「絶望の川を越えて」

第2章：食料調達

第2章：食料調達
二人は、無事に岸にたどり着いたものの、周囲に人影は一切見当たらない。川が氾濫したため、進む道が完全に遮断されていた。菜月は食料が無いことに気付き、まずは身の回りの自然から食べ物を調達しなければならないと感じる。
「ここから何か食べられるものを探さないと…」
菜月は冷静に川辺に生えている植物を観察し、食べられる野草を探し始めた。悠斗もその手伝いをするが、彼の顔はどこか疲れていた。
「これ、食べられるよね？」菜月が摘んだ草を見せると、悠斗は無言で頷き、菜月にそれを渡す。
「でも、この辺りには川魚もいるかもしれない。釣り糸も持ってるし、工夫すれば食べ物はなんとかなる。」
悠斗が言いながら、小枝を使って即席の釣り竿を作り始めた。菜月もそれに続いて、見様見真似で魚を捕る準備をする。最初は不安だったが、少しずつ成功し、二人は命を繋ぐ食事を手に入れることができた。