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第四章
胸爆
しおりを挟む「てっきり、シェリーって呼ばれるのかと思ってました」
「約束したじゃん、一回だけちゃんと呼んであげるって。だからもうおしまい!これから学園にいる時はアーレス先生でそれ以外の時はシェリーって呼ぶから!」
はい!おしまい!というように頭を撫でていた手を引っ込め
近かった距離も適切な距離に変えた
あー!!やっとちゃんと息が出来る!!
この短時間で絶対心拍上がりまくって寿命縮まった気がするわ
シェリーとは少し離れたところで深呼吸を数回する
チラッと室内に飾られている時計を見れば昼休みが終わるまであと20分しか残っていなかった
「あー!!お昼ご飯食べてない!!」
「あっ、そういえばそうでしたね」
「そうでしたねじゃないでしょ!シェリーちょっと待ってて、購買から何か買ってくるから!」
忘れていた空腹がやってきた
シェリーも私と同じで何も食べていないはずだからきっとお腹が空いているはず
さすがに今から食堂に行くっていうのは効率が悪いから購買に行ってパンでも買おう
「あっ、でも」
「それじゃあ行ってくる!」
シェリーの制止も聞かずに急いで購買へと向かう
流石一流の学園は購買までもが素晴らしく、昼休みももうすぐ終わるのに美味しそうなパンやお弁当が多くあった
完全に自分の趣味でパンを数個買い研究室に戻る
約5分で戻ってきた私を笑いながらシェリーはお礼を言ってパンを受け取ってくれた
笑う必要はなかったよねと思いながら、残りの時間を使ってシェリーと穏やかな時間を過ごす
そして次の授業が始まる約5分前に席を立った
「それじゃあ私はそろそろ授業に行ってくるね」
「はい、今日は一緒に過ごせてよかったです」
くっ……さらっとこういうことが言えるのがもうずるいよね!
今日だけでかなり胸キュン…いや、胸爆場面を味わってしまった
伊達にヒロインちゃんの攻略対象じゃないわこの人、これが本当に好きな子と相対する時、一体どんくらい甘々になるんだよ
…うわあ、想像しただけで胸焼けがしてきそう
いつかのヒロインちゃんの未来を想像しながら研究室の扉に手をかけると
「あ、言い忘れてましたが」
声を掛けられたから後ろを振り向こうとしたが
「!!」
めちゃくちゃ背後に居て普通にめちゃくちゃにビビった
あまりの近さに慌てて前を向く
覆いかぶさってくるような感じでシェリーが私の耳元に口を寄せる
「男の前で簡単に目を閉じてはだめですよ?何されるか分からないんですから」
吐息交じりの声がダイレクトに鼓膜を震わす
「でも、だって、シェリーだし」
しどろもどろになりながら答えればまたしても耳元でクスッと笑う声が聞こえた
なんでだろう
なんだか今めちゃくちゃに振り向いてはいけない予感がしている
「だからですよ」
「え?」
後ろから伸びてきた手が目を覆う
「俺だって男なんですから」
真っ暗な世界で聞くシェリーの声は今までで一番心臓に悪かった
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