3 / 87
過去の自分と…
しおりを挟む
久しぶりに夢を見ていた。
寒々とした冬の川辺で一人、座り込んでいる。
辺りは暗くなりかけていたがまだ帰れなかった。
寒くて仕方なかった。
冬の寒空の下、自分が身につけているのは半ズボンに薄い上着一枚だ。
…寒くない方がおかしい。
とっくに夕方を知らせる町内放送は聞いたが、預かってくれているおじさんには七時まで帰ってくるなと言われていたので帰れなかった。
…身体の感覚はとうになくなっている。
…寒い…
とその時少し離れた草むらがガサガサっと動いて、驚いたが声を出せずにただその場所を見つめる。
ニャーンッ…
真っ白で大きな野良猫だった。
…ねこ…
何も考えられずにその猫を見ていると目を細めながらそばにやってきた。
大きな白猫は透の体にスリスリと身体を擦り付けて、透の膝の上に座った。
…身体は大きいのに、重くないんだ…でもすごくあったかい…
そっと顎の下を撫でてやると猫は気持ち良さげに目を閉じて、しばらく触らせてくれた。
猫は寒くないんだろうか?
着ていた上着のボタンを外して猫を包む。
猫は嫌がらずにただ透の膝の上で眠り始める。
★
「…透…もう少し寝てようね…」
耳元で泉の声が聞こえて目を覚ます。
あったかくって、柔らかい。
おまけに泉の匂いに包まれている。
…後頭部を撫でられながら、泉に抱きしめられていた。
泉の胸に顔を埋めて眠っていたようだ。
「透…大好きだよ…」
泉はそう言いながら頭を撫で続けてくれる…。
…今は…すごく幸せだ…
思わず涙が出てしまいそうになる。
身体の力を抜いて、そのまましばらく泉に抱かれていた。
昼前までベッドで泉とまったり過ごす。
ゆっくり休ませてあげたかったがお互い我慢できずに朝から肌を合わせて…ぐったりとしながらも幸せそうに目を閉じた泉をベッドに残して、遅い昼食作りを始める。
朝から何度も泉を抱いてしまったので身体は少し怠かったが幸せな気分だった。
時々自分の身体から泉の匂いがするのも好きだった。
昼食の準備ができたら一緒にお風呂に入って、それからご飯にしよう。
泉が隣街のクリスマスマーケットに行きたがっていたし、寒くない格好をさせて…夕飯は外で済ませるか。
色々考えながらカレンダーを眺める。
もう来週はクリスマスだ。
その日はちょうど泉が仕事納めの日だったし、その日までに自分も仕事を終われせれば泉とゆっくり冬季休暇に入れるな…。
毎年この時期は過ぎて行くのがあっという間だった。
クリスマスが来るとすぐに年越し、年明けが来て…
泉と過ごすようになってから、この時期が好きになった。
お互い仕事は忙しかったが、仕事納めが済めば一緒に過ごせたし、泉と過ごす時間はすごく幸せで、大事だった。
泉の事を想いながら探すプレゼント探しは楽しかったし、年明けの二人っきりの旅行は楽しくって…。
…楽しみすぎて、心が落ち着かない。
「透楽しそうだねえっ…」
泉が目を擦りながら起きて来た。
「おはよう、お腹すいたでしょ?でもとりあえず一緒にお風呂入ろうか」
泉を誘ってお風呂に向かう。
…寝起き姿のゆるーい感じの泉も可愛くってたまらなかった。
寒々とした冬の川辺で一人、座り込んでいる。
辺りは暗くなりかけていたがまだ帰れなかった。
寒くて仕方なかった。
冬の寒空の下、自分が身につけているのは半ズボンに薄い上着一枚だ。
…寒くない方がおかしい。
とっくに夕方を知らせる町内放送は聞いたが、預かってくれているおじさんには七時まで帰ってくるなと言われていたので帰れなかった。
…身体の感覚はとうになくなっている。
…寒い…
とその時少し離れた草むらがガサガサっと動いて、驚いたが声を出せずにただその場所を見つめる。
ニャーンッ…
真っ白で大きな野良猫だった。
…ねこ…
何も考えられずにその猫を見ていると目を細めながらそばにやってきた。
大きな白猫は透の体にスリスリと身体を擦り付けて、透の膝の上に座った。
…身体は大きいのに、重くないんだ…でもすごくあったかい…
そっと顎の下を撫でてやると猫は気持ち良さげに目を閉じて、しばらく触らせてくれた。
猫は寒くないんだろうか?
着ていた上着のボタンを外して猫を包む。
猫は嫌がらずにただ透の膝の上で眠り始める。
★
「…透…もう少し寝てようね…」
耳元で泉の声が聞こえて目を覚ます。
あったかくって、柔らかい。
おまけに泉の匂いに包まれている。
…後頭部を撫でられながら、泉に抱きしめられていた。
泉の胸に顔を埋めて眠っていたようだ。
「透…大好きだよ…」
泉はそう言いながら頭を撫で続けてくれる…。
…今は…すごく幸せだ…
思わず涙が出てしまいそうになる。
身体の力を抜いて、そのまましばらく泉に抱かれていた。
昼前までベッドで泉とまったり過ごす。
ゆっくり休ませてあげたかったがお互い我慢できずに朝から肌を合わせて…ぐったりとしながらも幸せそうに目を閉じた泉をベッドに残して、遅い昼食作りを始める。
朝から何度も泉を抱いてしまったので身体は少し怠かったが幸せな気分だった。
時々自分の身体から泉の匂いがするのも好きだった。
昼食の準備ができたら一緒にお風呂に入って、それからご飯にしよう。
泉が隣街のクリスマスマーケットに行きたがっていたし、寒くない格好をさせて…夕飯は外で済ませるか。
色々考えながらカレンダーを眺める。
もう来週はクリスマスだ。
その日はちょうど泉が仕事納めの日だったし、その日までに自分も仕事を終われせれば泉とゆっくり冬季休暇に入れるな…。
毎年この時期は過ぎて行くのがあっという間だった。
クリスマスが来るとすぐに年越し、年明けが来て…
泉と過ごすようになってから、この時期が好きになった。
お互い仕事は忙しかったが、仕事納めが済めば一緒に過ごせたし、泉と過ごす時間はすごく幸せで、大事だった。
泉の事を想いながら探すプレゼント探しは楽しかったし、年明けの二人っきりの旅行は楽しくって…。
…楽しみすぎて、心が落ち着かない。
「透楽しそうだねえっ…」
泉が目を擦りながら起きて来た。
「おはよう、お腹すいたでしょ?でもとりあえず一緒にお風呂入ろうか」
泉を誘ってお風呂に向かう。
…寝起き姿のゆるーい感じの泉も可愛くってたまらなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる