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「ホノカ。こちらはジャメル・エヴラール侯爵。私の母方の親戚だ。」
第一印象はカッコイイおじさま。
黒髪より白髪が少し多い。
目は切れ長で…優しく微笑んでいるけど、デフくんに似てるかも。
デフくんってお母さん似なのね。
「…初めまして。」
この世界に来て最初に会ったデフくんを含めた3人と、この屋敷の人たち以外に会うのは初めて。
デフくんの側に行き、膝を折って恐る恐る挨拶をする。
「おお、これはこれは可愛らしいお嬢さんだ!」
リアクションの大きい人…。
大きく腕を広げて満面の笑顔はなんか嘘くさいよ。
それに目の奥が鋭い気がする。
「エヴラール侯爵には、形だけだがホノカを養女にしていただけるよう頼んである。本人に会って決めたいと申されたので、本日ここへ足を運んでいただいたのだ。少しばかり3人で話をしよう。」
デフくんが私に説明しながら隣りに座るように促してくれた。
前の人の目を気にしながらぎこちなく腰を下ろす。
ナラフがお茶を用意してくれた。
デフくんがお茶に口付けるので私も一口飲む。
エヴラール侯爵はそれをジーと観察する目で露骨に見てくる。
どんな女の子が養女になるのかと見てるのかな。
納得はしたが、居心地は悪い。
視線を迷わせながらデフくんに問いかける。
「養女になる必要ってありますか?」
何か困る事があるかな。
以前にデフくんが言ってた、記憶喪失の女の子を保護している、だけでは設定では不足なのかな。
だいたい、私のような異世界からきた得体のしれない子を家族にするなんて、形だけでも迷惑なんじゃない?
「夜会に出る話しはしただろ。今回の夜会は、貴族の…それも身分の高い貴族が呼ばれている。当然、そなたにも身分が必要だ。夜会だけでなく、今後、仕事で人に会う時にも身分は武器になる。理解できるな?」
じゃあ、夜会になんてでなけれがいいと思ったけど、仕事が見つからないのは困る…。
「…わかりますけど、元の世界では身分とか関係なかったから。…あっ!」
自分がこの世界の者でないことを言ってしまった!
デフくんにも言わないように言われていたのに…。
自分とデフくんの前に座る見目麗しい歳を重ねた侯爵は召喚の関係者かな?
わからない、どうしよう…。
不用意な発言を思わずしてしまって自分の口を押さえる。
「大丈夫だ。既にこちらの事情は話してある。案ずるな。」
それを聞いて強張っていた肩から力が抜けた。
ふーーー。
「よかった…。それを早く言ってよ。」
「すまぬ。」
「えーーーー!デフロットが謝った…!」
案ずるなと言われてホッとしたのもつかの間、エヴラール侯爵の大きな声にビクッとソファの上で飛び跳ねデフくんの腕にしがみつく。
「…ジャメル殿、そのように大きな声を出されてはホノカが驚くであろう。」
しがみつく私の手を宥める様にデフくんは手を重ねてくれた。
「だって、だって!あんなに人の事なんて気にしないで怒ってた人が!有無を言わせずビシバシと冷静に冷酷に指示を飛ばしていた人が…!『無慈悲悪魔』と言われてた人が!すぐにあやまるだなんて!」
え?なに?
「『無慈悲悪魔』…?」
穂乃香は聞いたことが無い言葉をただ復唱していた。
第一印象はカッコイイおじさま。
黒髪より白髪が少し多い。
目は切れ長で…優しく微笑んでいるけど、デフくんに似てるかも。
デフくんってお母さん似なのね。
「…初めまして。」
この世界に来て最初に会ったデフくんを含めた3人と、この屋敷の人たち以外に会うのは初めて。
デフくんの側に行き、膝を折って恐る恐る挨拶をする。
「おお、これはこれは可愛らしいお嬢さんだ!」
リアクションの大きい人…。
大きく腕を広げて満面の笑顔はなんか嘘くさいよ。
それに目の奥が鋭い気がする。
「エヴラール侯爵には、形だけだがホノカを養女にしていただけるよう頼んである。本人に会って決めたいと申されたので、本日ここへ足を運んでいただいたのだ。少しばかり3人で話をしよう。」
デフくんが私に説明しながら隣りに座るように促してくれた。
前の人の目を気にしながらぎこちなく腰を下ろす。
ナラフがお茶を用意してくれた。
デフくんがお茶に口付けるので私も一口飲む。
エヴラール侯爵はそれをジーと観察する目で露骨に見てくる。
どんな女の子が養女になるのかと見てるのかな。
納得はしたが、居心地は悪い。
視線を迷わせながらデフくんに問いかける。
「養女になる必要ってありますか?」
何か困る事があるかな。
以前にデフくんが言ってた、記憶喪失の女の子を保護している、だけでは設定では不足なのかな。
だいたい、私のような異世界からきた得体のしれない子を家族にするなんて、形だけでも迷惑なんじゃない?
「夜会に出る話しはしただろ。今回の夜会は、貴族の…それも身分の高い貴族が呼ばれている。当然、そなたにも身分が必要だ。夜会だけでなく、今後、仕事で人に会う時にも身分は武器になる。理解できるな?」
じゃあ、夜会になんてでなけれがいいと思ったけど、仕事が見つからないのは困る…。
「…わかりますけど、元の世界では身分とか関係なかったから。…あっ!」
自分がこの世界の者でないことを言ってしまった!
デフくんにも言わないように言われていたのに…。
自分とデフくんの前に座る見目麗しい歳を重ねた侯爵は召喚の関係者かな?
わからない、どうしよう…。
不用意な発言を思わずしてしまって自分の口を押さえる。
「大丈夫だ。既にこちらの事情は話してある。案ずるな。」
それを聞いて強張っていた肩から力が抜けた。
ふーーー。
「よかった…。それを早く言ってよ。」
「すまぬ。」
「えーーーー!デフロットが謝った…!」
案ずるなと言われてホッとしたのもつかの間、エヴラール侯爵の大きな声にビクッとソファの上で飛び跳ねデフくんの腕にしがみつく。
「…ジャメル殿、そのように大きな声を出されてはホノカが驚くであろう。」
しがみつく私の手を宥める様にデフくんは手を重ねてくれた。
「だって、だって!あんなに人の事なんて気にしないで怒ってた人が!有無を言わせずビシバシと冷静に冷酷に指示を飛ばしていた人が…!『無慈悲悪魔』と言われてた人が!すぐにあやまるだなんて!」
え?なに?
「『無慈悲悪魔』…?」
穂乃香は聞いたことが無い言葉をただ復唱していた。
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