◆君と一緒にいられたら…〜青海透の恋愛事情

青海

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浄蓮の滝へ…。

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 「きゃっ!」

 「あ、泉大丈夫?滑るからゆっくりで良いよ?」


 台風もすっかり去って、また暑い日々が始まった。

 もう何日かで旅行も終わりだと言うことで今日は浄蓮の滝に連れてきてもらっていた。

 山間を歩く。

 緑の樹々とシダが生えそろった山道は少し暑さを和らげてくれる。

 前を歩く泉が滑りそうになっていたので手を繋ぐ。

 少し赤くなりながら、でも嬉しそうに手を繋ぐ泉は本当可愛いくてたまらなかった。

 一番前を歩く真実はさっさと行ってしまうし…。




 「っ!」

 再び前を歩く泉が滑った。

 慌てて後ろから泉を抱き支える。

 「泉…本当…ゆっくり行こう?って…ごめんっ!!」

 後ろから泉のおっぱいを掴んでしまっていた。

 慌てて離そうと思ったが泉の体勢が崩れたままで離せない。

 …超柔らかい…。

 無意識に指先で泉の乳首のあたりを触ってしまう。

 「んんっ!」

 泉がピクンとしながら体勢を立て直す。

 「…ありがとうっ。」

 泉は真っ赤になりながらも再び手を繋いでくれた。

 「…本当…ごめん…。」

 泉に謝りながらも泉の首筋に目がいってしまう…。

 流石に泉も暑かったようで今日はセミロングの髪を後ろで縛っていた。

 そのせいで泉の後ろを歩いていると綺麗なうなじと首筋が見える。

 …本当…綺麗だな…。






 そろそろ滝が近いのか、ザザザッと水の流れる音が大きくなって来た。

 観光客用に山道には手摺が設けられていたので時折掴まりながら滝の側まで歩きづづけた。


 

 「あ、透…滝が見えたよ!」

 前を歩いていた泉が振り返る。

 「…ああ…。

 「…?透?」

 泉が不思議そうな顔をする。

 …笑わなきゃ…。

 …そう思ったが身体が言うことを聞かなかった。

 泉が心配そうな顔をしながら立ち止まる。

 その泉の横を通り過ぎて、ちょうど手すりが途切れている場所まで歩く。

 「透?」

 泉と手を繋いだままだったので泉もついて来ていた。

 

 ザザザザっと目の前を滝が流れていく…。

 …探さなきゃ…。

 …見つけ出せばきっとまたあの人が…。

 ふっと知らない男の顔が思い浮かんだ。

 …オレはこんな顔の男を知らない…。

 …では誰の記憶なんだろう…。



 
 「透っ!!」

 滝に向かって一歩踏み出そうとした瞬間泉に引っ張られる。

 …まずい…。

 このままじゃ泉まで落ちる…。



 咄嗟に泉の手を振り払った。

 その瞬間意志に反して動く身体が地面を蹴り、滝に向かって身体を投げ出していた。



 一瞬身体が浮かんだと思った。

 次の瞬間には体に衝撃と、猛烈な痛みと刺激が走った。

 世界が暗転し、水中に沈む感覚…。
 
 …あ、落ちたんだと思った。


 
 身体を動かし、もがくがどちらが水面なのか分からなかった。

 ふと目を開ける。

 なぜかそこだけ見える。

 …水底に酷く錆びたような塊…。

 あれはただの石ではない…。


 

 …身体が沈んでいく…。

 もう少しで…あれが手に入る…。

 無意識に手を伸ばす。

 

 あれがあれば…きっとまたあの人が逢いに来てくれる…。

 


 不意に誰かに身体を掴まれる。

 驚いていると不意に視界に入ったのは真実だった。

 …真実は必死な形相で透を抱きしめる。

 真実に水中で抱きしめられると何故かとても嬉しくなった。

 ああ…あれがなくても逢いに来てくれたのか…。

 思わず真実に抱きつくと真実は驚いたように、しかし抱きしめ返してくれた。

 

 …ああ…。

 幸福感に包まれていたらふっと何かが身体の中から抜けていった。

 一気に身体が軽くなり、浮遊感が増した。




 「おいっ!大丈夫かっ!?」

 真実が心配そうに顔を覗き込んでくる。

 「…うん。」

 何が起きたのか分からずに頷く。



 滝のそばの、岩場に寝かされていた。

 全身はずぶ濡れで、服が肌に張り付いて気持ち悪い。

 「透っ!」

 泉が走ってくるのが見えた。

 泉、走ると危ないよ…。

 注意しようとしたが泉はあっさり駆けつける。



 「透…大丈夫!?」

 泣きそうな顔をしながら透の額に触れる泉。

 …ああやっぱり泉はかわいいな。

 木漏れ日を受けながら見下ろしてくる泉は美しかった。

 


 ★



 幸い早い時間で人が居なかった為騒ぎにならずに済んだ。

 真実と二人してビチャビチャになりながらも来た道を戻る。

 水には濡れたが、夏の暑さのおかげで寒くは無かった。

 

 滝のそばでふざけていたら二人して滝に落ちたと管理人のおじさんに真実が言うと、おじさんは心配しながらも楽しげに笑ってくれた。


 
 借りたタオルをシートに敷き真実と座る。

 風邪を引くからと今日はこのまま帰ることになった。

 車はみんなを乗せて別荘に向かう。

 


 車の窓から入ってくる暑い風がとても心地よかったし、二人をすぐに乾かしていった。




 

 
 
 


 
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