滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

478:大陸間弾道卵の謎、超高速魔法杖と飛行魔法

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「おい、タター。気をしっかり持て――ニャァ
 彼女かのじょ故郷こきょう、ネネルドむら
 むら完全かんぜんに、広範囲こうはんいにわたって水没すいぼつしていた。

 その、もとからみずはけの良くなかったさびれた土地中央とちちゅうおう
 巨大きょだいな木が生いしげったむら様子ようすは、地上ちじょう……水上すいじょうへ降りたつまでもなくわかる。
 どこからどう見ても、壊滅状態かいめつじょうたいだ。

「そうですよ、きっとむらひとたちは無事ぶじです!」
 少女しょうじょメイドの元上役もとうわやくで有る、元侍女長リオレイニア必死ひっしはげますが――

「いえそれは、わかってますので平気へいきです。むしろ、あの木の方が・・・・・・心配しんぱいですよぉ」
 少女タター正面しょうめん装甲板そうこうばん投影表示とうえいひょうじされた、巨木きょぼく姿すがたをジッと見つめている。

 はぁ?
 うま故郷こきょう大惨事だいさんじに、なにを言ってやがるんだぜ?
 気が動転どうてんしてるってかんじでもねぇのに――
 心配しんぱいするのは村人むらびとじゃなくて、災害さいがいである巨木きょぼくほうだ。

「まだまだ距離きょりがぁ、ありますのぉーでぇー、このまま加速かそくしつづけまぁすぅよぉぉう?」
 ルリーロがそう言ってから、やく分後ふんご

「止まぁりぃまぁすぅよぉぉぉぉぉうっ――――♪」
 魔法杖まほうつえからたなびいていたほそながくもが――途切とぎれる。

 ヴォヴォヴォォォォゥン!
 急旋回きゅうせんかいする魔法杖まほうつえ

「「「「「「「「「んぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!!」」」」」」」」――ニャァ!!!」
 おれたちは、前のめりに・・・・・なった。
 そしてゲイルのうでつたい、魔石ませき次々つぎつぎと飛びこんでいく――
 なんだぜ……ちいさな燃える蜥蜴・・・・・かっ!?

 ヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォゴォゥゥゥゥゥウウゥゥウウゥゥゥンッ!!!
 魔法杖ルードホルド反転はんてんし、おれたちを飛び越した!

 ふぉん♪
『>ルードホルドの魔法杖の推進力、急速低下!
  外燃機関である魔石出力の測定値が、1122・5KW/hへ到達しました』
 ちっ、おれが猪蟹屋みせ地下ちかかみの毛を燃やしたときの、1・35ばいかっ!

 ふぉふぉん♪
『ゴウライ>リオレイニア、ひかりのたてを前に向かって張ってくれ!』
 白眼鏡しろめがね一行表示ティッカーに、割り込むほうはえぇ。
 ガギッチャコンッ――――ガシガシィン!
 装甲板アーマーおおわれ、てつはこみたいになった馬車ばしゃを――両膝りょうひざかかえる。

「――ひかりのたてよ!」
 馬車ばしゃかかえたおれの眼前がんぜんに、光の文様マジック・シールドが浮かびあがった。

「あっぶねぇ――ニャァ!!
 上下倒じょうげさかしまうえに、複雑ふくざつ回転かいてん
 魔法杖ルリーロたちをかろうじて避け、魔石ませきから噴出ふんしゅつするほのおふせげた。

「「「「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」」」」」
 女子供おんなこども座席ざせきに、つなぎ止められてる。
「「わぁぁぁぁ、みんな大丈夫だいじょうぶですかっ!」――ニャァ!?」
 男連中やろうども気絶中きぜつちゅう工房長ノヴァドのぞけば、立派りっぱなもんだ。

 ごおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉっ――――――――!!!!!
 とかげべられた魔法杖まほうつえからほとばしるのは、すさまじいまでの奔流ほんりゅう
 火龍かりゅうゲートルブとたたかったときの火弾かだんより、ひでぇ。
 ひかりのたてマジック・シールドまわり込んだほのおに、あぶられる。

「うおわっちちちちちちちち――――ニャァ!?
 鉄鎧てつからだでも、あつぃもんはあつぃぜ!
 このままだと馬車ばしゃを、振り落としちまう!

 おれは太鎖ふとくさりはなし――馬車ばしゃ両手両足りょうてりょうあしかかえる!
 最初さいしょ魔法杖ルードホルド急旋回きゅうせんかいで、粗方あらかた慣性はやさはかき消えたが――
 それでも、おれのいきおいは止まらねぇ!

 ヒュヒィィィィィィイィィィィィィィ――――――――ドガァァァァァァアンッ!!!!
 背中の大筒スラスターを、すべての神力しんりょく使つかい切るいきおいで、全開にした・・・・・

 シュゴゴォォォォォッ――ォォォォォッ!
 それでも、止まりそうもねぇ――――足下あしもとに木がせまる。

「(解析指南かいせきしなん、どーにかしろっ!)」
 ふぉふぉん♪
『解析指南>背面推進装置から噴出する龍脈由来の推進剤に、
      再点火してください。推力が約50%増加します』
 再点火さいてんかぁ? 火に火を付けてどうしようって――あ。
 いまさっきゲイルが魔石ませきべてた、燃える蜥蜴・・・・・かっ?
 おれは背中の大筒スラスターの、うしろあたりりを――『◇』ねらった

「ひのたまひのたま――ニャァ
 ぼっじゅじゅじゅじゅぅ!
 点かねぇ!
 なら――『<<<<<◇>>>>ひだねをふやすぞ>』。

「ひののひたたまひひたまぁやぁ――――!」
 ぼこわわぁ、じゅじゅじゅぅぅっ!
 点いたが消えちまった――――もう木にぶつかるぜ。
 おれの念話ねんわも、いつまでも時間じかんかぜげるわけじゃねぇ。

「このやろう――めっせよ!」
 ゴォッ――ビリビリビリビリッ!
 実効じっこうのない文言こころがまえ巨木きょぼくみきにぶつかる瞬間しゅんかん

 ヒュィィィィィィィィ、ゴォウゴゴォォォオゥゥォォォオォォォォ!
 おれの背中せなかが、あかひかった。
「ぅぅうぅぅっぉおおぉぉおぉぉわぁぁぁぁぁぁあっちあちあちあちぃ――――――――ニャァ
 リオレイニアに背中せなかから、火炎の魔法ほのおのたまで撃たれたみてぇだぜっ!
 ふぉふぉん♪
『>背面推進装置の測定出力値が、1247KW/hへ到達しました』

 つまるところ、見込みが甘かった・・・・・・・・のだ。
 はしりだしたものは、何時いつかは止まらないといけない。
 加速かそくつづけた魔法杖ルードホルドが、止まることが出来できるのは――

 轟雷ごうらいを着たいまならわかる。
 魔法ひかり神髄すじのこした、飛行経路ひこうけいろ
 その活力マナ残滓ざんしが、ながければながいほど――
 そのいきおいを相殺そうさいするだけの、べつ活力ちから必要ひつようになるのだ。

「(いやまて、そもそも魔法杖つえに乗る二人ふたりは、どーして吹っ飛ばされねぇ・・・・・・・・んだぜ?)」
 ふぉん♪
『>〝魔法杖に乗る術者に掛かる慣性〟をキャンセルするための術式が、飛行魔法に組み込まれているのだと思われます』
 そーいうのが有るんだな、ひとまず納得なっとくしたぜ。

 とおざかる、ルードホルドの魔法杖まほうつえ
 あれには、あの巨大きょだい魔石ませきあつかえるだけの、術者じゅつしゃと――
 その魔石ませきべるためのまき、ゲイル少年しょうねん搭載とうさいされている。
 奥方おくがたさまだって、ここまでのはやさで飛んだのは――
 今日きょうはじめてだったんだろうさ。

 馬車ばしゃとおれには、そのどちらも搭載とうさいされていない。
 あれだな。あのカワイらしい巻きづののアイツ。
 ふぉん♪
『人物DB>モゼル・マトン
      魔術研究所兵站線課第一班所属』
 フワフワモコモコのアイツには責任せきにんを取って、ルードホルドにも耐えられる馬車ばしゃつくらせようぜ――――

 ドゴバギャメキメキメキメキ――――――――!!
 おれは巨木きょぼくみきに、突き刺さる!

 ふぉん♪
『イオノ>シガミー。馬車を木の幹にぶつからないように、放り投げてねー♪』
 てめぇ、大人おとなしいとおもったら――なにをいまさら出てきて命令めいれいしてやがるっ!

 ガッシャバキボキ、ガッキュゥゥウゥン――――ゴガァァン!
 おれは最後さいごちからを振りしぼり、言われたとおりに真横まよこほうり投げた!
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