空白の時間

夕暮れ狼

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第13章 - 新しい朝

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第13章 - 新しい朝
朝の光が窓から差し込み、拓実は目を覚ました。あの悲しみの中で過ごした日々は、もう過去のものとなりつつある。まだ完全には立ち直れていないかもしれないけれど、今日は少し違う気がする。
「今日は少し、笑ってみよう。」
拓実は自分にそう言い聞かせるように呟いた。友香が教えてくれたように、笑顔があればきっと次の一歩が踏み出せる気がした。
カーテンを開けると、外は晴れ渡っていた。風が心地よく、少しだけ春の匂いが漂っている。
拓実は深呼吸をして、窓の外を見つめた。
「ありがとう、友香。」
その一言が、少しだけ心の中で響いて、彼女の笑顔が浮かんできた。拓実はそのまま歩き出す。どこへ向かうのかはまだわからないけれど、確かなことが一つだけある。それは、彼女が教えてくれた「前を向く力」を胸に、これからの一歩を踏み出すこと。
そして、彼女がいなくても、彼女がずっと自分の中で生き続ける限り、拓実はどこへでも行ける気がした。
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