121 / 130
第四章
仕草
しおりを挟むコレットに部屋まで送ってもらったお礼を言ってから一人ベッドへとダイブをする
コレットとクロスの話をした時から胸が少しモヤモヤしている
その感じがなんだか気持ち悪くて訳もなくベッドの上でゴロゴロと回る
自分で言うのもなんだけど、私はそんなに鈍感ではない
あんなのは所謂王道ヒロインにのみ搭載されている属性であり、昔から人の感情には敏い方だったし、自分の気持ちにも疑問を持ったことはなかった
でも、クロスのことに関してだけは時々分からなくなる
クロスのことは好きだ
ずっと前から大好きだし、クロスも私のことを好きでいてくれてるのは分かる
さっきのコレットが言った、クロスが私を大事にしてくれてるってことも分かっている
……それなのに、なんであの時の私はあんなにも(動揺とは認めたくないけど)動揺しているような感じになってしまったんだろう
それに、このもやもやも考えれば考えるほど説明がつかない
自分で言った言葉になんで自分がこんな気持ちになるのやら
クロスは面倒見のいいお兄ちゃんで、私は手のかかる妹
家にいた時はずっとそう思ってたし、周りもそんな感じで私たちのことを見ていた人達が多いと思う
それなのに、今更何かが違うっていうこと?私がその関係を嫌だと思っているっていうこと??
……ううん、そんなはずない
嫌だなんて思うわけない
「…はあー、やっぱりどっか具合が悪いのかな?」
自分の額に手を当てる
けれど伝わってきた体温は極々普通のもので熱が出ている様子はなかった
「うーん」
なんかスッキリしなくてまたゴロゴロする
そうして気づけば、いつもクロスと待ち合わせをしている時間が近づいてきていた
さっきまでのもやもやが一瞬にして消える
ていうか!そうだ!!良いこと思いついた!!
私より頭が良いクロスに直接聞いてみればいいじゃん!!
そうすればきっとこのもやもやの原因も分かるし、クロスに呆れたような顔をされながら下らないことで悩んだと笑い合えるはずだ!
そうと決まれば!
少しだけ身なりを整えて早めに部屋を出る
足を捻っているためいつもよりかはゆっくりとした足取りだったけど、早めに部屋を出たからいつも通りの時間に中庭に着いた
おなじみのベンチに座ってクロスを待つ
やっぱりこの時間帯での人通りはなく、我ながらなんてラッキーな場所を見つけたんだと改めて二ヤっとしてしまう
「まさかと思ったけど、やっぱりいた」
ちょっと困ったような感じで笑ったクロスがそのまま隣に腰掛けてくる
「何が?」
「安静にしてろって言っただろ?」
「うん、だからずっと部屋で休んでたよ」
「さっき廊下で話したから今日はここには来ないと思ったんだよ、足も怪我してるし」
「あっ、確かに会ったばっかりだもんね、ここに来るのはもう日課になってるから全然何も考えてなかったや」
ははっと笑えばクロスは「全くお前は」というように小さくため息をついた
だがしかし、私は見逃さなかったぞ!お主がちょっと笑っていたことに!!
それに
「来ないって思ってても、ここに来てくれたのは万が一私が待ちぼうけを食らわないか心配だったから?」
少しからかってやりたくてニヤリと笑みを浮かべる
「珍しく鋭いじゃん」
けど、クロスは私よりも何倍も上手だった
同じようにニヤリと笑ってからサラッと私の前髪に触れて攫っていく
ドクンッと胸が大きく鳴った気がした
え、、、、、、
ちょっと待って
何今の
何今の
何今の!!!!
なんかめっちゃドキッとしたんだけどこれがもしかしてシチュエーション萌えってやつ!!?
わ、私こういう仕草がフェチだったのかしら!?い、意外な新発見だわね!?おほほほほほほ
バクバクと踊っている心臓に沸騰しそうな身体
心の中でふざけた事を言っても、私はクロスからは目が離せなかった
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした
タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる