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35、後悔
しおりを挟むここへ連れて来られたのは、裕が男性と2人だけで食事をしていたから。
浮気していると思われた?
今、昊人に寝室で組み敷かれているのは、玄関でキスをされている時、謝ったから。
キスの後、優しく抱きしめられた事で怒りが収まったと思った。
今なら聞いてくれると思って、付き合っている相手がいるのに男性と2人きりで会う事は誠実ではないと判断して謝った。
それのどこが悪かったのだろうか・・・。
でも、このまま、まるで怒りをぶつけるように抱かれてしまってもいいのかな?
このくらいの勢いが無ければ超えられない山だと裕も自分の性格を思う。
でも、この先、このことを思い出して昊人は後悔をしないだろうか?
このことが切欠で2人の仲は気まずくならないかと心配になった。
そう思うとさっきまでの身体の中の熱が急速に冷めていくのを感じる。
どうしたらいいのか、アタフタと逃げるように昊人から身体をずらすが、昊人の重みで僅かしかずれない。
「・・・なに?イヤ?俺に抱かれるのはイヤ?俺の事、好きなんだろ?」
裕のわずかな動きを感じ取って、昊人は身体を離して上から見下ろす。
恐怖からか、快感からか自分でもわからない涙が裕の目に貯まっていた。
はだけた前を合わせながら、涙のフィルターで良く見えない昊人にピントを合わせる。
「・・・私はいいです。このくらい強引じゃないと、きっと前になんか進めないから。・・・でも、昊人さんはこれでいいの?後悔しない?」
更に涙の量が増す。
枕に何度も零れ落ちる。
目を見開いて何かに気がつく昊人。
考えを整理しようと軽く目を閉じている。
すぐに目を開き裕の涙を手で拭いながら、かすれた声で小さく、ゴメン、と聞こえた。
そして、裕のはだけたブラウスやカーディガンを整えて上体を起こしてくれた。
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