110 / 130
第四章
副担任
しおりを挟む「それじゃあ、またねユーリ」
「うん、セツ姉、授業寝ないようにね」
「寝たことなんかないわよ!!」
いたずらっ子のような笑顔を浮かべるユーリを見送る
さっきは変にドキッとしてしまったけど、やっぱりユーリはユーリね
とりあえず、ユーリももう子どもじゃないから、むやみやたらにかわいいって言うのは控えよ…
そんなことを思いながら自分のクラスに入れば、「ごきげんよう、セツィーリア様」と声をかけてくる生徒に同じように「ごきげんよう」と返していく
自分の席に着いたところで
「おはよう!セッちゃん!」
「コレット!おはよう!!」
前から今日も最高にかわいいコレットがやって来た
皆さん、見てください
このエンジェル、私のお友達なんです!私の初めての!!女の子のお友達なんです!!
はあ…コレットともう一年くらいの付き合いになるけど、本当に今でも毎日自慢して回りたいくらいコレットがかわいくて生きるのが楽しいわ…!
「ねえねえ、セッちゃん知ってる?副担任のバルクン先生、事故に遭ったみたい」
「そうなの!?ま、まさか先生…」
「あっ!なんか幸いにも骨折だけで済んだみたいだから、しばらく入院するけど命に別状はないって!」
「そっか…それなら良かった」
私たちの副担任であるバルクン先生は所謂おじいちゃん先生だ
ただ、おじいちゃんと言えるのは年齢だけで、見た目は筋肉ムキムキなイケおじで、生徒からも先生方からも人気の高い先生だ
そんな先生が入院ってきっとみんなも寂しいって思ってるよね…
あっ!
「だからかな?朝からみんながなんだかそわそわしてるように感じていたの」
「うーん、それも多分あるけど…」
「けど?」
「まだ本当か分からないんだけどね?バルカン先生の代わりに新しい先生が来るみたいなんだけど、その先生…すっごく美人さんらしいの!!」
なぜか自慢げに言うコレットがかわいくて気づいたら手はコレットの頭に置かれていた
「言われてみれば、女子生徒より男子生徒たちのほうがそわそわしてる子が多かったような」
コレットの頭を撫でながら思い返す
やっぱり、おぼっちゃまお嬢様とはいえ、年頃だね~
まあ、私もかわい子ちゃん美人さん大好きだから気持ちは分かるけど、男子ってほんっと
「単純よね~」
「ん?なんか言った?セッちゃん」
「ううん、コレットは今日もかわいいなって思って」
「もう~!!セッちゃんってばまたそんなこと言って!!セッちゃんのがもっとずっとずうーっとかわいいもん!!」
「はは、激かわかよ死ぬわ」
ついついオタクの本性が出現してしまうくらい照れてるコレットはかわいい
もう一生この可愛い生物を愛でて生きていきたい
「新しい先生、優しい人だといいね」
コレットとそんな話をしていたのも十数分前
担任であるガリレイ先生から朝コレットに教えてもらったこととだいたい同じことを説明されたあと、バルカン先生の代わりとなる新しい副担任の先生を紹介してもらった
美人だ
100万人中120万人が口を揃えて美人と言うくらいには美人だ
もう美人すぎて男子も女子も全員見惚れているのが分かるくらいに美人だ
ただ、一つだけ予想してなかったのは
この先生が
「バルカン先生が復帰するまで、皆さんの副担任を任されました」
男であり
「シェイルス・アーレスです。よろしくお願いしますね、皆さん」
あのシェリーだということだ
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
782
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる