◆君と一緒にいられたら…〜青海透の恋愛事情

青海

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苛立ちと

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 「泉、俺のシャンプー無くなったから借りた」

 真実が上半身裸のまま泉に話しかけている。

 「うん。分かった。」

 泉は顔を上げてちらっと真実を見る。

 そのまま視線を手元に戻して料理を続ける。

 真実はハーフパンツ姿で冷蔵庫から飲み物を取り出し部屋に戻っていく。




 しばらくすると海くんも真実と入れ違いでお風呂に入ったのか上半身裸のまま出てきた…。

 「泉、今日ご飯なに?」

 泉は海くんを見る。
 
 「今日はカレーだよ。」

 「やったっ!泉のカレー大好きなんだ!」

 そう言いながら部屋に戻っていく…。


 
 


 久々に泉と一緒に料理ができて嬉しかった。

 最近何かと泉といようとすると海くんが割って入ってくることが多い。

 

 今日は久々に泉と一緒に過ごせると思っていた…。

 

 「泉、手伝わせてっ!」

 海くんが透を押しのけるように入ってきた。

 「…じゃあ俺…風呂入ってこようかな…。」

 何となく居づらくなりキッチンを出る。




 部屋で着替えていると泉が部屋に来た。

 「透…ちょっといい?」

 慌てているのかノックもせずに入ってくる泉。

 上半身裸の透を見て真っ赤になって部屋を出る。

 「あっ!…ごめんなさいっ!」

 泉の反応に少しショックを受けながら上着を着て泉を部屋に入れた。

 「…何か…用?」

 泉を見る。

 「あ、あのっ…。」

 しどろもどろな泉…。

 「見たくないもの見ちゃうから…ノックぐらいしなよ…。そしたら俺だって服くらい着るから…。」

 ハッとしたように顔を上げる泉。

 泉の視線から逃げるように部屋を出る。

 

 何だか無性に苛立って仕方なかった。

 そのままお風呂に入る。

 鏡に映る自分の体を見る。

 …大分薄くなったとはいえ…。

 見ていて気持ちのいいものではないだろう…。


 
 …嫌な言い方しちゃったな…。

 浴槽に身を沈めながら反省していた…。



 多分苛立っていたのは海くんに泉を取られたからだ…。

 泉には関係ないことだった…。


 
 罪悪感に駆られ始めていると脱衣所から泉の声がした。

 「透…。」

 「!?」

 ちょっとまって…ここお風呂…。

 曇りガラスの向こう側に泉が立っている…。

 「ど、どうしたのっ、ちょっと…。」

 こっちは全裸なんだけど…。

 「あのね…。」

 

 「透!悪い、入るぞ?」

 脱衣所の外で真実の声がした。

 …これはマズイ…。

 泉とお風呂に入ってるなんて思われたら…。

 浴槽から上がり腰にタオルを巻き付ける。

 そっとガラス戸を開けて泉を中に入れる。

 ガラス戸に泉が透けてしまわないよう背中で隠す。

 「何?いいよ?」

 ガラス戸の向こうに真実が現れる。

 「ワルイ…腕時計忘れた…。」
 
 …ああ。真実の時計が確かに置いてあった…。


 「あ、あった??」

 少し声がうわずってしまうが何とか声を出す。

 ガラス戸の向こうで真実がこっちを見ているようなそぶりを見せる。

 「ん?…ああ…悪いな…。ゆっくり入ってていいからな。」

 真実がそう言い残して脱衣所から出て行った…。

 気のせいか笑っているような…。

 
 
 


 ドアの外で海くんが泉を呼んでいる声がする。

 真実が海くんを宥めているようだ。

 「泉だって一人になりたい時くらいあるだろっ!放っておけ!邪魔するなよ!」

 

 
 「…助かった…。」

 ほっと息を吐く。

 
 
 ふと泉が背中に抱き着いているのに気づく。

 泉の胸が…背中に当っている…。

 「泉…ちょっと…離してっ!」

 「透、ごめんねっ!」
 
 泉の手が下腹部に触れかかっていて…。

 「泉、分かったから…落ち着いてっ!」

 慌てて泉の腕を離そうとするが泉がますます抱き着いてくる。

 「泉っ…離してっ!マズイって…!」

 あっという間下半身に血液が集中して…戦闘態勢になってしまった…。

 挙句にタオルが外れて足元に落ちてるし…。

 そんな状況に気づいていない泉が足を滑らせたのか体がズレる。

 先端が泉の手に触れて…。




 ★


 
 「泉…本当にごめんなさい…。」

 泉に平謝りする。

 


 服を着て、唖然としている泉の手を洗い、泉を透の部屋に引っ張り込んで…。

 真っ赤な顔で泣きそうな顔の泉…。


 そりゃあそうだ…。

 男のあんなところに触ってしまった挙句にその手に出されるなんて思ってなかっただろう…。


 …もう許してくれないだろうな…。

 そう思っても謝ることしか出来なかった。



 もう土下座でも何でも…。

 泉の脚元に座る。

 床に頭を擦りつけながら泉に謝った。

 「本当にごめん…なんなら俺自分の家に戻るよっ!泉だって俺が一緒じゃ安心して暮らせないだろっ!」

 泉が驚いたように顔を上げる。

 
 
 「あっ…違うのっ…驚いただけだからっ!」

 戸惑った様子の泉。

 「頭では分かってるつもりだったんだけど…。ダメだな…。私…。」

 「…?」

 「真実とか海くんの体は…子供のころに一緒にお風呂に入ってたからもう今更感で見ても何とも思わないんだけど…透は…。透の裸見ちゃうと…何か…私…。」

 泉は両手で顔を覆う。

 「真実と同じ身体だって分かってるんだけど…どうしても透の体見ると…意識しちゃって…。」

 …。

 あれ…?

 「…泉さっきのこと…怒ってないの?」

 泉は赤くなり困ったように笑った。

 「ちょっとびっくりしたけど…」


 「…。」

 「私のせいで…ああなっちゃったんなら…。そもそも透のお風呂中に入っていった私にが責任もあるし…。」

 ほっとして体から力が抜ける。

 「生理的にああなっちゃうってのはちゃんと分かってるから…。大丈夫だよ。」

 泉の足元に座り込む。

 「本当にごめん…なるべく気をつけるから…。」

 泉が傍にしゃがみこんだ。

 「…それに私…透だったから…。嫌じゃ無かったよ。」

 「…。」

 泉の匂いがしたと思ったら頬に泉の唇が触れた。

 「透、大好き。」

 泉が微笑んで抱きしめてくれた。

 「泉…。」

 泉が透の頭にそっと触れた。


 「ご飯にしよう?落ち着いたらきてね?」

 
 
 

 
 
 
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