73 / 102
台風一過
しおりを挟む
「んんっ…あっつい…。」
暑さで起きると目の前に真実の背中…。
真実の背中にくっついて眠っていた。
「んんっ…透っ。」
おまけにベッドで寝たはずの泉まで背中に抱きついている。
「…。」
起き上がってエアコンをつける。
エアコンから送られてくる涼しい空気。
時計を見るとまだ4時前だ。
そっと二人を起こさないように元の位置に戻る。
真実の背中にくっついて、泉を抱き寄せる。
3人でくっついているととても安心できた。
外はすっかり雨も風も止んで静かになっていた。
波の音が遠くから聞こえてくる。
真実の背中に耳を傾けて心臓の鼓動を聞く。
一定のリズムで刻まれる心音と穏やかな寝息を聞いていると自然に眠くなっていった。
★
「よう…。」
真実が怠そうに起きる。
「…おはよう。」
真実の頭が寝癖で乱れている。
「…お前、暑くなかったのか?」
「…うん。平気。」
…真実の背中にくっついて眠っていたら真実が起きてしまった。
なんとなく気まずくなってしまったが真実に頭を撫でられた。
「…お前…泉よりかわいいんだけど…。」
なぜか赤くなる真実。
「…?…泉の方が可愛いだろっ?」
意味がわからずそう返す。
真実が優しく笑った。
「台風通り過ぎたみたいだな。」
真実の低い声が心地よかった。
「…うん。雨も止んだね。」
カーテンの隙間から陽射しが 漏れている。
なんとなくまだ起きる気になれず、真実も同じようだったのでそのまましばらく床に寝転んでいた。
「ん…よく寝たっ!」
泉も起きたようだ。
3人でもぞもぞ起き出して階下に降りる。
もう管理人のおじさん達はすっかり起きていた。
「おはよう。今日は凄いいい天気だよ。」
そう言われて外に出る。
眩しい日差しが視界いっぱいに広がり、少し時間を置いて目が慣れると晴れ渡った青空が広がっていた。
「台風通り過ぎたばかりだから海も川も荒れてるな。」
辺りを見回しながら真実が呟く。
「そうだね。何か草とか散らばってるし。」
「眩しいっ!」
泉が背中に額を押し付けてくる。
その日は別荘の周りに散らばった草やらを片付けるのを手伝った。
管理人のおじさんは困ったような顔をしていたが泉と一緒に騒ぎながら楽しく片付けを手伝っていたら笑ってくれた。
「こんな事を泉ちゃん達にさせられないと思ってたけれど…。まあ…。」
おじさんは集めた草をゴミ袋に入れ始める。
「泉泉っ…。ほらっ!」
真実が何かを持って泉に近づく。
…嫌な予感しかない。
「えっ…ちょっと…来ないでっ!?」
泉も何か感じたのか逃げ出す。
「あっ…ちょっとシンジっやめろって!」
言う間もなく真実が泉の肩に何かを乗せた。
…。
泉の悲鳴が辺りに響く。
泉の肩には大きなカブトムシが乗っている。
「ああっ…真実ったら!」
しゃがみこんでしまった泉の肩からカブトムシを取ってあげる。
泣き出してしまいそうな泉にカブトムシを見せる。
「もう大丈夫。しかし立派なカブトムシだなあ。」
しばらく観察してそばにあった樹に放してやる。
泉を立たせて肩を抱き寄せる。
「透…ありがとう。」
微妙な表情の泉にお礼を言われた。
「ワルイ…カブトムシ見たらつい昔を思い出しちゃって…。」
悪びれなく笑っている真実。
「…もういいから早く片付け終わらそうよ。って!ワカメが落ちてる!!何でっ?!」
驚く透の声に泉と真実が笑った。
暑さで起きると目の前に真実の背中…。
真実の背中にくっついて眠っていた。
「んんっ…透っ。」
おまけにベッドで寝たはずの泉まで背中に抱きついている。
「…。」
起き上がってエアコンをつける。
エアコンから送られてくる涼しい空気。
時計を見るとまだ4時前だ。
そっと二人を起こさないように元の位置に戻る。
真実の背中にくっついて、泉を抱き寄せる。
3人でくっついているととても安心できた。
外はすっかり雨も風も止んで静かになっていた。
波の音が遠くから聞こえてくる。
真実の背中に耳を傾けて心臓の鼓動を聞く。
一定のリズムで刻まれる心音と穏やかな寝息を聞いていると自然に眠くなっていった。
★
「よう…。」
真実が怠そうに起きる。
「…おはよう。」
真実の頭が寝癖で乱れている。
「…お前、暑くなかったのか?」
「…うん。平気。」
…真実の背中にくっついて眠っていたら真実が起きてしまった。
なんとなく気まずくなってしまったが真実に頭を撫でられた。
「…お前…泉よりかわいいんだけど…。」
なぜか赤くなる真実。
「…?…泉の方が可愛いだろっ?」
意味がわからずそう返す。
真実が優しく笑った。
「台風通り過ぎたみたいだな。」
真実の低い声が心地よかった。
「…うん。雨も止んだね。」
カーテンの隙間から陽射しが 漏れている。
なんとなくまだ起きる気になれず、真実も同じようだったのでそのまましばらく床に寝転んでいた。
「ん…よく寝たっ!」
泉も起きたようだ。
3人でもぞもぞ起き出して階下に降りる。
もう管理人のおじさん達はすっかり起きていた。
「おはよう。今日は凄いいい天気だよ。」
そう言われて外に出る。
眩しい日差しが視界いっぱいに広がり、少し時間を置いて目が慣れると晴れ渡った青空が広がっていた。
「台風通り過ぎたばかりだから海も川も荒れてるな。」
辺りを見回しながら真実が呟く。
「そうだね。何か草とか散らばってるし。」
「眩しいっ!」
泉が背中に額を押し付けてくる。
その日は別荘の周りに散らばった草やらを片付けるのを手伝った。
管理人のおじさんは困ったような顔をしていたが泉と一緒に騒ぎながら楽しく片付けを手伝っていたら笑ってくれた。
「こんな事を泉ちゃん達にさせられないと思ってたけれど…。まあ…。」
おじさんは集めた草をゴミ袋に入れ始める。
「泉泉っ…。ほらっ!」
真実が何かを持って泉に近づく。
…嫌な予感しかない。
「えっ…ちょっと…来ないでっ!?」
泉も何か感じたのか逃げ出す。
「あっ…ちょっとシンジっやめろって!」
言う間もなく真実が泉の肩に何かを乗せた。
…。
泉の悲鳴が辺りに響く。
泉の肩には大きなカブトムシが乗っている。
「ああっ…真実ったら!」
しゃがみこんでしまった泉の肩からカブトムシを取ってあげる。
泣き出してしまいそうな泉にカブトムシを見せる。
「もう大丈夫。しかし立派なカブトムシだなあ。」
しばらく観察してそばにあった樹に放してやる。
泉を立たせて肩を抱き寄せる。
「透…ありがとう。」
微妙な表情の泉にお礼を言われた。
「ワルイ…カブトムシ見たらつい昔を思い出しちゃって…。」
悪びれなく笑っている真実。
「…もういいから早く片付け終わらそうよ。って!ワカメが落ちてる!!何でっ?!」
驚く透の声に泉と真実が笑った。
0
あなたにおすすめの小説
結婚する事に決めたから
KONAN
恋愛
私は既婚者です。
新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。
まずは、離婚してから行動を起こします。
主な登場人物
東條なお
似ている芸能人
○原隼人さん
32歳既婚。
中学、高校はテニス部
電気工事の資格と実務経験あり。
車、バイク、船の免許を持っている。
現在、新聞販売店所長代理。
趣味はイカ釣り。
竹田みさき
似ている芸能人
○野芽衣さん
32歳未婚、シングルマザー
医療事務
息子1人
親分(大島)
似ている芸能人
○田新太さん
70代
施設の送迎運転手
板金屋(大倉)
似ている芸能人
○藤大樹さん
23歳
介護助手
理学療法士になる為、勉強中
よっしー課長(吉本)
似ている芸能人
○倉涼子さん
施設医療事務課長
登山が趣味
o谷事務長
○重豊さん
施設医療事務事務長
腰痛持ち
池さん
似ている芸能人
○田あき子さん
居宅部門管理者
看護師
下山さん(ともさん)
似ている芸能人
○地真央さん
医療事務
息子と娘はテニス選手
t助
似ている芸能人
○ツオくん(アニメ)
施設医療事務事務長
o谷事務長異動後の事務長
雄一郎 ゆういちろう
似ている芸能人
○鹿央士さん
弟の同級生
中学テニス部
高校陸上部
大学帰宅部
髪の赤い看護師(川木えみ)
似ている芸能人
○田來未さん
准看護師
ヤンキー
怖い
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
その出会い、運命につき。
あさの紅茶
恋愛
背が高いことがコンプレックスの平野つばさが働く薬局に、つばさよりも背の高い胡桃洋平がやってきた。かっこよかったなと思っていたところ、雨の日にまさかの再会。そしてご飯を食べに行くことに。知れば知るほど彼を好きになってしまうつばさ。そんなある日、洋平と背の低い可愛らしい女性が歩いているところを偶然目撃。しかもその女性の名字も“胡桃”だった。つばさの恋はまさか不倫?!悩むつばさに洋平から次のお誘いが……。
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした〜
ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。
イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。
8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。
※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる