◆君と一緒にいられたら…〜青海透の恋愛事情

青海

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夏の終わりと花火大会

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 「青海君花火大会行かない?」

 泉に誘われる。

 「うん…いいけど…。」

 真実を見る。
 また2人で行けって言われるのかな…。

 泉への思いに気付いてしまってから泉と2人きりになるのは避けていたんだけど…。

 泉は気づいていない様だったけど真実は多分気付いてるはずだ。

 視線に気づいた真実が言う。
 
 「もう1人連れて行ってもいいなら俺も行くけど…。」

 それって浅川さん?

 真実がため息をつく。

 「連れて行けって煩い。かといって2人きりにもなりたくないしな…。」

 「それなら一緒に行こうよ!4人で!」

 その方が絶対いい。
 泉に気持ちを知られてしまう危険も減るし。

 少し寂しそうに微笑む泉。
 真実は泉を見ていた。

 

 ★



 花火大会の日、夕方浅川さんが家に来た。

 浴衣姿の女の子ってかわいいな。

 浅川さんを見る。
 
 これなら真実もイチコロだろうな。

 そう思って真実を見る。

 「綺麗だな。」

 「っでしょっ!この浴衣高かったんだからっ!」

 …。

 2人の会話…入っていけない。

 「待たせちゃってごめんなさいっ」

 泉が浴衣姿で部屋から出てくる。

 照れた様に笑う泉は凄く…。

 「水野さんすっごいかわいいっ!美人すぎるっ!」

 浅川さんものすごい勢いで泉に食いついていく。

 …言いたいことを先に言われてしまった…。

 泉に見惚れていると真実が寄って来る。

 「お前もなんか言えよ…。」

 「!!」

 「あ、あのっ…。」

 「水野さん、行こうっ!」

 …浅川さんに引っ張られて行く泉。


 
 
 そのままの勢いで花火大会に向かう。

 泉と腕を組んで楽しそうにはしゃぐ浅川さん。

 その後ろをついて歩く男2人…。

 「でもまあ…良かったかな…。」

 「…そうだな…。」

 

 お互い思うところはあったが2人きりになりたくない理由があったし…。

 「でも透はこれでいいのか?」

 真実が真剣な目をして言った。

 「お前泉が好きなんじゃないのかよ?」

 そう言われるが何も言えなかった。


 ★


 「シンジ、タコ焼き食べる?」

 浅川さんに連れられて行く真実。


 
 気づけば泉と2人になってしまった。

 人の流れに沿って泉と2人で歩く。

 沢山の屋台や人がいた。

 でも不思議と泉の事しか気にならなかった。

 

 周りに人がいなくなっているのに気づく。

 遠くで花火が打ち上がる。

 みんな花火がよく見える場所に移動したのだと気づく。

 でももう遅かった。

 
 気づけば泉と2人きり。
 
 「青海君…。」

 泉が赤い顔で見つめてくる。

 「…水野さん…?」

 
 
 「私…青海君が好き…。私と付き合って?」

 真っ赤な顔で好きだと言ってくれた泉。

 凄く嬉しかったが同時に胸に広がる不安。

 「水野さん…俺…。」

 何度も花火が打ち上がり空に輝く。

 
 「俺も…水野さん好きだよ。でも…絶対付き合えない。」

 「どうして?」

 泉が不思議そうに聞いてくる。

 
 
 「暴力を受けて育った子供は暴力を振るう様になる。…愛されずに育った子供もきっと…誰も愛せない。俺…誰かと付き合う自信がないんだ…。だから…ごめん。」

 そう云うと泉が涙を流す。

 「水野さん見て~!」

 浅川さんが来る。

 泣いている泉に気づく浅川さん。

 「あんたって最低。」

 ぼそっと透に呟くと泉を連れて行ってしまった。



 …これでよかったんだ。

 そう思い込もうとしたが自然に涙が出てくる。

 側に立っていた木に寄りかかりながら座り込む。

 「透…大丈夫か?」

 真実に声をかけられる。

 「俺は大丈夫だから…。ごめん。水野さん泣かせた…。」

 真実が頭を撫でてくる。

 「どうして泉を振ったお前が泣くんだよ。」

 …。

 「お前は自分にそれ以上罰を与える必要ないんだ。お前が悪かったわけでも何でもないだろ?」

 …。

 「お前はいつ自分自身を救ってやるんだ?」

 …。

 「透、自分が幸せになる方法を選べ」

 真実に撫でられ気づくとぼろぼろと涙を流していた。

 真実はただ黙って頭を撫で続けてくれた。



 
 真実ってお父さんみたいだな…。

 きっとそう言ったら真実は怒るだろうから黙って歩く。

 


 
 家に帰ると浅川さんと泉が一緒にベッドで寝ている。

 2人の頬には涙の跡がついていた。

 真実は2人の頭をそっと撫でる。

 
 …やっぱり真実はお父さんだな…。

 そう思った。

 
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