◆君と一緒にいられたら…〜青海透の恋愛事情

青海

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台風一過

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 「んんっ…あっつい…。」

 暑さで起きると目の前に真実の背中…。

 真実の背中にくっついて眠っていた。

 「んんっ…透っ。」

 おまけにベッドで寝たはずの泉まで背中に抱きついている。

 「…。」

 起き上がってエアコンをつける。

 エアコンから送られてくる涼しい空気。

 時計を見るとまだ4時前だ。

 そっと二人を起こさないように元の位置に戻る。

 真実の背中にくっついて、泉を抱き寄せる。

 3人でくっついているととても安心できた。

 


 外はすっかり雨も風も止んで静かになっていた。

 波の音が遠くから聞こえてくる。

 真実の背中に耳を傾けて心臓の鼓動を聞く。
 
 一定のリズムで刻まれる心音と穏やかな寝息を聞いていると自然に眠くなっていった。

 


 ★



 「よう…。」

 真実が怠そうに起きる。

 「…おはよう。」

 真実の頭が寝癖で乱れている。

 「…お前、暑くなかったのか?」

 「…うん。平気。」

 …真実の背中にくっついて眠っていたら真実が起きてしまった。

 なんとなく気まずくなってしまったが真実に頭を撫でられた。

 「…お前…泉よりかわいいんだけど…。」

 なぜか赤くなる真実。

 「…?…泉の方が可愛いだろっ?」

 意味がわからずそう返す。

 真実が優しく笑った。




 「台風通り過ぎたみたいだな。」

 真実の低い声が心地よかった。

 「…うん。雨も止んだね。」

 カーテンの隙間から陽射しが 漏れている。

 なんとなくまだ起きる気になれず、真実も同じようだったのでそのまましばらく床に寝転んでいた。

 
 
 「ん…よく寝たっ!」

 泉も起きたようだ。




 3人でもぞもぞ起き出して階下に降りる。

 もう管理人のおじさん達はすっかり起きていた。

 「おはよう。今日は凄いいい天気だよ。」

 そう言われて外に出る。

 眩しい日差しが視界いっぱいに広がり、少し時間を置いて目が慣れると晴れ渡った青空が広がっていた。

 「台風通り過ぎたばかりだから海も川も荒れてるな。」

 辺りを見回しながら真実が呟く。

 「そうだね。何か草とか散らばってるし。」

 「眩しいっ!」

 泉が背中に額を押し付けてくる。

 


 その日は別荘の周りに散らばった草やらを片付けるのを手伝った。

 管理人のおじさんは困ったような顔をしていたが泉と一緒に騒ぎながら楽しく片付けを手伝っていたら笑ってくれた。

 「こんな事を泉ちゃん達にさせられないと思ってたけれど…。まあ…。」

 おじさんは集めた草をゴミ袋に入れ始める。

 「泉泉っ…。ほらっ!」

 真実が何かを持って泉に近づく。

 …嫌な予感しかない。

 「えっ…ちょっと…来ないでっ!?」

 泉も何か感じたのか逃げ出す。

 「あっ…ちょっとシンジっやめろって!」

 言う間もなく真実が泉の肩に何かを乗せた。

 …。

 泉の悲鳴が辺りに響く。

 泉の肩には大きなカブトムシが乗っている。

 「ああっ…真実ったら!」

 しゃがみこんでしまった泉の肩からカブトムシを取ってあげる。

 泣き出してしまいそうな泉にカブトムシを見せる。

 「もう大丈夫。しかし立派なカブトムシだなあ。」

 しばらく観察してそばにあった樹に放してやる。

 泉を立たせて肩を抱き寄せる。

 「透…ありがとう。」

 微妙な表情の泉にお礼を言われた。

 「ワルイ…カブトムシ見たらつい昔を思い出しちゃって…。」

 悪びれなく笑っている真実。

 「…もういいから早く片付け終わらそうよ。って!ワカメが落ちてる!!何でっ?!」

 驚く透の声に泉と真実が笑った。


 
 
 
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