私も欲しいわ。戦士のマッキーは33歳の男性で、企業とか倒産とか離婚とかけっこう波乱万丈な人生よね。僧侶のワカナは20歳の学生で控えめな女性ね。見たところエリもワカナもサトルに気があるみたいだけど。あの腕輪がある限り、一歩進んだ恋愛感情は無理だけどね」

「北海道東北チームは戦士のタツオ、魔法使いのサクラ、僧侶のサナエ、魔法戦士のノブの4人。ここは圧倒的に女性が強いチームね。特にマサノリさんも評価するサクラは、全チームの中で1番手の魔法使いらしいしね。同じ大学のサトルとどんな関係になるのか、ちょっと楽しみ」

「いやいや、ドロドロの4角関係か3角関係になるんじゃない?」

「関西四国チームはケンがマサノリさんイチオシの戦士ね。それと魔法使いのアキ、僧侶のミツ、魔法戦士のトシ。みんなテンション高いけど、阪神ファンのノリよね。勝った後に六甲おろしとか歌っていそう」

「九州沖縄チームは戦士のアツシ、魔法使いのロミ、僧侶のアサコ、魔法戦士のマサの4人。マサノリさんが評価するアサコさんは、なんとなく私たちと同じ空気がするのよね」

「そうそう、凄い話が合いそう」

「で、最後が自衛隊のレンジャーチーム。戦士ミナト、魔法使いカノヤ、僧侶コマツ、魔法戦士オズキの4人だけど、マサノリさんの評価はどんな感じかしら」

「なんか暑っ苦しいって言っていたわ」

「脳筋とかも言っていたわね」

「ただ、極限の状況で正しい判断ができるのは彼らだろうとも言っていたわ」

「なにその意味深なコメントは…」

「転移者チームは必ず男性2人と女性2人の組み合わせだけど、何か意味があるみたいね。エヌの将来を考えてとの話だけど」

「この5チームの中から、それぞれ最強メンバーを合わせると、魔法戦士はサトル、魔法使いはサクラ、戦士はケン、僧侶はアサコかしら」

「レンジャーチームは?」

「最初は良かったけど、やっぱりセンスがね?伸びしろが少ないわ」

「これ以外にも重要人物は誰がいたかしら?」

「日本の総理大臣とかアメリカの大統領とかもいるけど、ヨーロッパの方で争いがあって、それどころの雰囲気じゃないみたい」

「これからデュベリスが攻めてくるかもしれないのに、人間同士で争うのも何かねぇ」

「そもそも宇宙から転移魔法を使って侵略してくるとか、非科学的なことだから、なかなか信用を得るのも難しいみたいね」

「ネットに書き込んでも、映画かゲームの見過ぎとか言われそう」

「で、敵となる魔物のデュベリスはどんなやつらなのかしら」

「本当、それが一番知りたいわ」


「再会」へつづく
しおりを挟む

処理中です...