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175 偽王子(猫)と大家さん
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「ルカちゃん? 貴女まさか……」
マズイマズイマズイ……!! アパートの規約ではペットはNG。重大な契約違反だ。
勿論、偽王子(猫)はペットじゃないけどもっ!!
あ、コレ違うんですー、実は異世界で幽閉されてる王子様をボランティア精神で召喚しててー。今日はたまたま王子の留守中に身代わりやってる王家の影の獣人さんを間違えて召喚しちゃっただけなんですー。この子ったら今ちょっと、魔力節約モードに入っててー。
……なんて、言い訳したところで別の意味でアパートを退去させられそうな気がしてならない。あと、偽王子に偽者だと気付いていることがバレてサクッとされる。
どうしよう、人違いのフリする? いや、既に挨拶しちゃったしどう考えても無理ゲー。
しかも、知り合い程度ならともかく、王子との散歩中に大家さんとはしょっちゅう会うし、その度に挨拶してるし、王子も毎回、飴ちゃん貰ってニコニコしてる。私も私で荷物預かってもらったり、実家からの果物お裾分けしたりされたりの割と親しい感じの付き合いだから、これ、無理だな。積んだ。
どうしよう。アパート追い出されて実家戻ったら王子召喚とか無理じゃない? 召喚生活のピンチ――。
とか思っていたら。
「にゃにゃ~ん。ニャニャ。にゃにゃにゃにゃん」
偽王子(猫)が追込みかけてきた。いや、ちょっと空気読もうよ。人形のフリするとか色々あるでしょうよ。それはそれで私が猫ちゃん人形持ち歩く痛い子になるけどもっ!
ああ、ダメだ。終わった。今度こそ完全終了――。
全てをあきらめかけた、その時。
「ああ、なんだ。いつもの彼も一緒だったのね」
………………え?
「にゃぁ~ん。にゃにゃ、にゃんにゃんにゃんにゃ、にゃんにゃんにゃんニャーン!」
「ああ、大学祭の時期だものね。他の部屋の学生さんもこの時期大忙しなのよねえ。こんな時間まで準備お疲れ様。こんな時間にお買い物なんて……と心配だったけど、紳士なサークルのお友達が送ってくれるのなら大丈夫ね」
「にゃんにゃんニャ~ン。にゃああぁーん、にゃにゃん。ニャー。ニャー。ニャー☆」
「おほほほ、まあ、お上手。でも、ごめんなさいね~。ええと、英語? は苦手なの。早口で外国語で話されるとよく分からないわぁ。じゃあ、またね」
「にゃあ~☆」
手を振る偽王子(猫)。
ニコニコと。頬を赤らめ、ご機嫌で帰って行く大家さん。
え……何、今の………………??
マズイマズイマズイ……!! アパートの規約ではペットはNG。重大な契約違反だ。
勿論、偽王子(猫)はペットじゃないけどもっ!!
あ、コレ違うんですー、実は異世界で幽閉されてる王子様をボランティア精神で召喚しててー。今日はたまたま王子の留守中に身代わりやってる王家の影の獣人さんを間違えて召喚しちゃっただけなんですー。この子ったら今ちょっと、魔力節約モードに入っててー。
……なんて、言い訳したところで別の意味でアパートを退去させられそうな気がしてならない。あと、偽王子に偽者だと気付いていることがバレてサクッとされる。
どうしよう、人違いのフリする? いや、既に挨拶しちゃったしどう考えても無理ゲー。
しかも、知り合い程度ならともかく、王子との散歩中に大家さんとはしょっちゅう会うし、その度に挨拶してるし、王子も毎回、飴ちゃん貰ってニコニコしてる。私も私で荷物預かってもらったり、実家からの果物お裾分けしたりされたりの割と親しい感じの付き合いだから、これ、無理だな。積んだ。
どうしよう。アパート追い出されて実家戻ったら王子召喚とか無理じゃない? 召喚生活のピンチ――。
とか思っていたら。
「にゃにゃ~ん。ニャニャ。にゃにゃにゃにゃん」
偽王子(猫)が追込みかけてきた。いや、ちょっと空気読もうよ。人形のフリするとか色々あるでしょうよ。それはそれで私が猫ちゃん人形持ち歩く痛い子になるけどもっ!
ああ、ダメだ。終わった。今度こそ完全終了――。
全てをあきらめかけた、その時。
「ああ、なんだ。いつもの彼も一緒だったのね」
………………え?
「にゃぁ~ん。にゃにゃ、にゃんにゃんにゃんにゃ、にゃんにゃんにゃんニャーン!」
「ああ、大学祭の時期だものね。他の部屋の学生さんもこの時期大忙しなのよねえ。こんな時間まで準備お疲れ様。こんな時間にお買い物なんて……と心配だったけど、紳士なサークルのお友達が送ってくれるのなら大丈夫ね」
「にゃんにゃんニャ~ン。にゃああぁーん、にゃにゃん。ニャー。ニャー。ニャー☆」
「おほほほ、まあ、お上手。でも、ごめんなさいね~。ええと、英語? は苦手なの。早口で外国語で話されるとよく分からないわぁ。じゃあ、またね」
「にゃあ~☆」
手を振る偽王子(猫)。
ニコニコと。頬を赤らめ、ご機嫌で帰って行く大家さん。
え……何、今の………………??
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