魔法少女世界完善プレジェクト~the World End Story~

うさまる。

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1 : 終わりへの始まり

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  この世界には数え切れないほどの『悪』が存在します。
 窃盗、殺人、猥褻、虐待、パワハラ……などなど。
 皆さんの身近な『悪』でいうと、いじめがありますよね。
 被害者の皆さん、そしてヒーローの皆さん、『悪』を全滅させたいと思いませんか?
 それを望むのなら、僕が叶えてあげるよ。

  -魔法少女になって……ね
     
     魔法少女完善プレジェクトを成功させてよ-



     

  ***********************************





 私、室田 彩未はヒーローに憧れている。恥ずかしい話だけれど、なりたいとも思っている。昔ヒーローに助けられたから、のような実体験からの理由ではなく、ただただヒーローみたいにかっこよく、皆から尊敬されたい、そんな理由だった。だって私、普通だもん。得意なこともない、学校の中でも何の役も持たず、普通に学校生活を送っている。そんな普通の私は目立ちたい、誉められたい、尊敬されたい、人の上に立ちたい……そんな叶わぬ願いも願うようになって。ヒーローアニメを毎日見て、自分の脳内で「もし、私がヒーローになったら…」という妄想もしている、高校生だよ、私。
「はあ」大きく溜め息をついて、自分で可愛くかっこよくヒーローをカスタムできるというアバターアプリを開く。
淡い灰色の髪色、編み込みの多いハーフアップお団子、瞳は星空の模様を描いたような藍色の色、アイドル衣装のような星空ワンピース、星空のアクセを身につけた黒タイツ、全て課金アイテム。星が好きという事もあって、全体を星を連想させる物でまとめてみた可愛いコーデ。

「どちらかというと、これヒーローというより『魔法少女』だな。」

 
    -君の願い叶えてあげよっか-


「ん?」いきなり耳元でその言葉が聞こえた。一回は空耳だと思った。しかし、一回では終わらなかった。


 -魔法少女になりたいだよね?叶えてあげるよ。大丈夫。君が望んでるヒーローと魔法少女は同じだから-


気味が悪い。私はスマホを置いて部屋を出ようとした。すると、声の主らしき小さく、宙に浮いたマスコットキャラクターが私の目の前に現れた。ぬいぐるみにありそうな、可愛くも見える容姿をしていた。
「うわ!」
「えへへ!こんにちは、彩未ちゃん!君の願いを叶えにきたよ-!」
「はあ、ついに幻覚までも見るようになったか、私…。」
「幻覚じゃないよー、本物!!」
「……。はあ、夢だと思うけど、一応その話を聞聴かしてもらおうか。……で、ヒーローになれるって本当!?」
「ヒーローていうか魔法少女ね!大丈夫、魔法少女もヒーローみたいな世界を救う仕事をするからねー!」
「じゃあ、なる!!」
「はや!…ま、まずは自己紹介を。僕は『魔法少女プレジェクト』委員長マスコット、『メル』っていうんだよ!僕の仕事は君たちの中から魔法少女に勧誘して、『まほプロ』を成功させること!よろしくねー!」
「『魔法少女プレジェクト』?」
「『魔法少女世界完善プレジェクト』。この世界には数え切れないほど『悪』が存在する。それを魔法少女が消して、魔法少女が世界を救う、そんなプレジェクトのこと!『まほプロ』はその略だよー。彩未ちゃんにとってはとっても良いお話でしょ!」
「うん!!凄い燃える内容だね!」
憧れていたヒーローという名の魔法少女になれる。夢でも嬉しかった。私は、なることを直ぐに了承した。
「じゃあ契約完了!!彩未ちゃんはこれより魔法少女になり、『魔法少女世界完善プレジェクト』の契約者の一員となり、貢献者となります!準備はおーけー?」
「おーけーです!!」
「では、今から目を瞑り、自分の理想の魔法少女姿、魔法少女ネームを思い浮かべてね!!僕がおーけーを出したら目を開けていいよ!その時にはもう理想の魔法少女になっているよ!」

目を瞑り、あのアプリゲームのアバターと全く同じ姿を思い浮かべる。そしてあとは魔法少女ネーム。名前、名前……。星、星空、スター………。あっ!クルア!
私の名は   『クルア・リヴ』


メルの合図で目を開く。全身を確認する。それは想像を絶するもので、アプリそのままの姿。そして首輪が身に付けられていた。黒の帯に星空のような水晶玉。そこには『クルア・リヴ』と解読不能な文字が刻まれていた。
「これ、夢だよね?」
こんな思ってもみなかった出来事に脳が追い付かない。
「いやー、現実だよー。」
「え、でも…こんなこと……」
「おーけー!じゃあクルアちゃんに現実だと分からせる為にさっそくお仕事してみよっか!ほら、ついてきてー!」
そういって窓から飛び出し、私は言われるがまま、メルの跡を追った。



 その時は気づいてもいなかった。これが世界の終わりの引き金だなんて。


















  
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