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クリスマスマーケットに行こう
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「透…このオーナメントかわいいっ」
泉がサンタのオーナメントを持ってくる。
「本当だね。それ買ってあげるよ。一個でいいの?」
「うん、毎年お気に入りのをひとつづつ増やして行こうかなって…」
泉が照れたように笑った。
…そう言えば去年も何か飾りを買ってたよな…。
…去年も確かサンタだったような…
毎年リビングに出しているクリスマスツリーとは別に、泉は自室にも小さなツリーを飾っていた。
リビングのツリーはクリスマスが終わればしまっていたが、泉の部屋のツリーは一年中飾ってある。
…深くは気にせず、ああ、好きなんだな…と思っていたが…。
よくよく思い返すと泉には毎年サンタのオーナメントをあげている。
一番最初は確か、高校の時の最初のクリスマスだっただろうか?
クリスマスケーキ売りのバイト先のオーナメントがすごく綺麗で、オーナーに貰って帰ったのを泉に渡したのがきっかけだった筈だ。
それ以降、景品で貰った物やら泉とのデート先で買った物やら…。
…でもリビングに飾られたサンタは毎年一体だけだ。
泉は新しいサンタが家に来ると、古いサンタはお役御免とばかりにツリーから外して何処かに持って行っていた。
「今年もそれリビングのツリーに飾るの?」
そう聞くと泉は嬉しそうに頷く。
「泉、サンタじゃなくって他のも買おうか?あっちにほら、なんか綺麗なのもあるよ?」
キラリと輝く貝殻のオーナメントを見せるが泉の反応は薄い。
「うーん…いいの。これ一個で」
「…でも毎年サンタだよね?サンタばっかで飽きない?…でも家のリビングにはサンタって一個だけだよね。去年のは…何処に…?」
そう聞くと泉が少し赤くなる。
「…私の部屋にあるよ?何か…クリスマスツリーしまうの勿体なくって…」
…。
泉の部屋のクリスマスツリーを思い出そうとするが思い出せない。
…大抵泉の部屋に行くときは泉ばっかり見ていたので…そもそも他の場所なんて見ていないことに気づく。
「…そうなんだ。泉クリスマスツリー好きだねえ…」
嬉しそうに頷く泉の背中を抱く。
クリスマスマーケットにはいろんなものや食べ物が売っていた。
ドイツのウインナーやらホットワインを呑みながらマーケットを回る。
キラキラして、華やかでカラフルなマーケット。
色々見たり触ったりしながらニコニコ笑う泉と過ごせるのはとても楽しかった。
泉の吐く息も真っ白で、寒かったが心はあったかくて、幸せだ。
「来年も一緒に来ようね?」
イルミネーションを観ながら歩いていると泉がそう言いながらも抱きついてき
た。
「そうだね。でもいつか…ドイツのクリスマスマーケットとか行きたいねえ」
写真でしか未だ見たことはなかったが、面白そうだったな…。
「あ、ドイツならお城見に行きたいなっ」
泉を抱きしめながらイルミネーションの木の下でそっとキスをした。
「二人で行こうね」
★
家に帰るとやっぱり泉はリビングに飾ってあったクリスマスツリーから去年買ったサンタのオーナメントを外している。
さっき買ってあげたサンタのオーナメントをツリーに飾って、泉は古い…去年のオーナメントを手に取る。
「泉…それどうするの?」
…処分なのだろうか?
「これは私の部屋行きだよっ」
泉が嬉しそうにオーナメントを部屋に持って行くのでついて行く。
「ここに飾っておけば一年中楽しめるから…」
すごく嬉しそうに泉の部屋のクリスマスツリーに去年のオーナメントを飾る泉…。
…よく見れば、サンタばかりだ。
…しかもこれ…何年も前に泉にあげたやつだ…。
泉の部屋のツリーにはサンタばかり…どれも見覚えのあるものだった。
「私のサンタさんは透だけだよっ」
泉は照れたように笑う。
ホットワインを呑んだせいか…顔が赤くなっていくのが自分でわかる。
…泉ってばもう…本当に可愛すぎる…
「泉…もう少し大きいツリー…今度買ってあげるね…」
泉の部屋の小さなツリーはもう重そうだ。
もっと大きいのを買って…毎年毎年…サンタのオーナメントを贈り続けようと思った。
…はあ…泉が愛おしすぎる…
泉がサンタのオーナメントを持ってくる。
「本当だね。それ買ってあげるよ。一個でいいの?」
「うん、毎年お気に入りのをひとつづつ増やして行こうかなって…」
泉が照れたように笑った。
…そう言えば去年も何か飾りを買ってたよな…。
…去年も確かサンタだったような…
毎年リビングに出しているクリスマスツリーとは別に、泉は自室にも小さなツリーを飾っていた。
リビングのツリーはクリスマスが終わればしまっていたが、泉の部屋のツリーは一年中飾ってある。
…深くは気にせず、ああ、好きなんだな…と思っていたが…。
よくよく思い返すと泉には毎年サンタのオーナメントをあげている。
一番最初は確か、高校の時の最初のクリスマスだっただろうか?
クリスマスケーキ売りのバイト先のオーナメントがすごく綺麗で、オーナーに貰って帰ったのを泉に渡したのがきっかけだった筈だ。
それ以降、景品で貰った物やら泉とのデート先で買った物やら…。
…でもリビングに飾られたサンタは毎年一体だけだ。
泉は新しいサンタが家に来ると、古いサンタはお役御免とばかりにツリーから外して何処かに持って行っていた。
「今年もそれリビングのツリーに飾るの?」
そう聞くと泉は嬉しそうに頷く。
「泉、サンタじゃなくって他のも買おうか?あっちにほら、なんか綺麗なのもあるよ?」
キラリと輝く貝殻のオーナメントを見せるが泉の反応は薄い。
「うーん…いいの。これ一個で」
「…でも毎年サンタだよね?サンタばっかで飽きない?…でも家のリビングにはサンタって一個だけだよね。去年のは…何処に…?」
そう聞くと泉が少し赤くなる。
「…私の部屋にあるよ?何か…クリスマスツリーしまうの勿体なくって…」
…。
泉の部屋のクリスマスツリーを思い出そうとするが思い出せない。
…大抵泉の部屋に行くときは泉ばっかり見ていたので…そもそも他の場所なんて見ていないことに気づく。
「…そうなんだ。泉クリスマスツリー好きだねえ…」
嬉しそうに頷く泉の背中を抱く。
クリスマスマーケットにはいろんなものや食べ物が売っていた。
ドイツのウインナーやらホットワインを呑みながらマーケットを回る。
キラキラして、華やかでカラフルなマーケット。
色々見たり触ったりしながらニコニコ笑う泉と過ごせるのはとても楽しかった。
泉の吐く息も真っ白で、寒かったが心はあったかくて、幸せだ。
「来年も一緒に来ようね?」
イルミネーションを観ながら歩いていると泉がそう言いながらも抱きついてき
た。
「そうだね。でもいつか…ドイツのクリスマスマーケットとか行きたいねえ」
写真でしか未だ見たことはなかったが、面白そうだったな…。
「あ、ドイツならお城見に行きたいなっ」
泉を抱きしめながらイルミネーションの木の下でそっとキスをした。
「二人で行こうね」
★
家に帰るとやっぱり泉はリビングに飾ってあったクリスマスツリーから去年買ったサンタのオーナメントを外している。
さっき買ってあげたサンタのオーナメントをツリーに飾って、泉は古い…去年のオーナメントを手に取る。
「泉…それどうするの?」
…処分なのだろうか?
「これは私の部屋行きだよっ」
泉が嬉しそうにオーナメントを部屋に持って行くのでついて行く。
「ここに飾っておけば一年中楽しめるから…」
すごく嬉しそうに泉の部屋のクリスマスツリーに去年のオーナメントを飾る泉…。
…よく見れば、サンタばかりだ。
…しかもこれ…何年も前に泉にあげたやつだ…。
泉の部屋のツリーにはサンタばかり…どれも見覚えのあるものだった。
「私のサンタさんは透だけだよっ」
泉は照れたように笑う。
ホットワインを呑んだせいか…顔が赤くなっていくのが自分でわかる。
…泉ってばもう…本当に可愛すぎる…
「泉…もう少し大きいツリー…今度買ってあげるね…」
泉の部屋の小さなツリーはもう重そうだ。
もっと大きいのを買って…毎年毎年…サンタのオーナメントを贈り続けようと思った。
…はあ…泉が愛おしすぎる…
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