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番外編 獣人学者は運命の番を許さない
47 罪の自覚(リスペット視点)
しおりを挟む「俺は運命の番と出会った! だから、お前たちは今すぐ出て行け!」
どうやら息子は仕事先で運命の番と出会ったらしい。
番に出会ったことで気が大きくなった息子は、家から妻と子供を追い出して、代わりに運命の番を迎え入れようとした。孫が祖父母の家に助けを求めてきて、事情を知ったクロワールがすぐに駆け付け息子を叱りつけたのだが、そのことで機嫌を損ねた息子は、そのまま家族を捨てて出て行ってしまった。
それ以来、孫は獣人としての特徴である耳と尻尾をきっちりと隠すようになってしまった。表面上は今まで通り明るくふるまっているが、どこか無理しているのが見て取れる。
少し前まで、あんなに楽しそうにしていたのに――
息子家族は元々とても仲が良かったのだ。それが、運命の番が現れたことで人生を滅茶苦茶にされてしまった。
何の罪もないのに切り捨てられた義娘と孫。
当然のような顔で妻と子供を追い出そうとした、愚かな息子。
ここにきてリスペットはようやく自身の罪を知った。
あれは、リスペットの姿だ。
リスペットも運命の番である自分が優先されて当然とばかりに、クロワールの家へと押しかけた。何の罪もない前妻に、一方的に自分の都合を押し付けた。
そしてその結果、絶望した彼女は自ら命を絶ってしまった。
あれが息子の嫁や孫でもおかしくなかったのだ。
愛する息子が自分と同じようなことをしでかして、ようやくそれに気付くことができるなんて――
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
現実で。夢の中で。
リスペットは何度も何度も孫や義娘に謝って、そうやって謝り続けているうちに気が付いた。
『ごめんなさい。違うの。そんなつもりじゃなかったの』
妻の死後、リスペットは何度もクロワールに謝った。謝るたびにクロワールからは無視されて、それでも懲りずに謝り続けて。
今なお受け取ってもらえない、リスペットの謝罪。
だけど、リスペットは一度でも『クロワールの妻』に謝ったことがあっただろうか?
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