6 / 99
6
しおりを挟む
しばらく天気の悪い日が続いたが、久しぶりにすっきりとした青空になった。バルクは塔の外壁を調べていた。天気が悪いからといって何か支障がある仕事でもなかったが、急ぐことでもなかったので、天気が回復するのを待っていたのだ。
塔は石積みで作られていて、時間をかけて無秩序に建て増しされ、中は迷路のようになっている。なるべく古い石を探して、塔の内外を調査していた。ここは、誰がどういう目的で作ったのだろう。かなりの資金と労力をかけて造られたことは間違いない。
(これかな。いや、やっぱりあっちの方が…)
どれも甲乙つけ難く、やはり「専門家」の助言を仰いだ方が良さそうだ、とバルクは思う。
「土、いるかい?」
バルクは塔に呼びかける。
「…ここに」
背後に金色の鎧が現れた。
「『離脱』のポートを作りたいんだけど、いいかな。あと、おすすめの石があれば教えてほしいんだ」
「…それも悪くないが、こっちの方が」
土は塔に入った。
1階は広間になっている。その中心にある石畳を土は指した。
「ありがとう、助かるよ」
バルクは地面に膝をついた。右手人差し指が緑色に光る。その指で、石にサインすると、バルクの名前はしばらく石の上で緑色に光っていたが、やがて吸い込まれるように消えていった。
「これで良し」
「…その石は、自分に名前を刻んだ者をずっと覚えている」
その言葉に込められたもう一つの意味に気づいて、バルクは土を振り仰いだ。砂を払って立ち上がる。
「大丈夫。僕はここにいるつもりだよ。リコが、僕を必要としなくなるまで」
土はわずかにうなずいた。
「…リコは遠ざけられ、隠された娘だ。町で見る同じ年頃の娘たちのように、弾けるように笑ったり、意味もなく歌ったり踊ったりしない。人間の友だちもいなければ、恋も知らなかった。そのリコが。守護者の禁を破ってでも、あなたを手に入れたいと願った」
「…」
「…この塔にいる者たちはみな喜び、祝福している。しかし、それと同じくらい恐れている。リコが、これまで知らなかった深い悲しみの底に落ちるのを」
土は上を見上げた。天窓から差した日差しが、複雑に交差する階段や渡り廊下に遮られている。
「…あんなに嬉しそうなリコを見てしまった後では」
土は顔を戻すと、石畳にズブズブと沈んでいった。
「…話しすぎた」
バルクは、しばらく土の消えたあたりを見つめていた。
「お前さんは、苦労を背負い込む星のもとに生まれてるらしいな」
ジュイユだった。
「苦労だなんて」
「私は、この騒ぎが落ち着いたら、お前さんが何も知らず、ここを去るのが一番いいんじゃないかと思っていた。これでも、かつては人間だった身だ。失うことの辛さも知っている。たがまあ、こうなったことは喜ぶべきなんだろう」
バルクは何を言えばいいかわからず、黙っていた。
「さて、聖域だが」
ジュイユはさっと手を振った。
空中に大きな地図が現れる。
「これは、あの聖域の地図ですか」
「そうだ」
「誰がこんなものを…」
「ここの住人は、いつだって暇を持て余してるのさ」
ハハ、とジュイユは乾いた声で笑った。
「聖域は、かつて、精霊使いの山がまだ活動していた頃、噴火の際に溶岩が作った洞窟だ。脇道はいくつかあるが、基本的には一本道だ。迷う心配はない。知っているとおりだ。お前さんたちが神獣に出会った場所は、ここだ」
ジュイユが指差すと、洞窟の中ほどが光る。
「神獣は活動を活発化させているが、まだ完全に目覚めたわけじゃない。おそらく、火の力を取り込むために、洞窟のさらに奥に潜っていると考えられる。第1の問題は、それにより突破しなければならない距離が延びていることだ。聖域は非常に魔物が出現しやすい場所だ。まあ、だからこそ聖域という名目で近寄ることを禁じてたわけだがな。4体の精霊は、そこにいる魔物どもにどうこうされるようなものではないが、いかんせん、実戦経験がない。生身のリコを守りながらの通過は楽ではない」
「神獣が目を覚ましたことで、出現する魔物に変化はあると思いますか」
「…正直なところ、わからん。しかし、根拠はないのだが、より強力な魔物が出現するようになっているのでは、と思っている。それが第2の問題だ。そして最後に、神獣を眠りから覚ました者と鉢合わせする可能性だ」
「それは何ですか」
バルクは直截に聞いた。
ジュイユはしばらく口を閉ざしていた。
「闇の来訪者」
「まさか」
「これは、あくまで私の予感だ。当たるかもしれないし、外れるかもしれない。わからない。しかしもし、私の予感が正しいなら、お前さんはリコの本当の力を見ることになる。あの子を守ってやってくれ。あの子自身から。頼む…」
「どういう意味ですか。彼女自身から彼女を守るとは」
「闇の精霊だよ」
「それは、あの4体の精霊と同じようなものと考えればいいのですか」
「いや、彼らとは違って、リコの魂に深く結び付けられた存在だ。だが、完全に隷属させているわけではなく、精霊自身の意思を持っている」
「リコの意思に反した行動を取りうるということ」
バルクは動揺を隠せなかった。闇の精霊と敵対するなら、万に一つも勝ち目はない。
「戦って勝つということだけが、リコを守るということじゃない」
ジュイユはバルクの動揺を見て言った。
「闇の精霊をただ殺せばいいというなら、却って簡単なんだ」
「…!」
バルクはある可能性に思い至る。
「リコを、守ってやってくれ」
ジュイユは繰り返した。
リコは自室にいた。椅子に座り、空中に向かって両手を広げている。空中には、4つの光の玉が浮かんでいた。
(4つの力を重ね合わせて…)
赤青黄緑の四つの光の玉が集まり、1つの白い光になる。
しかし、それも一瞬のことで、光はすぐにそれぞれに分離して、小さな粒になり、散ってしまう。
リコは絶望的な気持ちでテーブルに突っ伏した。
「リコ、ちょっと休憩すれば?」
ファミリアがハーブティーの入ったカップをテーブルに置く。
〈ありがとう、ジー〉
「誰でも最初は上手くいかないもんだよ。これは自慢だけど、僕はカップを50個は割ってるからね。でも今では、このとおりさ」
ファミリアのジーは、鼻をひくひくさせた。
〈ジーはえらい〉
リコはファミリアの頭を撫でた。
〈あああー、それに引き換えわたしは。守護者が「封印」を決められなきゃ、意味ないのに…〉
リコは両手で顔を覆う。
「あぁ、リコ? 何か楽しいこと考えよう? 風が作ったケーキのこととかさ」
〈フルーツがいっぱい乗ってて、あ、やっぱりチョコのやつ…タルトかな…あああー考えがまとまらない〉
「困ったな…そうだ!」
ジーの耳が元気よくピンッと立った。
「お茶飲んでて!」
転がるように部屋から出ていく。
ジーは転がるように階段を降り、渡り廊下を渡り、バルクの部屋にやってきた。ドアをノックするが、返答はない。
「いない! こんな時に!」
ジーは地団駄を踏んだ。
「どうしたの、ジー?」
「ルー! バルクは?」
ルーは、ジーの勢いに圧倒されながら答えた。
「なんか、ポートを作りに行く?とかで、ついさっき出かけたけど?」
「こんな時に!」
再びジーは地団駄を踏んだ。
「どうしたの?」
「リコが『封印』の練習してるんだけど、全くできないって言ってしょんぼりしちゃっててさ。どのケーキが食べたいかもわからないんだよ!」
「大変だ」
ルーは身震いした。
「そんなの、熱出す前の日じゃないか!」
「だろ?」
「探しに行こう」
2体のファミリアは、階段に続く渡り廊下に転がり出た。
「あっ、見て、ジー!」
ルーが1階のホールを指す。バルクとジュイユが何事か話していた。
「まだいたんだ、良かった!」
大急ぎで階段を駆け下りる。
バルクとジュイユは何事か話し合っていたが、ジュイユは去っていった、
「バルク!」
バルクは転がるように駆けてくる2体のファミリアを見た。
「やあ、どうしたの?」
「バルク、リコを助けてあげて。『封印』が全くできないって、しょんぼりしちゃってるんだ」
「僕に何かできることがあるのかな」
「あるよ!」
「うんうん!」
2体のファミリアはその場でぴょんぴょん飛び跳ねた。
「わかった。じゃあ、行こう」
バルクは屈んでファミリアの背中に腕を回すと、地面を蹴った。人間の跳躍力を遥かに超えて、一番近い渡り廊下の手すりに達すると、手すりを蹴ってもう一度跳ぶ。
「わあっ!?」
ルーが驚いて必死にバルクにしがみつく。
「すごい!」
ジーはきょろきょろ首を動かした。
あっという間に塔の最上階に着く。
「風みたい!」
ジーは興奮してぴょんぴょん跳ねたが、ルーは腰を抜かしてその場に座り込んだ。
「びっくりした~」
「ごめんよ」
バルクはルーを助け起こした。
「もうっ」
ルーがぷんぷん怒りながら助けられている横で、ジーはリコの部屋をノックした。
「リコ! お客さんを連れてきたよ!」
気を取り直して、もう一度始めからやり直そうと立ち上がったタイミングで、ジーの声がした。
ドアを開けると、ほかにバルクとルーがいる。バルクは膝をついて、両腕で、転んだルーを助け起こしているようだ。そのままの姿勢でこちらを振り返る。
「やあ」
顔が熱くなるのを感じる。リコは曖昧にうなずいた。
「仕事が残ってるんだから、僕行くからね!」
もうっ、とルーはもう一度言って背を向けると行ってしまった。
「ルー、ほんとにごめん」
バルクはその背中に謝ったが、ルーは振り返ってくれなかった。
〈どうしたの?〉
「すごいんだよ! バルク、僕ら2人を抱えてぴょーん、て! それで、あっという間に着いちゃった! ルーはちょっと怖かったみたいだけど」
「悪いことしちゃったな。後でもう一度謝るよ」
「大丈夫、ルーは本当には怒ってないよ」
「そうだといいんだけど」
「友だちの僕が言うんだから、間違いないよ!」ジーはリコの方に向き直った。「リコ、バルクに『封印』を見てもらったら?」
「それならジュイユ師の方が…」
「ジュイユは、リコに教えられることなんかないって、相手にしてくれないんだよ」
「僕にしてもそれはそうなんだけど、まあ、何か役に立てることがあるかもしれない」
〈きっと笑われると思う…〉
リコは自信をなくしてすっかりしょげていた。
「大丈夫だよ。最初から上手くいく方がおかしい」
〈そうなの?〉
「そうだよ。僕も焦ってると、今だに失敗することはあるよ」
リコはそれを聞いて、少し気が楽になったようだった。
〈入って〉
「『封印』っていうのは、具体的にはどんなものなんだろう。君はどうやって知ったの?」
〈先代の日記で参考にしたものがあるから、持ってくる〉
リコは隣の部屋に入っていった。そこは壁の三方が本棚になっていて、ぎっしり天井まで本が詰まっている。その中から迷わず1冊を手に取る。
しおりが挟んであるページを開いて差し出す。
「借りるね」
バルクは立ったまま読み始めた。
リコは、真剣に日記に目を通しているバルクの横顔をそっと見つめた。
少しうねりのある、焦茶色の長い髪。光の具合によって、水色に見える灰色の瞳。真っ直ぐに通った鼻梁。薄い唇。
(手、大きい。指が長くてきれい…)
リコは慌ててかぶりを振る。
(この切羽詰まった時になんでこんなこと考えちゃうんだろう。ちょっとオカシイのかなわたし)
落ち着け、とリコは自分に言い聞かせる。
(でも、あの手に触りたいな。ちょっとだけでいいから…それで、もう一回…ああもう、だから! なんで! 落ち着け!!)
リコは頭を抱えて、落ち着きのない犬のようにその場でくるくる回った。
「どうしたの!?」
バルクが驚いて尋ねる。リコは慌てて首を振って誤魔化した。
「大体わかったよ」
バルクはテーブルに日記を開いたまま置く。
「『封印』っていうのは、魔術の類型で言うところの『結晶化』だね。こういうの、見たことはあるかな…」
バルクは空中に円を描いた。
そこに、水色の、鏡のような円盤が現れる。
「魔術師が使う『盾』だよ」
〈ジュイユが使ったのを、一回だけ見たことある〉
「要素を凝縮して発生させて、主に属性攻撃を吸収反射相殺するために使う。厚く張って壁にすれば、ある程度の物理攻撃も防ぐことができる」
バルクが手を振ると、円盤は霧散した。
「これを、四要素同時に行うのが、『封印』ってわけ。…嘘みたいな話だ。一度、どういう感じか見せてもらっていいかな」
リコはうなずいた。空中に手を広げる。4つの光の玉が出現した。
(合わされ…!)
光の玉は空中で互いに衝突し、一瞬眩しい光を放つと先ほど同様、光の粒になって消えてしまった。
(やっぱりダメだ…)
リコは救いを求めるようにバルクを見る。
バルクは、先ほど光が浮かんでいたあたりを見つめていた。右手を顎に添えている。人差し指の先が、唇に触れていた。リコの目はバルクの口許に自然と吸い寄せられる。
(だから!)
リコは意識してバルクの顔から目を逸らした。
「僕が見るところでは、必要なことはちゃんとできていると思うんだよね。これはこれで完成だと思う。あえて言うなら、4つの要素を合わせる時、今はぶつかり合ってるのを、もっと自然に、混ざりあうような感じにできないかな。渦を巻きながら、ひとつに融合していくように」
リコはかぶりを振って雑念を追い払った。
〈やってみる〉
「あ、あと、コツを掴むまでは、言葉と、身振りも使った方がいい。魔術は術者の想像力によるからね。言葉や身振りは、想像力の手助けをするんだ」
リコはうなずいた。再び空中に光が現れる。リコが右手を時計回りに動かすと、4つの光もそれに応じて回転し始めた。だんだん光度を増していき、色の区別がなくなってくる。
四つの力よ
回れ
混ざりあえ
合わされ
光の玉が渦の中心で重なると、空中に七色の光を放つクリスタルが出現する。が、それも数秒で内側に向かって崩壊してしまった。リコは心底がっかりして、バルクを見上げた。
バルクの表情はリコの予想とは違っていた。
「できた!」
バルクは少年のようにはしゃいでいた。
〈でも、すぐに壊れてしまった…〉
「それは君のせいじゃない。言わなかったけど、結晶化を持続させるポイントは『核』なんだ。核となるものがなければ、結晶化はすぐ解けてしまうんだよ」
何か…と言いながらバルクはポケットを探った。訓練に使っている、屑ジェムが入っている。
「これを」テーブルに、ただの石ころにしか見えない4つのジェムを置く。「『封印』してみて」
リコは怪訝な顔でジェムを見た。
「ただの石にしか見えないけど、それはごく弱い力のジェムなんだ。『封印』できると思う」
リコはうなずいて、ジェムに向き合う。
ジェムを囲んで4つの光が現れ、水平方向に回転し始める。光は一つに溶け合いながら、だんだん回転の径を縮めていく。
〈『封印』!〉
クリスタルが4つのジェムを包み込む。光が引いたあと、惰性で数回転してから、止まった。
「すごい、成功した」
バルクはクリスタルを摘んで持ち上げる。目の高さに掲げて、光にかざした。純粋な球体かと思ったが、よく見ると、沢山の三角形の面で構成されている。
「なんてきれいなんだ」
クリスタルは4つのジェムを閉じ込め、七色の光を放っていた。よく見ると、クリスタルの内部でジェムがゆっくりと回転している。これまでに見たどんな宝石よりもジェムよりも美しかった。どうせならもっといいもので試してもらえばよかったな、とバルクは思う。
「これ、もらっていいかな」
もともとそれはバルクのものだったし、どうしてそんなものを欲しがるのかよくわからなかったが、リコはうなずいた。
「ずっと見ていられる」
バルクは目を輝かせながら、クリスタルを光に透かしたり、手のひらに載せて観察したりしている。
(できた。良かった…)
ほっとすると、脚の力が抜けて、リコはその場にへたりこんだ。
「大丈夫!?」
バルクは驚いてリコに駆け寄る。
〈大丈夫。ほっとしたら、力が…〉
笑ったその目から涙がこぼれる。
〈ずっと練習してたけど全然できなくて、本当にどうしようかと思ってて。センスなさすぎてジュイユにも「その時になればできる」とか言って匙投げられちゃうし、どうしようって…。でも、本当に良かった。ありがとう〉
バルクは床に膝をつくと、指先でリコの涙を拭った。
「成し遂げたのは君自身の力だよ。多分だけど、ジュイユ師の言うとおり、その時になればきっとできたと思う。でも、それとは別に、自信を取り戻せたことは本当に良かった。術の成功は術者の心理状態にも左右されるから」
リコの頭を自分の肩に引き寄せる。
リコは目を閉じる。心臓が、細い紐で締め付けられたようにきゅっとなる。全く嫌な感覚じゃない。心地よいくるしさ。リコはバルクの肩に頭を預けると、そっと背中に腕を回す。
バルクはリコの頭を優しく撫でた。
「昔…まだキャラバンにいたころ、師匠が言ってた。世界には、歌うみたいに、踊るみたいに、自然に魔術を使う者がいる、って。その言葉が本当だって、今わかった」
君のことだ、とバルクは言う。
〈わたしにはよくわからない…〉
「ジュイユ師が君に教えられることはないって言った意味、よくわかるよ。君に魔術の訓練をしたら、君の持っているものを歪めてしまいかねないと思ったんだ」
リコはバルクの肩から顔を上げた。
「もっと自信を持っていいんだよ。君は素晴らしい」
バルクはリコの髪を撫でた。
〈ありがとう〉
リコは髪を撫でるバルクの手に、自分の手を重ねた。
「そうだ、今からあの泉に行くんだけど、一緒に来る?」
リコはぱっと顔を輝かせて何度もうなずいた。
塔は石積みで作られていて、時間をかけて無秩序に建て増しされ、中は迷路のようになっている。なるべく古い石を探して、塔の内外を調査していた。ここは、誰がどういう目的で作ったのだろう。かなりの資金と労力をかけて造られたことは間違いない。
(これかな。いや、やっぱりあっちの方が…)
どれも甲乙つけ難く、やはり「専門家」の助言を仰いだ方が良さそうだ、とバルクは思う。
「土、いるかい?」
バルクは塔に呼びかける。
「…ここに」
背後に金色の鎧が現れた。
「『離脱』のポートを作りたいんだけど、いいかな。あと、おすすめの石があれば教えてほしいんだ」
「…それも悪くないが、こっちの方が」
土は塔に入った。
1階は広間になっている。その中心にある石畳を土は指した。
「ありがとう、助かるよ」
バルクは地面に膝をついた。右手人差し指が緑色に光る。その指で、石にサインすると、バルクの名前はしばらく石の上で緑色に光っていたが、やがて吸い込まれるように消えていった。
「これで良し」
「…その石は、自分に名前を刻んだ者をずっと覚えている」
その言葉に込められたもう一つの意味に気づいて、バルクは土を振り仰いだ。砂を払って立ち上がる。
「大丈夫。僕はここにいるつもりだよ。リコが、僕を必要としなくなるまで」
土はわずかにうなずいた。
「…リコは遠ざけられ、隠された娘だ。町で見る同じ年頃の娘たちのように、弾けるように笑ったり、意味もなく歌ったり踊ったりしない。人間の友だちもいなければ、恋も知らなかった。そのリコが。守護者の禁を破ってでも、あなたを手に入れたいと願った」
「…」
「…この塔にいる者たちはみな喜び、祝福している。しかし、それと同じくらい恐れている。リコが、これまで知らなかった深い悲しみの底に落ちるのを」
土は上を見上げた。天窓から差した日差しが、複雑に交差する階段や渡り廊下に遮られている。
「…あんなに嬉しそうなリコを見てしまった後では」
土は顔を戻すと、石畳にズブズブと沈んでいった。
「…話しすぎた」
バルクは、しばらく土の消えたあたりを見つめていた。
「お前さんは、苦労を背負い込む星のもとに生まれてるらしいな」
ジュイユだった。
「苦労だなんて」
「私は、この騒ぎが落ち着いたら、お前さんが何も知らず、ここを去るのが一番いいんじゃないかと思っていた。これでも、かつては人間だった身だ。失うことの辛さも知っている。たがまあ、こうなったことは喜ぶべきなんだろう」
バルクは何を言えばいいかわからず、黙っていた。
「さて、聖域だが」
ジュイユはさっと手を振った。
空中に大きな地図が現れる。
「これは、あの聖域の地図ですか」
「そうだ」
「誰がこんなものを…」
「ここの住人は、いつだって暇を持て余してるのさ」
ハハ、とジュイユは乾いた声で笑った。
「聖域は、かつて、精霊使いの山がまだ活動していた頃、噴火の際に溶岩が作った洞窟だ。脇道はいくつかあるが、基本的には一本道だ。迷う心配はない。知っているとおりだ。お前さんたちが神獣に出会った場所は、ここだ」
ジュイユが指差すと、洞窟の中ほどが光る。
「神獣は活動を活発化させているが、まだ完全に目覚めたわけじゃない。おそらく、火の力を取り込むために、洞窟のさらに奥に潜っていると考えられる。第1の問題は、それにより突破しなければならない距離が延びていることだ。聖域は非常に魔物が出現しやすい場所だ。まあ、だからこそ聖域という名目で近寄ることを禁じてたわけだがな。4体の精霊は、そこにいる魔物どもにどうこうされるようなものではないが、いかんせん、実戦経験がない。生身のリコを守りながらの通過は楽ではない」
「神獣が目を覚ましたことで、出現する魔物に変化はあると思いますか」
「…正直なところ、わからん。しかし、根拠はないのだが、より強力な魔物が出現するようになっているのでは、と思っている。それが第2の問題だ。そして最後に、神獣を眠りから覚ました者と鉢合わせする可能性だ」
「それは何ですか」
バルクは直截に聞いた。
ジュイユはしばらく口を閉ざしていた。
「闇の来訪者」
「まさか」
「これは、あくまで私の予感だ。当たるかもしれないし、外れるかもしれない。わからない。しかしもし、私の予感が正しいなら、お前さんはリコの本当の力を見ることになる。あの子を守ってやってくれ。あの子自身から。頼む…」
「どういう意味ですか。彼女自身から彼女を守るとは」
「闇の精霊だよ」
「それは、あの4体の精霊と同じようなものと考えればいいのですか」
「いや、彼らとは違って、リコの魂に深く結び付けられた存在だ。だが、完全に隷属させているわけではなく、精霊自身の意思を持っている」
「リコの意思に反した行動を取りうるということ」
バルクは動揺を隠せなかった。闇の精霊と敵対するなら、万に一つも勝ち目はない。
「戦って勝つということだけが、リコを守るということじゃない」
ジュイユはバルクの動揺を見て言った。
「闇の精霊をただ殺せばいいというなら、却って簡単なんだ」
「…!」
バルクはある可能性に思い至る。
「リコを、守ってやってくれ」
ジュイユは繰り返した。
リコは自室にいた。椅子に座り、空中に向かって両手を広げている。空中には、4つの光の玉が浮かんでいた。
(4つの力を重ね合わせて…)
赤青黄緑の四つの光の玉が集まり、1つの白い光になる。
しかし、それも一瞬のことで、光はすぐにそれぞれに分離して、小さな粒になり、散ってしまう。
リコは絶望的な気持ちでテーブルに突っ伏した。
「リコ、ちょっと休憩すれば?」
ファミリアがハーブティーの入ったカップをテーブルに置く。
〈ありがとう、ジー〉
「誰でも最初は上手くいかないもんだよ。これは自慢だけど、僕はカップを50個は割ってるからね。でも今では、このとおりさ」
ファミリアのジーは、鼻をひくひくさせた。
〈ジーはえらい〉
リコはファミリアの頭を撫でた。
〈あああー、それに引き換えわたしは。守護者が「封印」を決められなきゃ、意味ないのに…〉
リコは両手で顔を覆う。
「あぁ、リコ? 何か楽しいこと考えよう? 風が作ったケーキのこととかさ」
〈フルーツがいっぱい乗ってて、あ、やっぱりチョコのやつ…タルトかな…あああー考えがまとまらない〉
「困ったな…そうだ!」
ジーの耳が元気よくピンッと立った。
「お茶飲んでて!」
転がるように部屋から出ていく。
ジーは転がるように階段を降り、渡り廊下を渡り、バルクの部屋にやってきた。ドアをノックするが、返答はない。
「いない! こんな時に!」
ジーは地団駄を踏んだ。
「どうしたの、ジー?」
「ルー! バルクは?」
ルーは、ジーの勢いに圧倒されながら答えた。
「なんか、ポートを作りに行く?とかで、ついさっき出かけたけど?」
「こんな時に!」
再びジーは地団駄を踏んだ。
「どうしたの?」
「リコが『封印』の練習してるんだけど、全くできないって言ってしょんぼりしちゃっててさ。どのケーキが食べたいかもわからないんだよ!」
「大変だ」
ルーは身震いした。
「そんなの、熱出す前の日じゃないか!」
「だろ?」
「探しに行こう」
2体のファミリアは、階段に続く渡り廊下に転がり出た。
「あっ、見て、ジー!」
ルーが1階のホールを指す。バルクとジュイユが何事か話していた。
「まだいたんだ、良かった!」
大急ぎで階段を駆け下りる。
バルクとジュイユは何事か話し合っていたが、ジュイユは去っていった、
「バルク!」
バルクは転がるように駆けてくる2体のファミリアを見た。
「やあ、どうしたの?」
「バルク、リコを助けてあげて。『封印』が全くできないって、しょんぼりしちゃってるんだ」
「僕に何かできることがあるのかな」
「あるよ!」
「うんうん!」
2体のファミリアはその場でぴょんぴょん飛び跳ねた。
「わかった。じゃあ、行こう」
バルクは屈んでファミリアの背中に腕を回すと、地面を蹴った。人間の跳躍力を遥かに超えて、一番近い渡り廊下の手すりに達すると、手すりを蹴ってもう一度跳ぶ。
「わあっ!?」
ルーが驚いて必死にバルクにしがみつく。
「すごい!」
ジーはきょろきょろ首を動かした。
あっという間に塔の最上階に着く。
「風みたい!」
ジーは興奮してぴょんぴょん跳ねたが、ルーは腰を抜かしてその場に座り込んだ。
「びっくりした~」
「ごめんよ」
バルクはルーを助け起こした。
「もうっ」
ルーがぷんぷん怒りながら助けられている横で、ジーはリコの部屋をノックした。
「リコ! お客さんを連れてきたよ!」
気を取り直して、もう一度始めからやり直そうと立ち上がったタイミングで、ジーの声がした。
ドアを開けると、ほかにバルクとルーがいる。バルクは膝をついて、両腕で、転んだルーを助け起こしているようだ。そのままの姿勢でこちらを振り返る。
「やあ」
顔が熱くなるのを感じる。リコは曖昧にうなずいた。
「仕事が残ってるんだから、僕行くからね!」
もうっ、とルーはもう一度言って背を向けると行ってしまった。
「ルー、ほんとにごめん」
バルクはその背中に謝ったが、ルーは振り返ってくれなかった。
〈どうしたの?〉
「すごいんだよ! バルク、僕ら2人を抱えてぴょーん、て! それで、あっという間に着いちゃった! ルーはちょっと怖かったみたいだけど」
「悪いことしちゃったな。後でもう一度謝るよ」
「大丈夫、ルーは本当には怒ってないよ」
「そうだといいんだけど」
「友だちの僕が言うんだから、間違いないよ!」ジーはリコの方に向き直った。「リコ、バルクに『封印』を見てもらったら?」
「それならジュイユ師の方が…」
「ジュイユは、リコに教えられることなんかないって、相手にしてくれないんだよ」
「僕にしてもそれはそうなんだけど、まあ、何か役に立てることがあるかもしれない」
〈きっと笑われると思う…〉
リコは自信をなくしてすっかりしょげていた。
「大丈夫だよ。最初から上手くいく方がおかしい」
〈そうなの?〉
「そうだよ。僕も焦ってると、今だに失敗することはあるよ」
リコはそれを聞いて、少し気が楽になったようだった。
〈入って〉
「『封印』っていうのは、具体的にはどんなものなんだろう。君はどうやって知ったの?」
〈先代の日記で参考にしたものがあるから、持ってくる〉
リコは隣の部屋に入っていった。そこは壁の三方が本棚になっていて、ぎっしり天井まで本が詰まっている。その中から迷わず1冊を手に取る。
しおりが挟んであるページを開いて差し出す。
「借りるね」
バルクは立ったまま読み始めた。
リコは、真剣に日記に目を通しているバルクの横顔をそっと見つめた。
少しうねりのある、焦茶色の長い髪。光の具合によって、水色に見える灰色の瞳。真っ直ぐに通った鼻梁。薄い唇。
(手、大きい。指が長くてきれい…)
リコは慌ててかぶりを振る。
(この切羽詰まった時になんでこんなこと考えちゃうんだろう。ちょっとオカシイのかなわたし)
落ち着け、とリコは自分に言い聞かせる。
(でも、あの手に触りたいな。ちょっとだけでいいから…それで、もう一回…ああもう、だから! なんで! 落ち着け!!)
リコは頭を抱えて、落ち着きのない犬のようにその場でくるくる回った。
「どうしたの!?」
バルクが驚いて尋ねる。リコは慌てて首を振って誤魔化した。
「大体わかったよ」
バルクはテーブルに日記を開いたまま置く。
「『封印』っていうのは、魔術の類型で言うところの『結晶化』だね。こういうの、見たことはあるかな…」
バルクは空中に円を描いた。
そこに、水色の、鏡のような円盤が現れる。
「魔術師が使う『盾』だよ」
〈ジュイユが使ったのを、一回だけ見たことある〉
「要素を凝縮して発生させて、主に属性攻撃を吸収反射相殺するために使う。厚く張って壁にすれば、ある程度の物理攻撃も防ぐことができる」
バルクが手を振ると、円盤は霧散した。
「これを、四要素同時に行うのが、『封印』ってわけ。…嘘みたいな話だ。一度、どういう感じか見せてもらっていいかな」
リコはうなずいた。空中に手を広げる。4つの光の玉が出現した。
(合わされ…!)
光の玉は空中で互いに衝突し、一瞬眩しい光を放つと先ほど同様、光の粒になって消えてしまった。
(やっぱりダメだ…)
リコは救いを求めるようにバルクを見る。
バルクは、先ほど光が浮かんでいたあたりを見つめていた。右手を顎に添えている。人差し指の先が、唇に触れていた。リコの目はバルクの口許に自然と吸い寄せられる。
(だから!)
リコは意識してバルクの顔から目を逸らした。
「僕が見るところでは、必要なことはちゃんとできていると思うんだよね。これはこれで完成だと思う。あえて言うなら、4つの要素を合わせる時、今はぶつかり合ってるのを、もっと自然に、混ざりあうような感じにできないかな。渦を巻きながら、ひとつに融合していくように」
リコはかぶりを振って雑念を追い払った。
〈やってみる〉
「あ、あと、コツを掴むまでは、言葉と、身振りも使った方がいい。魔術は術者の想像力によるからね。言葉や身振りは、想像力の手助けをするんだ」
リコはうなずいた。再び空中に光が現れる。リコが右手を時計回りに動かすと、4つの光もそれに応じて回転し始めた。だんだん光度を増していき、色の区別がなくなってくる。
四つの力よ
回れ
混ざりあえ
合わされ
光の玉が渦の中心で重なると、空中に七色の光を放つクリスタルが出現する。が、それも数秒で内側に向かって崩壊してしまった。リコは心底がっかりして、バルクを見上げた。
バルクの表情はリコの予想とは違っていた。
「できた!」
バルクは少年のようにはしゃいでいた。
〈でも、すぐに壊れてしまった…〉
「それは君のせいじゃない。言わなかったけど、結晶化を持続させるポイントは『核』なんだ。核となるものがなければ、結晶化はすぐ解けてしまうんだよ」
何か…と言いながらバルクはポケットを探った。訓練に使っている、屑ジェムが入っている。
「これを」テーブルに、ただの石ころにしか見えない4つのジェムを置く。「『封印』してみて」
リコは怪訝な顔でジェムを見た。
「ただの石にしか見えないけど、それはごく弱い力のジェムなんだ。『封印』できると思う」
リコはうなずいて、ジェムに向き合う。
ジェムを囲んで4つの光が現れ、水平方向に回転し始める。光は一つに溶け合いながら、だんだん回転の径を縮めていく。
〈『封印』!〉
クリスタルが4つのジェムを包み込む。光が引いたあと、惰性で数回転してから、止まった。
「すごい、成功した」
バルクはクリスタルを摘んで持ち上げる。目の高さに掲げて、光にかざした。純粋な球体かと思ったが、よく見ると、沢山の三角形の面で構成されている。
「なんてきれいなんだ」
クリスタルは4つのジェムを閉じ込め、七色の光を放っていた。よく見ると、クリスタルの内部でジェムがゆっくりと回転している。これまでに見たどんな宝石よりもジェムよりも美しかった。どうせならもっといいもので試してもらえばよかったな、とバルクは思う。
「これ、もらっていいかな」
もともとそれはバルクのものだったし、どうしてそんなものを欲しがるのかよくわからなかったが、リコはうなずいた。
「ずっと見ていられる」
バルクは目を輝かせながら、クリスタルを光に透かしたり、手のひらに載せて観察したりしている。
(できた。良かった…)
ほっとすると、脚の力が抜けて、リコはその場にへたりこんだ。
「大丈夫!?」
バルクは驚いてリコに駆け寄る。
〈大丈夫。ほっとしたら、力が…〉
笑ったその目から涙がこぼれる。
〈ずっと練習してたけど全然できなくて、本当にどうしようかと思ってて。センスなさすぎてジュイユにも「その時になればできる」とか言って匙投げられちゃうし、どうしようって…。でも、本当に良かった。ありがとう〉
バルクは床に膝をつくと、指先でリコの涙を拭った。
「成し遂げたのは君自身の力だよ。多分だけど、ジュイユ師の言うとおり、その時になればきっとできたと思う。でも、それとは別に、自信を取り戻せたことは本当に良かった。術の成功は術者の心理状態にも左右されるから」
リコの頭を自分の肩に引き寄せる。
リコは目を閉じる。心臓が、細い紐で締め付けられたようにきゅっとなる。全く嫌な感覚じゃない。心地よいくるしさ。リコはバルクの肩に頭を預けると、そっと背中に腕を回す。
バルクはリコの頭を優しく撫でた。
「昔…まだキャラバンにいたころ、師匠が言ってた。世界には、歌うみたいに、踊るみたいに、自然に魔術を使う者がいる、って。その言葉が本当だって、今わかった」
君のことだ、とバルクは言う。
〈わたしにはよくわからない…〉
「ジュイユ師が君に教えられることはないって言った意味、よくわかるよ。君に魔術の訓練をしたら、君の持っているものを歪めてしまいかねないと思ったんだ」
リコはバルクの肩から顔を上げた。
「もっと自信を持っていいんだよ。君は素晴らしい」
バルクはリコの髪を撫でた。
〈ありがとう〉
リコは髪を撫でるバルクの手に、自分の手を重ねた。
「そうだ、今からあの泉に行くんだけど、一緒に来る?」
リコはぱっと顔を輝かせて何度もうなずいた。
0
あなたにおすすめの小説
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる