愛を知らない私と僕

こむぎ

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14(悠斗視点)

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「こんばんは~お邪魔しま~す、、、ってあれ?鳴瀬さん夕飯それだけなの?」
玄関に着くと鳴瀬さんが出迎えてくれて中に入れてもらった。
リビングにあった夕飯をみて驚いた。
鳴瀬さんって背が高いし、もっと食べてると思ってた。
ダイエットなのかな?、、、でも、細いもんなぁ、、、とか考えてたら
「え?これ少ないの?」と心外みたいに言われた、、、え?ほんとに?なのになんでそんなに背が高くなったの?

ちょっと待っててと言われリビングで大人しく座って待ってると
「はい、お待たせ」
とキッチンから戻ってきた鳴瀬さんに言われて差し出されたのはあの特性カフェオレで、ありがとうございますと言いながら受け取った。
「で、メールの返事貰ってもいいですか?」
「んぐっ、、、ごほっ」
あ、むせた。唐突すぎた?
「き、急だね?」といって笑顔でこちらを見てきた。
、、、誤魔化そうとしてるな、、、?
「まぁ、こう見えても真剣なので」
“逃がしませんよ”の意味を込めてこちらも笑顔で返す。
すると鳴瀬さんは目を逸らして
「箸忘れてた、、、」とかいってその場から逃げようとした。
そこからは急展開で、俺が鳴瀬さん押し倒して逃げれないようにした。
、、、やっぱ細すぎるよこの人。
優希ちゃんと体格差ここまで出る?
あの子も十分細いけどさ、、、

それに、、、「可愛すぎるでしょ、、、」
両手で顔隠してこっち見ないように必死になってるの見てつい呟いてしまった。
あ、向こうはそれどころじゃないな

「で、鳴瀬さん返事はー?」
と聞けばお昼を食べないからという返事とともに少し隠してた顔を出して上目遣いに見てきた。
少し顔が赤くなってるのも相まって、、、
うん、やめよ。考えたら負けだな、これ。

にしても、避けられてるのか、、、
単に忙しいだけ?
だから「俺の話聞いてくれないんですか?」
って聞いてみた。
うーわ女々しいな、、、ださ。
嫌われてるかもしれないのに、、、
って少し自己嫌悪に陥ってたら
「、、、聞きたいよ、君のこと」と返ってきた
少しびっくりした。
あの時は泣いてたからその場しのぎなんだろうなと思ってたけど、真面目に聞いてくれようとしてたんだって思ったら、嬉しくて。
あぁ、まだ嫌われてないんだって安心した。
だから、また会えるようにって
「じゃあ、夕飯一緒に食べましょう?」
「あ、予定は鳴瀬さんに合わせますね?」
と、デートの約束を取り付けた。
鳴瀬さんは少し戸惑ってたけどちゃんとうなづいてくれて。
「あの、そろそろどいてもらっても?」
と言われたので、少し意地悪したくなった。
、、、この可愛い物体はさんざん人の事煽ってるから、少しぐらい良いよね?

んで、勢い余ってしてしまった、、、キスを、、、
いやいやいや!するつもりはなかったんだよ!
寸止めでやめようと思ったのに鳴瀬さん起き上がろうとするから!!
でも、そんなプチパニックを表に出さず、
「実力行使~♪」とか言って誤魔化す
鳴瀬さんを見てみるとポカンとしてこちらを見ていた。
とりあえず笑っておこう。そして帰ろう。
少し申し訳なく思いながらもリビングをでると、廊下に優希ちゃんが立っていた。
「、、、見てた?」
「ううん、声だけ」
「あちゃーこれはバレちゃったね?」
「うん。知らなかった」
そういう優希ちゃんは少し寂しそうで、悔しそうな顔をしていた。
、、、なんだ、姉を嫌いなわけじゃないのか。
「、、、優希ちゃん?」
黙ってしまった優希ちゃんに呼びかけてみると、顔を上げて
「私は認めない、なる1番は私なの」
と頬をふくらませながら言ってきた。
、、、パードゥン?
え?優希ちゃんそんなキャラ?あれ?
「、、、でも友人なら認めてあげる」
「え?友人?」
「うん、なるがあそこまで自分の感情をあらわにすることってないもの。」
それだけ信頼してるんでしょ、鷹村のこと。
と悔しそうに言われた。
、、、そうなの?喜んでいいこれ?
「そうなんだ。うーん、確約は出来ないけど少なくとも優希ちゃんの“お姉さん”を取るつもりはないよ」

まぁ、いつか恋人になれたらって思うけど

といって笑ったら心を読んだのか優希ちゃんはゆるゆると首を振ってこう言った

「、、、私がなるの一番じゃなくても鷹村がなるの恋人にはなれないよ」
「、、、え?なんで?」
「、、、それは自分で聞いて。ご飯食べるんでしょ?」
「それは、まぁ、、、」
「その時に聞けばいいじゃん。じゃ、もう寝るから。おやすみ」
といって優希ちゃんは部屋に戻って行った。
「ちょっ、優希ちゃん!、、、えぇー?」
爆弾と謎の言葉を残して去っていった優希ちゃんをポカンと眺めながら
“恋人になれない”の意味を悶々と考える羽目になった。
、、、でも織宮家に行ったおかげで母の情事は見なくて済んだし、鳴瀬さんにもデートの約束できたし。
、、、優希ちゃんは謎だったけど。
今度のご飯で聞かなきゃな。
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