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163 ゲーセンで遊ぼう2
しおりを挟むしかし、鈴木さんのトコではともかく、ウチに来てからは結構一緒に買い物行っていたのに……と、考えて気が付いた。
お支払い、全て電子マネーでした!
そうか……。ポイントを効率よく貯めるため、私ってば現金ほとんど使わないからな……。
今日はゲーセンに行くのが分かっていたから、事前に小銭を用意してあった。しかも、最近は自販機すら電子マネーが使えるもんね。
まあ、基本飲み物はバイト先かスーパーくらいでしか買わないけど。そして勿論お支払いは電子マネー。
うん。コレでは王子が分からなくても仕方がない。
ゲーセンのメダルはゲームをするために借りていること、持って帰れないこと、お金ではないことなど、ゲーセンのメダルのシステムについて色々説明してあげた。
「では……メダルを増やすのはただの暇つぶしということか」
「まあ、そうなるね。楽しくゲームをするための小道具というか……」
随分と楽しそうに遊んでいたし、ちょっとガッカリさせちゃっただろうか――と心配したんだけど。
「……素晴らしい!!!」
「え?」
よりキラキラした目でメダルを見る王子様。え、何?
「だって、ギャンブルではないのだろう? 僕はこういったコツコツとした遊びが大好きだし楽しいけれど、やらかして幽閉されている身でギャンブルとか流石に駄目だろう……と諦めていたが、ただの暇つぶしなら問題なく遊べるじゃないか」
と、いう訳で幽閉されたい塔にも『メダルゲームコーナー』を取り入れたい――キリっとした顔でそう言われた。
なるほど……。この王子、真面目なんだか不真面目なんだか判断に迷う事が多々あるけれど、確かに一理ある。
幽閉されている塔でカジノとか、確かに外聞が悪い。まあ、それを言ったらコンビニはどうよとか映画館はいいのかとか、ツッコミどころは出てくるが、ギャンブルはちょっと……というのは分からないでもない。
王子は基本真面目なんだけど、気にする方向性とか努力の方向性がズレているんだよね。
でもまあ、よくよく話してみれば理解できないこともないし、こうやって真剣に考える姿勢は嫌いじゃない。
うん。まあ、ゲームなんだから王子のやりたいようにやればいいと思う!
それに、私もメダルゲームは好きだしね! つい、時間を忘れてハマっちゃう☆ 幽閉されたい塔にはもってこいだろう。
「いいと思うよ。よし、じゃあ増やしたメダルはパーっと使い切って、アパートに戻ってゲーセン作りの続きをやりましょう!」
「そうだな!!」
――と、お互い増えちゃったメダルを大量投入していたら何かジャックポット的なのを当ててしまったらしく逆に増えてしまった。
えっどうしよう、使い切れない。このまま置いて帰ろうか……と二人で困っていたら、同じくゲームコーナーで遊んでいた親切なお爺ちゃんに余ったメダルはお店に預けられることを教えてもらったので預けて帰った。
期間内なら引き出して再び遊べるそうだ。クレーンゲームよりはお財布に優しい。いいね!
王子もメダルが無駄にならなかったのでホクホク顔だ。
――と、思えばやたら真面目な顔をして。
「楽しいけど、ちょっとジャラジャラうるさいし、仮眠室からは遠く離れた地下に作ろうと思う。それに遊びとはいえカジノっぽい雰囲気は大事にしたい。代り映えしない日々には非日常空間の演出は重要だから」
…と、言っていた。
私からしてみれば塔での幽閉生活が既に非日常空間だと思うのだけど、まあ、幽閉生活のプロからすれば視点が違うのだろう。
王子の言う通り、確かに住環境を考えると騒音問題は重要かもしれない。特に幽閉されるとなればソコで過ごすしかないのだから。建設にあたっての条件が厳しくなるのも頷ける。
塔という性質上、何階に作るかくらいしか選択肢はない――と思い込んでいたけれど。
どうやら幽閉されたい塔は上だけでなく地下方向にも伸びるらしい。
――――塔なのに。
うん。ゲームとはいえ、真面目に、真剣に取り組む姿勢はやっぱりえらいと思う。
あいかわらず方向性は間違っているけどね☆
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