未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢に転生したみたいだけど、これってフラグ回避方法分かんなくね?

文字の大きさ
117 / 130
第四章

不注意

しおりを挟む


あの後、どのようにして教室に戻ったのかは覚えていないが
気づけば私は今日一日の授業を終えていた

コレットに声を掛けられ肩を揺すられるまで全然意識がなかった自分に驚く
聞けば、五時間目が終わった際に声を掛けても

「うん」
「ああ」
「そうだね」
「あはは」

としか言っていなかったらしい

これは普通にノワール家の人間としても失態だと言えるし、まず人として機能できてなかったことが分かる

「セッちゃん大丈夫?お昼休みからずっと心ここにあらずって感じだけど、何かあった?」

コレットの心配が身に沁みる

「ううん、大丈夫だよ!心配かけてごめんね!」

これ以上の失態を犯すことは許されない
それに、コレットに心配をかけないためにもしっかりしないと!

笑顔を向ければ少しホッとしたような顔になるコレット
そのまま一緒に帰ろうとすればコレットが少し申し訳なさそうな顔で私の袖を引いた

「セッちゃん、ごめんね、今日の委員のことで、一度教員室に向かわないといけなくて…」

「あっ、そうなの?でもすぐに終わるなら私待ってるよ?」

「いいの?ありがとう!多分すぐに終わると思う!」

嬉しそうに笑うコレットの笑顔を見ただけで私は何年でも待てると本気で思った


「それじゃあ私は教室で」

「皆!この後アーレス先生がここで歴史学を教えてくれると約束してくれたのだが、共に学びたいと言う方はぜひとも参加してくれ!」

「じゃなくて!!一緒に教員室まで行って扉の外で待ってるよ!!」


いかにも委員長をやっているような感じのクラス委員がよく通る声でみんなに呼びかけた声を聞いた瞬間、コレットに詰め寄る勢いで一緒に教員室まで行くと告げた

それと同時にとてつもない数の生徒が私と同じようにクラス委員に詰め寄っている姿が横目で見えた

流石の人気っぷりだ
シェリーのどこが怖いって、女も男も無意識のうちに誑し込んでるとこだよな


って、そんなことを考えてる暇じゃないな!


「さっ!さっ!早く行こ!」


コレットの背を押して教員室までの道を急ぐ


流石にさっきの今でシェリーにどんな顔して会えばいいのか分からない
ていうか……





どう考えても暫くはまともに顔を合わせられないって分かるよね!?あんなこと言われたら!!






気を抜けばフラッシュバックしそうなシェリーの声を慌てて頭を振ることでかき消す





そして、それが仇となった





コレットを急かしていた罰が当たったのだろう


前をよく見ていなかったせいで前から歩いて来ていた他生徒にぶつかりそうになったのだ
そして、それを慌てて避けたせいで足首から嫌な音がした瞬間、私の身体は傾いた

横目でぶつかりそうになった生徒とコレットの驚いた顔が見える
いやあ、これは焦る
ここで派手に転んだらコレットも心配するし、私の不注意のせいで何も悪くないこの方に罪悪感を与えることにも繋がるかもしれない
何より、私が、ノワールというブランドを背負ってる私がそんな無様な姿をこんな公衆の面前で晒すわけにはいかない

だから、なんとしてでも立て直さなきゃ…!!


足首の痛みも無視してなんとか倒れるのを防ごうと片足を前に出して踏み留まろうとした時だった



私が足を踏み出す前にポスッと何かに抱き留められた



周りから微かに無理やり抑えたけど漏れ出ているような小さな黄色い悲鳴が聞こえた
それと同時に嗅いだことのある匂いが鼻をくすぐった


待て、この匂い
待て、まさかのまさかだよな
待て、いやいやそんなそんな

恐る恐ると言った感じで顔を上げれば
私を受け止めてくれた人はふわっと花が咲き誇るような笑顔を至近距離で私に向けてきた



「間に合ったみたいで良かったです」




正直




「…助けていただき感謝しております。ありがとうございました…アーレス先生」





この人は私を殺しにかかってきてるんじゃないかと本気で思った




しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。 断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが

侑子
恋愛
 十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。  しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。 「どうして!? 一体どうしてなの~!?」  いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした

タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。

悪役令嬢に転生したけど、知らぬ間にバッドエンド回避してました

神村結美
恋愛
クローデット・アルトー公爵令嬢は、お菓子が大好きで、他の令嬢達のように宝石やドレスに興味はない。 5歳の第一王子の婚約者選定のお茶会に参加した時も目的は王子ではなく、お菓子だった。そんな彼女は肌荒れや体型から人々に醜いと思われていた。 お茶会後に、第一王子の婚約者が侯爵令嬢が決まり、クローデットは幼馴染のエルネスト・ジュリオ公爵子息との婚約が決まる。 その後、クローデットは体調を崩して寝込み、目覚めた時には前世の記憶を思い出し、前世でハマった乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生している事に気づく。 でも、クローデットは第一王子の婚約者ではない。 すでにゲームの設定とは違う状況である。それならゲームの事は気にしなくても大丈夫……? 悪役令嬢が気付かない内にバッドエンドを回避していたお話しです。 ※溺れるような描写がありますので、苦手な方はご注意ください。 ※少し設定が緩いところがあるかもしれません。

処理中です...