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異能力がはびこるこの世界で

第3話 ようこそ探偵部へ!

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「はぁ、昨日は散々だったなぁ」
昨日、俺は帰って飯を食うまもなく爆睡した
「今日は早く起きれたから早めに出たけど誰もいないんだな、この時間は」
いつも賑わう通学路はもぬけの殻で俺ひとりがポツリとひとり自転車を漕いでいた
校門に入ると一人の綺麗な人が立っていた
黒髪に紫の瞳のとても綺麗な人が
彼女はこちらにきずくとにっこりと笑い
「おはようございます」
と凛々しい声でいった
「おはようございます」
緊張で声が裏返ってしまった、恥ずかしい
「ふふっ」
笑われてしまったとても恥ずかしい
「は、ははは...」


早足で教室に向かった。
教室には誰もおらず席につき何気なしに携帯を触っていると
『やぁ』
え?こんな人友達登録してたっけ?
SNSに見たこともない人から通知がきた
『autumn』?秋?誰だ?
『夜咲春臣くんだね?』
「え?誰だろう、何だか気持ち悪いなあ」
『返信は必要ないよ。ただ少し付き合ってくれるだけでいい』
一体何なんだ?
『今日の放課後生徒会室へ来てくれ』
生徒会室?、てことは学校に関係してる人か?それに生徒会の関係者か?
『待っているよ』
「おっはよー夜咲くん!」
「あ、おはよう」
「相変わらず薄いなぁリアクション」
クラスメイトの夢原さんだ
最近何かと絡んで来る。まぁ可愛い感じの人だから嫌な気はしないけど
「そうかな?これでも俺は普通なんだけどね」
「へぇー、そうなんだ、夜咲くんって大人しい人なんだね」
「あー、まぁそんなとこかな」
「ところでなんで今日はこんなに早いの?」
「え?あぁ、何となくね」
「何となくかぁ」
「夢原さんはいつもこの時間なの?」
「まぁねー、今日は職員室に鍵が無かったから誰かいるのかなぁって思って、夜咲くんだったのかぁー」
こんな他愛も無い話をしているとすぐに時間が過ぎて少しづつ人が増え始めた
「んじゃーね!また後でー」
「うん、また」
もうじき授業も始まるし用意でもするか
ガラガラ
「早く席につきなさーい」
数学かぁ、憂鬱だ
 

キーンコンカーンコーン
「はぁぁぁぁ」
「どうした?そんな大きなため息をついてー」
「あぁ、吉宮か別にいつも通り疲れてるだけだよ」
「そっかぁー、俺も疲れてんだけど肩とか揉まね?」
「話聞いてたか?」
ふと、思い出す。
生徒会室に行かないとだな
「ちょっとわりぃ、また先帰っててくれ」
「何でだよぉ、最近つれねぇじゃねえかー」
「悪い悪い用事なんだよ」
「分かったその代わりまたなんか奢れよな」
「分かった分かった」

生徒会室へ向かう途中
「あれ?夢原さんだあんな所で何してるんだろう?」
向かいの校舎の空き教室に入って行く彼女が見えた
「ん?まぁいいか」
そして生徒会室の前

ふぅ、なんか生徒会室の前って無駄に緊張するよな
分かるよね?職員室前とかさ?ね?
ノックをしてドアを開ける
「失礼しまーす。ってあれ?」
そこは真っ暗で誰の気配もしなかった
「誰もいないのか?」
と思ったその時
「やぁ」
耳元で声がした。
この声どこかで...って
「ふわぁぁぁぁぁ!?」
鳥肌が立った、耳元だからねぇ
「ふふふ、そう驚かないでくれ」
そう言いながら彼女は扉を閉じ電気を付けた
「あ、あ、あなたは?」
「ふふ、わたしかい?私は翔洋高校生徒会長」
あ、この人朝の...
「桜花院秋乃だ」
桜花院ってあの桜花院財閥の?そう言えばこの学校の生徒会長もの凄いお嬢様って聞いた事があるような
「並びに『翔洋探偵部部長』だ」
「へ?翔洋探偵部?そんな部活うちにあったっけ?」
「無いよ?表向き・・・にはね」
彼女は妖艶に笑うとこちらへ歩み寄り
「時に夜咲くん、朝はびっくりさせてすまなかったね」
「なんの事ですか?」
さっぱり分からん
「ちょっと君の携帯にメッセージを送らせて貰った、びっくりしただろう」
あ!autumn!秋、秋乃!そういう事か!
「あぁ、少し驚きましたが正体が分かったので大丈夫ですよ」
「そうか、それは良かったよ」
「ところで俺はなんでここに呼ばれたんでしょうか?」
「おっと忘れていた君には探偵部に入って貰う事になったよ」
「へ?」
「本当の名前は『翔洋異能探偵部』」
「異能?だって?」
「あぁ、異能だ、ちなみに私も異能力者だ」
なんてこったこの言いようだと俺が異能力者だってことも割れてるみたいだどこまで広まってるんだ?まさかこの学校に限らず
「心配しなくてもいい誰にも言っちゃいないよ」
「本当ですか?」
「あぁ、本当さ」
信じられないな
「信じられないなって思ってる?」
悟られた...
「何なら私の能力見せてあげてもいいわよ?」
「会長の能力?どんな能力なんですか?」
「まぁ見てればいいよ」
これで能力を確認出来たら信じれるかも知れないそれに見せるということは自分の手の内を晒すことになるよな
「行くよ『妖刀・天照大神妖刀 アマテラスオオミカミ』!!」
すると彼女の手のひらから金色こんじきの日本刀が現れた
「これで信じてくれたかな?」
「あ、はい、一応信じましたが一体どんな能力何ですか?」
「ふふ、夜咲くん、大胆だね、セクハラだよ」
「そ、そうなんですか?」
「あぁ、嘘だよ」
「嘘かよっ!」
「この能力は治癒能力だ」
無視かよ、スルーかよ
「治癒?その刀が?」
「あぁ、試しに君を切ろうか?」
「いえ、いいです」
「そうか、残念だ」
「はい、残念です」
「ちなみにこの能力は人にしか使えないんだよ」
「そうなんですか?」
「あぁ、だからね?切らせておくれよ」
「やですよ」
「そうか、残念だよ」
「はい、残念です」
この茶番止めない?飽きてきたよ
「この茶番止めない?飽きてきたよ、と心の中で思ったところで次に進もう」
この人の能力って治癒じゃなくて悟りの能力か?
「探偵部には入ってくれるよね?」
「どうしましょうか、すぐにとはいきませんからね」
「そう言わずに見学くらいして行きなよ」
「はぁ、まあ見学くらいなら」
そうして彼女は妖艶に笑い部室に案内をしてくれた


案内を受け歩いていると
「ここだよ」
「ここって...」
さっき夢原さんが入っていったところじゃないか
「なんだい?」
「いえ、何でもありません」
「それならいいんだが」
まさか、夢原さんも能力者なのか?
ここに入っていったって言うことはそういう事なのかな
ガラガラガラ
「あれ?」
会長がドアを開けるとそこには
空き部屋が広がっていた
「ここが?部室?」
「いいや、部室はここだ」
そう言って彼女が指さしたのは
なんの変哲も無いロッカーだった
「アナザーオン」
会長がそう言って扉を開けると
そこにはもう一つの部屋があった
中には
「あ、こんにちわー会長さん!」
夢原さんと
「こんにちわですっ!」
城銀さんがいた
「あー、夜咲くんじゃん!来てくれたんだ!」
「え?こ、これは?」
「夜咲さん!?久しぶりですっ!きのうぶりですかねっ!」
「えっ?ええ?ここロッカーの!?中えぇ!?」
「驚き過ぎですよぉ、ささ、中に入って!」
「あ、うん」
じゃなくてどうなってんだよこれは
「「ようこそ!探偵部へ!」」
なんだよこれこれからどうなんだよてかようこそってもう俺入っちまったみたいじゃん
なんてこった
ここから俺のお世辞にも普通とは言えない青春がまた増えた
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