未プレイの乙女ゲーの悪役令嬢に転生したみたいだけど、これってフラグ回避方法分かんなくね?

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第四章

踏ん切り

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あの夜から、何事もなく1週間が過ぎた

というより、私がボーっとしすぎて気づいたら1週間過ぎていたと言ったほう正しいかもしれない

なんでそう思ったかと言うと



「セッちゃん?大丈夫?最近ずっと心ここに在らずって感じだけど何かあった?」

「セツ姉さあ、いつにも増して人の話聞いてないこと増えてない?」

「な~んかいつもと雰囲気違うけど、もしかしてセツィーリアちゃん今"表"モードじゃないとやっていけない感じ??」


しまいには


「ノワール、最近の授業態度は目を見張るものがあり大変素晴らしいが、何人かの生徒から君の鬼気迫るような気迫が怖いという相談を受けたため、もう少し肩の力を抜いてみてもいいのではないだろうかね」


とまさかの厳しいと有名な学年主任にもいきなり話しかけられるレベルにはいつもの私ではなかった
らしい

ちなみに学年主任に話しかけられるまでコレットからの言葉もユーリからの言葉も特に気に留めていなかった
ハルの話なんて端から聞いていなかったレベルだったけど、今思えば、私の素を知っていれば知っているほど私の変化にも気づきやすかったのだろう

とりあえず、表のセツィーリア・ノワールしか知らない人たちの目から見ていつにも増して完璧超人でいられたことは不幸中の幸いだ
これでポンコツ超人になっていたらノワール家に顔向けが出来ないし、今まで築いてきたものにも傷をつけることになるから、そうならなくて本当に良かった

ここまで来て漸く、自分の今の状態が普通じゃないことを認めることになった


実はなんとなく気づいてはいた
あの夜、クロスと別れてから自分の部屋に戻った後の記憶をあまり覚えていないのだ

クロスのことを好きだと自覚した瞬間に失恋をしたようなもんだから何もかも全てが一瞬過ぎて思考が追い付かなかったのだろう

だけど、色んな人にいつもと違うと言われている中で、クロスだけは何も言ってこなかった
恐らく私のことを一番よく知っていて一番敏感に察することが出来るクロスが何も言ってこなかったってことは、多分私が無意識のうちに、本気で、絶対に悟られないようにクロスの前でだけいつも通りの自分を貫き通していたからだろう

当たり前だ
クロスと気まずい関係になんて絶対になりたくないもの
恋人になりたいなんてそんな贅沢な関係は望んでいない
気持ちも別に今の関係を壊してまで伝えたいと思わない

私がクロスのことを好きな気持ちは私だけが知っていればいいし、それを抱えて前と変わらず接することなんて私にとってはきっと朝飯前だ
それに、クロスは私のことを家族だって言ってくれた
ある意味恋人より重いその言葉だけでも十分だ


だから、


だから、今のまま過ごすのが一番良いはずなんだ…





そんなこんなで、自分の中でゆっくりと踏ん切りをつけていこうとしていた時に






事件は起きた








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