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第二章
変わりゆく
しおりを挟むシェリーがうちへ来た次の日に
エドさんからシェリーが出発したのを聞いた
当日に見送ることは出来なかったけどこれで良かったと思う
だって、次に会うのはシェリーが本当の先生になってからだもん
まっ、私やユーリ、それにシェリーから学を教わってた子供たちからしたらもうとっくに本当の先生なんだけどね、シェリーは
そう言えば、シェリーが行ったエンリチェッタ校、所謂先生育成専門校にシェリーが入学出来るように口利きしたのはソフィだと聞いた
エドさんからそれを聞かされた時は驚いたものだ
まさかソフィがそこまでやってくれるなんて思わなかったから
そのおかげとシェリーが飛び級で卒業した異例の天才と言うこともプラスして、その専門校もシェリーの編入を快く受け入れてくれたらしい
学費に関しては、前世の世界で言う特待生に与えられる奨学金を使うと言っていた
エンリチェッタ校は先生育成校としても有名で、国を代表する学校の一つでもある
その学校の奨学金制度を受けられる生徒は本当にほんの一握りで、9教科の超難問テストでほぼ満点を取らなければ奨学金は貰えない
だけどシェリーはそのテストで899点という高得点もいいとこ(ていうかこれもう満点じゃね?)な点数を叩き出した
逆にそこで何を間違えたんだ!と思ったらどうやら学校側の試験問題の印刷ミスと判定
てことは、そのミスがなければシェリーは異例中の異例である満点合格者になるということだ
はぁあー、とことん私はとんでもない人から勉強を教わっていたっつうことだなー
そして今日
お父様からソフィが来るという知らせを聞いた
色々あったあの日以来の対面
気持ち的にも落ち着いてるからきっとあの日聞けなかったことや話せなかったことを話すチャンスだ
それに、シェリーのことでお礼も言いたいしね!
あっ、そうだ
「ねえ、お父様?」
「なんだ?」
「ソフィとのこと、ユーリやクロスにはどう説明したらいいのかしら?」
そう聞けば少しだけ表情を渋くさせるお父様
これは少し困ったときの反応だけど傍から見たら激怒しているようにしか見えないんだよね、我が父ながら哀れ…!
「そこは殿下に任せるしかないな、軽々と口にしていいような事柄でもないし、殿下が気にしなければ本当のことを二人に話してあげなさい」
「…分かりましたわ、失礼いたします」
一礼してお父様の書斎から出る
本当のことを私の口から話すって…それってかなり難易度高くない?
弟のユーリに本当のお兄ちゃんみたいな存在のクロスになんて言う?
「実は~、この国の第三王子にプロポーズされちゃって~、こちら、断ったんだけど諦めずに私に猛アタック中のソフィール殿下でーす」って?
そんなこと言う奴が私の目の前に居たら右ストレートに続いて左ストレート、鳩尾コンボ連打に加えて、最後の止めとして顔面膝打ちで沈ませる自信あるわ………って!この場合沈むの私じゃん!!
いやいや、落ち着け落ち着け
あの二人はこんなにバイオレンスじゃない
せいぜい「寝言は寝て言え」「何馬鹿なこと言ってるの?頭大丈夫?」って蔑んだ目を向けられる程度だよね!…………待て待て待て、それ"程度"じゃ済まないレベル…!
あー!!じゃあもうどうすればいいんだよー!!
廊下のど真ん中で頭を抱えようとしたその時
「お嬢様ー!」
後ろの方からメイドさんが慌てて駆け寄ってきた
「どうしたの?」
彼女の呼吸が落ち着くのを待って問えば、興奮した様子で私に詰め寄ってきた
「ソフィール殿下がお見えでございます!」
あなた、その顔の赤さは走ったからじゃないなー?
もう~……まあ、ソフィに会ったらその反応も妥当か
今でも時々マジでどっかに天使の羽が隠れてるんじゃねえかって思うレベルだもん
「そう、今行くわ、ありがとう」
メイドの前で完璧なお嬢様として振る舞い、ピンッと背筋を伸ばして長い長い廊下を歩いた
さーってと
友達とのお喋りに二度と取り乱さないようしっかりしなくちゃね!
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