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第三章 初級フリー討伐

39 感動! 聖女ビアンカちゃんの献身と溢れんばかりのソレ

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「あの……この子、貴方のスライムですよね?(ひそひそ)」

「200g!? 良かった、急に居なくなるから心配したんだぞ(こそこそ)」


 修道院でのイベントの真っ最中。ポケットに入れていた筈の200gとはぐれてしまい、イベント終了後に会場のゴミ拾いをしながら必死に探していたら、ビアンカちゃんが迷子の200gを俺の所まで届けてくれたのだ。


 どうやら俺のオータ……じゃなくて、オタ芸の動きが激し過ぎて、200gがジャージのポケットから落っこちてしまったらしい。

 そしてそのままステージ近くまでぽよんぽよんと転がっていってしまった200gを、それに気付いた彼女が助けてくれていた。

 しかも、なんとビアンカちゃんはステージからうっかり落ちたふりまでして、さりげな~く修道服の中に匿ってくれたのだ……!


 ――と、やや興奮気味の200gが帰宅後に身振り手振りでぽよぽよと俺に語ってくれた。


 あまりに熱く(物理で)語るので200gを持っている自分の両手が心配になったくらいだ。

 ジワジワと熱を帯びていく両手に『これ消化されてね?』と本気でびびったのだが、興奮したせいで200gの体温が極限まで上がっていただけらしい。人騒がせな。

 でもまあ、それくらい興奮しちゃう200gの気持ちもよく分かる。何と言っても、あの世界の人にとって魔物は討伐対象だ。しかも、あの場所には修道女の回復魔法目当てで、討伐帰りに通っている冒険者の姿も多い。彼らにとっては、スライムの討伐なんて訳も無いだろう。見つけたら声を上げるだけでいい。

 それなのに……。

 どうやら聖女である彼女には200gのSОSまで分かるらしい。そして、周囲からドジっ子☆ 扱いされる危険を冒してまで身体を張って200gを助けてくれた。

 何という献身。魔物にまで救済の手を差し伸べるとかまさに聖女の鑑じゃないですか。ステージから落ちる彼女の姿を見て、心の中でドジっ子☆ 扱いした俺を許して欲しい。

 いや、ホント、マジでごめんなさい……。


 そんな訳で、それ以来200gは命の恩人でもあるビアンカちゃんの大ファンになってしまった。

 彼女の優しさに俺の心も揺れたが、不憫系美女マリアンヌ様の、修道服でも隠し切れない俺の心以上に揺れる豊満なソレへの愛は揺るがないのでこればかりは仕方がない。




「そう言えば、あの修道服ってポケットとかなさそうだけど、ビアンカちゃんは200gをどこに隠したんだろう?」


 今日は午後の講義はない。一度帰宅し、そんなことをつぶやきながらスポーツクラブへ行く準備をしていると、…200g……が…………


 ぽよん♪ ぽよん♪


 と二つの山に変化した。

 スライムの質感を見事に活かした、非常に……柔らかそうに震える…立派……な…………。


 …………。


 先端に特徴的な二つの突起の生えたソレは、200gがたこ焼きに擬態していた時のように中に空気を取り込んで、大きさも等身大で非常にリアル。

 手触りは……本物触ったことないから分かんないな。ってか、200gが偽物の方にも触らせてくれないし。

 ……なるほど。身振り手振りのボディーランゲージで得た追加情報によると、どうやらポケットが無いため、胸元の谷間のソコに匿ってもらっていたらしい。人肌でとても心地が良かったとご満悦。


 ――――でしょうね!!!!


 ぽよんぽよんとビアンカちゃんの胸に擬態を繰り返し、誘われるままつい触ろうとするとスライムに戻ると言う精神的拷問を繰り返す200gは非常に楽し気だ。
 これはもしかしなくても、あのときダイエット――という名のオタ芸に夢中になるあまり、激しい動きで200gを落っことして危険に晒してしまったことを怒っているのかもしれない。


 ……さすが魔物。人の弱いところを確実に突いてくる。
 攻撃力が強えぇ……。


 くそっ、べ…別に羨ましくなんか……いや、正直羨ましいですごめんなさい。
 いやもう、ソレ見てきただけあってリアルすぎて目に毒だからやめてもらっていいですかお願いします……と涙目で頼んだら、運動後のたこ焼き半分と引き換えにやめてくれた。


 交渉成立。


 ――ふう。危なかった。
 流されて危うく推し変するとこだったぜ。




 ……ココだけの話。
 ビアンカちゃんはとっても着やせするタイプの女の子のようですね!(こそっ)…………





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