滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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3:ダンジョンクローラーになろう

354:龍脈の回廊、化け猫とおにぎりとおにぎりと御神体の影

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「んぁー、なんかはらが減ってきた気がしないでもねぇな?」
 暗闇くらやみなか。化けねこ胡座あぐらをかいている。

 そーいやアイツ・・・めしを、ちゃんと食ってやがるのか?
 だれだかはおもいだせねえけど、めしを食わせてやらねぇと――
 この世が・・・・ぶっ壊れかねない・・・・・・・・

「まぁ、いいか。この巻物まきものを巻きなおしたら、そのへんさがしてまわろう」
 くさきのこ一本いっぽんくらい生えてるだろう。
 化け猫おれは、そうおもった。

   §

「あれ、おにぎり! 自分じぶんだけなに、食べてるんだい? ぼくだってお腹空なかすいてるんだぞ?」
 ねこ魔物まもの大岩おおいわうえに、こしを下ろしている。
 駆けよった青年せいねんが、そんなこえを上げた。

 それは木製もくせい四角しかくいバスケット
 なかには――こめ三角さんかくにぎったものが、みっつ。

「にゃみゃにゃぁーご♪」
 ふぉん♪
『おにぎり>いただきますだもの♪』
 猫語ねこご翻訳ほんやくする木板きいたに浮かぶ、そんな文字もじ
 おにぎりをつかんだ、ねこの口がひらく。

 もきゅり、もきゅり――♪
 口元くちもとはこばれたおにぎりが――そのかたちを欠いていく。

「おにぎりがおにぎり食べてたら、世話せわないよなぁ……ぼくぶんはないの?」
 ねこ魔物まものにしか見えない〝おにぎり一号いちごう〟のとなりすわる、ニゲル青年せいねん

「にゃみゃみゃご、にゃやーみゃご♪」
 ふぉん♪
『おにぎり>三コ入りで、1キーヌだもの♪』

「ええー、お金取かねとるのぉー? やすいけどさぁ」
 青年せいねん銅貨どうか一枚渡いちまいわたし――すぽん♪

「みゃご♪」
 ヴッ――ぽすん♪
 おにぎり三個入さんこいりのかごを、受け取った。

   §

「イオノファラーさま! 御神体ごしんたいが本調子ほんちょうしでないなら、迅雷ジンライに見ていただかなくては!」
 メイド・リオレイニアがこえあらげた。

 あらかた片付かたづいた店内てんないは――まるで片付かたづいたようには見えない。
 店内中央てんないちゅうおうすさまじい衝撃しょうげき物語ものがたる、ちいさなクレーター。
 すみへ追いやられた、テーブルうえには――大皿おおざらみっつ。

 トトトトッ、トトン♪
 ひび足音あしおと

「おなかが減ってるだけならと、様子ようすを見ましたが。いますぐ出てきてください!」
 メイドが大皿おおざらを見つめる。

 ひょい、ふすん。
 ひょひょい、はすん。
 すさまじいいきおいいで、山積やまづみの饅頭まんじゅうが消えていく。

「お饅頭まんじゅうが減ってるから、ここに居るみたいだけど? どこっ!?」
 レイダがさらのまわりをぺちぺちとさぐるが、手応てごたえはないようだ。

「もう、会話かいわ出来できれば良かったのですが――あ、このいた使つかえませんか?」
 メイドが差しだしたのは、神々かみがみ使つか黒板くろいた

「トトン!」
 テーブルが二回鳴にかいなった。
 饅頭まんじゅうの減りは、止まらない。

「ええと、それは……「出来ない・・・・」という意思表示いしひょうじですか?」
 身をかがめ、からになりつつあるさらを見つめるメイド。

「トン♪」
 テーブルが一回鳴いっかいなった。
「それは、「そうだ・・・」という意思表示いしひょうじですね?」
「トン♪」
 さらからになった。

「では、いますぐ迅雷ジンライ連絡れんらくを取ってください。出来できないのでしたら、わたくしがお連れしますので――」
 テーブルをまさぐるメイド。
「ドドン!」
 かなりつよ二回にかい

「さっきつかんだかんじじだと、こわれ……怪我けがしたりは、してなかったみたいだけど?」
 メイドの真似まねをして、テーブルのうえさぐ子供こども

「おう? はなし出来できるんなら、みせ修理しゅうりをテーングたちにたのんじゃくれねぇか?」
「なんですか、この一大事いちだいじに!」
 ひいと、身をすくませる小柄こがら巨漢きょかん

「トトン♪」
 二回にかい

「そりゃ、駄目だめってことか? イオノファラー・・・・・・・さまよう・・・・?」
 小柄こがら巨漢きょかんが、すみへと置いやられたテーブルを見た。

「テーングさまたちはイオノファラーさまのお使つかいで、魔王城近辺まおうじょうきんぺん経過調査けいかちょうさに出かけています。もうしばらくは掛かるとおもわれますよ!」
 つよ口調くちょう補足ほそくするメイド。

 身をかがめる工房長こうぼうちょう
 かれ職人組合しょくにんくみあい代表だいひょうつとめる、お偉方えらがたでもあるが――
 もとコントゥル家侍女長けじじょちょう剣幕けんまくあたまを掻き、バツがわるそうにしている。

「トン♪」
 一回いっかい

「お? なるほど、まちに居ねぇから「ムリ・・」ってことだな? そういやそんな理由りゆうで出かけてたんだったか、わすれてたぜ――」
 クレーターにかがみ込み、へこみ具合ぐあいたしかめる工房長ノヴァド

「よしなら、おれなおすが――ゆかだけで二日ふつかはかかっちまうな、すまん」
 かおを上げ、ふたたびあたまを掻く巨漢きょかん小柄こがら)。

「いえ、臨時休業りんじきゅうぎょう一日伸いちにちのびるだけですし、お気になさらず――ふぅ」
 かれ未知みち脅威きょういから、みんなをまもっただけだ。
 責められるべくもない。

「おにぎりちゃんが居てくれたら、一瞬いっしゅんなおしてくれたのにねー?」
 からになったさらに向かって、はなしかける子供こども
 その目元めもとは、かすかにあかい。
 昨日さくじつはギルドちょうから、そうとうおこられたのだろう。

「そういや、おにぎり……あの最初さいしょ使役獣しえきじゅうはどこいったの?」
 開けたままの勝手口かってぐちからかおのぞかせる、鬼の娘オルコトリア
 そのこしが引けている。
 本日ほんじつもギルドの制服せいふく着用ちゃくようして居らず、立ち姿すがただけを見れば――
 まるでちょっと長身ちょうしんなだけの、妙齢みょうれい町娘まちむすめ――ぱきぱきょ、ゴズン!

 勝手口かってぐち木枠きわくに突き刺さるつの
 緊張きんちょうによるものか、つのはげしくながさを増している。
 通常つうじょう町娘まちむすめ伸びる角・・・・は、生えていない。

「どこから説明せつめいすれば、良いでしょうね?」
 修繕しゅうぜん算段さんだんはじめる工房長こうぼうちょうへ、問うメイド・リオレイニア。

おれに聞かれてもこまらぁ――」
 メイドを振りかえり、ヒゲを撫でる。

「――けど最初さいしょはなしは知ってるはずだぞ、超女神像ちょうめがみぞうのときは居たからなソイツ。まあざっとニゲルが居なくなった・・・・・・・・・・経緯けいいとかも、はなしてやりゃぁ良いんじゃねぇのか?」
 ノヴァド偶然ぐうぜんかさなり、ほぼすべての状況じょうきょうに立ち合っている。

「ちょっと! 怖いこと言うなら・・・・・・・・、もうかえるからねっ!」
 ピキョパキョ――――ボゴン!
 町娘まちむすめ――町鬼娘まちおにむすめつのが、さらに伸びる。
 ビギリッ――店内てんない侵入しんにゅうする鬼族オーガつの

「っぎゃっ!?」
 そのあり得ないほどのながさに、おびえる子供こども
「まったく、なおすところが増えるだろうが――さっさとはなしてやれ」
 手元てもとのメモちょうに、追加資材ついかしざいが書き込まれる。

「そうおびえずとも、たいしたおはなししでは――」
 こまった様子ようすで、ほほに手を当てるメイド。
「――ありません、わっ!? 居ない!?」
 彼女かのじょ勝手口かってぐちを見たとき――町鬼娘まちおにむすめ姿すがたは、どこにもなかった。

   §

「なぁ、おにぎりー! そろそろちかくのまちへ行って、一休ひとやすみしないかぁー!」
 ふたたびかぜを切り、木やいわ魔物まものも切り、黄緑色きみどりいろかおのないねこ魔物まものを追いかけるくろふく青年せいねん

「んにゃみゃごご♪」
 なにかを言って、くびよこに振る猫の魔物おにぎり
 その速度そくどは、神速しんそくほこ青年せいねんの目にしかとまらない。

 ザッ、ザザッ――――ぽきゅぽきゅぽぽきゅむ♪
 木やいわを蹴り、最短距離さいたんきょりでどこかを目指めざす。
 ド、ド、ドン――――スタスタタスタッタァン!
 滑走路かっそうろがわりの直線ちょくせんをみつけては加速かそくし、追いすがる。

 おにぎりとニゲルは、また一陣いちじんかぜとなった。
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