誤召喚!~お仕事、ください。~

奈井

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「…今回は、魔力者のくしゃみにより魔力を送る場所がズレ、恐らく穂乃香のいる場所に魔力が届いたのだろう。」

「…くしゃみ…ですか?」

「ああ。」

くしゃみで私の人生変えないでほしい…。

「あの、今までの話しから言って、なんとなくわかるのですが、ダメもとで聞きますが…元の場所には、戻れない…ですよね?」

前にいる人は目を伏せ、静かに言う。

「…召喚者を戻すつもりがないので、そちらの研究は進んでない。いや、研究していない、と言っていいなあ。…すまぬ。」

「いいえ、いいえ!」

手を前に出して何度も振る。

本当は”冗談じゃない!”て言いたいけど、できない事はできないって事だもんね。

この人のせいじゃないのは理解できるけど、未練はあるんだよね・・・。

転勤が多かった、お父さんに付いて転校する時の気持ちと似ているかも。

”またか”て諦めと慣れはあるけど、やっぱり淋しい気がする。

未練とはちょっと違うかな。

昨日まで一緒だった会社の友達とか、学校の友達とか、お父さんやお母さんやお姉ちゃんにせめてさよならって言いたかった・・・。

あっちでは突然いなくなったのだから失踪と思われているかも。

せめて自分から進んで失踪したわけじゃない事、ちゃんと生きてるって伝えたい。

私は生きてるって言いたい。

でも、無理なんだ・・・。

もう、あっちのことはいいとして、それより今後の事だ。

切り替えが早いのは私の長所!

決して薄情なわけじゃないよ。

「あの…これから私はどうしたらいいのでしょう?失敗がわからないように隠れてここに来たのだから…今後も隠れていなければいけないの、ですか?」

軟禁状態っていうのかな、こういうの…ニュースでは聞いたことあったけど、まさか自分がなるなんて…。

「召喚でここに来た事は黙っていてほしいが、それ以外のの事はどうとでもなる。…しばらくは、ここですごしてもらうが。」

ちょっとホッとする。

「そうですか・・・ありがとうございます。たすかります。」

静かに穂乃香は頭を下げた。

「希望を聞きたいのだが…。そなたは、どうしたい?」

「どう、と言われましても、情報が少なすぎて…。例えば、どんな道が私にはあるのですか?」

今までの人はどうしてたのかな?

でも、召還の成功組と失敗組て扱いが違うよね…きっと。

私は失敗組。

なんか人生の負け組みたいな感じがしてきた…。

聞くのも怖い。





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