滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

648:厨房ダンジョン、ニゲルVS(Θ_Θ)

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「死にさらぁせぇー
 バッゴォォ――ン!
 躊躇無ちゅうちょなく撃ち込まれる、たま

「――チィェェェェェェェェィッ!」
 ガッギュモギュッィィンッ!
 錫杖しゃくじょう仕舞しまい、小回こまわりの利く小太刀こだち使つかう!

 ――ボゴン、ボコララッ♪
 斬れたのは8ぱつ
 一発斬いっぱつきそこねたから多分たぶん全部ぜんぶ9発・・だろぅ。

 『(>x<カキン!)』『(>x<カキン!)』『(>x<カキン!)』
 浮かぶプロジェクションBOTかおが、一斉いっせいに吠えづらをかいた。

 ふぉん♪
『>>弾切れです、シガミー!』
 ああ、浮かぶ球の・・・・・たまは、三発さんぱつきりだぜ!
 これで丸込たまごめのために一度いちど、浮かぶたま格納ししまわないといけなくなった。

 おれは倉庫そうこへ向かって、一気いっきに飛び込――――!?
 『(ΘoΘガチャッ)』『(ΘoΘガチャッ)』『(ΘoΘガチャッ)』
 たこみてぇな銃口くち一斉いっせいに、おれにねらいを付けなおす。

「あっぶねえぇ――――!?」
 猪蟹屋ししがにや標準制服ひょうじゅんせいふくであるメイドふくを着たおれに、怪我けがを負わせることは出来できない。
 しかもこのたまは、〝殺さずの丸・・・・・〟だから余計よけいに。
 それでも当たると、いてぇだろぅよ。
 なんせ、斬りそこねたたまが、鉄製てつせい調理台ちょうりだいへこませたほどだ。

 おれは小太刀こだちを捨て、錫杖しゃくじょうを取り出す!
「あたれあたれぇ
 バッガボッゴォォ――ンッ!
 ぐるるるっるるん――――ぼご、ごご、ががん♪
 ふぅ、あっぶねぇー。なんとか全弾ぜんだんたたき落とした。

 小太刀こだちを出したりひろってる、余裕よゆうはねぇ!
 バッガッボッガガァァン――!
 ぐるぐるぐるるるるぅん――――ごん、ごん、ぼごん♪

 『(>x<カキン!)』『(>x<カキン!)』『(>x<カキン!)』
 浮かぶプロジェクションBOTかおまた、吠えづらをかいた。

 ふぉん♪
『>>装弾数をアップデートしてくるとは、想定外でした』
 ああ、あの野郎やろう本気ほんきだってことわぁ、良ぉーくわかった。

「ちょっと、小猿こざる?」
「ちょっと、シガミー?」
 なんだ? うるせぇな。

「「なにをやっていますの?」」
 なにやら、おいかりのおんなどものこえがするがぁ。
 うるせぇ! いまは、それどころじゃねぇやい。
 今度こんどこそ、本当ほんとうに撃ち止めか?

 ふぉん♪
『>>暴徒鎮圧用のゴムスタン弾はカートリッジを使用しませんので、比較的装弾数を上げやすいです。それでもペイロードには限界があり、最大でも五発が限界です』
 よし、撃ち止めだな?
 踏み込もうとしたら――バッ!!!!

「おっとととっ――――あっぶねぇっ!」
 黒い影に・・・・、ぶつかりそうになった!

「シガミー、どういうことだい? このむらには、おちゃの買い付けに来たはずじゃないのかい?」
 黒い影は・・・・、ニゲルだった。
 だがこえはすれども、姿すがたが見えん。

 なるほど、こういう狭いところ・・・・・で――
 勇者の歩みブレイブ。ステップ使つかったら、かべに突き刺さるか――
 ろくはやさが出ねぇのかと、おもってたが――
 そういうこと・・・・・・になるのか!

▲▲▲ピピピッ♪
 動体検知アクティブトラッカーおくれてを、指ししめした。

「おう。そのはずなんだが、この土地とちぬしに目を付けられちまってなぁ」
 おれは天井うえを向く。そしてさかしまになって、小走こばしりに横切よこぎ人影ニゲルを見た。
 こわれるまえのガムランちょうのギルドで、おれもおなじことをしたが――
 ニゲルのはかべ蹴り上がる勢いだけ・・・・・・・・・で、天井てんじょうに張り付いてる。
 つまり小回こまわりは、まるで利かん。

「ザザッ――ヘッドセット……耳栓みみせん片耳かたみみだけしてるから、内緒話ないしょばなしもできるよ――」
 そうか。
「ザッ――本当ほんとうに……ほんとうっにっ、いろいろあったんだよぉ!――」
 数日すうじつぶりの友人ニゲルこえに、われながら安心あんしんしたんだろうか。
 ついつい泣きごとを、言っちまったぜ。

 ふぉん♪
『ミトム>それと、さっきリオレイニアさんから使い方を教わったから、ティッカーも使えるよ』
 流石さすがのちの世の日の本生もとうまれだぜ。一行表示ティッカー一瞬いっしゅんで、表示うつしだされた。
 ふぉん♪
『シガミー>そうか、なら一言で言うが、商談は上手くいってる。そっちこそ、何やってる?
     >あの荷車にぐるまなんだぜ?
     >それとどうしててんぷらごうを、連れてるんだぜ?』

 カコン――調理台ちょうりだいうえに置かれた、木で出来でき樽杯コップ
 それが消え――つぎ瞬間しゅんかんには、五百乃大角いおのはら姿つがた一つ消えた・・・・・

 ふぉん♪
『ミトム>荷車はプレゼントを、積み込んだだけだよ。「大森林には憧れの人が居るから、お土産を持って行きたいわ」って言って、た』
 キュキュキュッ――一瞬姿いっしゅんすがたあらわした青年せいねんが、ぽいと投げて寄越よこしたのは。
 木で出来でき樽杯コップ――――ヴォヴォヴゥウゥッ♪
 うな樽杯コップだった。

 ふぉん♪
『ミトム>ミノタウロースってのは、相当やばい奴なんだろう?』
 ふぉん♪
『シガミー>ああ、やばいな。やばさで言ったら、この土地の主と同じくらいやばい』

「ザザッ――なら、手伝てつだうよ。いまのぼく出来できるのは、リカルルをまもる、ことくら……いだからね。ぐすっ」
 流石さすがは、日の本生まれ・・・・・・
 五百乃大角いおのはらを止めないと、災厄の狂獣が又現れる・・・・・・・・・・ってことを、直ぐ理解しわかってくれた。
 けど……なんで泣いてる?

 キュキュキュッ――またもや一瞬いっしゅん姿すがたあらわ青年せいねん――――ヴォヴォヴゥウゥッ♪
 うな樽杯コップが、もう一個増いっこふえ――振りかえれば、五百乃大角いおのはら姿すがた又一人消またひとりきえていた。

「ヴュザッ――こらっ、西数にしかずさま! お邪魔じゃまをするなら、もう相談そうだんに乗ってあげませんよ――」
 木箱きばこを見れば、そのふちによじのぼる、根菜さまいおのはら姿すがたが見えた。

 ふぉん♪
『ミトム>ごめんよ、シガミー、僕が出来るのは、ここまでみたいだ』
 最後さいご友人ニゲル寄越よこしたのは――から樽杯コップだった。
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