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第12章:霧の中の告白
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第12章:霧の中の告白
山の霧が深く立ち込めてきた。視界は数メートル先までしか見えず、足元を見つめるしかなかった。
「こんなとき、頼りになるのはやっぱり人だね」
亮介がそう言うと、美月はふっと笑った。
「うん、自然は厳しいけど、人の心はもっと複雑で優しいから」
二人は静かな山道をゆっくり歩く。
霧の中、互いの呼吸と足音だけが響いていた。
突然、美月が立ち止まり、亮介の方を向いた。
「亮介……私、ずっと言いたかったことがある」
亮介は驚きつつも、静かに彼女の目を見つめる。
「君と出会ってから、この山が怖くなくなった。
…それどころか、君と一緒にいることで、生きる意味を見つけられた気がする」
美月の頬が少し赤くなり、口を開いた。
「私も同じ。ずっと一人で強がってきたけど、亮介といると弱さも見せられる」
霧に包まれた山の中で、二人の距離がぎゅっと縮まった。
「帰ったら、もっと君のこと知りたい」
亮介の言葉に、美月は小さくうなずいた。
「私も」
二人はそっと手を握り合い、霧の中の道を歩き続けた。
それは、ただの遭難者同士の絆ではなく、二人の心が確かに結ばれた瞬間だった。
山の霧が深く立ち込めてきた。視界は数メートル先までしか見えず、足元を見つめるしかなかった。
「こんなとき、頼りになるのはやっぱり人だね」
亮介がそう言うと、美月はふっと笑った。
「うん、自然は厳しいけど、人の心はもっと複雑で優しいから」
二人は静かな山道をゆっくり歩く。
霧の中、互いの呼吸と足音だけが響いていた。
突然、美月が立ち止まり、亮介の方を向いた。
「亮介……私、ずっと言いたかったことがある」
亮介は驚きつつも、静かに彼女の目を見つめる。
「君と出会ってから、この山が怖くなくなった。
…それどころか、君と一緒にいることで、生きる意味を見つけられた気がする」
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「私も同じ。ずっと一人で強がってきたけど、亮介といると弱さも見せられる」
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「帰ったら、もっと君のこと知りたい」
亮介の言葉に、美月は小さくうなずいた。
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