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水野家
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海くんが寮に入ったタイミングで水野家に戻る。
寮で気の合う友達でも出来たのか海くんは教室にも来なくなった。
同じくらいのタイミングで泉の両親の出張が終わり夏休み明けには家に戻ってくることが分かった。
泉の両親はこのまま一緒に暮らそうと言ってくれたけど…。
自分の家に戻ることにした。
平日は水野家で暮らして週末は自分の家で過ごす。
少しづつ家の中を片付けていく。
もう着る者が居ない義母の服。
義父の服はそのまま透が着れそうな物があった。
義父が着ていたスーツを着てみる。
少し大きかったが変ではないはずだ。
側で片付けてを手伝ってくれた泉が赤くなる。
「透…スーツ姿…格好いいね。」
「…。ごめん、手伝ってくれてるのに遊んじゃった。」
泉が笑ってくれる。
★
「透、本当にこの家に戻っちゃうの?」
泉が少し寂しそうな顔をする。
どのみち高校を卒業したら一人暮らしをするつもりだった。
それにこの家を手放すことも決められなかった。
「泉、鍵はそのまま持ってて良いから。いつでも遊びに来てよ。それか…高校卒業したら…一緒にここに住む?」
「…いいの?」
泉が照れたように笑った。
「あ、でも泉の両親が良いって言ってくれたらだけど。」
「うんっ!良いよっ!」
あっさりと返事してくれる泉が抱きついてくる。
…え!?
そんな簡単に返事しちゃって良いのか?
思わず泉の顔を見つめる。
「私だって透の事好きだしずっと一緒に居たいって思ってたよ。」
家の片付けが少しづつ進んでいく。
真実が待つ水野家に帰る。
一日片付けを手伝ってくれた泉へのお礼と、心配してくれる真実への感謝の気持ちを込めて今日は透が夕飯を作る。
泉が久しぶりだからと一緒に作りたがっていたが先にお風呂に入らせる。
今日の夕飯は唐揚げだ!
バイト先で教えてもらったあのレシピで作る。
ニンニクと生姜もたっぷり入れて!
サラダも一緒に作ろう!
ちょうど夕飯が出来上がる頃に泉はお風呂から出てきたし、真実もちょうど部屋から出てきた。
「ん…旨そうな匂いだな。」
「本当…生姜のいい匂いがするね。」
みんなで食卓につく。
「いただきます」
…揃って食べる食事はやっぱりいいなと思う。
泉と真実はニコニコしながら唐揚げを食べてくれる。
「透が作ってくれた唐揚げ美味しいねっ!」
いつもより食べてくれる泉。
「ああ。本当…旨いな!」
真実も食べ盛りらしい勢いで唐揚げを頬張る。
自分が作ったものを誰かがこんな風に食べてくれるのって嬉しいと心から思った。
★
「浅川さん、この前はありがとう!これ…良かったら食べて?」
昨日多めに作った唐揚げをパンに挟んで作った唐揚げサンド。
昨日の今日だったけどお昼のお弁当用にみんなの分を作った。
久々の晴れ間だったので学校の屋上で浅川さんと泉、真実と一緒にお昼を食べた。
「青海くん…ありがとうっ」
浅川さんが唐揚げサンドを一口食べるなり泉に言う。
「水野さん、青海くんと結婚すれば食事は安泰ね!」
「!!」
泉が真っ赤になる。
「浅川さんっ何言ってるんだよっ!」
カッと耳まで赤くなっていくのが自分でもわかった。
「…まだ先の話だろ。」
真実は相変わらず冷静だった。
むせ始めてしまった泉の背中を撫でながら飲み物を渡す。
泉を介抱しているとさらに浅川さんが言う。
「もう夫婦みたいね。いい奥さんだわ、青海くん。」
飲み物を飲もうとしていた泉が咳き込む。
「浅川さんってばっ!!」
透の叫び声が青空に響きながら吸い込まれていった。
寮で気の合う友達でも出来たのか海くんは教室にも来なくなった。
同じくらいのタイミングで泉の両親の出張が終わり夏休み明けには家に戻ってくることが分かった。
泉の両親はこのまま一緒に暮らそうと言ってくれたけど…。
自分の家に戻ることにした。
平日は水野家で暮らして週末は自分の家で過ごす。
少しづつ家の中を片付けていく。
もう着る者が居ない義母の服。
義父の服はそのまま透が着れそうな物があった。
義父が着ていたスーツを着てみる。
少し大きかったが変ではないはずだ。
側で片付けてを手伝ってくれた泉が赤くなる。
「透…スーツ姿…格好いいね。」
「…。ごめん、手伝ってくれてるのに遊んじゃった。」
泉が笑ってくれる。
★
「透、本当にこの家に戻っちゃうの?」
泉が少し寂しそうな顔をする。
どのみち高校を卒業したら一人暮らしをするつもりだった。
それにこの家を手放すことも決められなかった。
「泉、鍵はそのまま持ってて良いから。いつでも遊びに来てよ。それか…高校卒業したら…一緒にここに住む?」
「…いいの?」
泉が照れたように笑った。
「あ、でも泉の両親が良いって言ってくれたらだけど。」
「うんっ!良いよっ!」
あっさりと返事してくれる泉が抱きついてくる。
…え!?
そんな簡単に返事しちゃって良いのか?
思わず泉の顔を見つめる。
「私だって透の事好きだしずっと一緒に居たいって思ってたよ。」
家の片付けが少しづつ進んでいく。
真実が待つ水野家に帰る。
一日片付けを手伝ってくれた泉へのお礼と、心配してくれる真実への感謝の気持ちを込めて今日は透が夕飯を作る。
泉が久しぶりだからと一緒に作りたがっていたが先にお風呂に入らせる。
今日の夕飯は唐揚げだ!
バイト先で教えてもらったあのレシピで作る。
ニンニクと生姜もたっぷり入れて!
サラダも一緒に作ろう!
ちょうど夕飯が出来上がる頃に泉はお風呂から出てきたし、真実もちょうど部屋から出てきた。
「ん…旨そうな匂いだな。」
「本当…生姜のいい匂いがするね。」
みんなで食卓につく。
「いただきます」
…揃って食べる食事はやっぱりいいなと思う。
泉と真実はニコニコしながら唐揚げを食べてくれる。
「透が作ってくれた唐揚げ美味しいねっ!」
いつもより食べてくれる泉。
「ああ。本当…旨いな!」
真実も食べ盛りらしい勢いで唐揚げを頬張る。
自分が作ったものを誰かがこんな風に食べてくれるのって嬉しいと心から思った。
★
「浅川さん、この前はありがとう!これ…良かったら食べて?」
昨日多めに作った唐揚げをパンに挟んで作った唐揚げサンド。
昨日の今日だったけどお昼のお弁当用にみんなの分を作った。
久々の晴れ間だったので学校の屋上で浅川さんと泉、真実と一緒にお昼を食べた。
「青海くん…ありがとうっ」
浅川さんが唐揚げサンドを一口食べるなり泉に言う。
「水野さん、青海くんと結婚すれば食事は安泰ね!」
「!!」
泉が真っ赤になる。
「浅川さんっ何言ってるんだよっ!」
カッと耳まで赤くなっていくのが自分でもわかった。
「…まだ先の話だろ。」
真実は相変わらず冷静だった。
むせ始めてしまった泉の背中を撫でながら飲み物を渡す。
泉を介抱しているとさらに浅川さんが言う。
「もう夫婦みたいね。いい奥さんだわ、青海くん。」
飲み物を飲もうとしていた泉が咳き込む。
「浅川さんってばっ!!」
透の叫び声が青空に響きながら吸い込まれていった。
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