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第三章
お馬鹿さん
しおりを挟む「あの、一つ聞いてもいいですか?」
他愛もない話をした後、コレットは改まった感じで言った
「ええ、もちろん!何かしら?」
首を傾げて問えば、コレットは少しもじもじしながら少し恥ずかしそうに口を開いた
「セツィーリア様は、どうして私に声を掛けてくれたのですか?」
「え?」
「いえ!あの!とても!本当にとても嬉しかったんです!!ただ…未だに信じられなくて。私は周りの子たちが言っている通り、貴族とは言えないくらいの家の子だし、何かが特出して凄いところもない、本当に普通の子で……だから、こんな私にセツィーリア様が声を掛けてくれたのが、本当に驚きだったんです」
顔を俯かせて自信なさ気に言うコレットだけど、私には彼女の言っていることの意味が少し分からなかった
だから、とりあえず私の考えを全てコレットに伝えようと思った
「コレット、あなた……思っていたよりお馬鹿さんなのね」
「え!?あっ…す、すみません……」
一瞬で顔を引きつらせるコレット
ああもう!!最後までちゃんと聞いて!!
「私は!そんなあなただからこそ声を掛けたんだし仲良くなりたいと思ったのよ!!」
コレットに出会ってから初めて声を張り上げた気がする
「最初は周りと違って素直に可愛くて控えめなあなたが気になって軽い気持ちで友達になりたいと思っていたけど、こうして話しているうちに、家族のことも家の農場のことも大事に思っている優しいあなたを知って、今度は本当にあなたと、コレットと友達になりたいって思ったんだよ!」
「……」
目を見開いて驚くコレットだけど、私は自分の口調が崩れかけてることにも気づかずにさらに続けた
「普通で何が悪い!?私達はただの学生なんだから特別である必要なんてどこにもない!貴族らしくないからって何!?令嬢らしくないからってどっかの誰かに迷惑を掛けるわけでもない!!その人自身を見ることが一番大事だろ!な!?そう思うだろ!?」
「あっ、う、うん!」
あっやべ、途中ちょっと私情入っちまった
あぁ、まあいいや、コレットも肯定してくれてるし
「だからさぁ!"こんな私"なんて悲しいこと言うなよ、私はそんなコレットがもう既に好きなんだからさ~、それにさっき家で野菜育ててるって言ってたろ?私そういうの実はちょっと憧れててさ!自分で育てた野菜を食べてみたかったんだ~!クロスも花を育てられるところが欲しいと思うから今度ミニ畑をどっかに作ろうか企んでて……って、どうかした?コレット」
指を顎に当て、探偵みたいなポーズを決め込んで考え込みそうになったけど、ふと視線を感じてそっちを向けばコレットがポカーンッとした顔で私を見上げていた
なんだなんだこの顔、結構既視感が………
「……あっ」
「……」
「私、結構な素出てた…よね?」
「……」
声には出さないけど凄い速さで首を縦に振るコレット
…あーーーー、やっぱりかあああああああああああ
こういう時の私って本当にポンコツ並みにガードが緩くなるんだよなー!興奮した尚更だし
……まあ、コレットとは本当の友達になりたかったから遅かれ早かれバラしてただろうからポジティブにいくか!
「まあ、今見たとおり、今のが本当の私だよ。もちろん、お嬢様の私も私だけど、特別な人たちの前ではああいう気張ってない私が出るの。…………嫌いになった?」
ポジティブに!…と意気込んでみたはいいものの、やっぱり心配なもんは心配
少し顔を逸らしてチラッチラとコレットの様子を伺えば
「なるわけないよ!!!!」
コレットもコレットで、初めて見る姿を私に見せてくれた
いや、てかびっくりしたわ
この小さい身体からあんなでっけえ声出るとは思わなかったわ
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