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第三章
丸め込む
しおりを挟む「答え合わせ?二人はクイズでもしていたの?」
ソフィの声で私とハルの間に流れていた不穏な空気は一先ずかき消された
こいつとはお互いに相容れない存在だと思ってるけど、ソフィを巻き込みたくないという気持ちは同じだろう
「そうそう、少し前に俺がセツィーリアちゃんに問題を出したんだけど、どうやら答えが分かったから答え合わせをしたいみたいだね~」
「へ~、どんなクイズを出したんだい?」
興味津々といった感じでハルにそう聞くソフィ
それに対し、ハルは焦るでもなくニヤッといやらしい笑みを浮かべてソフィと肩を組んで何やらヒソヒソ話を始めた
「え~、それ聞く~?聞いちゃう~?フィー、そういうとこダメだぜ~?女の子には知られたくない秘密ってもんがあるんだからね~?」
「秘密って!それじゃあどうしてハルはいいんだよ?」
「そ~りゃ~、俺はセツィーリアちゃんからしたらまだまだ親しい関係とは程遠いからだよ」
「ん?どういうこと?」
「よく言うでしょ?どうでもいい人にだからこそ話せることもあるって!つ~ま~り~、親しい間柄であるフィーにするには少し照れるような内容ってことなんだよ、そんくらい察せるようになんなきゃ~」
「…親しい間柄」
「あ~、また分かりやすく顔が緩んでる~」
「し、仕方ないだろ!?…本当に好きなんだから」
「………どこがそんなにいいのかね~」
「ん?ハル、今何か言った?」
「女の子を困らせるようなことは聞いちゃダメって言ったの~」
コソコソと話していると思ったら、大きな声と共にハルがソフィの背中を叩いた
「ちょっと!!」
一体何を話したらハルがソフィのことを叩くことになるんだ!
「大丈夫!大丈夫だからセツ!ハルも、いきなり叩くことないだろ?痛くなかったけどセツがびっくりするよ」
慌てて私を宥めてから、少し困った顔をしながらハルに注意するセツ
対してハルは全く悪びれる様子がない
「な~に言ってんだよ、俺のはこれからのフィーに対する激励なんだからね~?」
「激励?」
「そ!今俺はフィーに女の子に対する極意とも呼べるようなことを教えたからね、フィー、これからもっと女の子の扱いが上手くなるね~」
「ハル!そんな言い方をしたらセツが誤解しちゃうでしょ!?」
「ははは」
楽しそうにソフィをからかうハルの笑顔は私が今まで見てきた偽の笑顔とは程遠いものだった
それだけで、ハルにとってソフィがそれだけ大事な人なのか分かる
…分かったからこそ、私が導き出した答えへの確信も高まった
「セツ、ハルにも言われたけど、女の子を困らせるようなことはするべきじゃないよね、それがセツなら尚更だし」
「え、あ」
「僕これからもっと女の子の気持ちについて理解していけるようにするから!だから、もし悩み事とかあったら、僕で良ければ相談に乗るからね?」
ギュッと手を握られ顔を覗きこまれる
か、かわいい…!!!その大きな瞳で私のことを上目遣いで見ないで!!眩しすぎる…!
「あ、ありがとう」
かろうじてお礼を言って離してもらえたけど、今のソフィのかわいさのせいで心臓が早く動きすぎて寿命縮まった気がする
「そういえばフィーさ~、ここに来てって言った時、この後先生に呼ばれているからそんなにずっとは居られないとか言ってなかったっけ?大丈夫なわけ~?」
のんびりとしたハルの言葉を聞いてソフィの顔がどんどん蒼ざめていった
「大丈夫じゃない!!セツに会えた喜びですっかりそのこと忘れてた!」
「あはは、抜けてる生徒会長様だね~」
「ハル、言ってくれてありがとう!!セツ、僕はもう行くけど、近いうちに一緒に食事でもしよう!」
「う、うん!楽しみにしてるね!」
慌ててその場から離れるソフィに聞こえるように声を張って返事をする
走りながらこっちを振り返って嬉しそうに手を振るソフィに同じように手を振り返す
そして、ソフィの姿が完全に見えなくなったところで
「流石、口が上手いわね。どうやってソフィを丸め込んだのかしら」
「丸め込むなんて人聞きの悪い~、俺の機転のおかげであれ以上詮索されなくて済んだんだからセツィーリアちゃんも少しは俺を褒めてもいいと思うけど~?」
「褒めたじゃない、口が上手いって」
「それは嫌味のほうでしょ~?」
「ソフィと私が関わってるからよね」
「……何が~?」
話の流れを完全無視したわたしの言葉にハルは特に動揺する事もなく笑顔を浮かべ続ける
ソフィがいなくなった途端にあの偽の笑顔を復活させてるハル
だから、決めた
「言ったはずよ、答え合わせをしようって」
こいつの本性
「私がソフィと関わっているのがそんなに気に入らない?」
引きずり出してやる
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