滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
415 / 744
4:龍撃の学院

415:初等魔導学院、家名と魔術の才能

しおりを挟む
「(おい、名前なまえとスキルが駄目だめらしいぞ――どうする!?)」
 轟雷ゴウライを出すか!?
 子供ガキどもには、リオが付いてる。
 建物たてもの瓦礫がれきに埋もれても、すりきずひとつ付けさせんだろ。

「(はい。彼女かのじょには、MAGIC・SHひかりのIELDたてがありますの)」
 あの魔術まじゅつには、じつはすこし興味きょうみがある。

「――、――聞いていますか、シガミーくん?」
「ははい。なんだで、ごぜぇますわぜ?」
 いけねぇ、聞いてなかった。

「「ゴゼーマスワゼ」……それが、家名かめいですか?」
 ジッとおれを見下みおろす、ギルド職員おっさん
「はぁ? まてまて、なんはなしだぜ?」
 カウンターによじのぼる。

なにって、もちろん指名しめいクエストを受けるさい必要ひつような、〝家名かめい〟のはなしですが?」
 カウンターに置かれた〝クエスト依頼書いらいしょ〟を、トンとゆびたたくおっさん。
 どうやらこの支部出張所しぶしゅっちょうじょには、かれひとりしか職員しょくいんはいないらしい。

家名かめいってなぁ、名字みょうじのことだろ? ねぇぞそんなもん」
 ひじからだささえ、両足りょうあしをブラブラさせる。

個人こじんやパーティーが、名指しで・・・・依頼いらいを受けるさい書類上しょるいじょう重複ちょうふくふせぐために家名かめいふたつ名が必要ひつようになります。かならず記入きにゅうしてください」
 依頼書いらいしょをクルリとまわし――トン♪
 『ガムラン町東大通り 猪蟹屋御中』のよこたたく。

「だから家名かめいはねぇし、ふたつ名ってなぁあざなのこったろ? てめぇで名乗なのるもんじゃねぇだろがっ」
 いますぐつくれと、言われてもな。
 学院長がくいんちょうなにも、言ってなかったしよぅ。

「――〝猪蟹屋ししがにや〟か〝シガミー御一行様ごいっこうさま〟じゃ、駄目だめなのか?」
 おれは両肘りょうひじをついたまま、指先ゆびさき依頼書いらいしょを引き寄せる。
 よく見れば横線よこせんが引かれてて、名前なまえを書くようになってた。

「〝猪蟹屋こちら〟は店舗てんぽ屋号やごうであり、〝シガミー御一行様ごいっこうさま〟はパーティーめいになります。君個人きみこじんのファミリーネームを、作成さくせいしてください」
 なんだか面倒めんどうなことになったな。

 ふぉん♪
『ヒント>ファミリーネーム/名字、家名』
 迅雷ジンライィ、オマエがつくってくれや。

 ふぉん♪
『>惑星ヒースにおけるシガミーの今世を、
  左右しかねない重要案件につき出来かねますが、
  迅雷や轟雷を従える〝鳴神〟や、天空を司る〝蒼天〟と、
  名乗りを上げては?』

 ふぉん♪
『斧原イオノ>ばかね迅雷、シガミーはうちの子なんですからね!
       シガミー・オノハラに決まってるでしょ♪』

 鳴神なるかみ蒼天そうてん斧原おのはらだぁ?
 どれもしっくりこねぇ、それなら――
 ふぉふぉん♪
『シガミー>妙竹林山朧月寺虎鶫衆弐番隊隊長。
      前世の名乗りの方がマシだぜ』

 ふふぉん♪
『イオノ>長いね』
『>長いですね』

「では手続てつづきの都合つごうもありますので、パーティーの現拠点げんきょてんである〝ガムラン〟をかんし、〝シガミー・ガムラン〟ではいかがでしょうか?」
 はぁ――?
「おい、それっ良いじゃねぇか♪」
 ながくもねぇしな!

「そうですか? ではそのように家名登録かめいとうろく申請届しんせいとどけも、一緒いっしょに出しておきます」
 迅雷ジンライ根菜オノハラが『素っ気ない』と、ひとこと言ってきたが――文句もんくは言わせねぇ。
 わかりやすくて中々良なかなかよいと、おれがおもったんだからな。

「ソレではもうひとつの問題もんだいも、解決かいけつしましょうか」
 ゴトリ。
 重厚じゅうこうおとを立てて、カウンターしたから取り出されたのは――
 あつみのある木のいた……「魔法具まほうぐか?」
 ちいさなカウンターは、手狭てぜまになり――
 おれはうしろに、飛びおりた。

「はい、生涯最大しょうがいさいだいMPマジックポイント測定魔法具そくていまほうぐです」
 MPマジックポイントてのは、生活魔法せいかつまほう使つかうと1減る数字すうじだろ?
 いまも、迅雷ジンライ五百乃大角いおのはらの、一言ティッカーのそばに見えてる。

 緑色の棒たいりょく紫色の棒まりょくは、迅雷ジンライが見せる画面モニタとはべつに、うつし出されている。

 ヴォゥ――♪
『HP/■■■■■■■■■■4364
 MP/■■32』
 よく見りゃ、HPエイチピーMPエムピーって書いてあるな。
 よこのが総数そうすうか。普段ふだんはまるで気にしねぇけど――

「(体力たいりょくくらべてMPまりょくあたいが、すくなすぎる可能性かのうせいがありま)」
「むぅ、すくないとどうなる?」
 おれはうでを組み、緑色うえとくらべるとやたらとみじけ紫色それにらみつける。

「そうですね。このクエストの指名しめいが、受けられなかったり――」
 あ、またこえに出してたか。
「――初等しょとう魔導学院まどうがくいんへの在籍ざいせきがかなわず、王立騎士団おうりつきしだん訓練校くんれんへの転校てんこう余儀よぎなくされる場合ばあいがあります」

「そいつぁやべぇ、一大事いちだいじじゃねぇーかっ!」
 もしそんなことになったら、レイダにひっぱたかれるに決まってる。
 おれは「伸びろ迅雷ジンライ」――がこん♪
 伸ばした相棒ジンライをカウンターに立てかけて、踏み台代だいがわりにした。

 カウンターのうえに置かれた――
 このなんとか言う魔法具まほうぐで――
 おれの命運めいうんか、決まるらしい。

「おたずねしても、よろしいでしょうか
 ヴォォォン♪
 踏み台ぼうが、職員おっさんたずねた。

なんなりと、おたずねください」
 見た目にはんして、中身なかみはしゃんとしてやがる。
 しゃべるぼうにも、どうじねぇし。

貴殿きでんはシガミーの魔力量まりょくりょう上限じょうげんを、どのようにして把握はあくしたのですか?」
 分厚ぶあつい木のいた
 その真んなかにはくらいろのビードロ……まるいガラスが埋め込まれている。

「そうだぜ、おれぁまだ魔法具こいつさわってもいねぇぞ?」
単純たんじゅんはなしです。冒険者ぼうけんしゃカードの鑑定結果かんていけっかから、魔力関連まりょくかんれんスキルの不足ふそくあやぶみました」
 どーいう?

「(シガミーはMP上限まりょくじょうげん有効ゆうこうなスキルを、持ち合わせていないようで)」
 おれのスキル一覧出いちらんだせ!

 ふぉふぉん♪
『シガミー LV:39
 薬草師★★★★★ /状態異常無効/生産数最大/女神に加護/七天抜刀根術免許皆伝
     追加スキル/遅延回収/自動回収/自動回復/体力増強/上級鑑定/自爆耐性/解析指南/超料理術
 ――所属:シガミー御一行様』

 その偽物ダミーじゃなくて、本物ほんものを出せっ!

 ふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉふぉぉぉん♪
『シガミー LV:100 ☆:8
 薬草師★★★★★ /状態異常無効/生産数最大/女神に加護/七天抜刀根術免許皆伝/星間陸路開拓者
 追加スキル /遅延回収/自動回収/即死回避/自動回復/体力増強/上級鑑定/自爆耐性/上級解体/スキル隠蔽/LV詐称
       /人名詐称/石窟加工/炸薬生成/初級造形/木工彫刻/石礫破砕/防具修復/高速修復/上級修復/頭部防具強化
       /防具筋力強化付与/防具体力強化付与/防具攻撃力強化付与/防具知恵強化付与/防具防御力付与/幸運効果付与/幸運効果永続/幸運効果増大/幸運倍化/幸運リミットブレイク
       /強運行使/防具幸運強化付与/耐性強化付与/耐性強化永続/耐性強化/耐性倍化/伝説の職人/不壊付与/不壊永続/植物図鑑
       /武器修復/研ぎ師/切れ味持続/自動修復(小)付与/収穫量倍化/基礎工学/基礎光学/金属加工/合金錬成/天衣無縫
       /初級位相幾何学/女神像機能解放/女神像機能呼出/先端工学概論/先端光学概論/撮像転写制限解除/システム猶予/投げ縄/ロープワーク/捕縛術
       /水泳上達/体温維持/遠泳術/肺活量上昇/潜水術/食物転化/分離倍化/急速熟成/超抽出/高速調理
       /さじ加減/基礎化学/有機化学/医食同源/かくはん王/生活の知恵/試薬調合/分析術/解析指南/超味覚
       /サバイバルLV3/生存確率上昇/濾過術/分離術/高速結晶化/状態変化(大)/調理術/アイテム名偽装/女神像システムフォルダ開放/女神像Pフォント
       /風使い/滞空LV2/航空力学/羅針盤/体幹/羽ばたき/滑空LV3/魔法具操作術/魔法具自動操作/超感覚
       /星間空路補正/星間陸路補正/早撃ち/酔い止め/宇宙工学概論/システム補佐/血流強化/スタミナ増強/サブシステム使用許諾/サブシステムオフライン切替
       /ジャイロマスター呼出/サブシステム用言語使用許諾/体感強化/作業量倍化/落下術/脳波補正/滅モード/鷲の脚爪/大蝙蝠の毒針/亀の甲羅
       /狼の火弾/
 ――所属:シガミー御一行様』

 長ぇ! まえが見えんだろが!
 おおすぎてさっぱり読めんし、意味いみもわからん。
 どーにかしろい!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

『悪魔クロとやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は秘密の力で人間の頂点を狙う』

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました

月神世一
ファンタジー
​「命を捨てて勝つな。生きて勝て」 50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する! ​海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。 再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は―― 「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」 ​途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。 子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。 規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。 ​「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」 ​坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。 呼び出すのは、自衛隊の補給物資。 高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。 ​魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。 これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...