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五十五話 歓迎される紗奈
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「お友達って、燈璃ちゃんたちですか?」
「ん?あぁそうそう、やっぱり知ってるんだ」
悲しそうな言葉にどう言えば良いのか分からなかった私は、気になったことを聞いてみた。
樹くんならこういう時に気の利いた事言えるんだろうなぁ……
「そうですね、特に樹くんと一緒にいる二人なので……燈璃ちゃんとは友達になりましたし」
「へぇそうなんだ、あの子ほんとにいい子だよね」
「そうなんです!明るくって面白くて!」
どうやら刹希さんも燈璃ちゃんのことを知っていて気に入っているみたいだ。
あの性格は人を惹きつけるように思える……まるで樹くんみたいに。
「あの時だってずっと樹を支えてくれたし……実はスゴイ子だよね、紗奈ちゃんみたいに」
「えっ、いえそんな、私なんて……」
まさか私まで褒められるとは思わず、咄嗟に否定してしまった。気持ちは嬉しいけどびっくりしちゃった。
「そう?でも紗奈ちゃんだって、樹に寄り添ってくれてるんじゃない?」
「寄り添ってというか、恋人として傍にいるだけですよ。好きな人と一緒にいたいだけです」
自分の恋人が困っているなら助けたいし、ずっと傍にいたいし……それが支えになるのなら感無量だと、私はそう思う。
" 相手のため " じゃなく、" 自分の為 " に樹くんには喜んほしいと思ってるんだ。
「それが樹のためになるんだよ、それを当たり前のことだって自然にできるから……だからスゴイって思うの」
「そう、なんですか……」
だから任せられると、刹希さんはそう言って笑った。
────────────
紗奈さんと姉ちゃんが話を終えて俺の部屋にやってきた。紗奈さんは分かるけど何故か姉ちゃんまでベタベタと引っ付いてくる。
今まで無かったことに混乱してしまい思わず姉ちゃんを押し退けると謎に悲しそうな表情を浮かべた。
「姉を雑に扱うなよぉ、弟だろぉ?」
「は?」
雑も何もそもそもベタベタしてくるのが意味わかんないので押し退けただけである。暑苦しい。
それなのにいじけたような事を言われて思わず冷たい声が出てしまうと紗奈さんが よしよしと宥めるように撫でてくれた。紗奈さん大好きだ。
「なにさぁ、紗奈ちゃんに撫でられてデレデレしちゃってさ」
「いや紗奈さん彼女やし」
当たり前だろう、彼女に撫でられたり抱きしめられたらだらしなくもなるだろう。
鼻の下くらい伸ばさせてくれ。
「正直だねぇ、まぁその方が強がる よかよっぽど好かれるよね」
「そうですよ!ここで嬉しくないとか言われたら傷付きますからね♪」
それなら良かった。もしここでデレデレしてて気持ち悪いとか言われたらショックもいいとこだった。まぁそれなら付き合ったりもしないか。
そんなこんなでわちゃわちゃとしていると母さんが帰ってきたのでリビングに向かう。
「おかえり母さん」
「ただいま」
何やら色々と買ってきた母さんの荷物を一緒にしまっていると、ある程度しまった所で母さんが何やらテーブルに並べはじめた。
「せっかく紗奈ちゃんが来てくれたワケだし、おもてなししたいわよね♪」
そう言って並べていたのは近所の町で話題のスイーツ店に売っているケーキであった。
母さんが自分が食べたかっただけじゃ……まぁ紗奈さんが喜べばいっか。
俺はあまり甘いものを食べるタチでないものの、こうして皆で楽しく食べるのならそれもいいなと思った。
紗奈さんも喜んでるし万事OKだな!
そんなこんなで夜になり、夕食を食べ終え今は紗奈さんを家に送っているとろだ。
母さんも姉ちゃんも また来てね!と言っていたので仲良くなってくれたようだ。ほんとに嬉しいよ。
「そういえば、ちょっと変なこと聞くんだけどさ」
「ん?どしたの?」
「えっとね?ほら、刹希さんのことなんだけど」
彼女が聞きたいのは要するに、いつだったか俺が麻緒のせいでやさぐれていたときに軽い女性不信になっていたときのこと。
その時 俺の中での姉ちゃんについてのイメージがどういうものだったのか……それが気になったらしい。
「あの時は、姉ちゃんとあんまり関わってなかったからなぁ……あっちにはあっちの関わりとかで家に帰ってくるのが遅くて、顔を合わせないことも多かったし、そのほうが俺も気が楽だったから特に気にしてなかったからかもしれないね。母さんは家事とかあったから、どうしても家にいなきゃいけないけど姉ちゃんはそうじゃないから」
当然だが姉ちゃんのことを忘れていたわけじゃない。変な話だけど、姉ちゃんとあまり顔を合わせなかったことで姉ちゃんとの拗れは少なかったように思える。
ちなみに俺が一日家に帰らなかった時はめちゃくちゃ心配してたらしく、次の日からはすごく気を遣ってくれたけど……悪いことしたよホント。
それからなんだよな、姉ちゃんがあまり家から出なくなったのって。
決して引きこもってるわけじゃないしある程度の人間関係もあるんだけど、それでも極力家に帰ってきては俺の様子を見てくれているのは知っている。
不健康じゃない範囲でやっているみたいなので心配はしてないんだけど、まぁそんな感じだ。
「ん?あぁそうそう、やっぱり知ってるんだ」
悲しそうな言葉にどう言えば良いのか分からなかった私は、気になったことを聞いてみた。
樹くんならこういう時に気の利いた事言えるんだろうなぁ……
「そうですね、特に樹くんと一緒にいる二人なので……燈璃ちゃんとは友達になりましたし」
「へぇそうなんだ、あの子ほんとにいい子だよね」
「そうなんです!明るくって面白くて!」
どうやら刹希さんも燈璃ちゃんのことを知っていて気に入っているみたいだ。
あの性格は人を惹きつけるように思える……まるで樹くんみたいに。
「あの時だってずっと樹を支えてくれたし……実はスゴイ子だよね、紗奈ちゃんみたいに」
「えっ、いえそんな、私なんて……」
まさか私まで褒められるとは思わず、咄嗟に否定してしまった。気持ちは嬉しいけどびっくりしちゃった。
「そう?でも紗奈ちゃんだって、樹に寄り添ってくれてるんじゃない?」
「寄り添ってというか、恋人として傍にいるだけですよ。好きな人と一緒にいたいだけです」
自分の恋人が困っているなら助けたいし、ずっと傍にいたいし……それが支えになるのなら感無量だと、私はそう思う。
" 相手のため " じゃなく、" 自分の為 " に樹くんには喜んほしいと思ってるんだ。
「それが樹のためになるんだよ、それを当たり前のことだって自然にできるから……だからスゴイって思うの」
「そう、なんですか……」
だから任せられると、刹希さんはそう言って笑った。
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紗奈さんと姉ちゃんが話を終えて俺の部屋にやってきた。紗奈さんは分かるけど何故か姉ちゃんまでベタベタと引っ付いてくる。
今まで無かったことに混乱してしまい思わず姉ちゃんを押し退けると謎に悲しそうな表情を浮かべた。
「姉を雑に扱うなよぉ、弟だろぉ?」
「は?」
雑も何もそもそもベタベタしてくるのが意味わかんないので押し退けただけである。暑苦しい。
それなのにいじけたような事を言われて思わず冷たい声が出てしまうと紗奈さんが よしよしと宥めるように撫でてくれた。紗奈さん大好きだ。
「なにさぁ、紗奈ちゃんに撫でられてデレデレしちゃってさ」
「いや紗奈さん彼女やし」
当たり前だろう、彼女に撫でられたり抱きしめられたらだらしなくもなるだろう。
鼻の下くらい伸ばさせてくれ。
「正直だねぇ、まぁその方が強がる よかよっぽど好かれるよね」
「そうですよ!ここで嬉しくないとか言われたら傷付きますからね♪」
それなら良かった。もしここでデレデレしてて気持ち悪いとか言われたらショックもいいとこだった。まぁそれなら付き合ったりもしないか。
そんなこんなでわちゃわちゃとしていると母さんが帰ってきたのでリビングに向かう。
「おかえり母さん」
「ただいま」
何やら色々と買ってきた母さんの荷物を一緒にしまっていると、ある程度しまった所で母さんが何やらテーブルに並べはじめた。
「せっかく紗奈ちゃんが来てくれたワケだし、おもてなししたいわよね♪」
そう言って並べていたのは近所の町で話題のスイーツ店に売っているケーキであった。
母さんが自分が食べたかっただけじゃ……まぁ紗奈さんが喜べばいっか。
俺はあまり甘いものを食べるタチでないものの、こうして皆で楽しく食べるのならそれもいいなと思った。
紗奈さんも喜んでるし万事OKだな!
そんなこんなで夜になり、夕食を食べ終え今は紗奈さんを家に送っているとろだ。
母さんも姉ちゃんも また来てね!と言っていたので仲良くなってくれたようだ。ほんとに嬉しいよ。
「そういえば、ちょっと変なこと聞くんだけどさ」
「ん?どしたの?」
「えっとね?ほら、刹希さんのことなんだけど」
彼女が聞きたいのは要するに、いつだったか俺が麻緒のせいでやさぐれていたときに軽い女性不信になっていたときのこと。
その時 俺の中での姉ちゃんについてのイメージがどういうものだったのか……それが気になったらしい。
「あの時は、姉ちゃんとあんまり関わってなかったからなぁ……あっちにはあっちの関わりとかで家に帰ってくるのが遅くて、顔を合わせないことも多かったし、そのほうが俺も気が楽だったから特に気にしてなかったからかもしれないね。母さんは家事とかあったから、どうしても家にいなきゃいけないけど姉ちゃんはそうじゃないから」
当然だが姉ちゃんのことを忘れていたわけじゃない。変な話だけど、姉ちゃんとあまり顔を合わせなかったことで姉ちゃんとの拗れは少なかったように思える。
ちなみに俺が一日家に帰らなかった時はめちゃくちゃ心配してたらしく、次の日からはすごく気を遣ってくれたけど……悪いことしたよホント。
それからなんだよな、姉ちゃんがあまり家から出なくなったのって。
決して引きこもってるわけじゃないしある程度の人間関係もあるんだけど、それでも極力家に帰ってきては俺の様子を見てくれているのは知っている。
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